『まんがタイムスペシャル』2011年1月号、昨日の続きです。
『21時のシンデレラガール』、母ちゃん、面白いなあ。以前から、あの厳格な父をコントロールしてるって様子描かれてましたけど、今回はその極めつけといえる展開です。怒っている母ちゃん。あの父が見事に小さくなっている。その上、敬語。これは面白かった。門限だ、早く帰れ! っていうんじゃなくて、援軍求む、怒ってる母ちゃんとふたり、たえられません、といった風がよいんですね。それで結局は父のからだを案じていましたって決着を見せるんだけど、それでも静かに母ちゃんは怒っているようで、こういうところもよかった。一度も見たことがないっていうのは、それと気付いてなかっただけなんじゃないか。そういう風にも思えるオチ、面白かったです。
『セーラー服でもあいしてね』、クリスマスを前にしての焼き鳥屋。鳥一筋の厳さん、きりりと一言いえば佐々実も惚れ直すときたもので、いや、この人は厳さんならなんでもいいのかも知れません。しかし、この子、すっかり焼き鳥屋の一員みたいになっていて、普通に試作品試食してるっていうのね、なんのかんのいっても浸透作戦成功してるといえますね。そしてクッキー、受け入れられて喜んで、評価されて喜んで、それも泣くほどなのか。ああ、羨ましいな厳さん、というと問題ありそうなんだけど、いやほんと、こんな娘さんに慕われるとは果報者ですよ。しかし、この漫画がうまく成立してるのは、その状況に厳さんがでれでれしないという前提があるからで、一途な女子高生、心揺らさないおじさん。だから、羨んでるような人には出番がない! ってことなんでしょう。しかし、佐々実の健気さが実によいです。
『花の湯へようこそ』、最終回です。定休日でもないのに花の湯が閉まってる。なんだって! そういう最終回なのか! というのはさすがになくって、けどよっちゃんと園生くん、お互いの気持ちがはっきりしたし、受験生と片思いの彼女のゆくえもはっきりしたし、ええ、これまでの繰り返しのネタの数々、次々と決着していくんですね。こうした常連さんのいたことが、この漫画の面白さを支えていた、そう思っています。いついっても会える人たち、そうした安心感があったといえばいいでしょうか、繰り返しのネタに面白さと安心を感じていたんですね。そして最後、ああ、やっぱり婿入りしたのか。二代目よっちゃんも可愛くっていいねと思える。この子が成長すれば、また番台に座って、また誰かと出会って、その頃にはその頃の常連さんがいて。花の湯は変わらずにあり続けるんだろうなって思える最終回でありました。
『キミ待ち!』、こちらも最終回。ずっと陽菜のことを支援してくれていたタイガーさん。この人を探しにやってきて、蕎麦屋にお世話になって、だんだん受け入れられていってといった物語。きっとまだ描ききれてはいないだろう、そう思わせる最終回、最後にはタイガーさんはすぐそばにいるんだってこと、ちょっと描いてみて、ああ、これが当初予定どおりに展開したらどういった話になったのでしょうね。私は、この人の漫画が好きだから、多少スローながらも、語られようとしていたもの、読みたかった、そう思ってしまいます。
- 『まんがタイムスペシャル』第20巻第1号(2011年1月号)
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