ゲーム好きならきっと共感せずにはいられない『日がな半日ゲーム部暮らし』、熱烈希望していた第2巻が発売されました! わーい、嬉しいな。と、こんなにも喜ぶのは、やっぱりそれだけ好きだからに他なりません。私自身もゲームが好きで、そして漫画に出てくる女の子たちも可愛いし、 — けどそれだけが理由じゃありません。一番の理由は、この漫画に出てくるゲーム好きの彼女らの考えるところ思うところ、そのひとつひとつが、うんうんそうだよそうだよ、とうなずけるくらいに近しく感じられるから。ほんと、他人事じゃないどころの話じゃないんです。ほんと、この子らは私か!? と思ってしまうくらいに思うところが似ていて、というのはやっぱりゲーム好きだから? あるいは作者と私に通ずるところがあるのかも知れないなんて思っています。
似ているところ、通ずるところ、いったいそれはどんなところなんだろうと考えてみたんです。そうしたら、多分、多分ですよ、この漫画の登場人物の持つ憂鬱質、これが私の傾向にすごく同じなんだと思えてですね、普段は変に楽観的で、意志薄弱に目先の楽しさにとらわれて、面白そうにやっているというのに、ちょっと立ち止まって考えてみたりしたらですよ、気鬱な部分がだーって出てくるんですよ。だってね、たかがゲームで自分の死ぬときのこととか、死んだ後のこととか、考えますか? 死ぬまでにどれだけ遊べるかなあとか、好きなゲームが死んだ後に出るのは悔しいなあ、なんで人は死を避けられないんだろうとか。いや、もしかしたら普通の人も考えるのかも知れない。少なくとも、このBlogを読んでくれているような方なら考えそうな気がする。
……私は考えちゃうんですよ。ゲームに限らないけど、漫画とかでも一緒なんだけど、死んだら続きが読めないなとか、死んだ後にも面白い漫画は出るんだろうなとか。ゲームは今はがっつり取り組むだけの時間がとれないから、もうあきらめちゃってるっぽい。買うだけ買って遊べてないゲーム、クリアしてないのなら山ほど、プレイしてないのも結構、封を切ってないのさえたくさんあって、そういうの見ると、すごく絶望的な気分になっちゃう。たぶん、この私の憂鬱な気持ちは、ゲーム部新部長であるみひろも感じたりしてるんだろうなと思う。彼女の言動の端々には、私のものと同様のメランコリーがあって、だからか、すごく引かれてしまうんです。
でも、みひろに比べると私の方がよりひどいとは思う。てのは、みひろのいうのは、死んだ後は出ないで欲しい…
くらいなもんだけど、私となると私の死ぬのにあわせて世界も一緒に滅びたらいいのに…ってなもので、ここまでくるとわがままなんてもんじゃない。もう、めちゃくちゃ。けど、こんな思い詰めたようなこというのは、やっぱりそれだけこの世界を愛しちゃってるからなんだと思うんです。ゲームにせよ漫画にせよを仲立ちに、私もみひろも、そしてもしかしたらこの漫画の作者である祥人も、この世界をいとおしくいとおしく、ただひたすらいとおしく感じているんだろうなと思うのです。
えらい大げさな話になったな。なので、ここから小ネタ。
新入生あっきー、なんか妙に余裕のない娘ではらはらするんだけど、その余裕のなさ含めて、えらい可愛いと思ってしまって、なんていうんだろう、やっぱ他人事じゃないですよ。すごい、自分っぽい。人にどう思われるだろうって考えすぎてあたふたして、けどサービスにせよなんにせよ、とことんまでやっちまわないと気が済まなくて、けどそうした態度は人を引かせるのに充分だということも承知しているから、その狭間で右往左往していて、うわ、ほんとに私みたい! いや、ほんと、なにごとにおいても限度があるってことはよくよくわかってるんですが、とまんないんですってば。こと好きなこととなると、ね、ありますよねそういうこと? ほら、好きな漫画のこと話しはじめて、脇道それつつめちゃくちゃ長文書いちゃうみたいな? わかってるんです。わかってるんですけど書かずにはおられない……。ああ、私はあっきーに自分自身の影を見てしまいます。
みひろにせよあっきーにせよ、好きなものを前にすると、どうにも自制が効かなくなるタイプの娘たちが、基本的にはのんびりとマイペースに、けどときおりにテンパって見せたりして、けどそんな彼女たちのそばには、よくそのキャラクターをわかってくれている友達がいるから安心できて、みひろにはかーはら、あっきーにはユウがいて、なんかこういう関係があるのはうらやましい。友情が、あんまり暑苦しくなく、落ち着いてそこにそっとしている感じ。多分、この先もこの子らはなにかと仲良くやってくのかなって感じがあって、そしてその感じに自分も立ち会えているような気になるから、なおさら好きになるのかも知れません。
以上、書きたいことはまだまだあるけど、いくらなんでも常軌を逸しはじめているので、ここらでとめます。ただあと一点だけ。
あっきーの褒め方の話、あれは私の書く文章を読み解くうえで、重要な示唆を含んでいます。まったく同じじゃないけど、私の文章にもやっぱそういう感じのパターンがあって、 — いったいどういうことか知りたい方は『日がな半日ゲーム部暮らし』を読んでみてください。ゲームとか好きじゃないとはまりきれないかも知れないし、ゲーム好きでも気質が違えばあわないかも知れませんけど、意外にゲーム以外の趣味の人にも共通するところはありそうで、そういうところは面白いんじゃないかと思います。
- 祥人『日がな半日ゲーム部暮らし』第1巻 (電撃コミックス) 東京:メディアワークス,2006年。
- 祥人『日がな半日ゲーム部暮らし』第2巻 (電撃コミックス) 東京:メディアワークス,2007年。
- 以下続刊
引用
- 祥人『日がな半日ゲーム部暮らし』第2巻 (東京:メディアワークス,2007年),104頁。
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