知人が最近『トップをねらえ!』を見たらしく、その感想を書いていたのを読んだのですね。感想はといえば本当に簡単なものだったのですが、けど、なんだか好きだということが伝わってくるようで、ああ久しぶりに見たいなあなんて思ったのでした。けど、テレビで放映していたのをしっかり全話録画したはずなんですが、一体ビデオをどこにしまったことやら、見つかったものはといえば『風の名はアムネジア』と『究極超人あ〜る』で、見ちゃいましたよ、見ちゃいましたね。けど、当初見たかったはずの『トップ』は一向に見つからず、おっかしいなあ。箱の中かなあ。こういうときですよね、DVDを買っちゃうときって。
『トップをねらえ!』は私が中学生だったころのアニメなのですが、OVAにて展開された全6話のSFもの。パロディでコメディで、けどだんだん内容はハードになっていって、その盛り上がりかたがものすごく、わあ、このガイナックスってのはすごい連中だと思ったのを思い出します。その後『ナディア』で途中失望し、『エヴァンゲリオン』でラストがっかりして、すっかり今ではガイナックスには近寄らないでおこうって感じなのですが、けどそれでも奴らがいいアニメを作るってことはわかってるのが悔しいんですよね。基本的にハイクオリティで、マニア好みのパロディやなんかもばっちり入っていて、見たら絶対面白いって思うのはわかっているから余計に悔しいのです。もう、見ない! 絶対、見ない! って頑なにいいますが、それはきっと盛り上がった後に『ナディア』や『エヴァンゲリオン』みたいながっかりを見せられたらたまらないと、そんな風に思うからなんだと思います。
で、『トップをねらえ!』。これは非常によくできていて、たった6話とは思われない広がりと深みに驚かされます。最初こそは、ロボットで腕立て伏せってなによ、って感じにつっこみ入れて笑っているようなパロディ色強いコメディなのですが、けれどラストに向かっていく勢いはあらがえない魅力がありました。特に第6話。徐々にシリアスを深めていった第5話までから大きくジャンプしたように大シリアスな展開(けどこれもパロディってのが憎いよね)。いきなり白黒ではじまったことにも驚きましたが、けどもっと驚いたのはその内容です。まさしく総決算。第1話から5話までがテレビシリーズだとしたら、第6話は映画での特別編ってくらいに桁がはずれていて、そしてこれまでに蒔いた伏線が一気にここに集約するから、感動させる力も桁がはずれているのです。もう、泣くね、泣きますね。けど、この感動というのは第6話だけじゃわからないと思うのです。馬鹿馬鹿しかった1話から回を追ってみてわかる感動なのではないかと思います。
『トップをねらえ!』最終話といえば、最後の最後、ふたりが地球にたどり着いたときに目にしたあのシーンが印象的であろうとは思うのですが(そして実際、私もおそろしいほどのカタルシスをここで得たのですが)、けど私がこのアニメで一番好きなところというのは、ラスト、ノリコが親友キミコに叫ぶ台詞ごめん、キミコ、もう会えない
なのです。これまで、泣きそうになりながらも堪えていたものが、この台詞をきっかけに堰を切ったようにあふれ出して、後はもう慟哭ですよ。私ははっきりいって、この台詞のためにこのアニメを見ているといっていいくらいなのです。
『トップをねらえ!』。名作です。また見たいけど、DVDはなんかリマスター版とかいうのが一年限定で出てたらしいですね。わお、知らんかった。いま、これが出ていたことを知って、あえて通常版を買おうとは思えない。え、なんでって? だって、悔しいじゃん!
というわけで、やっぱり私は自分のビデオライブラリを発掘するしかないようです。いや、見つかるかなあ。見つけたいといえば、『天地無用!』も行方不明なんですよね。ほんと、どこいったんだろう。どうにかならんもんですかね。
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