2006年9月5日火曜日

レインマン

 私は『レインマン』の映画が好きで、テレビで放送されているのでも何度も見たし、それにDVDが出たときにも買ってしまって、一体なにが好きなんだろうといえば、自閉症の兄レイモンドその人と、そして彼と出会って徐々に変わっていく弟チャーリーのその変化していく様なのだろうと思います。最初はそれこそ金のことで頭が一杯だったチャーリーなのに、施設からさらうようにして連れ出したレイモンドとの旅を通じて、自分の中にもあった穏やかさと愛情に気付くというストーリーは、見ている私にしてもあくせくとした心が洗われるような優しく感動的なものなのです。特にラストシーン。私の『レインマン』の印象は、あのラストシーンに凝結しているとそのように思います。

この映画を支えているのが、レイモンドを演じているダスティン・ホフマンであるのはおそらく誰もが同意してくださるところなのではないかと思うのですが、自閉症の兄を熱演してその存在感は圧倒的です。この映画は日本でも大ヒットしたのですが、そのためおそらく多くの人にとってはレイモンドが自閉症者の典型であるかのような印象を刷り込まれてしまったようで、これに関してはメリットもデメリットもあったとそんな風に評価されているみたいですね。

でも、いい映画だったと思います。ちょっとネタバレになりますが、古い映画だからいいですよね。バスタブにお湯が張られているシーンでレイモンドがパニックになるくだりのエピソード。チャーリーが、子供の頃に好きだったレインマンを思い出し、そのレインマンというのが兄レイモンドであったと気付くくだりは何度見ても感動的で、ここがこの映画の重要な転換点になっています。ここから後は見ていて本当に爽快。たまに胸にちくりとするところもありますが、でも兄弟の結びつきというのが欲得を離れた情愛であるということが本当によく描かれていて、そしてカジノでの計略も楽しかった。ここがこんなに楽しく面白く書かれているものだから、なおさらラストが涙を絞るのだと思います。

知らんかったんですが、アルティメット・コレクションというのが出ているんですね。なんだよ、もっと早く出せよー、という気もしないでもないんですが、私には「ドキュメンタリー: “レインマンたち”の世界」というのが興味津々です。おそらくは『レインマン』をベースに、自閉症者たちの世界を扱ったものなのでしょう。見てみたい。私には彼らの世界がどのようなものなのか知りたくてたまらないのです。彼らの見る世界がどのようなものなのか、知りたくてたまらないのです。

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