先日突然思い立って購入した『ウィザードリィ エクス』が届きました。注文の翌日発送で、翌々日着。品揃えという点でも購入の便という点でも、オンラインショップは実店舗を大きく上回っていると改めて実感する結果となって、ちょっと悲しくなったのはここだけの話。いやね、やっぱり実店舗がなくなったりしたら困る訳で、だから私はできるだけ実店舗で買い物をしたいと思っているんですが、でも品物がないでは買えないわけで、こういうところはジレンマですね。いや、またちょっと話がそれ気味。到着した『ウィザードリィ エクス』の話に戻りたいと思います。
到着した『ウィザードリィ エクス』。序盤を遊んでみた感想、いわゆるファーストインプレッションをお伝えしたく思います。
電源を投入ししばらく待っていると豪華なオープニングムービーが始まって、私はこの手のものはスキップせずにきっちり見ることにしているのですが、このムービーを見ている限りにおいては、これからWizardryをしようという気持ちにはどうもならないというのが面白いところです。なんというんでしょう。このへんの風合いは全然違うゲームという印象で、だからムービーが終わって画面に馴染みのWizardryロゴタイトルが出たときには、なんかすごく新鮮な感じがしたものです。なんていったらいいんだろ。虎杢メイプルトップがトレードマークみたいになっているレスポールだけど、それが木でなくて樹脂っぽいいでたちでリリースされているニューモデルをみたときみたいな、クラシックとモダンの共存する意外さ。ああ、全然このたとえ通じませんね。
NPCがチュートリアルをしてくれるというのもなかなか新鮮で、こういうのはなんかはじまるという感じがしてわくわくするものです。アーレハイン聖戦学府にある施設が紹介されて、いよいよキャラクターメイキングをするのですが、種族が増加しただけでなく、基本特性値も見直しがはかられているなど、やっぱりこのへんも新鮮です。キャラクター作成時に、男女性別を選び性格を善中立悪から選択するのですが、このときに就けない職業が明示されるのはちょっとありがたいですね。バルキリーを作りたいと思ったら、女性で中立じゃないといかんのですね。だから二人目は女性で中立です。
キャラクター相性があるというのが難しいところだと思うのです。例えばドワーフとエルフは仲が悪く、同一パーティに両者がいるとパラメータにマイナス補正がかかってしまうなど、こういうのは面白いけど、難しいですね。ノームやホビットなんかだと結構誰と組み合わせても大丈夫だけど、ディアボロスなんて非常に厳しい感じ。ディアボロスのみパーティというのも面白くないし、けどパーティの能力がマイナスになるのは避けたいし、性格での相性で相殺するなど考えるべきことはたくさんありそうです。
あと驚いたのは、一部種族は、基本特性値のみで職業要件を満たすということ。ノームといえば僧侶という頭がありましたが、今作ではノームはむしろ魔術師であるようです。
アイテムについて。初期装備で最初のフロアは大丈夫とのこと。制服上下に短剣。後衛職は杖。実際確かに大丈夫でしたが、ちょっと厳しいですね。でも購買で買える武器は結構高価で、しかも学生は最初文無しだからどうもこうもなく初期武器で戦いはじめて、気分はノーボルタックプレイって感じでしょう。ここは、オリジナルWizと大きく異なるところですね。それに、武器防具は買うより実験室で作ったほうがはやいという発想です。
迷宮は非常に見づらく、最初、壁がないのになんで進めないんだろうと思ったら、どうもそういうフロアは水に浸かっているんだそうで、浮遊の呪文で越えることは可能だけど、はまれば死ぬらしい。まだはまったことはないけど、フロアによっては呪文効果を無効化するようなところもあるから、浮遊して深水域に入ったところを呪文無効化されたら全滅ですか。うへえ、こわ。敵と遭遇して、Palios使われたら終わりじゃんか。ええと、エクスではディスクレアか。でもきっと、迷宮の進行上、深水域を浮遊で越えねばならない状況とか出てきて、そしてそこにはディスクレアを唱える敵がいたりしたりするんでしょうね。もし、そんなんでパーティ全員を失ったら、立ち直れないかも知れない。果たしてリセットせずに越えられるでしょうか。
リセットといえば、セーブタイミングを二種類から選ぶことができて、マニアを選択すると迷宮内でのセーブがなされません。これ、Apple II版のオリジナルWizに倣った仕様ですよね。だから、私は一応こちらを選択。これ、ゲームボーイ版外伝でもあった仕様です。迷宮内でセーブされないのはいいとして、そういうときに電池が切れたらすごくやり切れない気分になれたりしましてね、けどPS2なら大丈夫か。大丈夫よね。
WizardryのWizardryらしさを決定するのは、もちろん迷宮であり、そして戦闘です。戦闘。このシステムはWizardryに同じようでけれど少し違いがあって、そのあたりが気になりました。
気になったのは攻撃対象の選択です。エクスでは、武器の射程の概念がありますから、ショートレンジ武器を装備してると最前列の敵しか攻撃できません。でも、これは織り込み済み。オッケーです。じゃあなにが問題かというと、パーティメンバーがグループ内のどの敵を攻撃するかということです。
オリジナルWizでは、厳密に攻撃対象が決まっているのですよ。敵が三体以上の場合、先頭メンバーは敵一体目を、二人目が二体目を、三人目は三体目を受け持ちます。敵が二体の場合は、先頭が敵一体目、二人目は二体目、そして三人目は再び敵一体目といった具合です。だから、先頭メンバーは一番攻撃力の劣るもの、二番手にはもっとも攻撃力の優るものを置くというのがセオリーなのです。このセオリーからすると二番手には侍が位置しやすい(村正があるため。だから#3以降は関係ないよね)のですが、そうすると危険なのは敵が二体の時に侍がスペルを使用するような場合です。二番手が呪文を使うことで敵二体目への攻撃がキャンセルされますが、だからといって三人目が敵二体目を攻撃するといったようなことはないのです。先頭と三番が敵一体目を攻撃し、そして敵二体目は無傷で残ります。だから侍はスペルを使うべきではないのです。
ちなみに単体攻撃スペルはグループ先頭に向かうというのもセオリーです。
エクスではこのシステムが採用されていないようです。それこそドラクエみたいに、グループ内の敵をコンピュータが自動で選んで攻撃しているみたいな嫌いがあります。期待ダメージ値をもって、もっとも効率良く倒せるように調整してくれてるんでしょうか。でも、正直これまでのシステムで作戦を考える癖のついている私には、こういうシステムだとやりにくいなあと思ったのが本音です。ちょっとドラクエっぽい? ドラクエは嫌いじゃありませんが、敵一グループが最大九体の敵で構成されるWizardryでは、攻撃対象を明確に把握できないのはちょっときついように思います。でも、一撃で倒せない敵に遭遇したときに、効率よく袋だたきしてくれるような仕組みも便利かもなあなんて思わないでもないので、一長一短でしょうね。だって、複数対象スペルから生き残った後列の敵を、あれは自分のターゲットじゃないといわんばかりに放って置かれるというのもなんか釈然としない話ではありますから。
以上、こんな感じ。レベルは3まであがりました。ちなみに魔術師が一度死んでます。いやあ、漏電床を踏むとは思わなかったわ。もうちょっと先にいかないとこういうのは出ないと思ってて、よりよって二ヶ所で踏んじまうとはね。正直このときはリセットしようかと迷って、迷いながら学府に戻っちゃったものだから、リセットが意味なくなってしまいました。しかたないから、アイテムは自力鑑定というルールを破って、初期メンバーのビショップに高額アイテムを鑑定してもらい金を工面。ささやき詠唱祈り念じろで復活させたのですが、RIP(死亡回数の記録)に不名誉の1がついてしまいました。
余談
このゲームではキャラクターに階級があるのですが、死んでも二階級特進はないみたいです。事故死だから? それとも、ロストしないと特進はなしですか?
書き忘れ
はじめて遭遇した友好的な敵。それが友好的であるかどうかがわからず、適当に丸ボタンを押したら、盗賊の性格が悪に、魔術師の性格が中立になってしまいました。わお、中立も変化するのね。しかも善⇔中立⇔悪と変化するのですね。でも、このシステムだと、いつか中立はひとりもいなくなってしまうんじゃないですか?
それはそうと、魔術師(エルフ、女性、眼鏡)は善に復帰してくれたのですが、盗賊が中立に戻ってくれません。おかげでマイナス補正がかかってしまって困っています。
- 『ウィザードリィエクス 〜前線の学府〜 公式コンプリートガイド』(The PlayStation2 Books) 東京:ソフトバンクパブリッシング,2005年。
- 『ウィザードリィエクス2 〜無限の学徒〜 ザ・コンプリートガイド』東京:メディアワークス,2006年。
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