2006年9月22日金曜日

ウィザードリィ エクス — 前線の学府

  最初私は、Wizardry XTHを遊びはじめる日は一体いつになるか、これはちょっとさだかではありませんだなんていっていましたが、いざ実際手もとに届いてみたらですよ、こればっかりやってる。もうー、いつもながら私のいうことは信用できないってことです。でですね、こればっかりやってるというのはどういうことかというと、結構面白いのですよ。これまでやってきたWizardryと同じようにかといわれるとちょっと答に困るのですが、正直なところ、オリジナルWizとは違った面白さのあるゲームであると感じています。迷宮に潜るときの、一歩間違ったら全滅感というのは今のところ感じないのですが、でも下手をしたらいくらでも全滅できるなあという予感はひしひしとしている。というわけで、今回は中間報告をやってみようかと思います。

現在の進行状況はといいますと、第一パーティ第二パーティともにマスターレベルになったくらい。けどシナリオであるとかの進行はほとんど進んでいない。そんな感じかと思います。シナリオ(つまりクエスト)が全然消化されていないのにマスターというのはどういうことかというと、つまり今のところシナリオよりも興味のあるものがある、ということなのです。

それはなにかといいますと、キャラクターの強化というか、そうですね、パーティの強化です。第一パーティは戦士戦士盗賊僧侶魔術師魔術師という極めてオーソドックス感の強い編成です。さて、この編成では問題があります。それはなにかというと、僧侶呪文の不足なんですね。私は宝箱の罠識別時にCalfo(XTHではケアルフォ)を併用するよう決めておりまして、このCalfoというのは僧侶系レベル2呪文でありますから、つまり僧侶系呪文が少ないと宝箱の開閉時にちょいと不安があると、そういうわけなのです。だからとにかく僧侶系呪文を充実させるべく、早めにひとりバルキリーに転職させたかったのです。

Wizardry XTHで驚いたことは、転職(転科)のペナルティが極めて少ないということです。オリジナルでは、H.P.こそ現状維持ですが、各特性値は種族の基本値にまで一気に引き下げられ、さらに五歳ほど加齢します。これがきついからできるだけ転職は避けようという考えも出るのですが、XTHではちょっと違う。特性値持ち越し、加齢なしで転科できるんですね。だからペナルティはといえば、レベルが1にまで下がることとH.P.が半分ほどに減らされることくらいしかありません。でも、レベル10そこそこで転科した場合、失ったH.P.はレベルを5ほども上げれば取り戻せるわけで、だから特性値の上昇を狙って転職を繰り返すのもひとつの手じゃないかと、そんな風に感じるシステムなのであります。

こんな、転科しないと損とでもいえそうなXTHです。だから第二パーティでもひとり転科させてみました。第二パーティは戦士戦士盗賊僧侶僧侶司祭という編成で(なんとまあバランスの悪い……)、はっきりいって魔術師系呪文が強烈に不足しているものですから、戦士をひとり侍に転科させたのです。でも、今回はちょっと大変でした。バルキリーに転科したのは人間で、バランスよく特性値があがってくれたからレベル10での転職もかなったのですが、フェルパーは知恵と運が低めですから、侍の要求するポイントまで持っていくのにえらく時間がかかりました。ええと、レベル12ですね。比較的早くエリートクラスを欲しい場合は、高ボーナスポイント(40とかもでるそうで……)を狙うのをなしにすれば、狙いの職業に則したボーナスポイント割り振りをしたうえで戦士に就ける。その後レベルアップ、転科というのが早いんじゃないでしょうか。え? なんで戦士? 盗賊じゃなくて? ええ、なんとXTHでは盗賊よりも戦士の方が早くレベルアップするのですよ。これは驚きました。だから、促成でレベルを上げたい場合には戦士が便利です。もう、驚くような早さでマスターまでたどり着けると思います。

こんな風にレベルアップ→転科ばっかり考えているものですから、全然シナリオが進行しないわけです。あと、アイテムの生産も一生懸命ですよね。宝箱を開ける、アイテムが出る。XTHではがらくたを修繕して元のアイテムに戻すという技(錬金)があるので、壊れたアイテムを実験室に持ち込んでは、やれ糸と組み合わせたりやれくず鉄と組み合わせたり、これが面白いんですよ。とにかく、がらくたの方がたくさん出てくるから、パーティの強化には錬金が欠かせないという感じで、不要なアイテムは片っ端から分解して素材をとりだしてといった、極めて地味な作業を続けています。

さて、Wizardryといえば戦闘ですが、ちょっとこちらはあんまりかなあというのが印象です。雑魚は非常に弱いです。考えなくボタン連打してたらほぼ無傷で勝てる感じ。かと思えば、通常攻撃のやけにあたりにくい敵もいて、こいつらを倒すには呪文必須だけど、運悪くその時は第二パーティでの探索だったので複数攻撃呪文がなかった — 。もう死ぬかと思いました。相手の唱えてくる睡眠の呪文でパーティの半分が機能しなくなって、やばい逃げようと思ったら逃げられない。回復しては逃走を試みるのにどうしても逃げられない。ほんと、参りました。全滅を覚悟しました。運良く死者ゼロで切り抜けられたのはパーティにバハムーンがいたからで、彼のブレスでもって敵方スペルユーザーを全滅させられたからなんとかなった。もし彼が戦闘不能になっていたら、ひとりふたりは確実に死んでいたでしょう。

この逃げられないというシステムは、ちょっと参りますね。私はWizardryの持ち味は、逃走は九割成功するだと思っているのですが、ちょっと深入りしても命からがら逃げ戻れるというそのバランスがあるから、あの死に対してのシビアさを受け入れられるんだと思うのです。それがあんなにも逃げられない。なんじゃこりゃ、Apple版かよ! ドラクエのしかしまわりこまれてしまったを思い出しましたね。あの、ちょっと強めの敵にあってしまったら最後、泣きそうになるほど逃がしてくれないというのを体感的に思い出して、なんだかいやなゲームかもなあと、このときだけは恨み言を思いました。

その後、逃走アイテムを常備するようにしたのは当然のことでしょう。そう、なんで逃走用アイテムがあるか、なんですよ。それは、そうしたアイテムを使わないと逃げられないってことを如実に物語っていて、こんな単純なこと、もっと早く気付いておくべきだったと思います。

こんな感じでWizardryらしさを残しつつ、Wizardryとは違うらしさを持っているのがXTHであろうと思います。だからWizardryと思ってプレイすると、そのちょっとの違和感に身もだえするかも知れない。だから、Wizardryライクゲームと思ってやるときっと仕合せ。これが現時点における私の感想です。

Apple版

本当の意味でのオリジナルであるApple II版Wizardryは、逃走成功率が異常に低いことで怖れられています。いや、ほんと、しゃれにならないほど逃げられません。勝てない敵にあってしまった=全滅必至、リセットしますか? Y/N、N→全滅確定。と、こう考えていいくらいに逃げられません。

引用

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