2017年7月17日月曜日

『まんがタイムきららミラク』2017年9月号

『まんがタイムきららミラク』2017年9月号、一昨日の続きです。

『がんくつ荘の不夜城さん』。面白いけど、なんか複雑な気分になりますね。漫画家不夜城よどみの部屋に入りびたるようになった白仙あかり。よどみの部屋で、これまでよく知らなかった四コマ漫画にがっつり触れることになったあかりのいうこということが、なんといいますか、四コマ読者あるあるなんですか? 送り手からしたら自虐なのかも知れない。そしてその棘は読者にもばっちり突き刺さって、そうだよ、2巻完結。うおおここで終わるのかあってね、ダメージ受けてきたこれまでのいろいろがフラッシュバックしてくるぜ! でもまあ、最近は、2巻まで出たのならまあいいかななんて思うレベルにまでなってきた。というか、これ、あかりの3巻目が見当たらないという台詞からすると、つまるところ最終話の収録された巻は出てないってことじゃん! 地味にライフを削ってくる描写が魅力です。他にもね、微妙に誌風を違えた姉妹誌がたくさんあって地味に混乱なんていうのもありまして、いやもうね、自分もどれがなにに掲載されているかとか、わからなくなってますからね! と、そんな具合に読者のよりコアな層に働きかけるネタのオンパレード。ミラク読者なら当たり前についてきてくれる!? ええ、きっとついてきてくれるに違いないと信じています。

しましまライオン』。皆で動物園にいきました、って、なかなかに思いきった話ですね。おおごと!? そんな雰囲気ただよわせている組がいるかと思えば、特になんということもなくほいほい入園しちゃってる組もあって、こういう温度差面白い。でもって動物園に仲間のいる組といない組のテンションの違いなんかも面白くって、ハイエナ不在、トリ不在。かと思ったら、仲間のいるいないに拘らずハイテンションな凛奈とかね、皆それぞれの違いが実によかったです。凛奈のいうおいしそう、それが園のキリンの食べてた葉っぱとか、そいうのんがほんといい。そしてまことシマウマの邂逅! おお、言葉が通じるんだ。まことの会話、すごくよかったなあ。人になって得た平穏な暮らし。対し動物の姿のまま得た暮らし。境遇こそ違えど通じるものがあったのかな。あのラストにまこの見せた表情、なんかすっきりとしていてとても魅力的と思えたのですね。

『お願い!ロイヤルニート』、すごいテンポで危機に陥りましたね。珊瑚の島にやってきましたよ。島もきれい。家もきれい。楽しい滞在になりそうね、ってページめくったらもう飽きてる。そうですか、桜花さんは一週間しかもたなかったですか。で、これで島編終わりかと思ったら、迎えはまさかの一週間後。なのに食料は尽きそうになっていて……、って、こんな生活力のない子たちを、よくぞこうもハードなシチュエーションに……。途端にほたるが生き生きしてきたのがいいですよね。逆境に強いな、この子。桜花、珊瑚を、たとえなんの役にもたたないとしても労働させようとする瑠璃子もよかったですよ。厳しい瑠璃子、甘いほたる、素敵なコンビネーションだったと思います。しかし、桜花も珊瑚もちゃんと役立ちましたよね。むしろ瑠璃子がやる気だけ空回ってしまってて、なかなかうまくいかないもんですね。そしてスイの活躍。ええ、いつもは見せない皆の頑張りが光る、そんな貴重なエピソードでありました。最後の最後、メイドさんがなんか状況よくわかってない風なのも面白かったです。状況わからないというその戸惑いが、よくよく感じられました。

『魔王城のお姫様』。メルル、相変らずトラブルメーカーですね。ハルベルの図書館に勝手に入ったら、なぜか床に魚が落ちてたという。ほう、不思議な本があった。水が出てる。開いたら魚が飛び出してきた。覗いてみたらそこには海が広がってた! なんだろう、わくわくするなこういうの。メルルが海を、海岸を見つけた時のあの描かれようが本当に素敵。うわーっ!!!! 3段ぶち抜いてね、これ、素晴しい表現だわ。それで皆で本の中の海に遊びにいくんだけど、ジーナあたりは強制イベントぽかったですけど、やたらめったらポジティブなメルルにひっぱられて、こちらもどんどん面白くなってくる。ジーナやドリィもどうやらそんな感じみたいですよね。そしてこの本が本棚にしまわれてた理由。うおお、クラーケンなのか。いやあほんと、メルル、トラブルメーカー。ちゃんとハルベルには助けてもらえるんだけど、あの雷撃、ついでにお仕置きも兼ねてそうですね。しかし、楽しい話だったなあ。最後まで前向き、ポジティブなのも素晴しいです。

  • 『まんがタイムきららミラク』第6巻第9号(2017年9月号)

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