『まんがタイムきららフォワード』2013年10月号、発売されました。表紙は『がっこうぐらし』、ゆきがお祭り、浴衣姿でりんご飴を食べながらこちらに目を向けている、そんなイラスト。これ、本編がハードなだけに、なんだろう、すごくほっとする。なんでもない普通の暮らし、その大切さが思われます。しかし、浴衣の質感、すごくいい。で、帯にはさんだうちわ、ここがゾンビなんですね。
『ぼっちな僕らの恋愛事情』、『7時間目の音符』の志摩時緒が新作で帰ってきましたよ。夏休み明けて学校にいったら、クラスの皆、全員が恋人を作っていたというんですね、自分以外。おおてりぶる、ですよ。このクラスには、きっと自分のような人間はいないか、粛清されたあとなんだろうな。それはさておいて、とにかく皆が恋人を作って、そんな中、文字通りひとりシングルであるはじめ。焦っていたら、そこに転校生がくるっていうんですね。二宮ちとせ。女の子、恋人はいない。席替えではじめの隣の席になって、まわりからちょっとからかわれたことがきっかけになって、はじめが失言してしまう。そんな状況から、ふたりが恋人になっていく、そんな話なんですね。
『夢喰いメリー』、体育祭開会ですね。さまざまな競技でもって盛り上がる中、痛めた足をなんとかしないといけない、走らないといけないと焦っている坂上。そんな彼の前に白儀が現れるんですね。足の具合を聞く、それを治すという。けどその実際は、夢魔を坂上に結び付けるというんですね。その行為が夢路に影響する。ええ、ついに核心といったところなのでしょうか。夢路の傷の謎、それと同じ位置に傷を持っている白儀。坂上と結びつけられて、そして坂上の望みを、本人の望むものとは違うかたちで叶えて消えた夢魔。白儀の目的もわからない現在、いろいろな謎がほのめかされて、このサスペンドされた感覚。大変よいですよ。
『ブラックラック』、いいですね。ラプンツェルのエピソードが解決ですよ。彼女の切ることもできず伸び続ける髪、その彼女が塔の上に監禁されて、いったいどういう状況にあるのか、それが語られるとともに、解決される。ええ、なにがいいといっても、ラプンツェルが塔の上にひとりで暮らしているのが、なにも疎まれてとか、憎まれてではないってところですよ。むしろ愛されている、家族は彼女のことを大切に大切に思っていて、ええ、一種陰惨であったりもする物語を取り上げて、可愛らしくて、それでハッピーなものに変えてしまっている。そのアレンジが魅力で、絵もまた美しくて、この漫画、とても気にいっています。今回もそうだった。加えて、魔女が色を集めているのがなぜか、なにか理由があるみたいですね。気になりますよ。
『トモダチログイン』、暑さにへばってるあやめですが、ああ、これは自分の姿だと思う。暑い! ほんとに暑い! 彼女らはもう夏休みも終わって、けどそれでもこんなに暑いのか。あやめはへばってますけど、残る三人は元気に庭で水遊び、って、もえぎは縁側でさんご、もえぎを眺めてるだけか。そこへ突然の雨ですよ。パラパラと降り出したかな、そう思ったら大雨になる。日も暮れてきて、そろそろ帰らないと、そう思ったところに土砂崩れがおきたとの電話。道が塞がってしまって、もう泊まっていくしかない。突然のお泊りイベントなんですね。みんなでお風呂、かと思ったら、あやめは恥ずかしがって一緒に入るの断わって、けどほんとこの子の発想、男オタクのそれに染まってますよね。しかし、今回描かれたエピソード、大雨で土砂崩れ、道が塞がる、川が溢れて、もえぎの家は浸水して玄関が水浸し。これ、今年なんかはあちこちで水の害が出てますけれど、ほんと、大変ですよね。自分なんかは、子供のころはこうじゃなかった、大変な気象になってしまった、そう思いますが、今高校生くらいの人からしたら、夏というのはもうこういう季節になってるのかも知れませんね。そしてお泊りの風景。いやほんと、面白い。恋バナならぬ怪談。クライマックスでの雷鳴とあやめの叫び声。ほんと、修学旅行とかいったことのないこの子にとって、いい思い出になったんじゃないか。そう思いましたよ。
- 『まんがタイムきららフォワード』第7巻第10号(2013年10月号)
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