『まんがタイムきららミラク』2013年9月号、発売されました。表紙は『桜Trick』、アニメ化決定、先月に続いて駄目押しするみたいに全面に押し出されて、描かれるのは春香と優、ふたりの水着姿であります。ふたり身を寄せ合って、そういうには明るすぎる、元気で屈託がない、そんな感じであるんですが、見ればふたり小指を繋ぎあっているんですね。表向きはそうとは見せない、普通に仲のいい友達なんだよといった雰囲気を出しながらも、実はそれよりも深い、一歩踏み込んだところで気持ちが繋がりあっている。そうしたふたりの心の動き、意識を表すかのようで実にいいですね。それと、背景のブルー、その周囲に白い余白がある、その印象、それもまた鮮やかで素敵です。
『桜Trick』は、美月と理奈、ふたりの卒業を皆で祝おうというパーティ開かれて、春香たち、そして生徒会の後輩澄が園田家にてお出迎えするんですね。驚きのバケツプリン、抹茶プリンで美月大喜び、って、どんだけこの人抹茶やらプリンやらが好きなんだろう。さてさて、美月ついに踏み出しましたね。優と春香が一緒にキッチンに。ということは! ふたりきりにしてはならないと乗り込んで、いやもうなにがどうなってるやら、美月、春香のことが好きだっていっちゃうんですね。いやいや、きましたよ。想像以上に直球ですよ。けど、ほんと、ずっと黙ったままでいくのかな、そんな心配してたから、美月の告白、応援しますよ。ほんと、しかしどうなるんでしょうね。失恋なのかなあ。
『寄り道ファミリ』、夏休みに入って、お母さんはグアム旅行。家族ごっこも若干揺らいでる? このお父さんお母さんと娘たちという関係と友達同士という関係が、揺らぎながら共存してるのが面白くて、今回はとりわけその傾向が強く感じられたように思います。あの、日焼けして帰ってきたお母さんと皆の距離とかね、さな子の現金さとかね、実に面白かった。皆でさな子の家にいった時、兄貴の扱いとかも。実の家族には厳しいなあ。そして海。知らずナンパを撃退していた「お母さん」、ほんといい感じ。ちょっと子どもに戻ってるお父さんお母さんって、そりゃ大人というには若すぎるものね、そうした様子も最高でした。
『夜森の国のソラニ』、またも卒業か! 王子を連れ出す赤衣。いったいどうしたのか、皆で尾行するんですが、ああ、これでソラニの罪、前科3犯になってしまったわけですね。ともあれ、王子の生い立ち。これまで語ってこなかったこと、それが語られて、優勝劣敗の掟、その不安につぶされてしまっていたんですね。けど、狼人に負けて、そして赤衣のことも。王子は夜森にきて、ほんとよかったんだなあ。そして赤衣の告白。ああ、美しい人だなあ。王子の気持ちと赤衣の気持ち、それが出会って、ふたりは目覚めて、ああ、現実でもふたりが出会えるといい、そう願わないではおられない、そんな素敵なエピソードでした。そしてソラニのこと。なにかを思い出そうとしてる。ああ、続いてなにか動きがありそうでざわざわと胸が騒ぎます。
『ブラックスターガールズ』、ゲストです。由月ユミ、このところ誰かにずっと見られてる気がする。見られてるんですね。困ってる人がいると助けないではおられない、そんなお嬢さん。その資質を見込まれて、岸梨星なる女の子にスカウトされたんですね。正義のヒーローになって欲しい。街に出没する怪人を倒して欲しい。って、この怪人、心の弱い人を怪人に変えてしまうのか。思った以上にやばいやつだな。最初は全然信じなかったユミだけど、実際に怪人に出会って、一撃食らわされて、これが本物と思い知る。それでも勝目はなくって、ユミと梨星、ふたりはどうなる? その危機を謎のヒーローに助けられるんですね。と、この第一回は導入のさらにその前って感触。ヒーローにユミたちは合流するのか、それとも独自のヒーローをはじめるのか、それともずっとヒーローに助けられるのか。それを知るには続きを待たねばならない。ええ、待ちたい所存です。
『流星ガールフレンド』、ゲストです。佐藤先輩と付き合いたい、そう流れ星に祈った女の子、小野瀬美帆のもとに落ちてきたのが流れ星の叶。願いごとを聞き届けようというんですね。けど、叶、どうもこうも危ない言動が多くて、洗脳だとかいっちゃってる。また会話もどうにもこうにも噛み合わない感じで、佐藤先輩、ええと女の人です、先輩への恋も叶う? 叶わない? 叶ってないなあ。けど、叶は美帆の願いを叶えないことには帰れない。だから、自分が佐藤という名前になって、美帆と付き合うことで願いを叶えたことにしよう、そんな強引な展開。けれど、叶の無茶さ、美帆との距離を縮めていくのか? やりとりなどはなかなかに面白くて、今後ふたりの関係、それが深まるのかそうじゃないのか、そうした気持ちのゆくえなんかも気になりますね。
- 『まんがタイムきららミラク』第2巻第9号(2013年9月号)
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