2012年11月15日木曜日

ガールズ&パンツァー

 水木しげるさんは、こんなことおっしゃってるんですね。子供の頃、戦争ごっこはおもしろくて幸せだったが、本物の戦争はつらいばかりで幸せにはなれないんですよ! そうかあ、今、自分が求めているもの、それはこの幸せだった戦争ごっこ、それなのかも知れないなあ。なんて思うのは、リアルに生死が描かれる戦争ものを見れば、その非人間的な状況に厭戦感情をたかぶらせるというのに、戦争にまつわるものに関してはむしろ興味を持って面白がろうとしている。それはライフルをモチーフとした『うぽって!!』しかり、先日よりいっております戦車アニメ『ガールズ&パンツァー』しかり。もし安全が確保されたタンク戦ができるなら、是非参加してみたい。それはきっとおもしろくて幸せなものになると思うのですよ。

でもまあ、戦車とか身近にないし、どう考えても、戦車道、安全な競技じゃないだろう! そう思うから、戦車は絶対安全のアニメで楽しむことにしまして、面白いですよね、『ガールズ&パンツァー』。自分は戦車については、それこそ人並にしか知らなくて、有名どころをちょっとだけ。超有名なM4シャーマンはさすがに知ってるけど、ファイアフライは知らなかった。昔、プラモデル作ってた頃、ロボットだけじゃなくて戦車も作りたいなあ、冬季迷彩のソ連戦車でしたね、キットを買おうと思いながら買わずじまいになってしまった。あれ、なんだったんだろう。近代戦車だと思うんだけど、IS-2とかだったのかなあ。今だったらKV-1Bみたいなのが作りたい。余談でした。

最近ですね、『ガールズ&パンツァー』を頭から見返してみたんです。そうしたら、よくできてるなあ、感心するところたくさんで、これ、大洗女子学園、戦車道を選択した子らが、隊長西住みほを中心にまとまっていく、その様子がちゃんと描かれている。みほの乗る戦車のスタッフ、あんこうチームの面々だけでなく、他のチームのメンバーもそうで、最初はみんないいかげんというか、好き勝手? 戦車を自分たちの好きな色に塗ったりして、しかも金色とか赤とかですよ。その上、旗指物! およそまともとは思えない。だって、目立つでしょう? 目立ったら狙われますって! 練習試合では見事に裏目に出ましてね、けど全国大会に臨むにあたって、皆、色を塗りかえ、地味に静かに進攻できるよう配慮した。反省したっていうんですね。

練習試合の相手は強豪校。対しこちらは急ごしらえ。勝てるだなんて思ってなかった、ところがいいところまで食いついて、あわや相討ち? もしかしたら、自分たちが早々に逃げ出さなかったら、珍奇な塗装、目立つ装飾で足をひっぱらなかったら勝てていたのかも知れない。下級生チーム、ウサギさんチームの反省とかね、ぐっときたわけですよ。ベストを尽そう。自分にできる最善とはなんだろう。それを個々のメンバーに自覚させるための負けが、あの練習試合だったんだろうなあ。そう思わされたんですね。

けど、最善というと、バレー部チーム、彼女らは頑張ってたよなあ。派手な塗装といっても、バレー部復活のスローガンを車体側面に書きなぐったくらいでしょう? 実際練習試合でも、まさかの隠れ身、至近からの砲撃を成功させたのに、乗ってる戦車が弱かった。散々な評価だった九七式中戦車チハ。私でもその悪評を聞き及んでいたチハ。彼女らが乗ってるの、そいつよりもさらに前の戦車なんだもの。これ、あかんやろ、最初見た時に思ったように、やっぱりあかんかった。ガッツ見せたのになあ。今後この戦車が活躍できる機会、チャンスはあるのだろうか? 物語は、不利な状況を工夫機転でひっくり返すことで面白くなる。だからきっと出番はあるはず。ええ、アヒルさんチーム、応援しています。

ああ、もちろんウサギさんチームも応援してます。

実際、これからこのアニメ、主人公チームは不利な状況で戦っていくことになるのでしょうけど、物量で不利、性能でも不利、なので寄せ集め各車の個性と長所、その多様性でもって乗り切っていく、そうしたところが見せ場になっていくのだろうと思わせられるのですが、それでも八九式中戦車とM3中戦車の活躍できそうなシチュエーションが想像できません。想像できないだけに、そうした場面、期待してしまうんですね。思いもしなかった展開、どんな風に見せてくれるのだろう。わくわくするのですね。

BD

DVD

書籍

  • 才谷屋龍一『ガールズ&パンツァー』第1巻 ガールズ&パンツァー製作委員会原作 (フラッパーコミックス) 東京:メディアファクトリー,2012年。
  • 以下続刊
  • ひびき遊『ガールズ&パンツァー』ガールズ&パンツァー製作委員会原作 島田フミカネ,京極しんイラスト (MF文庫J) 東京:メディアファクトリー,2012年。

CD

戦車

引用

これ、出展はなんなんだろう。ネットで知る以前に読んだことがあるのだけど、大丸だかでやってた水木しげる展だろうかな。

0 件のコメント: