2012年6月21日木曜日

『まんがタイムきららミラク』2012年8月号

『まんがタイムきららミラク』2012年8月号、先日の続きです。

『みかりんバイトデイズ』、ゲストです。女の子ふたりのバイトもの。ヒロインみかんはどうしようもなく存在感がなく、すでに到着してるというのに店長にも友達にも見付けてもらえない、そんな子であります。ちょいちびっこ風。基本真面目、働かせてみれば有能。けど、あたかも見えないかのように存在感がない。対して友人木下りんごは、なにをしても目立つタイプといっていいのでしょうか、美少女、オメガがつくくらいの美少女なのだそうです。ただ、ミスが多い、接客態度も悪い。でも集客に繋がるからクビにならないのだそうですよ。やたらお金に細かい店長やりんご、ちょっと常識はずれな人たちの中、みかんがやたら常識的、これはよいなあ。そう思います。ちょっと可哀そうかもしれない? けど、健気なみかん、この子はよいと思います。

『わたしと姉は正反対』、これはすごいな。ヒロインなずなのもとにやってきた魔女せりな。無理やり姉として居座っている。その魔女せりなが酷い。なずなの魔力を欲してるという。それだけならいいのだけれど、人の常識を知らないせりな、人の気持ちを理解しないせりな、彼女のやることなすことの酷さ。これはきついわ。しょせん漫画、どうせ漫画、なのだけれど、これまでになずなが暮らしてきた環境、それがずたずたにされる。1年生だったのが、無理矢理に3年生にされ、友達もいない、そんなクラスの中、せりなが無神経に振る舞う。自分の元いたクラスに戻れば、クラスメイトは自分を先輩として扱って、さらには友達りかは自分のことを忘れている。残酷な話、ほんと、これはきつかった。けど、これだけ強烈な違和感を叩き込まれていたからこそ、屋上でのなずなの気持ち、あの苛烈な怒り、それが強く響くのだろうな。そしてせりなにも届いた、過ちだとかいっているけれど、ああ、この人もこうして学んでいくのでしょうね。この先にも厳しい、そう思える状況は出てきそう。でも、それでも今回のラストを見れば、安心して読んでよい、そんな風に思わされます。

『ゆめおいドミトリー』、ゲストです。田舎から都会に出てきた女の子、藤原ゆめ。彼女がはいった寮は、ビルの谷間にある木造一軒家。獣医志望の女の子増川千歳に案内されて、自室にいけば、同室の遥佳、漫画描くのに必死で、けど一度にゆめのとりこになって、って、なるほどちょい百合っぽい流れです。遥佳には妹があって、優佳、お姉ちゃん大好き、だからお姉ちゃんを奪おうとするゆめのことが面白くない。けど終始ギスギスではなく、だんだんに親しくなっていきそうな雰囲気持っていて、そして皆がそれぞれに目標を持って頑張っている。ゆめだけは、その夢というのがないんですが、これから見付けていこう、そうした成長が描かれるのでしょうね。

『月曜日の空飛ぶオレンジ。』、これ、驚きましたよ。なんと、ヨシノの兄、行方不明、その理由、彼のゆきついた先、それがどこだったのか。ついにそれが明らかになって、なんとそういうことだったのかあ。ほんと、驚かされました。これまでの展開は、むしろ理解しながらどうこうというよりも、なんだろう、よくわからないな、どういうことなんだろう、ただただ後からついていく、そんな感じで読んでいた。けれど今回こうして状況が整理されて、ああ、そうなのかあ、納得して、しかしこれ、こうなると再読したく思えてくる。状況が見えてきた今、読み返せばなるほどと思うこともあるのだろう、その機会が楽しみです。

  • 『まんがタイムきららミラク』第1巻第6号(2012年8月号)

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