2009年2月21日土曜日

オリジナル・リガチャー Tシリーズ

先日注文したリガチャー、Tシリーズが到着しました。実際に手元に届いたのは一昨日なんだけれど、実際に音を出すとなると土日を待たないといけなくて、いやあ、実に待ち遠しい。そんな数日を過ごしました。そして今日、Tシリーズを試してみました。まずはソプラノサックスから。なにせ、リガチャーに選択の余地がなかったという、その状況を是正したいと思っての購入であったのですから、まずは主目的からはたしませんとね。そして、その結果はといいますと、まったくもって素晴しい。きっと変わるだろうな、それも格段に変わるに違いない。そうした予感はありましたが、想像していた以上に変わりました。その違いは、吹いている本人どころか、聴いている周囲にもきっとわかるだろうと思われるほどに劇的で、いやはやこれはなかなか。もしあなたにライバルがいるなら、このリガチャーの存在を知らせるな。そうアドバイスしたくなるほどに好感触でありました。

どう変わったか、もうちょっと具体的に書いていきましょう。

私の望んだこと、それは高音の抜けと低音の出でありました。双方、見事にクリアされました。高音はやせず、素直に出る。しかも、響きを抑えないためか、倍音を使った高音域も出やすくなって、High G(実音だとHigh F)も楽に出る。おっと、これはHigh Gキーいらんかったんじゃないの? そう思うくらい、フラジオの方が出やすくて、ありがたいなあ。選択肢があるということはいいことです。

低音は、下線の音域になると、どうにも暴れやすくて困っていたのですが、それが随分改善されました。というか、右手の音域の時点で既に変化は現われていて、楽器の管いっぱいを使って鳴っているという感じが心地良い。素直にレンジが広がったといえる。音量の幅がというだけでなく、表現の幅も広がったという感じです。これまで、この右手あたりの吹奏感に不満は感じてはいなかったのですが、一度経験したら駄目です。これまでのリガチャーに戻して吹いてみたら、拘束されてるような感じがする。全然息が入らないと感じられる。それは息が入らないのではなくて、入れた息がロスしているということに他ならないのですが、つまりこれこそが高尾哲也氏のおっしゃる効率であるのでしょう。

響きが増大していることは、反響して返ってくる音の感覚が違うことからもわかりました。それは音量が増えるということではなく、遠達性がよくなるということでしょう。ソノリテが違う。これは、ホールなどで吹けばきっともっとよくわかるはずで、けどその機会はちょっとなさそうだなあ。残念。

低音の改善には目覚ましいものがありました。油断すればそりゃ暴れることもあるけれど、しかし以前のような暴れかたはしない。というか、暴れさせるつもりで吹いても暴れないし、よっぽど不用意にやらないかぎり大丈夫そう。信頼性がぐっと上がったといっていいかと思います。中音域から最低音域への跳躍に際し、必要以上に気をつかわなくていいというのは素晴しい。高音に関しても、びくびくせずにどーんといける。というか、これが楽器本来の調子であるんでしょうね。

楽器やリードがダイレクトに鳴る、そんな感じがして実によいのですが、逆にいえば、質の差がもろに出るということでもある模様です。リードを本腰入れて選別してやらんといかんという気になっています。鳴らないリード、よくないリードでもそれなりには吹けるけれど、それなりでしかないということも実によくわかって、それは結局はリガチャー周辺で抑えられていた分が開放されたということなのでしょう。良いリードはより良く、そうでないリードはそれなりに。うまい人はよりうまく、そうでない人はそれなりに……?

もっと頑張って練習しよう! そんな気になるリガチャーで、それはつまりは、しっかり吹けば、その分きちんと返ってくることが実感できるということであります。お友達にも教えてあげて、お友達も綺麗にしてあげましょう。いや冗談じゃなくて、人にどうよとすすめてみたくなる、そんなリガチャーであるんですよ。

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