2015年10月17日土曜日

『まんがタイムファミリー』2015年12月号

『まんがタイムファミリー』2015年12月号、発売されました。表紙は『大家さんは思春期!』、チエちゃんメインで、冬だけに鍋料理でありますよ。鍋からいろいろみつくろって、よそってくるて、はいと差し出してくれている、そんなイラストに、チエちゃんのチエちゃんらしさ、そのよさがあふれています。他に『軍神ちゃんとよばないで』虎千代が鍋? 食べてまして、『かなみ育成中!』では叶美と弟ふたりが、並んでそろって、お味噌汁? いただいておりますよ。なんだろう、このほっこり感。

『寺島さんは悟っている』。なんと寺島さんに浮いた話です。といっても、彼女がなんかしたわけじゃない。代々お寺の世話人を努めている藤岡のぼっちゃん。伊霧のことが好きなんだけど、どうにもそれをいいだせないときている、ちょっとシャイな男の子なんですね。そんな彼と一緒に夏祭りの神社、縁日をまわるんですが、そこでちょっとずつお寺や神社についての知識が身につくようになっている。それがおかしくってですね、なるほど、妻帯肉食は明治に解禁。みたいな話かとばかり思っていたら、神社の息子、神居八百に背を押されて、それで藤岡クン、その気になっちゃった。しかしね、盆踊りが踊り念仏由来って説があるとか知りませんでした。そして最後に藤岡くんの告白。さあ、伊霧はどう受ける? 続きはまた来月! いやあ、これ、うやむやにはせんですよね。どうすんだろう。

『先生と星が教えてくれたこと』、いよいよ受験。というんですが、ああ、そこで語られる琴音のバックグラウンド。夏に先生に話したこと、それから本気で取り組んできていたんですね。教師になりたい。それで必死に頑張ってきて、ああ、どうかその努力が実を結ぶといいなあ。で、ここでそう簡単に結果を出させないというところが、この漫画なんだろうと思いましたよ。二次試験でも挽回は無理っぽい……。そうした状況を前にして、先生、大学ではなく、そのさらに向こうにある目標に目を向けさせようとする。しかし、琴音はすでにその目標に目を向けていて、ああ、先生のこれまで伝えようとしてきたこと、それがしっかり生きているんだなって思わされたんですよ。先生もまだ未熟。だからこそなのかも知れない、体当たりの指導が見事に実を結んでいる。そんな物語。見事です。

『かなみ育成中!』、娘三人集まって、なにかと思えば男の話。いや、つきあってるとかじゃなく、これからの話。そもそも、さきが男性苦手とわかってからの話です。というか、弟たちがすっかり出なくなりましたね。こっちの展開の方が人気あったのかな? 女子校に通っているさき。かくして語られる女子校の現実ってやつが見事にアレで、いやもう、ほんと、どうなんだろう。中学時分のさきのはじけっぷり。いや、この見た目もあいまって、最高だな、本当に。そして、さきの愛想笑いの真実。えらいキャラクターができあがったもんですよ。好みのシチュエーション告白大会、これがおかしくて、いやもう、現実味がないんだけど、というか、結にいたっては、男の幼なじみがいない。前提から存在しないという、ほんと、無茶な理想。というか、叶美も酷いな。未亡人設定なのか。男装結再登場にして、さきの心をわしづかみしちゃったりね、でもって叶美、結のあかんっぷり。もう、完璧に迷走してる、その駄目さがいかします。

『カフェ・ど・関西』、ゲストです。ちんまりとした女の子が主人公。寝坊して急ぐ、そんな彼女の家はミナミにあって、ええと、通天閣が見えるへん。そこから地下鉄乗って、梅田に出てるのかな? 動く歩道で立ち止まってる兄さんに、ここは歩くものだよっていうんですが、確かに関西じゃあ、あれ、歩くなあ。関西では、動く歩道もエスカレーターも、徒歩をブーストするための設備、みたいに思われているフシがあります。ヒロインは梅田みこ。大阪人。他に、奈良出身の春日ほまれがあって、他にも京都、和歌山、兵庫、滋賀出身の女の子がいる模様です。バイト先の喫茶店、店長はさっきの動く歩道の兄さん、東京一。関西に興味があって、こちらに出店することにした東京人。かくして、いわゆる大阪らしさ、関西らしさを描きながら、そればっかりじゃないよ、という註釈があるのは好感もてますよね。でもって、みこのボケにほまれがツッコむ。あの流れは、確かにそんな感じ。悪くないんじゃないかって思ったんですね。

  • 『まんがタイムファミリー』第33巻第12号(2015年12月号)

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