2015年10月9日金曜日

『まんがタイムきらら』2015年11月号

『まんがタイムきらら』2015年11月号、発売されました。表紙は『あっちこっち』の面々が、見事みごとにハロウィンでありますよ。つみき、姫、真宵の三人娘が、吸血鬼、狼女、そして、ええと、これなんだろう、包帯まいてるんだけど、ええと、あれかい、フランケンシュタインの怪物? みなそれぞれに、ガオーって感じでしてね、それが妙に可愛らしいの。姫がね、赤ずきんちゃんプラス狼って感じで、このキュートさ、かなりの勢い、威力を感じます。

棺担ぎのクロ。 — 懐中旅話』、これは面白かったなあ。古い洋館に住む幽霊。青白い肌、窪んだ目に流れ続ける涙。いったい自分はなんなのか、そうした疑問を胸に、ただただ館にいつづける彼女のもとに、クロたち一行がやってくるんですね。誰にも見えないはずの幽霊さん、さすがのニジュク、サンジュですよ、当たり前みたいに、普通に見つけてコミュニケーション。クロはカメラを持って、そしてかたわらには新聞記者という青年。謎を、不思議を、誰も撮ったことがないものを求めている。そんな彼が、幽霊の彼女の願いをかなえて、そして一緒に写真に収まるんですが、まさかこんな展開になろうとは予想もしませんでした。いや、なんかおかしいなって思ってたんですよ。なんで、クロにもセンにも見えない彼女と、当たり前みたいに交流しとるのん? と、その疑問があったからこそ、ああそういうことかとこの展開を納得して飲み込めて、ええ、最後の最後にしあわせそうに微笑んで見せた幽霊さんも、そして結局はその姿をクロたちに見せることのなかった新聞記者の彼も、どちらも満足することができたのだなあと、なんだか嬉しくなる話でした。

『不法占拠部(仮)』、ゲストです。女子高生3人のどたばたとやってる、そんな漫画です。なんですが、これ、すごいな。たいてい3人もいれば常識人のひとりくらいはいるもんなんですが、それがまったくいないという。見た目から、しーと呼ばれる彼女こそが常識人でつっこみ役だろう。そう思ってた自分の不見識。いやいや、もうね、ほがらかで素直な愛情振り撒く毬衣に、眼鏡黒髪ロングヘアのしー。さらにショートカットの可愛いきょーちゃん。それぞれに、将棋部、漫研、映研に入りたい、そう思っていたのに、この学校にはどれもない。というので、空き教室を占拠して、理想の部活を目指そう、という話みたいなんだけど、とりあえずは3人ともにやりたいようにやっとるだけだな。しーがね、いきなりでかい将棋盤を取り出す。この子、筆文字、下手糞なのがいいな。毬衣、まーは大量の漫画を取り出して、このね、ふたりとも常識もなにもあったもんじゃない。ああ、きょーが真人間なんだ。いや、映研を否定されてギャン泣きしてますけど。とりあえず、見知らぬ先輩に、勝手に申請出されて、かくしてはじまる不法占拠部(仮)。まださっぱりわからない。というか、メインの3人がわかってないのがすごいよな。けど、これ、親切というより、冷蔵庫を持ち込んだりして私物化してる教室を守りたい先輩、生徒会長の利己的行動だったりせんのかな? なんて思うんですが、どうなんだろう。ともあれ、しーちゃん、気にいりましたよ。

『イリーガルズキングダム』、これもまたハイテンションというか、ぐいぐい引っ張っていく、そんな勢いを感じさせる漫画です。外国人の女の子のもとにやってきた、マントの彼女は一緒に国を作りませんかなんて、ちょっと普通ではない感じなんですね。この子、後ろに白いフードの女の子つれていて、けどその子はずっとしゃべらない。なんなんだろう? 話しかけられた彼女も、なんか警戒して避けたいと思ってるんだけど、なかなか逃がしてはもらえないみたいです。正直、なにがなんだかわからない。ただただ国を作りたい、そのためにいろいろやって国民を勧誘している彼女と、言い寄られて困ってる彼女、そしてちょっと現金な学生さん。白フードの子は、マント娘も知らないみたい。と、謎だらけ、よくわからないままに国づくりがはじまるみたいです。

『プリンセストリオ』、これ、なんかすごい。幼ないころに離ればなれになって、中学で再会した3人。有原結城に伊集院綾子、田中花子、なんですが、子供のころの思い出が、憧れが変な感じに育っているよう、執事との駆け落ちを夢見る綾子は学校でもえらい豪華なドレスを着て、執事とみなした相手に駆け落ちをはかる日々を過している模様。結城は結城で、そんな姫を追う王子で、もちろん学校でもそんな感じの格好してて、いやもう、これ、いわゆる問題児ってやつだな。綾子、結城のふたりがね、校長室への立ち入りを禁じられてるの。これおかしかったわ。校長先生、綾子の父なのね。あまりのふたりのテンションの高さに、ついていけない花子。そうした様子も面白かったんですが、男子トイレにずかずか踏み込んでいく綾子、結城が無茶苦茶で、なんか凄いの入ってきた!! から、確かに変な奴らだ!! 絵の柔軟さや漫画としての表現は、まだ少しつたないのかも知れない、みたいに思いましたけど、有無をいわさない勢いや、もろもろ押し切る、過剰といえるまでのテンション。それは素直に圧倒されましたよ。

  • 『まんがタイムきらら』第13巻第11号(2015年11月号)

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