『まんがホーム』2025年1月号、昨日の続きです。
『うちの秘書さま』
今回は不器用七瀬と器用なはじめのお話。
ある日、玄関に飾られていた謎のオブジェ。なにごとかと思ったら、七瀬が作ったクリスマスツリー。あまりの見た目にはじめに不気味がられたり、田中さんからはゴミ扱いされたりと、本当に散々だったんですが、七瀬の圧も手伝って、田中さんのリース作り講座が開かれることになりました。
参加者ははじめに七瀬に、そして山田なんですが、製作過程で、はじめの器用さに嫉妬する七瀬、田中さんとの接近に嫉妬する山田、とんでもない険悪な雰囲気が漂ったりと、ほんと大丈夫なんですか? ここの人間関係!
今回よかったの、なんとかかわいくできた七瀬のリース。そして見事にきれいなのを作ったはじめ。皆の個性、皆のがんばりがかたちになってめでたしめでたしだったところでしょう。田中さんも楽しかったというのが、本当になにより。いいお話でした。
『はなまるゲーセン飯!!』
おお、小野寺さんが高校生だったころの話ですか。制服姿、カーディガン、ルーズソックス、ギャルの出で立ち。お友達は髪にハイビスカスなど飾りまして、これ、飾る花でなんか意味あったりとかしたんですよね? とまあ、そんなちょっと昔の話。友人に誘われて新しいプリントシール機目当てにあがいんを訪れることになる、これが小野寺さんとあがいんの出会いだったのですね。
しかし、90年代に流行したとかキャプションついてるコマあるんですが、大丈夫なんですか? というか、こういう機械があったの、知らなかったなあ。そしてだんだんにあがいんの雰囲気に馴染んでいく小野寺さん。たびたび寄り道するようになり、そして先代の不調を知りバイトすることに。
今ではベテランの小野寺さんの、初々しかった時代の姿。しかしただ昔を懐かしむだけでなく、自分のがんばりが認められ、また仕事の楽しさを知ったことが将来の目標に繋がり、またその目標が奮起を促したという、そうした背景を知ることができたの、とてもよかった、いい話だったなって思わされたのでした。
あがいんの歴史、そこに小野寺さんも確かに足跡を残しているんですね。大切な一員なのですね。
『スナックあけみでしかられて』
クリスマスを終えて一息つくかと思ったら、今度は正月の準備で大忙し。正月飾りのリースは近所の花屋さんにお願いしているのですが、あけみさん、それを届けてもらう車に同乗して、やっぱり年始準備で大忙しの花屋の手伝いをするというのです。
いつもとはちょっと違った情景描いて、それが新鮮でした。老人ホームから帰宅していた先代店主とお話したり、いや、先代のおじさん、とにかく無口で、その表情から気持ちを伺う感じになってるのが面白い。気にいらない顔、嬉しい顔、その表情が雄弁で、気づいたら寝ちゃってたりと、頑固そうなんだけど不思議とかわいいおじさんだなあ、なんて思わされる愛嬌ある人でした。
先代から引き継がれるもの、それは親と子の関係にも似ていて、花屋さんに見る親と子の関係、その移り変わりに、人の営みのうつろい流れてゆく時間を感じさせられて、ああ、この瞬間よ、長く続いてほしいと思わされるのでした。
- 『まんがホーム』第39巻第1号(2025年1月号)