2014年1月16日木曜日

『まんがタイムきららミラク』2014年3月号

『まんがタイムきららミラク』2014年3月号、発売されました。表紙は『桜Trick』、優と晴香がお菓子にまみれています。大きな箱が開いたところに、ケーキ、ドーナツ、キャンディーと、たくさん飛び出して、その真ん中にふたり座り込んで、ひとつのクッキーを一緒にくわえて微笑む、その表情、やけに色っぽいと感じさせられるのでありました。ふたりの寄り添うようにしながらも、ぴったりくっつくわけでなく、けどその触れ合う指、頬に一層の熱を感じるのでありますね。

今月はゲストが多いですね。ということで、今日は初登場ゲストを取り上げてみます。

『コナツトコナツ』、常夏荘なるアパートに入居した女の子、神楽坂小夏が主人公。なるほど、小夏常夏であるんですね。玄関先で、入れない、そう思っていたら、なんとオートロック。まさかのオートロックなんですね。入り口を開けてくれたのが、あきらさん。自室である201号に入ったら、眼鏡のお姉さんがコタツにあたってて、この人は梶浦冬華さん。なるほど、名前が春夏秋冬になってるのね!? ということは、残るひとり、小夏の叔母さん。大家をやってるんだそうですが、この人が春だな。そう思ってたら、なんか着ぐるみに入ってる……。不思議な管理人。その謎をあばくべく追ってみて、そうしたら叔母さん、小学生でした。はるる。見た目ちっこいけど大人とかかと思ったら、そういう路線ではないみたい。とりあえず住人会議で小夏が下っ端と決定して、ええ、なんかお姉さまたちやちびっ子大家に使われる? そんな話っぽい。あのデフォルメされた顔、可愛くっていいですよ。すっきり整理された感じも、また期待させてくれます。

『秘密のアイドル!』、なるほど、顔出し厳禁中学生アイドル。Filos! ってどんな子だろう。クラスでも話題になってるんですが、ちびっ子の心音、地味で目立たないこの子がFilosのひとり、Cocoだっていうんですね。相棒も同じクラスにいて、七海。身バレを怖れ、収録にいたっては緊張して、ちょっとネガティブな心音と、そのまったく逆の七海。あっけらかんとして、身バレを怖れない。そんなふたりの、一緒にアイドルとしての活動、頑張っていこうという支え合いのストーリー。なかなか悪くないじゃない。絵もきれい、読みやすいし、キャラクターもわかりやすい。なにより楽しいのがよかったと思います。

『ふぉーかす!』、タイトルからもわかるように、カメラもの、写真ものでありますね。遠方の祖父から贈られたカメラ、ライカのM3、おおう、レンジファインダーか。貰ったのはいいのだけれど、使い方がわからなくて、適当に触っていたら底が外れてしまったっていうんですね。壊してしまった……。ショックで取り乱す飯塚マリー、そんな彼女に声をかけたのが百道さよこ、写真部のお姉さんだったんですね。とりあえず写真部部室に連行して、星野ゆかりとともにマリーにレクチャー。この過程、『ミラク!』のページ数の多さ、それが生きていたなと思いました。ライカM3にレンズはズミクロン50mm F2。さよこにフィルムカメラのよさを語らせ、フィルムについて、装填の方法について、そして露出からレンジファインダーの焦点合わせについて解説していく。まさか単体露出計とかまで出てくるとは思いませんでした。懐かしい。けど、これらがないと露出決められんよね。というわけで、とりあえずひととおりの解説を終えて、ここから撮影に出るという展開、それを全部きっちり1話に収められるのは強みだと思いました。ええ、写真を撮るために、日頃なにげなく見過しにしている風景、それをしっかりゆっくり見回して、気付かなかったことに気付き、向きあっていく。そうした描写は魅力的でした。いえね、私も写真を取りますけど、ほんとこうしたこと思ってカメラを手にしたわけですよ。フィルムはPROVIA 400Xかな。感度を間違えたというの、ISO400のフィルムをISO100のつもりで撮ってしまってたってことでいいのかな? 感光しすぎて真っ黒で、って、そこまでいかんよな、って、いきなりリバーサルとかきついよ! けど、ポジだからこそ、あの一枚だけきれいに撮れていた夕日、あれが映えるんだろうなあ。かくしてマリーは、写真部に懲戒採用されることになって、ええ、彼女の写真との向き合い、どのように被写体に出会い、それを切り取っていくのか、その展開、期待させられます。

『制服デイズ』、喫茶ブラジルの娘、鈴木栞は、自分にはスカートが似合わない、そう思い込んでジャージ登校決め込む女の子。5歳の時、スカート似合わないって男の子にいわれて、それからずっとスカートを拒否してるんですね。ボーイッシュで、ちょっとうかつ? けど、繊細な子なんですね。遥はそんな栞のことが好きっぽくて、でもって、そんな栞を早倉と取り合うことになる? 早倉は、毎日日替わりで違う制服を着てくる変な子で、そんな早倉に栞が見初められたのは、そのスタイルがため。控え目な肩幅、美しい太もも、それらすべてが制服に完璧マッチ! いやほんと、偶然喫茶ブラジルにやってきて、店番している栞と遭遇。無理矢理制服着せて、しかしこれで見事に遥と敵対。けど、遥は遥で制服姿の栞に興奮。大変なふたりに好かれてしまったものですよ。

『やるきぬくもり』、夏休みも終わろうという頃、真森のアパートをたずねた温乃が見たものは? 夏だというのに、コタツにヒーター、エアコンまでフル稼働させている真森の姿でありました。休み中、ずっとだらだらしてたら、やる気の低下とともに熱意が失われ、それにともない体の熱さえ下がっていってしまった。すっかり冷えてしまって、結果、寒くて暖房が必要になっちゃったっていうんですね。そんな真森にやる気を、熱意を起こさせようという温乃の頑張りですよ。というか、真森の暖房部屋に付き合ってる温乃がすごい。鍋とか一緒に食べてるぞ。温乃はやる気はあるけど出来が悪い。対して真森はやる気はないけど出来がいいみたいですね。宿題で釣るのに失敗して、ゲームでリベンジ。うまいことやる気を引き出せた!? そう思ったら、全部のやる気がゲームに向かってしまって……。なかなかうまくはいかない模様ですよ。

『はじめようSKR!』、SKRってなんだろうと思ったら、商店街活性化連合なんですね。冒頭に舞台となるウサマートの説明があるんですが、町の人口から売場面積、一日の平均客数、月次売り上げ、とうとうと読み上げられて、おおう、この数字の具体性にやられました。妥当かどうかはわからんのだけど、こう自信たっぷりだと、そうなのか、なるほどと飲み込んでしまいます。けど、そんなウサマートは現在ピンチ。郊外に出店してきた大型スーパー、ニャオスに顧客をとられてしまって、大変なピンチ。プレッシャーに負けてウサマート店長が出奔、結果その娘であるこはる、現役女子高生が店長をつとめることとなったっていうんですね。なんとかしてウサマートを盛り上げたい。ニャオスから移ってきた朝生涼香と、マネージャー藤原、主任の吉祥院さつき。藤原マネージャー以外は皆女子高生? まだまだいたらない女子高生店長こはるを、皆で支え、なんとかウサマートを守り立てていこう。そうした漫画であります。涼香のアドバイスを受けながら、品出し、接客、レジ打ちの特訓? を受け、そしてレジ打ちコンテスト、チェックアウトコンテストでの優勝を目指したりするのかな? 気持ちが空回りしてる、そんなこはるですが、お客さん、皆から愛されてる、そういうところに人情ものの機微もうかがえる? ほのぼの仕事ものといった具合でもありますよ。

  • 『まんがタイムきららミラク』第3巻第3号(2014年3月号)

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