2011年11月16日水曜日

『まんがタイムきららミラク』Vol. 5

『まんがタイムきららミラク』Vol. 5、発売されました。表紙は『夜森の国のソラニ』。夜森とソラニ。ふたりが腰をおろしてこちらに視線を向けている、そんなイラストなんですが、淡い色調。塗られた色、そこにあらわれるテクスチャの味わい。いいイラストですよ。構図もしっかりと、背景に沈まず、それでいて浮くことのない人物ふたりの対照が素敵。にこにこと明るいソラニ、ちょっとクールな夜森。色合い、トーンは華やかさ明るさ感じさせながらも、黒がしっかり引き締めるところは引き締めて、とてもいい。あのソラニが抱いてるランタンの暖かみ、夜森のマントのひるがえりに現われる青が晴れた空を感じさせるようで不思議。とてもいい表紙であります。

『純粋欲求系リビどる』の扉はとても躍動的、そう思ったら、おおう、これ扉じゃないじゃん。ページをめくれば見開きいっぱいにタイトル絵。わお、ダイナミック! もっと自由に4コマを。面目躍如ですよ。本編はゲームセンターに遊ぶリヒトと彼女たち。ダンスゲームで宙返り、そうしたアクション、派手なシーンをきれいにすっきり描く、実によいですよ。可愛いくてちょっと(いやかなり?)色っぽい女の子たち、絵の魅力もたいしたものですけど、4コマごとにアップダウン、緩急つけて、面白い。見やすく、テンポよく、読みやすい。楽しいいい回でした。って、そういや変身してない!

『桜Trick』は優のお姉ちゃんが登場。美月、眼鏡、素敵! 花の髪飾りは姉妹お揃いなんですね。姉の気にする謎の友達、春香さん。一度も会ったことがないっていうんですが、妹の挙動不審も手伝って、すごく謎が膨らんでる。春香っていうのはどんな子なんだろう。そんな状態で出会う美月と春香。球技大会の委員会の席上、ここで冒頭の眼鏡破壊がきいてきますね。見えない。よくわからない。春香と気付かないまま友達思いの子という評価くだした、そこではじめてこれが春香とわかる。ゆき違いを面白く描いてました。そして毎回のアレ、キスがあって、目撃されて、曇る眼鏡! どうなる! すごいな、これはすごいよ。もうたまりません。お姉ちゃん公認になるの!?

『メラン・コリー』はプールの話。って、メラン・コリーがスイカだから季節は夏で固定、とかなのかしら。いや違うか、いずれ学校にいくことになるんですよね。ええと、メラン・コリーは漢字で書くと憂鬱。前回カボチャになりました。さて、今回のメインは不破光。ぼっち癖とかあるんだ。面白いな。人づきあいが苦手というか、なにか度胸に欠けるようで、面白いな。姉ちゃん!!! で、カラオケ誘ってプールいくことになって、で、思うんですけど、メラン・コリーって色っぽいよね。変に妙にいろっぽい。スイカのくせに。なんか、ぱかっとオープン、気さくな感じがさりげない色香を感じさせて、なんかちょっとどきどきさせられます。ええと、あと、新キャラ。というか、スイカ。知り合いではないのんか。で、どういう方向に向かうのか。なんともいわれんものがあります。

『スイートマジックシンドローム』、今回登場のキャラメル。プリンを王国に呼び戻したがってるショコラの手先らしいですが、王子様系の女の子。女の子、には限らないのか、女性の心をくすぐる、そんな人でありますよ。べたべたされて困るプリン。対してメロメロの甘子。ふたりの違いが面白い。あとお父さんがいいですね。認めません。娘だけじゃなく妻もとられたんだ。人が増えて、面白さも増したかな。この先の展開、楽しみですね。

『となりの魔法少女』は、なんだろう、切ないなあ。冒頭、あきの魔法が真実か確かめているウサ。魔法が本当とわかって、そのできることもおおむねわかってきて、それで魔法に対する怖れを話すウサがあれば、そうした異能でさえも普通に受け止めて受け入れてしまうけぇもあって、ああ、あきがずっと憧れ、同時に怖れてきた友達を作るということ、それがついに叶うのか。そう思ったところに描かれた、あきの夢の風景、おばあちゃんとの会話。なんだかすごく切なくて、胸にぐっと迫るものがあって、そしてまた事件がおこるのか? これは、魔法という万能によって可能性を自ら閉ざしてしまった少女が、ふたたび世界に向きあい、開かれていく、そんな話になるのでしょうか。先が気になる、そんな漫画です。

  • 『まんがタイムきららミラク』Vol. 5 (『まんがタイムきらら』2012年1月号増刊)

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