2013年2月14日木曜日

ジムメン!

 『まんがタイムLovely』にて掲載されていた漫画、当時は『GYMMEN!』って表記でしたね。社会人になって、油断してたら太ってしまった。彼女にもふられて、これでは駄目だ、男ひとりだといけない場所とか多すぎる! といった理由からジムに通うことにした青年、花巻佑太がダイエットに奮闘する漫画でありますよ。……、ありますか? いやもう、この花巻佑太なる男、てんで困ったやつでして、ジム通いを決めたのもインストラクターのお姉さんが可愛いからとか、それで運動頑張るかというと、なかなかそうはいかない。すぐに怠ける、いいわけばっかり達者で、インストラクターのお姉さん、もうひとりの方を怒らせる。でもそのどうしようもない様子が面白いんですね。

主人公は花巻佑太。困ったやつ、というのはもういいましたね。他の登場人物はといいますと、佑太曰く学生時分からのライバル、糸田初芽、一緒にバスケットボールやってたんだけど、太ってしまったこちらとは逆に、仕事とそのストレスのために痩せてしまった、まったく対照的なふたりです。そして、見事な筋肉美を誇る大根征一、インストラクターに間違えられがちなんですが、まだ高校生で、極端な人見知りです。これも、あっけらかんとして物怖じしない佑太と対照的でありますね。で、ここで東条さん、この人は佑太と似てるかも知れない。ジムに通ってるけど、全然痩せる気配さえない。食べるの大好き、誘惑にも弱い、佑太と意気投合したりと、やっぱり似てるんですね。けど、この人の場合、決定的なところが違っている。彼女がいるんです。しかもそれが、佑太のジム通いを決定させた女性、白雪つぼみというのですから、ええ、皆、いい感じにキャラクターを立てているんですね。

痩せたい、ああ初芽は筋肉つけたいんだったか、そういいながらも、ちっとも頑張れない男たち。痩せる、筋肉つけるのなら、まず生活を改善していかないといけない。ちゃんとインストラクター、葉子さんが指導してくれるんだけど、佑太は全然食事を制限できないし、初芽は逆に絶食生活をやめられない。まあ、生活をちゃんと整えられる人間だったら、こうしてジム通いをする必要もなく、体形を維持できてただろう、そういう風にも思うわけですが、このいわれてもいわれても改善できない、それで葉子さんが厳しく指導する。片やつぼみんはというと、いいカモ扱いしてるっていうね。ジムではドS扱いされてる葉子さんの方が親身で、むしろつぼみんの方が実はきついっていうの、これがまたいい感じだなって思うんです。

人間誰しも、ふらふらと誘惑に流されて、やるべきことをやらなかったり、わかっていながらさぼったり、そういうことってあると思うんですよ。だからなんだと思う、困った男、佑太、こいつのやることにむしろ親近感を覚えたりしてしまうの。ほんと困ったやつで、恋人たちのイベント時期になると荒れる、あるいはいきすぎて壊れる、極端なやつだけど、なんだか憎めなくってですね、そしてそれは他の面々に関しても同じなんですね。人間味があるといったらよいものか。愛すべき困った男たち。つっこみ役の女性ふたりもいいキャラクターですよね。私は葉子さんが大好きです。ほんと、葉子さん、きっちりしてそうなのに、意外と駄目なところがあったりして、ああ、なんて可愛いんだろう。ええと、つぼみんはいろいろとすごいので割愛。けど、ほんと面白い、楽しい人たち。見て、読んで、その雰囲気、大変に気にいってるんですよ。

  • 岩城そよご『ジムメン!』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2013年。
  • 以下続刊

2013年2月13日水曜日

『まんがタイムジャンボ』2013年3月号

『まんがタイムジャンボ』2013年3月号、昨日の続きです。

『日下部くんanother』、日下部の中に入っている星野がいい感じですよ。青葉に飲みに誘われて、デートですか!? 終始その調子で、いやもう、日下部を演じようとか、ちっとも考えてないところがいかします。で、対して日下部 in 星野。星野を心配して飲みについていって、すっかり潰れてしまう。ああ、日下部ボディの頃は酒に飲まれたことがないから、加減がわからないんだ。で、青葉、日下部 in 星野を連れて抜けちゃうんですね。なんという不埒な奴! そう思ったら、ああ違うのか。思わず知れる友人の本音。よかったじゃん、日下部。そして星野、日下部を見守って、ええ、ふたりの関係も悪くない。でも、進展したりはしない感じなんですね。いや、でも日下部はちょっと揺れてたりする? 青葉ならずとも、気になるふたりでありますね。

『ラン様の放課後遊戯』、ラン様とりら、バレンタインデーを目前して、ついに激突ですよ。有太を驚かせた方が勝ちというルールで、デパートにやってきた。お互いに、相手が有太に贈りたいのだろう、そう思っているのが面白いですね。敵対してるのか、それとも塩を送りあっているのか。その両方なのかも知れませんね。勝ったら報酬、ラン様の左手でなんでも望みを叶えるというんですが、これ、ラン様はあえて負けるつもりなのか? わからないですね。ふたり、有太と遭遇して、下旬から試験と聞かされてからのりらの様子、あれが面白かった。そしてラン様の秘策、ああ、結果オーライですね。休日のふたり、私服も可愛かったし、なんのかんのいって仲良しっぽくて、いいエピソードでした。

『先生だって嘘をつく。』、南先生、この学校では最強なんでしょうか。バレンタインデーに対する注意事項、教職員も禁止。それを聞いて憤慨する長持先生はまあどうでもいいとして、泥沼蓮子に対し策略をしかける南先生。蓮子先生、思いっきり手玉にとられてるし。自分は校長の命令なんて知らない、無視するといっておいて、当日バレンタインは完璧にスルー。焚き付けるだけ焚き付けて、悪い人だなあ。しかし、そこで男を見せたのが長持先生で、あの魂の叫びは笑ったなあ。まあ、それでもおしおきは受けるのね。しかし、蓮子先生の決して報われることのない思いや、長持先生のおよそ通じるとは思えない一方通行の気持ち、わびしいバレンタインイベントだなあ。そして大神のバレンタイン。いや、まあ、よかったじゃんか。ちょっと困った顔してるメリーがいい味出してました。

『兄妹のスキマ』、妹ほのかが猫を拾ってきた。最初のうちはツンの部分が多かった妹ですが、可愛げが描かれること増えてきましたね。わかりにくい、あるいはそれが前に出てこず、嫌な子と勘違いされてしまうことを考えれば、ベタな表現となってしまうかも知れないけれど、愛されやすい今の方がよいかも知れませんね。しかし、猫がいなくなって気落ちしてる妹、兄ならずともちょっと気の毒に思う、励ましたくも思いたくなる、そんな様子でしたが、けど猫も妹も元気でよかった。この妹さまは、傍若無人なくらいがよい、そんな感じでありますね。

  • 『まんがタイムジャンボ』第19巻第3号(2013年3月号)

2013年2月12日火曜日

『まんがタイムジャンボ』2013年3月号

『まんがタイムジャンボ』2013年3月号、発売されました。表紙は冬のスポーツですね。『レーカン』天海さんがフィギュアスケート、大変に美しくていらっしゃる。他にはカーリングのストーンに乗った『ちっこいんちょ』、スノボしてる『じょしもん』美々、そしてスキーが苦手そうな『花の任侠物語・しずか』であります。しかし、天海さん、本当に奇麗だなあ。

『乙女ほるもん』、恋敵タマキの出現で、良介とミミとの関係、進展あるか!? いや、どうもあんまりないっぽいですね。バレンタインデーに勝負をふっかけるタマキでありますよ。チョコレートの数を競おうという。けど、良介は違うんですね。女子たちに頼まれてチョコレートを量産している。ええ、チョコ職人として大忙し、それが女子力にとってのバレンタインデーなんですね。しかし、タマキ、面白い。ミミのこと、素直になれない。それで良介の方がマシだとか、あらぬこと口走ってる。うん、嫌なやつかなって思ったんですが、なんのなんの、可愛いやつでありますよ。そして良介、大人気ですよね。義理かも知れないけど、少なくともふたつは本命でしょう。でも浮かない。なんでか、ええ、ミミですね。そうかあ、やっぱり良介、ミミのことが。ちょっとずつだけど進展してる。ええ、このもどかしさ含めてよいですよ。

『凪くんの不運な棚ぼた』。音鳴さんがお泊まりなんだそうですよ。あの座敷を膝にのせて絵本読んでるところ、いいなあ。なんだろう、ほのぼのだ。それ見てドキドキしてる平太郎、それを冷やかに見ている疫病神、それぞれの気持ちをよく表した導入、実によい感じです。音鳴さんが、座敷わらしとか疫病神と呼ばれてるふたりのこと、あれは本名なのか? 疑問に思うの、確かにそのとおりだ。適当な変名をつけてあげるべきだったのか? そう思ったところ、キラキラネームとして処理。疫病神のツッコミがいい感じです。うん、無理あると思う。でも、ふたりの正体を隠した平太郎の本音、疫病神を守ろう、そうした心意気がいいではないですか。疫病神がですね、平太郎にやきもち焼いてるのね、可愛くていいなって思うんですよ。座敷わらしは子供だと思う。対して疫病神はしっかり娘さんという感じがあって、見ていて、その気持ちの揺れ動き、また平太郎に対するいたずら心なんかもね、いいなあって思って読んでますよ。

『桜乃さん迷走中!』、めちゃくちゃ面白いな。水沢さんがケーキを作ってきた。それでキャンプ用品店店長と桜乃さんが食べるんですが、ああー、まずいんだ。あの満面の笑みが一気にしぶい顔になるのね、面白かった。しかし、桜乃さん、やるじゃないですか。しばらく前から、私、彼女のこと見直しっぱなしなわけですが、今回もほんと見事。桜乃さんクッキング講座など開きまして、粘土みたいな味と評される水沢さんの料理をなんとかしようとする。する……。した……。そうか、水沢さん、こんなにも残念な人なんだ。なんともいわれん工程を踏んで、何故かそれっぽい形になるのが余計にタチが悪いな。めちゃくちゃ面白かったです。あの寸評も、あの慰めも。いや、ほんと、めちゃくちゃ面白かった。カレーさえも粘土味にしてしまう水沢さんに伝授したとっておきの料理、あれももう最高でした。

エッセー企画「一世一代の大勝負!」、でありますよ。参加者はひらふみ、かわちりえこ、とく村長、来瀬ナオ、津々巳あやであります。で、読んでみてなんですけど、かわちりえこの大勝負、これに全部持っていかれた、そんな感じがしますよ。って、ほんと、なんじゃこれ、洒落にならないじゃん。大勝負に勝ったからこそ今がある、それはひらふみ、とく村長、津々巳あやにしても同じでありますが、職業や夢を叶えた、という以前の、命にかかわるレベルって! いや、ほんと、よろしかった。なにごともなくって、ほんとによかった。笑いに落ちない、読むごとにハラハラさせられる、そんなエピソードだったと思います。そして津々巳あや、少女漫画描かれてたのですね。確かに絵柄、全然違う。昔の絵柄も華やかだけど、自分は今の絵柄、大変に気にいっていますよ。

  • 『まんがタイムジャンボ』第19巻第3号(2013年3月号)

引用

  • えのきづ「桜乃さん迷走中!」,『まんがタイムジャンボ』第19巻第3号(2013年3月号),101頁。

2013年2月11日月曜日

脱出アドベンチャー 旧校舎の少女

ニンテンドーeショップの新年お年玉セールで購入したゲーム、『脱出アドベンチャー 旧校舎の少女』。実は購入して二日ほど遊んで、それ以来ずっと寝かせていたんです。面白くなかったわけじゃないんです。けど、なんとなく時間がとれなくて、じゃないですね、これのためにあえて時間を割こうとは思わず、今の今までそのままにしてしまっていたというのが正しい。全4章のうち前半だけをクリアして、残りはいずれいずれとずるずる。いや、これではいけない、とりあえずぱっとクリアしちゃおうじゃないか、そう思いまして、今日、残り2章を一気にクリアしてしまいました。

ゲームの性質上、章が進めばそれだけパズルも難しくなるのだろう。そう思っていたのですが、特にそういうわけでもないんですね。いや、パズルとしての難度は上がってるのかも知れない。けど、このゲームのパズルって、動作のパターンやクリア条件に気付けるかどうかが重要で、気付けなければ最初の方の章でも時間がかかるし、ぱっとみて、ああこれかとわかってしまえば、後の章でもすぐに解けたりするんですね。この気付くかどうかが重要というのは、無闇に手間ばかりかかるみたいな労が少ないともいえるわけで、つまりはいいバランスといってもいいのかなって思います。ちょっとわかりづらいものもあったりしたんですけどね。

ああ、ここからはちょっとネタバレ気味になるので、プレイしてみようかな? って思ってる人は読まない方がいいかも知れません。

第3章までは、パズル、ギミックの解読をする時に、移動できる範囲がかなり限られていて、ひとつのギミックをクリアするとなったら、とりあえずそれだけに集中していればよかった。けど最終章は、複数のギミックが同時提示され、ひとつのギミックをクリアしたら次のギミックのキーが見付かる、そうしたつくりになっているのですね。でもそれはクリアしたからいえるわけで、クリアするまでは、このまま攻略を続けていいんだろうか、そういう不安があったりしたわけですよ。ほら、昔のアドベンチャーゲームって結構意地悪にできていまして、前段階で必要なギミックを解いてなかったり、あるいは必要アイテムを拾い損ねて先に進んでしまったら、取り返しがつかなくなったりしたわけですよ。閉じ込められた室内、クリアアイテムはずっと以前に見付けておかないといけなかった、ということは、完全なハマりじゃないか! ええ、最初からやりなおすしかない、そんなゲームも多かったんです。なので、最終章に関してだけは、こうしたギミック解き忘れによるバッドエンド展開なんかもあるんじゃないか。第1章からやりなおしじゃなく最終章だけのやりなおし、わあ、すごい親切! みたいにも思いますが、ちょっとそれは悔しいなあ。なんて思いながら、試し試しギミックを操作しては、やめ、他のギミックを探ったりしたものでした。

クリアした今となって思えば、ただの杞憂だったんですけどね。全部のギミックを解かないと、最後のギミックに必要なヒントに辿りつけなかったわけですから。

あまり期待していなかったといっていたストーリー。だって、なんで鍵がまんまパズルなの? とか、なんでこんなところにこんなものがあるの? とか、真面目に考えたらおかしいことは山ほどあるわけです。でも、それはパズルを繋ぐための方便なわけですから、気にしてはいけない。そう思っていたんですね。だから、さらさらすらすらと読んでしまっていて、そして最後に描かれたこと、ああ、そういうことだったんか! ちょっと意表を突かれたといいますか、なるほどなるほど、よくわかった。ええ、あらためて読み返してみたいかな、そう思わせるものがありました。ちょっとネットで他の人の感想も見てみたんですが、そうしたら、バックログに仕掛けがあるらしく、へー、それも含めてまた今度再プレイしてみよう、そう思わせてくれるものがありました。

最近のゲームは、クリアするまでに膨大な時間を要求したりして、ちょっとの時間遊んだり、また再プレイしてみる気持ちをくじいたりすることも多いですが、このゲームは本当に手頃で、ふと思いたったら再プレイ、隙間時間で好きな章だけプレイ、みたいにもできそうで、こういう感触、ちょっと気にいっています。

メーカー公式

Nintendo

2013年2月10日日曜日

『まんがタイムきらら』2013年3月号

『まんがタイムきらら』2013年3月号、昨日の続きです。

『ふぉりぼら』は、幽霊に加え天使もほぼ常駐することになったんですな。前回、御迎えの端末に異常が見られたの、端末側の故障ではなくベース側に問題があったそうで、当分仕事は休みになってるというんですね。暇なので、ときわのお招きにも気軽に応じられる。それで転職など考えている。ボウガン装備のキューピッドとかあるんですね。うん、威力、命中性ともに高そうでよろしいじゃありませんか。さて今回面白かったのは天使の話、というか、これ泉の女神ですよね。くぬぎのいうね、貴女が落としたのは語学ですか? それとも倫理学ですか? っていうやつ、あれはめちゃくちゃ面白かった。というか虫のいい子であります。くぬぎ、3日に1回くらいしか大学にいってないみたい。さぼってパズル作ってるのか。そんなどうしようもないくぬぎの面倒を見てくれるたかね、最初は怖い人かと思ったけど、いい人です。あの最後の追い掛けてるところとか、よかったですよ。

『はぴえん。』、前回の迷子の情景、そこからですね。最初、これどういうことなのかな、いろいろわからないまま読んでたんですが、2話からいろいろ明らかにされていく、そういう段取りになってるみたいですね。女の子たちの共同生活。これ、ただ一緒に暮らしているというだけじゃなくて、わけありみたいなんですね。迷子になったりいろいろ役立たずだったりする春名、なにも知らない、自分のことをそういって恥じる。ここに来れてよかった。この場、彼女らがともに暮らしている場所が、春名にとって多くを知っていく場になるだろう。そうした予感をさせるのですね。澄空学園。それが彼女たちの場。続き語られるだろうこと、それが気になります。

『うちのざしきわらしが』、光のバレンタイン手作りチョコ教室だそうですよ。おおう、夕美まできておる。小学生に習うのか。しかし、このチョコレート作りの光景、いいですよ。湯せんで溶かしてフルーツにからめる、あとトリュフを作る、うん、これなら難しい工程なしで結構なものができますよ。いい先生じゃないですか。問題は夕美ですよ。あのチョコレート、面白いなあ。ちょっと興味ありますよ。そして私がプレゼント。見られてしまって赤面、すたこら逃げていくところ、めちゃくちゃ可愛かったです。エキセントリック、可愛い乙女でありますね。そしてわらのお姉ちゃん。ああ、タイミングが! いい落ちになってました。

『ごめんね。夏目ちゃん』、夏目ちゃん家でゲームですよ。これは、クイズに答え、また選択肢に対する答いかんによって、娘の性格が変わってくるってゲームでありますね。うん、昔やった。しかし、夏目ちゃん、思っていた以上にめんどくさい子です。完璧主義。選択肢の間違いを許さない。間違えたらデータ全消しなのか。いつまでたっても終わらんぞそれ。ちよりの傍若無人な回答、そしてしえちゃん天才肌。で、参加できない桜子。いつもどおりといっていいものか? うん、そのように感じます。めんどくさい夏目ちゃん、ヌルヌルしてるコントローラーに御冠。うん、これは自分も嫌だ。夏目ちゃんの面倒くささは、私の面倒くささに近いのかも知れません。そしてゲームの女の子、エリカの成長。思うようにならなくて消してしまおう、そう思ったところに流れたエリカの言葉、ちよりのたいせつなおともだち、そしてお詫びの言葉。いや、最後には台無しになるんですけど、でもちよりのメッセージ、あれは本心からのものだと思いたいなあ。

My Private D☆V、『P.S.リスタート』の桑島黎音でありますよ。頭身高目の人物イラスト、制服吊り目のお嬢さん。ニーソ、ニーソックスが好きだとおっしゃるのですね。足が好き、特にふとももが好き、具体的にはニーソックス、ということみたいです。下がったニーソックスを戻す仕草、それがたまらないとイラストに描かれて、後ろの雪だるま! あの目付き、そして口元! いやはや、なるほど、自分自身の本質というものを覗き込んだ、そんな気持ちになりましたよ。いやはや、かくのごとくひきつけられるのでありますな。てりぶるであります。

  • 『まんがタイムきらら』第11巻第3号(2013年3月号)

2013年2月9日土曜日

『まんがタイムきらら』2013年3月号

『まんがタイムきらら』2013年3月号、発売されました。表紙は『棺担ぎのクロ。 — 懐中旅話』。おおう、黒くないぞ! ランタンを手に結晶の洞窟に踏み込んだクロなのでしょうか。クロを照らすのはランタンの暖かみある光、そして結晶が青く投げかける淡い光。ふたつの光が混ざりあって不思議な雰囲気を作り出しています。しかし青く照らされるクロは、あたかも妖精かなにかのようで、ちょっと儚い、そんな風にも思わせられますね。不思議と印象的な表紙であります。

チェリーブロッサム!』、今回はつばきのターン? 妙蓮寺と武蔵浦和、いや武蔵小杉の計略により、大咲、つばきと一緒に帰ることになった。恋する同志としての支援、なのでしょうね。妙蓮寺は妙蓮寺で恋の花咲かせようとしてるみたいですけども。さて、つばき、大咲にちょっとアプローチしかけてみるも、見事はずして、けどこの大咲の対応、もしかしてと思いながらも間に受けて違ったら恥ずかしい、それで牽制してみてるとかじゃないだろうか。ないんだろうなあ。さて、つばきと大咲、突然のゲリラ豪雨で雨宿り。そこに通りがかる大倉山先輩、ならぬ大岡先輩ですよ。扉は大倉山先輩だった。そうか、今回は大倉山先輩の番だった、というわけですね。大倉山先輩、大岡と変名使って、つばきの恋愛相談に乗っている。今回も気を利かして、大咲、つばきのふたりに傘を貸して、応援している……、複雑な気持ち抱えながら。大倉山先輩は中立であろうとしている、けれどそうあろうとしてあれない、憂いを抱いて、雨の中、ひとり帰宅。ええ、大倉山先輩の番。自分の内面にある思い、それに向き合うことを余儀なくされつつあるのですね。そうした状況にあって、この人の魅力、美しさが際だって映えている。そう感じます。ええ、恋に迷い、自分に戸惑う、美しい人であると思います。

箱入りドロップス』は、前回の続き、バレンタインデー当日でありますよ。って、おおう、澄田純、あんたの好きな相手って教員なのか。おおう、おそれいった。さて、陽一と雫ですよ。陽一、前回雫にいわれた陽一さん用じゃないっての、あれにすっかりやられて気にしちゃって、一緒に登校できなかったっていうんですね。って、雫、横断歩道、まだ駄目なんだ。しかし、バレンタイデー、こんなにも意識して、この男ふたりは可愛いのう。萌の「義理チョコ」、あれもまた可愛いのう。相ノ木×陽一に反応してる人もいるよ! 相ノ木のチョコレートは、うん、妹からか。あの妹か。しかし、ほんと、陽一、雫のチョコレートのこと、気になってしかたなかったんだなあ。いや、わかる。自分が一番雫に近しい男子だと思っていた。なのに、他に気になる相手がいるっていうの!? ところがそれが一転自分のためのものと知れて、それであんなに動揺して、対する雫のあの表情、あの言葉の素直さ、あれはしみる。雫の気持ちは恋じゃないかも知れない、日頃の感謝かも知れない、いつもよくしてくれる陽一への好意かも知れない、けれど恋かも知れない。それは私にはわからない。陽一にもわからない。雫にもわかってないのかも知れない。けど、この雫の気持ちの透明で清いこと、心洗われる思いでありました。純粋な人の気持ちのまぶしさがありました。

スマイル・スタイル』、素晴しいな。百合の部活をめぐる騒動でありますよ。以前は美術部に入ってた。けれど今はどこにも入ってない。伊藤先生が、美術部を覗いてみたらといってくださるんですね。ちゃんと話を通しておくから、そうしたら、おおおお、あの先生ですよ、面接の時の、そして伊藤先生と百合を取り合っていた、あの先生ですよ。めちゃくちゃ可愛いな! 美術の先生だったんだ! 今回は新たに判明したことがたくさんですよね。学校の名前、清香女学園。美術の先生は西谷絵美。なんと美しい人だろう。百合に思いの丈を語る。なんと真摯な姿、見惚れてしまいましたよ。しかし、この漫画、先生たちが出てくると増して面白いな。今回も馬場先生、あの赤面! そして西谷先生。あの手この手というか、手段選ばないな! めちゃくちゃ面白かったです。あと、寮長も。この人、というか、この漫画って、大人たちがものすごいよね。ほんと、この人たち、大好きです。

『プレフレ』、雪の日ですよ。樹と椿、通学途中に雪合戦に発展して、いやもう、楓もお怒りです。さて、樹、タイツが似合わないらしい。というので、ジャージ装備。スカートの下に着込んでたのか。っていうか、よくあの短いスカートに隠せてたよな。樹、スカート下にジャージのなにが行儀悪いのか、熱弁するわけですが、男子はズボンなのに女子はスカート、タイツよりこっちのが機能的だろうと、うん、全面的に同意する。まるで自分の言葉が樹の口を通して発されている、そう感じるほどに同意する。いや、もう、そのとおりだと思いますよ。で、男子のスカート、うん、素晴しい、樹は自分の発想に極めて近いものを持っている。もうほんと、素敵な娘さんたちですよ。と、うんうん共感ばかりしててもしかたないんですが、この子らのさっぱりとした? 女の子女の子してないところ? けど、しっかり女の子だったりするところ、その塩梅、それがこの漫画の魅力だと思うんですね。今回は女の子っぽいところ、ほとんど出てませんけど。さばさばしてて、わーいと思いきったことやっちゃうところとか、彼女らの自然でいられる感じ、それに実に魅せられています。ほら、あの氷の坂道、あれもほんと惚れ惚れしましたよ。チャレンジせんではおられない、そうした樹、椿が愛おしいのですよ。

『帰宅るまでが学校です!』、いい感じじゃないですか。帰宅部、部員が集まりつつある? そう思ってたんだけど、またふたりだけに戻ってる。いや、そうじゃない、ちゃんと来てくれてたんですよってところ。あの人見知り? カンナですね、すっかりコミュ障のポジション? それからクールが過ぎている夏芽っち? このふたりのかもしだす雰囲気、葵にわあわあとアプローチされて、そこに生じるリアクション? それがいい感じに面白みやキャラクターの魅力を作っている、そう思います。で、葵のあだ名。ラッキースケベなのか。で、最後のピザ、ハーフ&ハーフ、しおんも面白いなあ。いい感じに動いていきそう、そう思ったら次回から連載とのこと。うん、いい感じです。

『すいまさんといっしょ』、おおう、扉のしおりの可愛いこと。そう思っていたら、なるほどしおりの家は神社なんですね、って、しおりの家じゃなくてしおりの祖父の家がそうなんですね。なので手伝いをしている。巫女の装束着けて、ということで、扉が巫女姿だったわけです。で、本編ですよ。ふみんさんも巫女の格好! あの登場シーン、あの表情、ぱぁっと明るさ振りまくようで素敵であるなあ! 髪の表情、それも素敵で、ほんとふみんさん、大変にキュートであります。この神社のおみくじの、御縁の5円が入ってるっていうの、粋ですね。縁が続きますようにと願って人に渡す、そういういわれ。しおりがね、ふみんにいわれて意識してしまって、ユウの一挙手一投足に過剰反応する。いやもう、面白い。だんだんに育って、世界が、この人達の関係が、ふわふわほかほかと広がっていってる、そうした感触、とてもよいですよ。

『コドクの中のワタシ』、真由が囚われの身に? 今回は人の二面性を学ぶ、ということで、真由のプライベートを教室に流されてしまって、それでぐれ子、どん引きした? どうも様子のおかしいぐれ子を見張ってくれるよう先生にいわれて、後をつけた真由。そうしたらつかまってしまったのですね。見知らぬ屋敷の中、出会ったのはぐれ子、にそっくりの女の子。春日野麗華。ぐれ子に寄生されているというのです。不治の病にかかっていた彼女、しかしぐれ子に寄生されたことで、病気が寛解した。なるほど、ぐれ子は地球人の身体を、麗華は症状の緩和を、それぞれメリットを得ることで共生することにしたっていうのですね。面白い。SFですよ。ええ、ハル・クレメントの小説、ええとそのジュブナイル向け翻案本『星からきた探偵』を思い出しましたよ。これも宇宙人、というか宇宙からきた知的生命体みたいにいった方が適切かも知れない、と人が共生する話なんですよ。もちろん両者にメリットがあって、そうしたのを思わせる麗華とぐれ子の関係。ああ、面白い。なんかわくわくさせられます。ええと、『星からきた探偵』のオリジナルは『20億の針』だそうです。絶版してるのかな? 読んでみたくなりましたよ、両方。さて戻りまして、麗華です。真由に嫉妬して嫉妬して、その挙句の真由の選択。これも面白かった。ええ、今後の麗華の活躍、ぐれ子のそれともども期待したく思います。

  • 『まんがタイムきらら』第11巻第3号(2013年3月号)

2013年2月8日金曜日

『まんがタイム』2013年3月号

『まんがタイム』2013年3月号、昨日の続きです。

『ゆとりノベライズ』、面白いなあ。ゆとりがブログを作ろうってんですね。炎上を怖れてみたり、また書くことが思いあたらなかったり、うん、すごくよくわかる。先輩作家里美さんがブログをやらない理由、これは面白かったなあ。新刊案内とかそういうのは、ファンの人がやっちゃうから、自分の出る幕がない。ほー、そんなものなのかー。続くネット通販サイトでの中古価格、中古1円にショックを受けるふたり、これも最高なのでした。あれ、規定の送料と実際の送料の差額を代金にあててるわけですけど、見た目にショックですよね。ええ、面白かった。実際、ショックよなあ。里美が作風から男と思われてるとか、ゆとりのブログの顛末とかも面白かったです。ラーメン批評、それが大人気、って、それだけ人の心を打つ文章を書けたってことなんですから、誇っていいことだと思うですよ。立派です、見事ですよ。

『ノコひけ!工業娘。』、作業服女子は可愛いなあ。さて、本編はというと、どちらかというと男子メインでありますね。相川に酷いこといわれる太田。皆からチョコレート贈られるのだけど、来月38人にお返し、ええ、酷い目にあわされてる男子たちです。神菜先生のお気に入り男子は樹森琳、って、あーそういうことだろ、そう思ったら、まさしくそうでした。太田に対する態度、そしてその変化も、ほんとおかしかったです。先生、木がついたらどんなでもええんか。そしてマラソン大会、男子ふたりが大活躍、って、こいつら地味に超人的だものな。そして雪の校庭にできる小屋、0.8ミクロンのチョコレート、ほんと面白かったです。小屋は、小屋は笑ったなあ。

『大家さんは思春期!』、挙動不審なチエちゃん、いったいどうしたのかというと、現金運搬中だっていうんですね。いや、ちょっとわかる。自分も十万とか以上持つと、心持ちそんな感じになるなあ。チエちゃんはまだ中学生、だから余計に緊張するんでしょうね。今月の生活費を引き出して、それであのおどおどした帰宅風景になったというわけです。チエちゃんは大家をやっているのだけれど、まだ難しいことはできない、なのでお婆ちゃんの友人の不動産屋に任せているという。もっともっと小さかった頃に、通帳の預金額、それを見て怖れをなしてしまった。うん、百万円が大金持ちの基準だったりするころだったんだろうなあ。それで不動産屋の小池さん、お爺ちゃんに頼ることとなったそうです。チエちゃんは、できることをできる範囲で頑張ってるわけですね。元気に一生懸命、その様子が店子に元気を与えている。そして麗子さん、前田のことを優しい人でよかったと。ええ、この親しい関係、それはとても魅力的。互いに元気や笑顔をわけあってるのですね。

『かーちゃんのぞみかなえたい!』、かーしゃん、あかねの叔母ですね、どんどんくたびれていくの、面白いなあ。この漫画、あかねは実際の子供よりしっかりしてる、そんな風に思うんですけど、あの葉っぱをとってきてくれる、あと棒とどんぐりと石と、ええと、カマキリの卵。こういうところ、リアルな感触があっていいなあ。うん、いろいろこういうの子供って拾ってきますよね。自分も覚えあるわあ。そしてかくれんぼの風景、隠れるの待ってる間に寝てしまうとか、すごいな! でも、もっといいのは次の一本、カーテンの後ろに隠れてるあかねをこちょこちょするとこですよ。あかねのね、ここにいないしって、ここにいないっていってるでしょって、もうほんと、めちゃくちゃ面白かったです。ほのぼの育児もの。いや、育児とはちょっと違うか。けど、ちょっとリアルな子供の様子、そのコミュニケーションの面白さ、これはいいですよ、大変によいですよ。

  • 『まんがタイム』第33巻第3号(2013年3月号)

2013年2月7日木曜日

『まんがタイム』2013年3月号

『まんがタイム』2013年3月号、発売されました。表紙は『おとぼけ課長』をメインに、雪合戦ですね。投げてる課長、雪玉作っている『恋愛ラボ』リコ、マキのふたり、雪玉を投げようとしているところの『ジムメン!』花巻に、雪玉食らっている『Welcome! つぼみ園』ことみ先生であります。

『あいすべきものどもへ』、ロックですね、藍色編だそうです。主人公、丈の父の葬儀ですよ。トゲトゲ首輪のロッカー。遺影がそれって、残されたものとしては微妙ですが、仲間に慕われたギタリスト。安月給で好き勝手な道楽野郎と、丈は否定的にとらえてるみたいですが、母は父のよき理解者だったんですね。この父親、化けて出てきて、丈と対話する。この家の宝といって、自分で塗った藍色のギターを渡す。あの、丈の肩が震えている、その肩を抱こうにもそうできる体がもうない。ちょっと切ない。落ちをつけるから、しめっぽい一辺倒ではないんですが、それでもしんみりさせるものありますね。しかし、あの地味な母ちゃん、昔はああだったんだ。そして丈のその後。面白かったな。母ちゃんや父のバンド仲間、その後も知れて、なんかよかったな。こういうの嫌いじゃないですよ。

『ほめよめ』、面白かったです。かのんさん、この人がメインというよりも、智也をめぐる恋愛模様、そちらが主題って感じになってますね。智也、地に足つかないご帰宅、なにごとかと思ったら、下駄箱に本命チョコがはいっていたというのですね。そのチョコレートが誘う動揺、智也はどんな娘だろう浮き足だって、あっこはライバル出現にぐるぐる目をまわす、そいつが面白くて、でもあっこの場合、結果オーライですよね。ちゃんとチョコレートを渡せた。照れかくしが酷いんですけど、渡せたことには違いない。そして謎の桃川さん、このチョコレート、智也あてじゃありませんでした。彼氏いるんだ! ええ、あっこ大安心ですよ。てっきり新キャラ登場かと思ったんですが、智也のモテない期間はまだまだ続きそうです。いや、あっこひとりにモテてたら、それでもう充分じゃないか!

『ジムメン!』、ほとんどジム関係ないじゃん! 葉子の髪が伸びました。おしゃれで? と思いきや、美容院が苦手だっていうんですね。雑談が苦手、キラキラした雰囲気も苦手、それを理解できない花巻と、葉子に共感する初芽、征一、ふたつにタイプがわかれてしまって、しかし初芽の苦手意識、ええとキラキラしたのが駄目ってことみたいですが、ジムに2年通ってまだアウェー、めちゃくちゃ面白かったです。葉子さん、ちょっと涙目だ。いつも前向き、凛々しいタイプのお姉さんなんだけど、意外や神経細いんだ、葉子さんの可愛さが際立っていた、そんなエピソードだと思います。なりたい自分についてのやりとり、あれなんかはすごくよかったですよ。

『スーパーな店員さん』、ゲストです。これ、スーパーマーケットの店員と、すごいという意味でのスーパーな店員、ふたつの意味をかけてあるんですね。ヒロイン、有村みゆん、この人がスーパー社員。売上を上げるために本社から派遣されてくる、そんな人なんだそうですが、145cm、中学生と勘違いされたりするってんですね。今回は牛乳を売るというのが目標。時間帯別売り上げをチェックして、夜には品切れしてるんじゃないか、機会損失を指摘する。なかなかにいい感じではないでしょうか。他の登場人物は、松井夕佳、17歳なんだけど大人に見える美人さん。みゆんと対照になってるわけですね。みゆん、スーパーな店員とのことでしたが、そのスーパーさはあんまり表には出てこない。むしろ、よく頑張ってる、ちょっと空回り気味? そんな感じ。見た目に負けない幼気さ、そんなところが押し出された感じ。悪くなかったです。

  • 『まんがタイム』第33巻第3号(2013年3月号)

2013年2月6日水曜日

スイーツどんぶり

 もう、これ、めちゃくちゃ面白い。『スイーツどんぶり』、『まんがタイムきららMAX』に連載されている料理漫画なんですが、天才的な腕を持つ調理部部長酒井暁美の大活躍。いや、でも、はじまった当初には、まさかあんなことになるだなんて、予想だにしていませんでした。だって最初の頃は、学内での活動にとどまっていて、おいしい料理を作れるようになって好きな男子のハートをゲットだ、意外と乙女な番長ジャッカル、柿崎志保子が健気に料理修行みたいな話だったのに、いや、それでもなんかおかしかったよな……。

ジャッカル柿崎の恋にはじまり失恋に終わる導入部、ここでは強烈に料理力の高い酒井と、猛烈に低い柿崎、その対比がおかしくて、けれど一番いかしてたのは栗原静香、彼女だったかも知れません。お家がお金持ち。普段いいもの食べてるから舌には自信あり。と、ここまではいいんですが、いろいろ問題ある模様。いやもう、女同士のよさとかなんとかいってるんですね。派手な酒井、柿崎の間で、それ以上に異彩を放っている静香。ポイントポイントで面白みを提供し、辛辣であったり、欲望に正直だったり、ほんといいキャラだと思います。

と、強烈なのはこの先ですよ。老師、いや調理部の顧問なんですが、鯉川先生登場からの面白さったらなかったです。見た目に老師といった風貌のお爺ちゃん先生。けど結構な見掛け倒しで、ジャッカルの料理に怖れをなしたり、メイン三人のハイテンションについていけなかったり、そしていいとこどりしてみたりですよ。もうほんと、出てくるキャラが皆が皆、面白く、個性的、で、おかしさとともに普通の感性が垣間見えたり、そうした落差、そしてネタ展開に見られる切り返しの妙。豚原への前菜とかね、前と後ろ、同パターンで逆の見せ方してますけど、ツッコミなのか? ぱっぱと見せ方切り替えて、ツッコミの入るタイミング、あるいは有り体の感想、ハイテンションの中に滑り込む常識的態度が実にいいコントラスト作り出している。おかしくておかしくて、笑わないではおられない。その味わい、当初からあったものですが、豚原登場後、すなわちLIFEとの抗争が描かれるようになってからより顕著で、笹田の顛末とか、とにかく大仰な笹田に、いったいなにごとかとうろたえるテレビ局スタッフ、その対比が素晴しい。“吸血鬼” 如月源五郎の展開ももうしびれまくりで、いやほんと、LIFE編、キレてますよ、いけてますよ、ガンガンいってくださいよ。もう最高です。

しかし思えば、『スイーツどんぶり』は『幸腹グラフィティ』と同日発売。これはすなわち、対照的な料理漫画、まさに激突! そうした構図を意図しての粋なはからいであったのでしょうなあ。いや、ごめん、なんかそういうことにしたら面白そうだから、いってみただけです。

  • FBC『スイーツどんぶり』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2013年。
  • 以下続刊

2013年2月5日火曜日

『まんがタウン』2013年3月号

『まんがタウン』2013年3月号、発売されました。表紙は、おお、『押しかけ時姫』を大きくメインにあしらって、姫、携帯音楽プレーヤーを手にヘッドホン、なんだか楽しそうに体揺らして踊っている、そんな雰囲気。あのなびく髪、あの表情、すらっとした手足、美しいですね。もう、大変なんすから。そして『てんしんらん漫!』、新連載告知カット、ヒロインふたりがセンターマイクを前に漫才しているところ、可愛いふたりですよね。他には『新クレヨンしんちゃん』、『鎌倉ものがたり』、『かりあげクン』のカットがございます。

『押しかけ時姫』、素晴しいな。戦国時代から現代にやってきたお姫様、時姫がお怒りですよ。とっくに日も昇っているのに、家臣である海斗が起きてこない。おお、時姫、早起きなんですね。日暮れて眠り、夜明けに目覚めるのかも知れませんね。しかしこの時姫、やたら可愛らしい。南蛮装束は足が出てはしたない、だから着物しか着ないという姫のために、祖母の家に着物をとりにいくというんですが、それに姫、つれていけという。その道中の姫の様子、これはよかった。自動車を見ても騒がない。南蛮の籠は変わっておるの、クールな感想お持ちあそばして、うん、この子の中では南蛮というのが万能ワードになっておりますな。そして整った町並みに感動、我が野々江家が天下統一を果たしたと喜ぶものの、そうではないと知らされて、一喜一憂、うん、戦国の世からくれば、今の時代の町並み、地方都市であろうとも目映い都と映りそうです。祖母宅に着き、誉められてはにかむ姫、海斗によくつかえるようにという祖母に満面の笑顔見せる姫、そして帰り道、ちゃんと世話をするといわれて頬染める姫、もうたまらんですな。勝気で、けれど可愛げもある、そんな姫の活躍、おおいに期待しますよ。

『ぼくの奥さん』、なるほど、ルイの兄がつけていた香水、あれってちゃんと伏線とすべく用意されたものだったんだ。いやあ、感心しましたよ。キャロリーヌ、強い匂いが嫌いだったんじゃない。自分をいじめる嫌なやつ、そいつの匂いだったから嫌だった。そうしたことがルイに知れて、ああ、前にもいじめられてたのか! すべてを知って怒るルイ、ああ、いいやつじゃないですか。ほんと、他ならぬキャロのためということもありましょう、自分が悪いというキャロに、そうじゃない、相手が悪いんだと伝えるルイの姿。自分は姫の味方だと、守ると、好きだと、そういうルイは本当、いいやつだなって思います。ルイとキャロ、ずいぶん仲良くなった、そう思っていましたが、今回のエピソードでなおさらに仲を深めて、そして使用人とも近しくなるキャロ。ええ、いい話です。

『てんしんらん漫!』、人気芸人が原作、現役声優が作画、驚きの新連載だそうですよ。ううむ、すまぬ、どちら様も存じあげておりません。ヒロインはナオとマリア。ナオがですね、お笑いコンビを組もうとマリアを誘うのですね。なぜか。見た目にもおっとりしてるお嬢さん、マリアの強烈な天然ボケ、その威力に期待してのコンビ結成。早速吉木プロの公開オーディションを受ける段取りをつけて、ステージに立つというんですね。天然のマリア、その威力は見事に炸裂。けれど、緊張のあまりナオがうまくマリアのボケを生かせない。そこに現れた、やばそうな兄貴、マリアの兄なんですが、この人のやばさに必死に対抗する姿がおおいに受けて、合格を勝ち取るんですね。テンポのはやさ、展開のはやさ、それは逆にいうとデビューを簡単にしすぎてしまったともいえるのだけど、こういうノリのよさ、それは悪くないとも感じます。ナオとマリアと、マリアの兄貴。次々繰り出されるネタに、振り回されながらもツッコミ入れまくるナオの勢い。面白かったです。

『思春機13号』はペットでありますよ。七瀬が犬を散歩させていたところ、ひとみと遭遇。あの犬がひとみをモノと認識するとこね、あれ、面白かった。そうか、電柱とかと一緒か。犬を知らなかったひとみ。ママに頼んで作ってもらうというんですね。そうしてできたのがDG11、なつかしのロボット犬みたいなやつなんですが、お手でロケットパンチ。いきなり食らって捨てたいというひとみ。うん、気持ちはちょっとわかる。しかしDG11、やたら高機能。喋る、ジェット、いやロケットか? で飛ぶ。家庭内での序列をつけるなど、いらんところは本物らしく、そしてオイルでマーキング。って、燃料切れとか、いろいろ問題ある設計です。ひとみ、問題ありのDG11、ちょっと嫌だなって思っちゃう。七瀬の犬の方がいいなっていう。それを聞いてDG11、イラナイコなのか、問うて、ならば自爆スイッチを押せという。家族を困らせたくないという言葉にひとみ考えなおして、しかしこの展開を受けてうっかり自爆スイッチ押しちゃうのか。欠陥設計だよ! DG11、自爆! ほんと、ちょっと感動的、そんな演出はさんであのラスト。いや、予想はしたよ。でも、ほんと、あのイギリスの諺のくだり、あれはよくできてました。やられましたよ。

  • 『まんがタウン』第14巻第3号(2013年3月号)

2013年2月4日月曜日

純米 蝶野亜美「撃破率百二十%」

最近、日本酒をいただくようになりまして、まあ例年正月の三が日くらいは飲んでたんですけど、初詣にいったら御神酒をいただきますし、また正月用のお酒として買い置かれてたりもしますから。でも、自分で買って飲んだのはこれがはじめてでありました。純米 蝶野亜美「撃破率百二十%」。茨城は大洗、月の井酒造の純米酒。なにを思ったかこれを買ってしまいまして、いや、もう、『ガールズ&パンツァー』ですよ。あれはまさかの衝撃でした。大洗がえらく頑張って、いろいろ関連商品を地元発でリリースしてくる。そんな商品のひとつとして登場したのが、まさかの清酒、しかも名前が振るってる。蝶野亜美 撃破率120%。あの台詞か! 公式Blogにて紹介されたのを読んで、これは、これはちょっと欲しい、そう思わされたんですね。

撃破率百二十%、発売された、また月の井酒造の公式サイトで通販もしてる、ってんで是非買おうと思ったんですが、出遅れちゃったんですね。もう、売り切れちゃってるの。あっという間に売り切れたらしいんですが、それが追加分出ましてね、これは早速買わないと! 買ったのでした。もう、はじめての日本酒。普段飲まないお酒だから、善し悪しの基準がわからない。でも、撃破率百二十%、すっきりとして飲みやすい、最初は水みたいと思ったものでしたが、そう思ってると結構アルコールが強くて、油断ならんなあ。癖が少なく、普段日本酒を飲みつけない自分みたいな人間にも飲みやすい。で、いろいろ肴、というかご飯のおかずですね、試しながら、やっぱり魚がいい感じだなあ。さわらと野菜の炊いたんとか、実によくあって、おいしかった。

けど、できればこの料理にあわせたい、そう思うのがありまして、それはなにかといいますと、あんこう鍋です。撃破率を買った時から、あんこうあったら鍋をやろう、そういい続けてまして、その念願、本日ついに叶ったのです。

Angler fish

Anko (angler) nabe

Japanese sake, Gekiharitsu 120%

生徒会長の作るあんこう鍋は、まず肝を鍋で炒めてから作るっていいますが、今回はシンプルに醤油で味付けしたものとなりました。次に作るとしたら味噌かな。さっぱりとした鍋で、おいしかった。そしてやっぱりお酒にもあっていて、楽しく飲んで、食べられました。

撃破率百二十%はもう残りわずかとなりました。なので、また大洗から取り寄せるか、あるいは地元のお酒を試してみるか。ええ、いい感じに日本酒というものに親しむきっかけとなった。そう思っておりますよ。

2013年2月3日日曜日

『まんがホーム』2013年3月号

『まんがホーム』2013年3月号、昨日の続きです。

『さえずり少女、しんしん鎌倉』、コズリが帯留めの君、静のお婆さんに会いにいきましたよ。病室、骨折したというのですね。帯留め、コズリのペンダントを見て、ピエールのことを語り出す。じいさん悪し様に、あのフランス男などといいますが、若き日のじいさん、嵐は、若き日のおばあさん、雪を、ピエールと奪い合ったというのですね。いや、じいさんが一方的にピエールを目の敵にしていただけか。しかし、ピエールが雪のことを好いていたことは確かで、けれどその気持ちを口にすることを、雪がさせなかった。かなわぬ恋だったのですね。いずれ異国に帰っていく人、互いにその気持ちは胸に秘めておきましょう。思い出として、心に留め置きましょう。切ない恋があったのですね。そしてコズリ、ピエールの写った写真の場所、そこを聞き出し、いってみようとするのです。いった先になにがあるのか。次号最終回、楽しみであります。

『センセイあのね?』、これは面白いなあ。先生に恋しているつぐみ。先生のちょっとした言動に浮き沈みするつぐみの恋心。けれど、このところは積極的に突き進むつぐみに先生が揺さぶられる、そうしたことも増えてきて、ええ、今回はその特別に強力なバージョンですよ。発端はつぐみと薫子の会話。つぐみがファーストキスを経験したという。それを早乙女が聞いてしまって、てっきり先生と早合点、抗議にいってしまうというんですね。そうしたら今度は先生が動揺しちゃって、いやもう、気持ちはよくわかる。自分に恋心全開の女の子が、他の男とキスだって!? そりゃ動揺もすれば、面白くもないだろう。いやあ、めちゃくちゃ面白かった。片やつぐみは、聞くに聞けず、いうにいえない先生から、何度も話しかけられたと喜んじゃって、ほんと、このふたりの感情の落差、これも面白かったです。

『うちの秘書さま』、坊ちゃんは秘書の七瀬のことが気になってるようですが、メイドちゃん、この人もやたら可愛いではありませんか。バレンタインデーを目前として、いろいろ気になる坊ちゃん。七瀬はまったく意に介してないようですが、メイドちゃんはちゃんと準備している。これは義理? お世話になってるから? それとも? わかんないんですが、あの半目でちょっと無表情、謎めいた表情に心くすぐられてしまいますよ。そしてバレンタインデー、美月がなかなかやりよります。等身大の自分チョコを作らせる。まあ、照れて壊しちゃうんですが、次に出てきたの、生首なのか。坊ちゃんは七瀬さんしか眼中にないみたいですけど、美月の恋、届く日がくるのでしょうかね。

つくしまっすぐライフ!』、うわー、なんだ、結婚エンドなのかー! 驚いたのですが、ふう、そういうわけではなかったようです。バレンタインデー、なんとしても熊にチョコレートを渡したいなずな。いや、そんな悲愴な話ではなかったはずなんですが、吹雪いてしまってさあ大変。けど山中に五行を発見することはできなかったんですね。まあ、校門前で待ってくれてたんですけど。思えば、高校1年生の冬、バレンタインデーに倒れていた五行さんと出会ったことから始まった恋物語だったのですね。それがゆっくり時間をかけて、こうして恋を実らせたのですね。なずなの恋を追いながら、友人たちとの触れ合い、日常も描いて、その光景は青春だったのでしょうね。眩しい日々であったのですね。

  • 『まんがホーム』第27巻第3号(2013年3月号)

2013年2月2日土曜日

『まんがホーム』2013年3月号

『まんがホーム』2013年3月号、発売されました。表紙はバレンタインをテーマに『らいか・デイズ』、ランドセルにハート形のチョコレートしのばせている後ろ姿ですね、らいかをメインに置きまして、映画のフィルムを模したチョコレートをこちらに差し出している『シネマちっくキネ子さん』、そして溶かしたチョコレート、指についたもの舐めている『天国のススメ!』十子さんです。十子さん、ちょっと色っぽい。キネ子さんの元気一杯な可愛さ、それと対照的でありますね。あ、上の方に孔明さんがいらっしゃる。

『こなみさん家の××なごはん』。おおう、これ、カワハラ恋の新作か! 気付いてなかった。仕事を辞めた青年、野見山朝日は冷たい世間に負けて行き倒れ。すっかり荒んでしまっている彼を拾ってくれたのは小南撫子というお嬢さん。食事を提供するお店、ごはん屋こなみで働く撫子。店長なのかな? お腹が空いたとうわごといっていた朝日に鶏雑炊を作って食べさせるのですね。そうしたら、それが酷い。看病には桃、その発想から雑炊に桃が入ってる。蘭、撫子の姉もはっきりいう、撫子のご飯残念だもんね。最初ですね、この蘭が店を切り盛りしてるのかな、そう思ったんですが、どうも姉は獣医らしい。あー、残念な店なのかー。朝日、また撫子に会うことになりそう、そんなこといってますが、ということは朝日がごはん屋こなみを手伝うことになるのかな。いずれにしても、なんらかの助けがないと危なそうですよね。ええ、朝日には頑張っていただきたいところです。

『メー探偵フワロ』、事件ですよ! って、あいかわらず酷いおっさんです、フワロ氏。依頼人の話を聞いて自然とニヤけるとか、しかもそれが悪い顔! しびれました。さて、持ち込まれた事件は実に奇妙なもの。姉の夫が女物の衣装着込んで階段から落ちていた。で、依頼がまたいかすんですよ。なんでもいいから、なにかの間違いだったと証明してくれだそうです。いやもう、レモンさんもしぶい顔。うん、今回の肝は事件や推理というより、人の業についてという感じがしますよね。自分という殻を脱いだりって、それ犯罪だから! そうした人の業の深さを見つめ続けてきた仕立屋の素敵なお姉さん、あの表情がまた素晴しかったです。さて、この漫画、こういう業にばかり目を向けていたわけですけど、なるほどフワロ氏、なんだかんだいって流石です。そこにあった問題、ちゃんと気付いていたんですね。で、あのラストでしょう。いや、もう、最高でした。やっぱり業の問題だったという。あの口元のテカりとか! しかし素敵な奥さんなのになあ。ほんと、あーあ……、ですなあ。

まりかちゃん乙』、節分の話題、ということでまりかちゃん、鬼の格好で登場ですよ。って、これ、だっちゃとかいいそうよ? しかし、ちょっと描き方変わった? といいますか、なんかちょっと幼ない感じになってますよね。豆ぶつけられるまりかの可愛さ、ちょっと犯罪的? 節分の豆の言い伝え、それを説明するりのの可愛さも際立っていたように思います。ほんと今回は、まりかのウザさより、皆の可愛さが目立った、そんな感じがしましたよ。

天国のススメ!』、おおう、十子さん、凛々しくて健気、なんと素敵なお嬢さんなんでしょう。さて、今回は恋愛的お話ですよ。なんと草間が十子さんにつきあって欲しいというんですよ。好きと意識してるわけでもないのに、そういわないといけない気になっている。ええ、なにかおかしい。なので呪いと疑って学校に急げば、男子ひとり女子ふたりから同じくおつきあいを申し込まれるってんですね。共通点は、同じ清掃班だったということ。ということは太一も告白するのか!? 緊迫の瞬間を過ぎて、太一登校。しかし空振り、もう面白くてしかたありませんでした。原因はキューピッドの矢だったっていうんですね。太一を狙っていたのだけど、外して外して、誤射の連発、それでこんなことになった。なんとかしてノルマを果たさなければと、力ずくでもって太一に矢を刺してやろうと迫るキューピッドに立ちはだかって、十子、手助けはいらない、はっきり言い切るんですね。ええ、ほんと、いい子ですよ。こんなの見せられたら、太一ならずとも好きになってしまうでしょう。ほんと、十子、素敵な人です。

企画エッセー「バレンタイン大作戦」であります。参加者は宮成樂、こいずみまり、あさのゆきこ、カワハラ恋、ユキヲ、小石川ふにでありますよ。って、のっけから酷いな。告白手伝ってって、なんか妙に犯罪の片棒担がされてるような、そんな感じの手伝い。いや、もう、あの目の描きようもすごかった。いやもう、大作戦というか、犯行計画? いや、ちゃんと鞄は返すわけだけどさ、なかなかに素敵なお友達です。しかし今回、扉がよいですね。天狗の末っ子翡翠さん、ちょっと大人っぽく登場。黒婦人に華織さんに夢のバレンタイン、そしてつぐみですよ。本編ではね、チョコをあげるけん! って、いやもう、博多弁に強烈にやられておりますよ。いや、もう、ものすごい威力でした。こんな姉だったらよかった。

  • 『まんがホーム』第27巻第3号(2013年3月号)

2013年2月1日金曜日

幸腹グラフィティ

 ついぞ忘れてしまいがちだけれど、食べるということ、それはどれほどにしあわせなことなんだろう。私は今家族と一緒に暮らしていて、当たり前のように同じ食卓を囲んで毎日の夕食をいただいている。時に思うのですよ。こうした当たり前が、本当はかけがえのないことだったんだって知る日がいずれくるのだろうなって。母の作る食事、時に父も作ってくれる、それはきっとしあわせなことなんだ。おいしいと味わいながら食べる食事、そのしあわせ。そして自分が作ったものを誰かが食べてくれるしあわせ。思えば、いい加減にすましてよい食事などないのかも知れない。そうした思いを改めさせてくれた『幸腹グラフィティ』。ええ、ここには食べるということのどれほどに大切であるかが、これでもかと満ちています。

町子リョウ、このところ料理が下手になったと悩んでいる中学生の女の子。お婆ちゃんを亡くして以来、ひとりで食べる食事がおいしくないというのですね。父母ともに仕事で海外へいってしまって、今はリョウ一人で暮らしている。作るのもひとり、食べるのもひとり。それが味気ない。そう思っていたリョウの生活が激変するできごとが起こるのですね。はとこの女の子、森野きりんが毎週末に泊まりにくることになった。きりんのためにご飯を作るリョウ。食べてみたらびっくり、あれほどおいしくないと思っていたご飯がこんなにもおいしいだなんて — 。

一人で食べてたら美味しいはずないよ!

きりんの言葉、それはともすればありきたりに聞こえてしまうかも知れないけれど、それをありきたりにさせないのは、この漫画の力、表現力だと思う。きりんが、リョウが、濃密ともいえる、そんな描写で食べる、その絵の力があってのことか。いえ、違うのですね。それだけじゃない。表現の力が、食べる、そのことを描き出し、また同じく、誰かがそばにいてくれること、誰かのそばにいるということを表して、それらことのかけがえのなさ。人にとって食とは、ただ命を繋ぐための営為だけではありえない。大切と思える誰かとともに過ごす時間でもある。リョウときりんの関係は、誰かと一緒にいることの意味をしみじみと物語って、ああ自分は彼女らのように誰かのことを思って暮らしているだろうか。彼女らがそうであるようにありたい、羨ましく思い、今自分の得ているしあわせに思いをいたすのですね。

リョウときりん、そして同じ予備校に通っている椎名、彼女らの中心にある食という営為。リョウの作ってくれるおいしいご飯。いつものお返しにと、得意じゃない料理に取り組むきりんと椎名。誰かのためにと心をこめて作る料理がおいしいというのは本当なんです。まだ下手かも知れない、けどいい加減にではなく、おいしく食べて欲しいと手をかける。その気持ちが嬉しくさせてくれるんですよね。リョウが、料理上手と思っていたお婆ちゃんの知らなかった側面を知るエピソード、あれなどもとてもよかった。思えば自分も、この人に食べてもらいたい、おいしいと思ってもらいたい、そういう気持ちで作ったものは、いつもよりもずっとよくできていたと思う。最近では、そうした気持ちで料理をすることはなくなったなあ。こうしたこと思い出させてくれたのは、他でもない、リョウたちの食事の風景、食べるところもそうなら、準備から、その前の段階、きりんの、リョウのためにご飯を作ろう、そうした気持ちを温めているところから、とても魅力的に描かれているためなのですね。ただ作ればいいわけじゃない、あなたのために作る、そうした気持ちは時に健気で、時に暖かく包みこむようで、愛や情に似ている。あるいは、そのものなのかも知れませんね。ぱっと発火して燃え上がるものとはまた違った愛のありよう、それが食というものを通じて表現されたのが、『幸腹グラフィティ』という漫画であるのでしょう。

しかし、それにしてもですね。リョウやきりん、椎名、そしてお婆ちゃんの料理のエピソード、これらを追っていると、自分の得ている食というしあわせ、その将来はどうなのだろうと思ってしまうのですよ。今のしあわせ、それが変わってしまった時、私にはしあわせといえるものが残されているのだろうか。食欲とともに人恋しさをも増幅させる『幸腹グラフィティ』。今はただただ読んで、おいしそうと、楽しそう、しあわせそうと、そのあたたかさを感じていたい。そして、あたたかさを分かち合える、そんな誰かのことを思いたいのであります。

  • 川井マコト『幸腹グラフィティ』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2013年。
  • 以下続刊

引用

  • 川井マコト『幸腹グラフィティ』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2013年),18頁。

2013年1月31日木曜日

ネガ→ポジ

 『ネガ→ポジ』、negative to a positive、なんですね。いったいなんのことかといいますと、ヒロイン倉川綾乃でありますよ。人見知り、内気でネガティブ思考に向かいやすい、そんな子なんですが、いや、でもこの子が実に可愛いんですね。学校の寮に暮らしている。綾乃の部屋からは、二年生寮、憧れの黒瀬先輩の部屋が見えまして、ええ、綾乃はどれほどに黒瀬先輩のことが好きなのか。黒瀬先輩と遭遇したら、うろたえながらもコミュニケーションをはかる。その様子がですね、本当に健気で、その好きでいてくれていること、黒瀬先輩にも伝わるんでしょうね。可愛がってもらってる。ほんと、恋するというのとはちょっと違うのかも知れない。けど、こうして好きな人を前にあたふたしてしまう、そうした様子は見ていてほのぼのと心やすらがせるようなよさがあって、ええ、好きなんですよ。

綾乃にはルームメイトがございまして、奥寺知沙と宮古音々。そして友達の高月真白。この子たちとは綾乃打ち解けていて、綾乃の基本形、内気ネガティブ面倒くさがり屋ながらも、結構さばさばとして、自分の意見、気持ちをはっきりいえるという性格がよくわかるのですね。特に音々、この子は綾乃のこと大好きで、綾乃の布団に潜り込んだり、スキンシップをはかったりと、結構アグレッシブ。そんな音々に綾乃はその都度きっちり拒否の意を示すのですが、なぜ他の人たちにはこうしたことができないのか? 寮長さんですよ。寮長さんは綾乃たち寮生のこと大好きで、仲良くなりたいって思ってるんだけど、綾乃が人見知り発動させて、どうしてもよそよそしい態度をとってしまう。気にしちゃって、嫌われてるんじゃないかって、ほんと気に病んでるんです。そんなネガティブ気分の寮長さんも可愛くてですね、ええ、ネガティブでもポジティブでも、彼女らの気持ちの描かれよう、それが実にチャーミング。ほのぼのと楽しく、うまく思いが通じたり、また逆に空振りしたり、勘違いしたりされたりというところ、面白みがじわじわと感じられてよいのです。

知沙、この子も心配性ですよね。面倒見よくて、綾乃たちのことよく見てくれている。ただその心配が一生懸命すぎてですね、たまにやりすぎ? 助けようとしてくれてるのはよくわかるよ! ええ、いい子なんです。やさしい子、ちょっと寂しがり屋。綾乃と音々、皆をうまくまとめる、そういうクッションになってくれているような子でもあります。ここに終始元気でちょっとエキセントリック? 真白が加わって、そして重要人物黒瀬先輩。ええ、楽しさのいっそうにふくらんで、読むごとに愛おしくなるのです。登場人物、皆が可愛い。見た目に愛らしいというだけではなく、その気持ちのありよう、それが心地よいのですね。そんな子たちの漫画、皆の集うそこに喜びも嬉しさも集まってくるのですよ。

  • 森名尚『ネガ→ポジ』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2013年。
  • 以下続刊