2023年5月19日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年7月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年7月号、発売されました。表紙は『ご注文はうさぎですか?』。メインの5人が着ている制服。これはなにか!? と思ったら、銀河特急! エイプリルフールの企画で登場したものだったのですか。金色の鉄道時計を手に出発進行を指示するチノがセンター。その表情も凛々しくて、そして涼やかで、まっすぐに前を見据えるその視線の確かさもまた素敵な表紙に仕上がっています。

今月は新規ゲストが3本です。

『私の推し信仰してくれ』

神とはなにか? 別に哲学的な問とかではなく、ネットで神絵師と呼ばれたことが重荷となって、絵が描けなくなってしまった主人公、茶木美住。あまりにわからず、近所の神社を訪れてみれば、そこにいたのは車イスの不思議な少女。着物? 車イスも普通のものではなく、そして足には苔? この凝りに凝った姿、さぞや名のあるコスプレイヤーなのかと思いきや、なんとこの神社の神だという。

ただ、人の信仰を集めるのが難しくなった現在。その力はいちじるしく弱まって、美住に見せた奇跡のために費やした寿命が2週間!

けれど、2週間の寿命を削った価値はあったぞ! この奇跡を目の当たりにして火がついた美住の創作の思い。目の前の神を名乗る少女、ツバキの絵を描きはじめ、そしてそれをSNSに投稿してみれば、徐々に集まってくる信仰。かくしていいねの増えるごとにわずかずつでも寿命が伸びていく。

神と呼ばれたイラスト描きと、力を失いつつある神との出会いが生み出す、SNSを舞台に繰り広げられる成功と信仰復活のストーリー? これ、神が一介の人間に神を目指さないかと誘いかけるシーン、そこに力点が感じられて、ぐっとくる。面白くなりそうな予感をさせる第1話でした。

『うちゅうのふつう』

地球の調査に向かうべく宇宙を渡る乗り物、UFOの開発に挑戦するチヒロ。というか、UFO自体は実用化されてる世界なのかな? 惑星メンダコ。調査員アミを地球に送るため次々とUFOを作るチヒロなのだけれど、あまりに自由な発想が災い? 小型化を推し進めすぎてアミが乗り込めなくなったり、設計図というか完成予想イラスト? をもとにクラフトするも、目標どおりにまったくできてなかったりと、前途多難な宇宙開発。

作っては打ち上げ、そして失敗を繰り返す。その結局はやっぱり駄目という、というか最初からうまくいかないの見え見えなのに、それでも信じてみようと思ったり、案の定こっぴどく失敗したりと、楽しいコメディになっているんですね。

キャラクターの可愛さと、ちっともシリアスにならないそのゆるさが持ち味だと感じました。地球調査局局長からのおしおきも、トゲトゲ棍棒で尻を殴る! というのだけど、音だけはすごいけど全然痛くない安心安全設計。とにかくゆるいその雰囲気にやられてしまう漫画です。

『魔法少女マジか☆る~ん』

お友達のマヤちゃんから、魔法少女になってほしいとお願いされたヒロイン、るん。いったいなにごと? マヤは成績優秀、スポーツも抜群、文武両道の頑張り屋。だけど突然こんなこといいだすなんて……。きっと勉強のしすぎでおかしくなったんだ。

るんの発想! けど、そう思うくらいマヤの発言は衝撃的だったってことなんでしょうね。

しかし、マヤ、最初に魔法少女になっていた子ですけど、立ち位置としては二人目、青系のポジションぽく感じます。で、実際に変身して戦闘となったら、殴る蹴る、殴打に次ぐ殴打、まったくもってフィジかる〜んだったというんですね。

とはいうけど、プリキュアだって基本殴打だから、今どきの変身ヒロインとしてはスタンダードだよ!

SNSを通じて普通に身バレしているマヤ。当然のように居場所もバレてて、挑んでくる怪人ダーク★シュガー。というのも隣のクラスの佐藤くんとわかってて、この顔見知り間のめちゃ狭ご近所大戦的雰囲気。これは実に私好みといわざるを得ませんでした。昔からそうなんですよ。敵と味方が普段から顔見知りで、普段は普通に接してるみたいな世間めちゃ狭系のお話。

なのでこの漫画ももし続くなら、刺さる可能性が高い。しかしそれにしても、変身してみせたヒロインるん。必殺技がマジカル☆通報って、魔法よりも警察権力の方が強いのか!

こういうナンセンス。敵の攻撃も人をダメにするクッションだったり、そういうところもポイント高かったです。

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