2023年5月24日水曜日

『まんがタイムきららフォワード』2023年7月号

 『まんがタイムきららフォワード』2023年7月号、発売されました。表紙は『色んな女の子とキスをしていたら、百合キスに目覚めてしまいました…。』。楓音を中心に、前から後ろから迫る華恋に雪奈。楓音本人はこの状況を喜んでるかどうかは不明でありますが、まったくもってハーレムというべき? 両手に花? といった様相。そしてすこし向こうから見守るリリエルの嬉しそうな様。明らかに面白がっているその表情。してやったりとか思ってそうな感じしますよね。

『しゅがー・みーつ・がーる!』

佐藤カンナと望月美都、ふたりの秘密の関係。それぞれに、見た目にそぐわぬ甘党、肉好き。ずっと隠してきたのだけれど、ひょんなことから互いに知ってしまった相手の秘密。その状況をうまく活用して、ふたりの秘密を守りながらも、自分たちの好きなものをたらふく食べようという密約をかわすこととなったというのが前回のあらまし。

しかし、あまりの状況に、はたしてあれは現実だったのだろうか。わからなくなってしまっているカンナがおかしい。考えるほどに夢かなんかだったように思える。美都はこれまでと違った様子もないし、やっぱりあれはなにかの間違いだったかと思いかけたところで、美都からこっそりお誘いがあるあのタイミング。抜群だったとおもいます。

他の誰も知らない美都の秘密を知っている。誰にも見せない表情が自分だけに向けられる。その特別感の演出も素晴しい。そしてふたりの会合にては、あまりにスイーツ天国を楽しみにしすぎたカンナのはしゃぎっぷりが漏洩するなど、ふたりともに相手の特別なありのままを知っているというのですね。

そしてやっぱり今回も、少しいたずらっぽく主導してみせる美都が素晴しい。と思ったら、終盤、連絡先を交換するところで主導権が少し交代するところなども素晴しかった。ふたりの関係の、これからいよいよはじまり深まろうという、その予感がひしひしと感じられる第2話でした。

『スローループ』

釣りたいのに釣れないひよりに転機が訪れましたね。飛びはじめた虫、クロカワゲラにあわせたフライに変えてみよう。そこで前回、恋と交換したフライが活躍するというの。この流れは実によかったなあと思いました。

この回想編では、ひよりの父が娘に向ける視線、感情がとてもよかった。かつてあった関係。これを失って、ひよりは長く落ち込んだわけですが、その気持ちもわかろうというほどに、あたたかみある関係性がよく見えて、見た目には可愛く、そして物語としては深い。そのバランスがまたとてもよいと感じたのでした。

このことがより明確に感じられたのは、今回の終盤、ひよりが小春にずっといいたくていえずにいたこと。釣りがまた昔みたいに楽しくなった、そして昔のことを話せるようになったのは小春のおかげといってお礼の言葉を口にしたひよりの姿でした。渾身の一瞬だったと思う。どれほどに幼ない日の父との思い出が大切だったか、同じように今、小春とともにいる日々がどれほどに大切であるか、それを物語る描写であったと思います。

『球詠』

他校との練習試合。一年生の実力をはかる機会として、両校ともに新入生を多く起用しているのですが、この様子が実に面白い。新越谷の新入部員、誰もが実に個性的で、中でも一癖あるのが投手の斉藤小町。なんか地味でクールで、よくよく考えながら投げていくタイプに見せるこの子の悪い癖? 強打者を相手にすると気持ちを抑えられなくなって、ど真ん中に投げないではおられなくなる。あのずっと見せてこなかった笑顔、そこには抑えられない感情と、そうせずにはおられなかったという思いが見てとれて、ほんと、これが弱点といわれながらも、同じく投手であるヨミには理解できてしまうというのがね、面白いしこれからが楽しみになる。そんな将来性? 今後の展開? に期待させてくれる小町なんですね。

いいところを見せていきたい、あわよくばレギュラー入りしたい気持ちをあらわに頑張りを見せる新入生たちと、簡単にレギュラーを譲ってたまるかと静かに奮起している上級生たちとの対比もまた面白い。実際、やれるつもりで思ったよりやれないことに焦る新人と、経験か重ねてきた練習の差か、一枚も二枚も上手の上級生。この上位層にどう食い込んでいくのか、あるいは伸びてくる新人をどう受けて、あるいはかわしていくのか。こうした関係にもまた楽しみの芽があるように感じています。

そしてこの状況をつぶさに観察する芳乃! やっぱり芳乃が面白い。この漫画で一番の曲者、それが芳乃です。

0 件のコメント: