2022年7月19日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年9月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年9月号、発売されました。表紙は『ななどなどなど』。これがもう素晴しい表紙。海で? 遊んでいる小町ちゃんとななどなのですが、まずもってななどが溌剌として無邪気ないい笑顔見せてるのがいい。そしてその手前に描かれた浮き輪で浮かぶ小町ちゃんが素晴しい。小町ちゃん、美人よね。髪に、手にハイビスカスをあしらって、その華やかさにまったく負けない美しさじゃありませんか。額にかけたサングラスもまたよく似合ってる、いやもう、素晴しいですよ、小町ちゃん。でもなんか表情がちょっとこわばってらして、頬には冷や汗? これ、暑さのためでも水がはねたわけでもなさそう。ええ、自分に向けられた視線に対し、ちょっと緊張なさってるようです。いやもう、そうした細やかさも最高です、小町ちゃん。

今月は新規ゲストが3本です。

『おきゅいん!』

疲労困憊限界OL、白玉せりなが辿り着いたのは今日オープンしたばかりというメイド喫茶。呼び込みに導かれるままに入店したのだけれど、まあお客がいないのね。新規開店ではなく、店長の趣味と思いつきでメイド仕様に改められたというのだそうですが、ということは、基本もともとのお客はいるっぽい。でも新装開店してからはずっと閑古鳥。と思ったら、店長、ライオンの覆面して客引きしてたの!? それだ! それだよ、お客がきてない理由!

キャラクターが明るくて、動きと表情にめりはりもって見せてくれるところが大変よかったです。椅子ひっこめるの足でやっちゃったり、一番あどけない? あすかが早速ライオンマスク装備してみたりみたいな、そうした言動に魅力感じさせてくれました。

オムライスへのケチャップも印象的で、失敗したらあすかそこまで落ち込むんだ! 感情の起伏、それは自分の気持ちに素直ってことなのかも知れませんね。このおかげで、ただ明るく振る舞ってるだけでなく、その気持ちに明るさ快活さがあるんだなってわかる。そしておそらくはちなつや、店長モモにとっても、ちょっとずつ違いはあるかもだけど、同様の素直さがある。

ええ、恥ずかしくて萌え萌えきゅんとかできないちなつ。なんかしれっとキャンセルかます店長などなど、そうしたそれぞれの反応の違いに見える個性も悪くなかったです。

第2話あるんですね。このお店で繰り広げられるメイドたちとお客のお話。どんな展開を見せるのか、その広がりに期待したいと思います。

『蝶はなるなる育てられ!』

読み始めた当初の印象と全然違ってた! 予想超えてきましたね。これ、すごくいい感じですね。

自分が可愛いと自覚している山本蝶子。SNSに顔出し投稿してそこそこ受けてはいるんだけど、大きな伸びは期待できない。ファンこそあれど、幅広い支持を得るまでにはいたっていない蝶子の躍進が描かれる、そんな話になるのでしょうが、まさかここで大きな役割を担おうというのが、クラスメイトの村上鳴香。見た目は美少女、でもしゃべるとなんかあやうい子だね! まったく予想もしないようなキャラクターが投入されてくるっていうんですから意表を突かれました。

蝶子のファンだという鳴香、この子の手管。それが光った今回終盤、その見せ様がすごくよくて、第1話にして人物の基本的な紹介をすませ、目的を提示した上で、第一段階となる活動とその結果までをしっかり盛り込んできたその構成の確かさ。抜群でした。

鳴香曰く陰好み、蝶子のまた違った側面を開拓して、これまで蝶子がリーチできていなかった層に訴えていこうとするくだりが印象的。速攻現れてくる結果というのがSNS時代の展開のはやさなのかも。そしてなによりそのテンポのよさが、蝶子の高揚と鳴香の信頼獲得、感情と納得の段階をとんとんとんと駆け上がらせて爽快で、実に気持ちよく読めました。

これが第1回。次回は開幕からフルスロットル? あるいは、一旦落ち着いて状況の整理? どんな見せ方されようと、きっと期待に応えてくれるのでは、そんな思いにわくわくとさせられています。

『教えて!Xちゃん』

びっくりした。いきなりのビジュアルのインパクトもそうなんですが、まさかここからガール・ミーツ・ガール的展開をしていくんですかい? いやもう、切り口の工夫次第でこんなにも新鮮味や意外性ある展開させられるんだと感心させられました。D☆Vの可能性とでもいえばいいのか、こうした多様性、すごく好感が持てる。ええ、予想もしないもの見せてくれると、やっぱり気持ちもアガろうものですよ。

世界の怪異に興味津々な女子高生、節きな子が出会ったのは、頭部が謎の球体に覆われた女子高生。同じ学校の生徒みたいなんだけど、あんな子見たことない……。って、いやまあ、その不思議球体は目立つよね!? 一度見たら忘れないインパクトですよね!?

その子とのコンタクトに成功。名前やその正体もろもろ聞き出してみれば、天空より舞い降りしジャッジメント、謎のX。神に遣わされたXちゃんは、下界のもろもろを評価し、地球の、いや太陽系もろともなの? その存亡のジャッジをおこなうのだそう。

興味津々でXちゃんに食いついていくきな子、この子の行動如何で世界の命運が決するの、ヤバいのでは!? きな子ひとりを見るのではなく、もうちょっと広く、多様な世界の有り様に目を向けていただきたい! と思うものの、ほんと、きな子ひとりの行動が影響しまくって、なのにきな子はXちゃんのこと誇大妄想の中二病と思ってる!

それゆえのくったくない行動と、どんどん滅亡に傾いていくXちゃんの評点、そのスリリングな綱引き? いや、違うな、Xちゃん、めちゃくちゃデカい判断を担わされてるというのに、めちゃくちゃ個人的な感情とかでプラスマイナスしていく、そのチョロさ? 軽さ? のギャップがおかしいんだ。だってさ、強引に家まで連れていかれて5点減点、きな子から友達といわれて10点加点。めっちゃチョロい! というか、こんなんで世界の運命が決まるのか。いやもう、ヤバいな。

Xちゃんの明かされていない部分、それがまた面白さ? 読み手を引きつける魅力となっていたと思います。きな子の知ってしまった秘密!? 謎の球体、それこそがXちゃんの頭部かと思ったら、その中に人の頭がちゃんとあるんだ。不躾にも触れてみて、もち肌、小顔、きな子の入手した情報に期待感が醸成されたと思ったら、さらに付け加えられる胡乱なギミックからのアクシデントによるニアミス!

そこから親密になるどころか滅亡カウントダウンに入るの、Xちゃんの照れ隠しなのか、あるいはマジ怒りなのか。後者っぽいんだけど、このふたりの関係、今後深まるのか平行線を辿り続けることになるのか、どちらに傾けばより面白くなるのか、そのあたりほんとわからないのがいい感じです。

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