『まんがタイムきららキャラット』2022年8月号

『まんがタイムきららキャラット』2022年8月号、一昨日の続きです。

『紡ぐ乙女と大正の月』

社会科見学みたいな感じでしょうか。学校の皆で平和記念東京博覧会にいったのですが、紡のテンションのアップダウンが激しい！　テーマパークみたいとはしゃいでいたのに、いざ入場してみれば展示がつまらなくてがっかり。トタン板はさすがに見ても楽しくないよね？　でも呉服は人によっては楽しいのでは？　いや、紡にとっては興味がないからどっちでも同じか。

生き生きと人気の展示を紹介してくれる初野が可愛い。衛生館というのですが、まさかの人の胎児のアルコール漬け！　三ヶ月、四ヶ月と並んでますが、つまりこれ、各月ごとの胎児をずらり並べてるわけですよね？　これ見た時の紡の反応。いや、まあ、ビビるよね！？　初野はケロッとしてますけど、初野の反応が普通なのか、それとも紡の方がそうなのか。これ、当時でも人によってわかれるのかな？　いずれにしても、紡の気にする倫理観、大正のそれと今のそれ、かけ離れていそうですよね。

そして今回のクライマックス。美髪館にて髪結いをしてもらった皆を襲った、突然の地震。さいわい大事にはならなかったのですが、ひとり唯月が血相を変えて、ああ、紡は気づいていないけれど、この地震がきっかけでもとの世界に帰ってしまうのではないか。紡は地震がきっかけでこの時代にやってきたといってましたからね。この地震が紡との突然の別れを引き起こすのではと怖れて、冷静ではいられなくなったんですね。

思いあまった唯月の行動。ついに紡に自分の気持ちを洗いざらい打ち明けて、私のものになってください。この唯月の思いに、紡、どう応えようというのか。ああ、紡さん、思いきってどーんといってくれ。ええ、ふたりの思いの交錯するだろう次回は、まさしくクライマックス。そう思えば期待せずにはおられません。

『ひよ＆びびっと！』

あこがれのウーチューバー、あやもりんが転校してきた！　突然の僥倖にテンションあがるひよだけど、まさかそのあやもりんがお隣さん！？　さらなる僥倖に魂抜けそうになってる！　でも、どんなに驚こうと、テンションあがろうと、基本大きく表情変わらないのがひよなんですね。あの、微妙にしか変わらない表情と、でもそこにうっすらと感じとれるこの子の感情？　いいですね！　とてもいいですよ！

あやもりんと話してた時に見せたひよの表情。あの薄目になっちゃってるやつね、ああ、これがひよの笑顔なんだ。あやもりんに笑ってること気づかれて、でも頑として笑ってないと言い張るひよなんですが、あの笑顔、とてもよかった。気づかれてちょっと悔しい？　そんな様子もまたとてもよかったです。そして夜、あやもりんの配信に臨むひよですよ。コメントへの返信に喜びを抑えられない。そして部屋の窓を開ければ、配信を終えたあやもりんとばったり顔をあわせちゃうってんですね。

あやもりんも嬉しそう！　ひよがお隣と知ってテンションあがるの、いいですよね。そしてひよの気持ちのほころぶその様子！　これもまたとてもいい。ええ、表情めちゃ豊かなあやもりんと表情動かさないひよのこのコントラスト。でも感情こそはふたりともに同じように動いてる。そんな違ってるようで似ているところ？　いいなあって思うんです。

『死神ドットコム』

今回もヤバいな。

金欠でお昼を抜いてるタマに、私のお弁当わけてあげますよ、かいがいしいミライなんですけど、まさかべろっと舐めてよこすのね！？　でもって加えて、自作のシフォンケーキもプレゼント。舐めてない？　とはいうけれど、中になにが入ってるかはわからんよね！

ええ、弁当にもケーキにも通販で購入した怪しい惚れ薬が入れられとるんか！　ヤベえ。

でもここからがもっとヤバくて、すごかった。シフォンケーキあんまり食べられずにいるタマ。胸焼け？　いや、弁当に仕込まれた薬が効いて、ミライへの思いが溢れかえっとるのか。かくして皿を回収しにきたミライがタマに迫られて、これか、これがミライの求めていた結果か！　からの、ケーキにやられたメルメルもミライ争奪に参戦！　ミライの好みを満たすべく大人メルメルに変身してまでも誘惑する。いやもう、最高では？　と思ったら、ああ、メルメル、人間と価値観が違いすぎる！　まさかのミライ二分割案！？　しかもタマもそれ受け入れちゃうの！？　いや、タマさん、あなた人間なのに人間らしい価値観から逸脱してるわよ！？　いやもう、実にヤバい展開してくれます。

でも、まあ、これこそがこの漫画の基本線、求められるありかたってやつですよね！

で、ラストが奮ってました。醒めつつあるタマと、まだまだ薬の効果が継続しているメルメル。思いあまったメルメルが、ミライゲットに向けて実力行使ですよ！　タマをぶっとばして、ミライは拘束。ここからの舐めたお菓子押しつけ！　さすがのミライも、自分のやったこと、そのまま返された時には抵抗するんだ！　この時のミライの狼狽。素晴しい。ガンギマリしたメルメルもまた最高で、妖艶そのものといったその様子、保存版ですよね、これ。

• 『まんがタイムきららキャラット』第18巻第8号（2022年8月号）