2022年7月4日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年8月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年8月号、一昨日の続きです。

『ニチアサ以外はやってます!』

たすくとの因縁あって、心の傷を再燃させたあかね。部活どころか学校にさえ出てこなくなってしまった。たすくとの関係を苺、唯から聞かされた博見の反応がちょっとわかって複雑な気持ち! 推しの過去を知らないことが悲しい。知らない過去や人間関係があるのがつらい。ああ、これはオタクの業なのかい? あますところなく知りつくしたいという思いが強すぎる!

でも、苺のいう厄介なオタクである博見。この子のこうした性質があってこそ、今の落ち込んでふさぎこんでしまっているあかねに届く言葉を紡がせることもできたというのでしょうか。あかねの家を訪ねた部員一同。はじめて知ったあかねの姿に動揺しつつも、あかねの母にうながされるままに、自分の思いに分け入っていった博見。知らなかったあかねのネガティブな側面に触れ、より多面的にあかねという人間を捉えなおして、そしてなお踏み込むことをやめなかった博見。その言葉、その思いは、博見自身がここに新たに築きはじめるふたりの関係性そのものだったのかも知れない。より深く、より密接に関わっていくことを誓う、そんな思いの見える強い言葉でありました。

そしてこうしてあかねの問題に対峙しながらも、他の問題にも対応していた博見。ただ弱ったあかねを知り、うろたえていただけではないんですね! ああ、この人もまた多様多面な人だと思いましたよ。有能な参謀? いや、リーダー? 頼れる部長です。

『うさパン焼いて悪いかよ!』

めちゃくちゃ面白いよ。第2話にしてキャラも関係性も、一気に広がりを見せて、すごく魅力的になっています。

カワイイものが大好きなヤンキー八房ちりみと、微妙に可愛さの足りてないパンを焼く、カワイイものが大好きなパン職人兎野タクマ。同じクラスだったふたりの関係。それがもうおかしくって、ちりみは自分がカワイイもの好きというの、表に出せずにいるでしょう。でも、じわじわバレてるのがおかしくって、でまたタクマも、なんでか普通にちりみのグループに混ざりこんで、一緒にカワイイトークしちゃってたりするのがほんとおかしいの。

ちりみの不器用さがかもしだす可愛さがいい。タクマはタクマで、ちりみとはまたちょっと違う不器用さがあるよなあ。ちりみの不器用さは素直になれないとこだと思う。タクマはというと対照的に素直で正直、でも表現のしかたがちょっと不器用。加減ができないのかな? ちりみに対してもぐいぐいいっちゃって、褒めるとなったら際限なく褒めまくるのがね、タクマの興奮、好きなもの、興味あるものに対する真っ直ぐさを物語ってとてもいい。そして、その褒め言葉を受けていっぱいいっぱいになっちゃうちりみがまた可愛いんですね。

このふたりにとどまらず、登場人物皆が表情豊かなのがまたチャーミングで、ちりみの友達、多田良と楽道ネムとかそうですよね。いや、ネムは寡黙なクール系か。ともあれ、良がめちゃくちゃいいよね! アタシの席座られてんだけど! からの、タクマと一緒に机を囲んでの昼食。懐深い子だな! この受け入れのはやさ、壁を作らない感じ、ほんと最高でした。言葉を選ばないとこもまた魅力ですよね。

カワイイの才能を見せるちりみと、パン職人タクマ、ふたりがタッグを組んでカワイイパンを作り出していくのかな。きっとそうに違いない、と思っていたら、ちりみの拒否で終わった今回。いやもう、予想外の落ちだったんだけど、そのひとつ前のコマ、背景に描かれた絵が強くて強くて、我が子を食らうサトゥルヌス!? って、良ちゃんやんか! この絵柄のインパクトもすごかったのですが、同時にカワイイパンとか可哀そうで食べられなかった幼児の頃の気持ちなど思い出して共感。ええ、この気持ちの通じる感覚もまたこの漫画の魅力になっているのだと思います。

『魔法少女はやめさせない!』

ちょっと好みの展開してるんですよ。

魔法少女と悪のボス、本来あいいれることのないふたりが、同じ町内で出食わして、なんだか楽しそうに交流してみたいな関係。互いに相手の素性を知らないのも好きなんですが、こうしてわかっていながらの休戦状況というもの好みでして、ええ、大変いい感じでありますよ。

しかし今回、なにがよかったって、悪のボス瑠奈の友人、優ちゃんですよ。この子も、魔法少女ラブ・シャイン、赤咲陽のファンなのか。陽と出会って、驚きそしてハイテンションからの早口トーク。最高では? ラブ・シャインファンということに関しては瑠奈も同様なわけですが、どこかしらこじらせている瑠奈と違い、優はとにかくストレート。好きという気持ちもまっすぐ口にするし、そしてコミュニケーションがうまいね! 一緒にまわりませんかと自然にアプローチして、立場上好きという気持ちを表に出せない瑠奈のこともサポート。これ、ラブ・シャイン好きでありながら、瑠奈のよき友人で、かつ女帝スター・ムーンのファンであったりするんかな!? だとしたら、この子、めっちゃいいポジションに立ってるな!

ショッピングモールにて、一緒に食事して、お店巡って、そしてゲームセンターでちょっと対決してなどなど。楽しい情景と、ノルマ的なものと考えていいのかな? ラブ・シャインとスター・ムーンの対決要素がごくごく平和裏にとりおこなわれるところなど、ええ、これこれ、最初にいってた好きな展開、パターンがここに見事に実現されて、これこそ望ましいってやつですよ! またその対決からの落着、そこに見える瑠奈の気持ち、陽のもかな? その心情の描破も大変よかった。いやもう、本当に楽しかったです。

悪ぶってる瑠奈のこと、冷静に観察してる優とかも最高で、堪能いたしました。今後も楽しみな漫画です。

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