2019年1月19日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2019年3月号

 『まんがタイムきららMAX』2019年3月号、発売されました。表紙は『ステラのまほう』。歌夜と椎奈が着物を着まして、柄に金魚をあしらった桃色がぱっと映える歌夜、対し淡い藍に菊の花が描かれた椎奈の着物のシックさ、対照的で、それぞれのよさ引き立てる、そんな表紙であります。背をあわせている、そんなふたりの立ち位置、交錯する視線も意味深です。

『たつのお年頃』、ゲストです。面白い設定盛り込んで、印象的な導入になりました。女の子の口から吐かれる火炎! カラーにも映えてよりよいのではないでしょうか。火野トラ子でいいのかい? この子と、いとこの水沢雅美は、代々仕えてきた神社に祀られる龍神の力を使えてしまう。ただ、トラ子のそれは暴走気味で、赤面すると火を吹いてしまう。対し雅美は水を吹くのか。この子たちの、これからはじまろうとする高校生活。女子校のつもりで共学にきてしまったトラ子は、男子の前で赤面せずに過ごせるのか。雅美は、そんなトラ子の日常を守れるのか? と思ったら、さっそくトラ子、火を吹いてるし! 迷子になったトラ子の出会った男子は、かつての思い出の子? ちょっとした運命感じさせる再会? その男子の名乗るドラゴンスレイヤーという名? 肩書? は、トラ子たちの龍の力との因縁感じさせるものありますね。

きんいろモザイク』。今回はカレンちゃんカフェがメインですね。のしっと現れる着ぐるみカレンの存在感、あれいかしますよね。あやしげな動き、中身はカレン。なにからなにまでおかしい。香奈がやたら力入れてるところもいいですね。等身大パネルに看板にと本領発揮の大活躍。普段隠している能力がこうしてあらわになるの、実にいいと思います。久世橋先生を出迎える烏丸カレンもいいですね。なんか、めちゃくちゃエンジョイしてるのがわかるのが目にも楽しくてよいですよ。そして劇で主役をつとめるアリスにもスポット当たって、母の来日、カレンの応援。本人のやる気と緊張、そのバランスがとれてアリスらしさが取り戻されていくという、そのプロセスもよかったと思います。劇本番は次回の見せ場になりますね。

『ぼっち・ざ・ろっく!』。いつになく沈んでいるぼっち。そうか、夏休みが終わるからか。めちゃくちゃ気持ちよくわかる。不調といっていいのか、奇行といっていいのか、いくらなんでもおかしすぎるぼっち。そして夏休みの間、ぼっちを放置してたことに気づくバンドの面々。それを急遽江ノ島にいくことで埋めようとするんだけど、喜多以外が微妙に乗り気でないというか、テンションあがりきらんというか、これインドア派特有なの? なんでも素直に喜ぶ喜多と、どうにも感想の薄い面々との対比。よっぽどで、ネガティブ極まりつつあって、これは共感したらいいのかどうなのか。でも、なんか見てるとニヤニヤしてしまうんですね。地味にくる、微妙にぐいぐい押してくる、そんなおかしさ。最後にちょっといい話風? と思わせて、やっぱりそうでもないところね。いい塩梅ですわ。

『こみっくがーるず』。かおすの連載をめぐる悲喜こもごも。編沢さんのあの心配。連載開始する前からさっそく当たるっていうの、ほんと、不安しかないですよね。電話向こうから聞こえてくる対話、かおすの相槌が全部、あば…、なのやばいよね。編沢さんのかおすちゃん対策も、スケジュール引けば引いたで心配が出てくる。それでどんどん過剰になっていく。このままならなさなのか? なんなの? 普通なら心配性なんだろうけど、実際その心配が実現してるからなあ。ほんと、笑わないではおられない。今回、全体にノリがよくて、かおすと小夢の対照とかやってましたけど、絵的にもそれがしっかり出ていて、なんとかなるよぉのコマとか最高じゃ? 他にも、つかれたぁ♪、のコマに見られる表現、端的に状況伝えながらもやわらかであり、コミカルで、そして愛らしい。素晴しいものありました。今の状況は、かおすにとっては試練なんだろうと思うのだけど、これがいずれこの子の自信につながったらいいなあ、そんな親心めいたもの抱いてしまうの、ああ、これ、琉姫やら編沢さんやら、他の皆もかな? 多分彼女らの感じて思って抱いてしまってる気持ちと同じなのかも知れませんな。読者ながらも追体験をさせるその見せ方、表現力。きっとこれはすごいのです。

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