『まんがホーム』2025年3月号、昨日の続きです。
『へなちょこお嬢さん世話焼きオネェさん』
子供のころに満たされなかった思いを、大人になって仇を討つ。そうしたことはよく聞く話。そしてそれは、あの穏やかそうに見えるスミレにとっても同じなのですね。
夢のおうち。かわいい家具が入ってる食玩シリーズ。それが欲しくてたまらない。子供の時分は、かわいいものを欲しいといっても親に本気と思ってもらえず、手に入れることはかなわなかった。禁止や否定されていたわけではないけれど、本気にしてもらえなかったのならあんまりかわらない。
かくしてスミレは今、子供たちを差し置いて目当てのおもちゃを大人買い。抱き締めてレジへと向かうのですが、さすがに恥ずかしい? いや、今や大人が食玩買うのも普通普通。気にせず普通に買ったらよろしかったのよ。
さて、そんなスミレにうずちゃんからのお礼が届きました。いつぞやのご飯、返してくれたタッパーに折り紙で作った大量の素敵なおじさま人形が! おどろきのプレゼントに戸惑いながらも、さっそく夢のおうちにおじさんたちを住まわせて、この不思議なめぐりあわせ。ええ、おじさんたちも思いがけない素敵な新居に、喜んでいるに違いありませんね。
『彼女たちのツモる話』
給料日前で金欠。食費を削っている紅愛。パパ活だとかいいはじめてるんですが、卓を囲む皆から当たり前にとめられて、いやそうですよね。無茶な発想は紅愛らしいけど、短絡的な考え方はやめよう! けれど、そんな紅愛なれど、麻雀を通していろんな生き方、身の振り方考える今回。なかなかに含蓄もあってよかったなって思ったんですね。
なにがいいってね、25歳の時はいろいろ考えてしまう時期。このままの自分でいていいのだろうか。それから先の未来がどうなるかも、自分がどう変わっていくかもまだまだ全然わからない。そんな時に迷ってしまうのはしかたがない。未来の不安にくよくよ思ってしまうのもしかたがない。
でもそれを麻雀に例えて、紗希がいう。配牌やツモを選べないように人生も選べないことは多いけれど、打ち手次第で状況をよくできる。そうした視点が紅愛に与えた影響。オーラスで最下位。配牌も酷いという逆境で、けれど諦めず果敢に打って掴んだ勝利。
自分次第でこれからを変えていけるという実感を得た紅愛。この前向きさ。紅愛ならずとも、皆に響く。そんなよさがあるエピソードでした。
『うちの秘書さま』
ゲームをしながらもうつらうつらしてしまうはじめ。もうお休みになられては? そういわれて寝る気になったはじめに、七瀬がいうんです。明日提出の宿題終わってますか?
夜遅くになるまで気づかなかったはじめもはじめだよ! 七瀬のせいにするはじめだけど、駄目駄目、秘書に甘えちゃあいけません。眠いのにといいながら、がんばるはじめ。いや、まずは居眠りからついには仮眠になっちゃうのか。しかも仮眠から本格的に寝ることになりそうで、このままじゃ宿題ができない!
風呂に入って目覚まし。でもそこでまた気が散って、さらに謎の物音に怖がって山田に電話。ほんと、さすがの山田もお怒りだ。夜中の2時過ぎだもんな。こういうところ、はじめの甘えん坊なたちがよく出ていると感じました。
七瀬の夜食イベントなどもあり、まあやっぱり酷い目にあうわけですけど、それが目覚ましになった? 見事宿題をやりきって、やりましたはじめ様! といいたいけれど、湯冷めのせいかね!? 風邪ひいちゃって、結局お休み。ああ、せっかく宿題やったのに!
これを教訓に、はじめ、次からははやいうちに宿題するようにしないとですね。
- 『まんがホーム』第39巻第3号(2025年3月号)