2019年7月14日日曜日

『まんがタイムきらら』2019年8月号

『まんがタイムきらら』2019年8月号、一昨日の続きです。

『下を向いて歩こう』。おお、新キャラ登場だ。シエルが無邪気にもハンドメイドした貝がらのネックレス。それを見とがめるものがあったというんですね。穴の開いたアサリの貝殻にビニールひもをとおしてゆわえた、シンプル構造のネックレス。この見た目、まさか高校生になってこれを人にあげるっていうのか。そういってとがめたクラスメイトだけど、薄い貝がら、引っぱられても切れないビニールひも、ケガのもとだっていうの、ああ、口は悪いしぶしつけだけど、ちゃんといろいろ考えてくれてるってのわかるところがいい。でもって、シエルにはジャパニーズ親切なオバチャンっていわれて、悪気がないからこそ効くよなあ、この言葉。今回は、見た目ちょいヤンのこの子と一緒に貝がらアレンジアクセサリーづくり。いろいろ詳しいこの子の様子に、硝子もさざれも一目置いて、そして見事に素敵アレンジされた貝がらに皆言葉もないっていうの、ほんと、どんだけ衝撃受けてるのだろう。この子、周参見陶子。これまで交流なかったけれど、これからはきっともっとからんできそうですね。なんだかんだで人懐っこい。この感じ、きっとよくなりそうですよ。

『花々*ライフストーリー』。連載になるんですね。これは嬉しいです。さて今回、さくらが学園の皆、お嬢様にならってお嬢様ことばを披露するんですが、言葉は真似できても内容はいつもどおり。つくしにつっこみいれられて、そうしたらつくしの真似したりして、このやりとり、なんだかんだで仲よくやってますよね。いい感じです。さくら、つくしにしずくを加えた3人。とりたてて重要なこと話すでなし、なにか大きなできごとあるわけでもなし。でも、そのやりとりが楽しいから、この先、なにがあろうと安心、そんな感じがするんですね。そして今回は、つくしがさくら、しずくを名前で呼ぶにいたります。その前の、名前呼べなくて、あなたあなたっていってたの、新妻とかいわれてましたけど、こういう若干の人見知り、それも悪くなかったのだけど、ひょんなことから名前を呼ぶはめになったくだり。最初は誤解だったんですけどね。けどこの結果オーライに安心してるつくしの様子、これがとてもよかったです。この子にしても、きっかけが欲しかったのかもですね。

城下町のダンデライオン』。アンジェリカの取り戻した記憶。厳格な父の本当の姿。自分を救うために娘に大きな代償を支払わせてしまった。その悔いがアンジェリカを遠ざけさせてしまった。ああ、不器用な人だったのかも知れない。この愛のかたちは正しかったのか誤っていたのか。息子、アルヴィンの知る父の苦悩。アルヴィンには、父のおこないは正しいとは思えなかった。疑問を抱き続けてきた。けれど、それでも娘を、アルヴィンの妹を、父は愛していたことを知っているからこその、あの涙であったのだろうなあ。このエピソード、連載で切れ切れに読んで、これだけ胸に迫るものがあるのだから、単行本にまとまった時、ひと続きに読めばどれほどの強さがあるだろうか。そして、この流れの先に描かれる、茜との再会。それはどのような感情を呼び起こすのだろう。連載として読む時が楽しみです。そして単行本にて読む、それもまた楽しみです。

My Private D☆V、『みわくの魔かぞく』のごぼうです。D☆Vポイント、明確に言葉にしては語られなかったのだけれど、女の子ふたりのちょっと近しい距離感。普通に話してるように見えて、実はそっと手をつないでいたり、人のいないところとなるとハグにじゃれあい、よりいっそうふたりの距離は縮まる — 。ここに友人以上の関係を見出してしまうのは人の業なのか、あるいはそれで自然なのか。明確に語られないふたりの関係性。決め手を欠きながらも、そうかも、いやきっとそうなんじゃ? ふたりのふるまいから勝手に意味を汲み取って一喜一憂、その観察し意味づけるものの心の内にある感情こそがD☆Vを生み出す源泉に他ならない。そうした実感新たにさせる、そんな絶妙イラストでした。

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