2018年7月2日月曜日

『まんがホーム』2018年8月号

 『まんがホーム』2018年8月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』らいかが南国リゾート思わせる雰囲気たたえながら、夕日の海辺にたたずんでいます。夏のリゾートでありますね。『孔明のヨメ。』孔明、月英夫妻もアロハ着まして、バナナのチェアにふたり寄り添い座っています。なんか、三国志ものと思えない雰囲気がいい。孔明さん、普通に今風の美男子なんですが。『広島さん、友達になってください』キミと紅、ふたりがプールサイド? 飲み物手に楽しそうにしている姿もいい感じです。『河原課長とギャル部下ちゃん』、巻中カラー告知のカットもございます。

『おんなのおしろ』。七瀬、見事、子猫にふりまわされてますね。手に集中攻撃を加えてくる子猫ですよ。それでアザとか作っちゃって、それを職場で竹本楓に目撃されてしまう。すわDVか? 楓が心配しちゃって、それはいいんだけど、七瀬も説明しようとしないから誤解広がるばかりだよ。この、言葉の、対話のうまく噛み合わない様子、それで微妙にすれ違いが広がっていくところなんかは、この作者の面目躍如ですよね。ピタっとハマらないコミュニケーション、その隙間に面白みが生じてくる。押しの強い楓、それが苦手で逃げようとする七瀬。個性もよくよく出て、だからこそか、回を重ねるほどに面白み増していきます。七瀬なんて、読み手である私からしても、どこか距離のある、そんなこと感じさせた人なのに、今はもうこんなにも面白い。人間味? あるいはポンコツな面が見えてくるんですよね。実に見事です。

『ちっちゃい先輩が可愛すぎる。』。今回、ちょっとした山場ですよね。合コンに参加したら、女子から悪意を向けられてしまった。それがショックだったのか職場でもなんかショボンとしちゃって、そこで矢面に立たされる高瀬もつらいよなあ。自分自身、なんとかしたいと思ってた。けどできなかった。責められるまでもなくわかってるんだもんなあ。でも、そうした自責の感情があるというのが、よくよくこうして伝わっていたからこその今回のラストでした。ちょっと気恥ずかしくもある、そんな告白をああもしっかりといえたのは、それだけ駒井のこと心配して、なんとか元気づけたい、その一心であったからなのだろうなあって。だからこそ、その気持ちを受け取った駒井の見せた笑顔、それが格別でありました。しかし、駒井、自分の落ち込んだ様子、自覚してなかったのですね。むしろ高瀬が心配されていた。さすがです。

『年上の物理女子は可愛いと思いませんか?』。ゲスト掲載ですね。なので、ロケットではなく単発のサブエピソードです。不思議なこと、オカルト含めて大好きな湯川部長。怪談とかも大好物!! っていうんですが、いや、あなた、それ信じてるって感じじゃないですよね? むしろ、不思議現象あらば観察分析して、その不思議を暴いてやる! って、そういうノリですよね? ええ、そういうの私も大好きです。しかし今回の怪談、壁から聞こえる女の声というの、湯川部長が調査に乗り出すのだけど、朝永と違い、全然怖がってる風じゃないのがいかします。でもって、現場にいって、現象発生したら怖がったりする? かと思えば、なんのなんの、なにをするのも楽しそう。っていうか、現象について、謎を暴いてしまいましたね? というか、原因は部長、あなたでしたか……。湯川部長のトラブルメーカーとしての側面、そいつがしっかり描かれて、ええ、さらに新しい不思議を生み出してしまったというの、しかもそれは収束させないんだ! さすが部長、やってくれましたと苦笑まじりのおかしみ、実によかったです。

『ふみのさんちの大黒柱』。面白いなあ。十条時房の娘、十条かづえが文野さんちにやってきた。自分の父が文野理人の本にハマっちゃってるのが許せない、直接本人に文句いってやるの精神で押し掛けてきたわけですが、ほんと、この子のマイペース。はじめての日本家屋に感動するのはいいとして、砂壁、掘っちゃ駄目だよ! でも、あれ、掘るよね……。うん、自分も子供のころ、掘ってたよ……。地味に面白かったの、十条時房の娘という名乗り、なんか平安時代の女性みたいだなって。その響きが気にいりました。さて、文野家の人たち。まるでその十条時房を知らなくて、あんなにも有名人なのに!? とかづえが驚いていたところに理人が現れて、しっかりばっち賞賛してみせたもんだから、かづえの感情コロっとひっくりかえるの、すごいよね。この転換、このテンション、わかりやすくて、おかしくて、しかも最後にあの結論。もってまわって、すごく普通のところに着地したんだけど、あんまり普通にも見えないっていうね。すごくおかしくっていいんですね。

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