2017年9月24日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2017年11月号

『まんがタイムきららMAX』2017年11月号、先日の続きです。

『すくりぞ!』。着々とホテル運営についての経験を積んでいきますね、と思ったら、違うのか、冬休みの宿題を片付けるための缶詰合宿なんだ。ビジネスホテルに一泊。けれど寝子、宿題よりも先にやることがあるというんですが、ほうほう部活やる気だねえと思ったら、違った! まずは開放感を楽しむって、いやいや、そんな開放感はいらん! その後もコンビニいっておやつを買い出し。すっかりパーティになっちゃって、いやもう低きに流れるったらないですね。まだ時間があるからといって、思い思いに遊んじゃって、それでもって寝ちゃって、いやもう、ただ楽しくビジネスホテルで遊んだだけって感じです。でもそんな中、ツバキヤマとにゅうの語らい、部のブログ見てね、ああ、このふたりの雰囲気とてもよかった。部を通して経験したきたこと、過ごした時間をふたり懐かしむようで、ほんとこれだけでもこのビジホ会、意義があったんじゃないかって思えるくらいでしたよ。

『ななかさんの印税生活』。生徒会長いやさkanadeさんとななかが小説で対決することに、っていうんですが、これ、見るべきところは対決だなんだというよりも、ななかの言葉に、もしかしたらななか自身も気づいていない上昇志向を感じとったり、突然巻き込まれて慌てたり頭抱えたりする永山先生の様子とかね、皆の心の機微がうかがえるところだったと思ったのですね。表立って語られること、描かれること、出来事の表層にではなく、向こう側に大切なことはある。そんな感じで、実際生徒会長自身がそうだったでしょう。ずっと孤独に戦ってきた、そんな気持ちでいたところに、同じく戦う同志を見出した、そんな思いが溢れるっていうのがぐっときますよね。これ、会長自身もそれと意識してなかったのかもなあ。泣いているとみゆきに指摘されて、はじめてそうと理解した。そんな感触が、ほんと、人は自分のそうと気づかないうちに、自分の気持ちを露にしてしまう。そんな機微がよかったですね。

『夢見るプリマ・ガール!』。部室の床が抜けました。練習場所が他にはないかと探した結果、あかね先生に頼ることになるんですが、いや、これね、あかね先生、れいか先生の学生時代の回想を見られて、これがまた実にいい感じだったんですね。今のふたりとはちょっと違う、そんな様子が見えた。バレエが好きすぎるあまりに、ひとり突っ走ってしまい、他の部員を振り落としてしまっていたあかね先生。厳しさを通り越して、喧嘩までいっちゃってたりしたの? そんなひとりよがりだったあかねをいさめる、当時生徒会長だったれいか。今以上に寡黙で、けれどいうべきことをいい、伝えるべきことを伝えたんだなあ。ふたりのなにか特別な関係、それはこれまでにも語られてはきたけれど、その大本となるきっかけが見えて、ええ、時に弱気に見えるれいかの芯の強さ、それがあかねを変え、ふたりの関係を支えたのだと思わされました。今回は、抜けた床にはまる、そんなビジュアルの面白さが先にくるのだけど、その向こうにある確かな関係が魅力的。ふたりともに大人になっても、変わらず持ちつづけているものがあるのですね。

いちごの入ったソーダ水』、先生が、先生が色気づいてるですって!? いや、ほんと、先生いいですよ。今なお変わろうとしている。小説にもまた挑戦したいって、文芸部の顧問になって、皆から影響受けてるのでしょうね。でもって、うたたの相談です。ほう、小説の賞に応募したいという。それで書いてみたものを先生に添削をお願いできないか。ほんと、この気持ちの健やかなこと。まっすぐに、夢に向けて伸びようとする瑞々しさ感じられて、そしてその行動力に先生が引け目を感じてしまう。うん、これ、すごくわかるんですね。どうしても先生の側で読んでしまうんですよ。前に進むことに懸命な人がいる。対し自分はどうなのか。いろいろ理由をつけてですよ、ただ今を過去へと流してしまっている。そんな自分にとって、先生の焦りや自戒は他人事ではないですね。すごく共感できるものあって、だからこそですよ、先生のうたたに対して感じた安堵、ちょっとわかってね、いや、うたたには悪いんだけどもさ、でも先生のその感情の動き、ほんとリアルで人間らしいって思ったんです。しかし本当、先生魅力的になりましたね。最初からそうだっていわれたらそのとおりかも知れませんけど、ほんと、先生、魅力的になりました。

  • 『まんがタイムきららMAX』第14巻第11号(2017年11月号)

0 件のコメント: