2017年9月19日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2017年11月号

『まんがタイムきららMAX』2017年11月号、発売されました。表紙は『こみっくがーるず』、あたたかな印象のある表紙であります。ここは図書館? それとも書斎? 書棚に囲まれた部屋の中、ソファにふたり並んで座る琉姫とかおすのそのたたずまい。まるで姉妹のようですね。すっと背をのばして本を読む琉姫は美しくて、対してちょっと落着きなさげにちょこんと座ってこちらを見やるかおすの愛らしさがよい対比になっています。ふたり揃いに見えてちょっと違うシックな服装、なにかハイソサエティな女学校的なよさありまして、かぶっているベレー帽もまた可愛い。テーブルに積まれた本の中に、きららMAX8月号があるの、ちょっと面白いアクセントでありますね。

『ももいろジャンキー』、これ、めっちゃくちゃ面白い。ちょっと荒れ気味の高校で、目立たず静かに暮らしてきたはなが、なんと不良に呼び出されてしまった。ここからが本当に予想外の連続で、友達になって欲しい、妹と会わせて欲しい。なんで? おお、保育士志望! そこからの妹、ももの活躍ですよ。いきなりおかえりなさいおどり。姉が不良と怖れる由比ヶ浜美耶のことも、みゃーちゃんみゃーちゃんと懐いちゃって、でもって思ったこといっちゃうからね、子供! みゃーちゃんが思いっきり振り回されるの。それからはなも。家でももにやってること、どんどんバラされちゃうくだりが最高。で、みゃーちゃんにぶーッ。これ、すごいよ。笑いをこらえられる自信がない。初見でやられて、読み返してやられて、これ絶対笑う。何度見ても笑う。ほんと、ものすごかった。ももの描かれ方ですよね。3歳児の突拍子もない行動、それがいかにもそれっぽくって、でその唐突な行動に対応できないみゃーちゃんのリアクション、これがまたすごいの。でもって、まさか最後にみゃーちゃん、泣くところまでいっちゃうとかね。いや、ほんと、これすごく面白かった。いやもう、すごかったです。

『退職活動最前線!』。会社を辞めたい同盟? 嫌んなったら即辞表出してイインダヨー。というか、自分も仕事辞めたい。まあ次がないから辞めないんだけどさ。主人公? 赤間めい、のっけからズル休みなんですね。仮病で休むとメールを送って、そうか最近はメールで欠勤受け付けてくれるのかあ。時代は進んでいる。そして行く先はカフェ「ねむみ」。そこでSNSで知り合った面々と仕事辞めたい談話。これ、なんとなく嫌になった期なのかな? 3ヶ月目。4月からなら、連休が終わって、なんとなく最初の緊張感がなくなって、仕事にも慣れかけてきて、すなわちいらんことを考えはじめる頃合い? 会社を辞めたい人の集うコミュニティ? ねみゅにてぃで仕事辞めたい気分を話しあったりするのかな? でも仕事って、辞めるつもりになったらすぐよ? 考えるより先に動いてみたらイインダヨ?

『しのびます!』。15歳の誕生日を迎えた西園寺いちこ。彼女のもとに現れたのが忍者を自称する萩原もみじ。なんと十五代目。ちんまりとしたくノ一で、いちこをいち様と慕い、守るという。なんだかどんくさい? いろいろ勘違い? いちこの友人白鳥りんこに面白がられて遊ばれてとか、なかなかいろいろ頼りなさそうなんだけど、あの車が跳ね上げた水飛沫から守った手腕、あのクールな表情、見事ですね。ギャップがプラス方向に働きかけて、いやもうかっこいい、いちこも一瞬ドキッとしてますよね。幼ない頃のもみじといちこの出会いから、最後には泣き落とし。いや、これそういう手管かなと思ったら、そうじゃないっぽい。純情忍者と純情お館様。扉はじめ、ところどころで咲く百合が意味深でありますね。

『デザイナーさん、限界です。』。「わりとノンフィクション」っていうアオリが笑えないですよ! デザイナーの筑紫さん。見るからに出来る女といった風貌、社内にもファンが多いって感じのお姉さんなんですが、昨日も徹夜、激務で1週間の会社泊。あかん、あかんで。手持ちの業務を確認して、きっちりスケジュールたてても、これ今日中といって仕事が割り込んできてグチャグチャ。クライアントからは修正、依頼、割と好き勝手に投げてこられて、ついつい仕事も深夜にまで及ぶことに……。って、これ、カローシ案件だ! ともあれマネジメントが欠如してるとか、コンプライアンスどうなってるのとか、これ筑紫の受ける仕事の単価をあげて受注を減らすべき局面じゃない? というのは需給もろもろが真っ当な場合にいえることで、それこそ人の価値も仕事の価値も目減りする一方だったデフレ下ではこういう状況が蔓延してたんだろうなあ、みたいなこと思わされる漫画でした。ちょっと生っぽいですよね。生々しいってことでもあるし、わりとノンフィクションな素材がどーんときてる感じでもありました。

  • 『まんがタイムきららMAX』第14巻第11号(2017年11月号)

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