2018年6月3日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2018年7月号

『まんがタイムきららフォワード』2018年7月号、先日の続きです。

『にじいろフォトグラフ』。お泊り二日目に入って、疲弊しきってるのは子供ならぬ保護者たち、葵と心だっていうんですね。心配のあまり一睡もできなかった。対してサラや由愛はというと、しっかりちゃんと寝て、というか元気すぎるくらい。そして子供たちは子供たちで、ちゃんと社会性というのを持ちはじめていて、陸斗がサラに、この前のおわびだって、精一杯だったんでしょうね、お昼ごはんのウインナー、全部あげるっていうんですよ。ああ、謝りたかったんだ。その方法、どうしたらいいか考えたんだ。いじわるでハンバーグをとったから、代わりにって考えたのがウインナー。きっと陸斗の好物なんでしょうね。ひとつだけっていうサラの心づかいもいい。空気読まない由愛もいい! 子供だもんな! サラも由愛も、そして陸斗も、お友達、そして大好きな家族のためにどうしたらいいか、喜んでもらいたいって気持ちで動いている、そうした描写とてもよく、そして家に帰りついたサラの葵に駆け寄るところなんかも、ほのぼのとして実にいい。本当はさみしかったんだってね、そうした気持ちの伝わって、それはつまり葵のこと大好きなんだなって、言葉にせずともよくわかる。そんなシーンがたくさん描かれて充実でした。

『こじらせ BOY meets GIRL!』。この期に及んで、まだこじれる要素があるというのですか! 亨がですよ、最初は鈴や天野のどうのこうの、告白するだしないだの、気にかけてみたりして余裕感じさせていたというのにですよ? 天野の言葉に恋の熱を思い出してしまったか? 対して、ずっともう気持ちのしっかり落ち着いてしまっている柚貴の言葉、これを誤解してしまうのか? いやもう、最後まで聞こうよ、亨ちゃん。柚貴が子供の頃の約束を守る、それだけのことで自分とつきあうにいたった、そう思っておるのかい? なんだかね、このカップルは、亨の方が柚貴に全然追い付けていなくて、それがハラハラさせられますね。ほんと、聞けば素直に気持ちありのまま答えてくれるに違いない柚貴相手に、そこまでこじらせる亨は、ちょっとしたスペシャリストであるなあ、そう思わされる次第ですよ。いや、これで特にこじれなかったら、亨、ごめんな?

『江波くんは生きるのがつらい』。これ、ちょっとした佳境ですな。ついに書きはじめた江波ですよ。出来こそは納得いくものではないけれど、書きたいという気持ちはおさまらず、夜を徹して、さらには大学で講義受けてる間にも、気持ちに突き動かされるように書き続けているっていうんですね。しかし、それを見つめる清澄さん。おお、ついに、江波、清澄を呼び出したぞ! って、講義中か! 君、ほんと、情熱の人やな! 江波は清澄のこと、自分の書きたい欲の原動力にしたい、そう思ったようなんですが、清澄は江波の書いたもの読む気満々でいて、いやけれどこれは江波にとっていい機会なんじゃない? いったんはそう思ったんだけど、いや、ごめん、やっぱりつらいわ! 江波の文章、生々しい恥部だなんて江波自身いってますけど、情念やら自意識やらがこれでもかって屈折して織り込まれていて、読んでてこちらがつらいよ! って、思ったら、清澄さん、これ、好きですか! つうか彼女の江波を評する言葉がキツい! 暗さ、偏見、人間性の歪み、綺麗な毛虫みたいなって、褒めてないよね! いや、一定の評価はしてるのかな!? もうわからん。清澄さん、この人もある種の歪み抱えてる人なんだろうなあ。でもって、江波の歪みと出会って、一種の共依存みたくなっちゃうんじゃないか!? ほんと、江波、出会ってはならない人に出会ってしまったよなあ。そんな怖ろしげな思いに冷や冷やさせられます。

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