2016年6月21日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2016年8月号

『まんがタイムきららMAX』2016年8月号、先日の続きです。

『魔法少女のカレイなる余生』、実にいいですね。面白いし絵は奇麗だしキャラクターは可愛いし。今回はリラがクローズアップされまして、ひきこもりの彼女。しじまとふたりでお買い物、その帰り道で悪態ついたら、手を離しちゃいますよ? しじまにそういわれて、ほんと、そこまで泣くほど!? 昔よりマシになってるんだそうだけど、それでも全然外に出られないリラ。彼女の問題をなんとか克服させようと、ゲームショーでもってモチベーションを誘導してみたり、また苦手を改善する案出していったりと、一連の展開面白くて、まあ、それでもうまくいかないんですけどね。他の元魔法少女の面々の昔話、それもいろいろアレでして、洒落になってなさそうなミミの昔話。対して夢も希望もあったもんじゃないささりの話。面白かったんですが、それでもやっぱり、催眠術で素直になったリラのあの可愛さ、あれが強烈も強烈で、結局全部リラが持っていってしまいましたよ。

『すくりぞ!』、星野先生をスクール・リゾート部の顧問に引き入れましたよ。というか、生徒の奇行が気になって調べてみたら自然と辿り着いた、そんな感じ。しかしね、部室、リゾートだパラダイスだユートピアだ、そんな風に語られてきて、そんな風に私も受け取ってたんですけど、先生の目から見たあの絵! 学生寮! というか、なんだ、これ、わびしいよ! 布団が、布団が、万年床にしか見えない! 帰ってきた部員たちから隠れようと布団に潜りこんだ先生。そしてその存在に気づいた寝子。おお、あの目だ! また、あの目だ! ほんと、この寝子、味わいあるなあ。いいなあ。そして布団をめくられてしまった先生。なんなの!? 抱き枕の絵みたいになってるよ! ともあれ、先生、うまいことまるめこまれて顧問をひきうけることになって、そしてなんだか恥ずかしい目に! そうかあ、先生さっそく怒られてしまったんですね。ほんと、パレードの絵面、なんともいえんものありました。正気の人こそつらい現場だ!

『どうして私が美術科に!?』、街に出て写真を撮りますよ。そういう今回、皆の私服、それぞれの個性など見えまして、なるほど面白い。というか、黄奈子さん、パジャマって! 周囲、どよめいてるし。しかもこれ常習なのか。すいにゃん先輩もいろいろアレで、突飛ないいわけ、最後のぎりぎりで力尽きるところ、ほんと面白かったです。好きなものを撮影する。それはいいのだけど、その好きなものを決めあぐねている桃音。すっかり追い詰められたみたいになっちゃってたんですけど、一日皆で遊んで、それで彼女のこれと見つけた好きな場所。ああ、これ、ほんと、いいですね。蒼のこれと決めていたものもよかった。そこに桃音の発見あって、ぐっとエピソードがしまった、そう思います。で、すいにゃん先輩で落ちるんですね!

『TCGirls』、これ面白いですよ。新連載となって、しっかり固めてきました、そんな感じがします。主人公小柴アン、TCGが好きで、それが講じて店員なんてやってるんだけど、なにしろ自由で、勝手にティーチングサービスとか繰り広げちゃう。店長葉波シオンは、仕事はちゃんとしてるけどTCGについては明るくなくて、そして常連の御厨メイ、TCGの実力者。今回はTCGのカード、その価値や価格づけなんてのが語られたわけですが、それがTCGというものの説明としてしっかり機能しながら、ちゃんと面白いというのですからとてもいい。主にアンがおかしいんですけど、強いカード、いいカードが欲しい。それでお金がどんどん出ていくその厳しさが、めちゃくちゃわかりやすく図示されて、ついには金銭感覚が壊れてしまう! うん、でも、アンの気持ちはよくわかる。なんというか、もういーやー! どうでもいーやー! みたいになっちゃいますよね! あかん、あかんわ……。メイの強運を前に打ち拉がれるのもおかしかった。うん、そういう気持ちもわかる……。そしてカードの価格変動。それを予想して、いいカードを安値で入手する。あー、きっとアンの予想、これが裏目に出るんだろうなあ、そう思ったらまさしくそのとおりで、ほんと、アン、気の毒で、おかしくって、最高でした。そして、うん、TCGはやめとこう。そう思う私でした。

『夢見るプリマ・ガール!』、ダンス部、文化系であったりもするんですね。運動部と信じて疑うところがありませんでした。前回、生徒たちに放っておかれた先生がすねてるのね、あれ面白かった。クールに見える先生なのに、いろいろ可愛いところあって、あのSNSでのスタンプとかもね、実によかったです。そして今回はあいがバレエからヒップホップに移行した理由それが語られて、ああ、これはちょっとつらい話かも知れない。ありたい自分ではあれなかった。理想の自分に追い付けなくて、それがつらくなってしまったという話、これは確かにいたたまれない。理想が高すぎたっていうのはコメディタッチでシリアスをやわらげようって配慮でしょうけど、実際なにかに打ち込む人には、ありたい自分と現実の自分のギャップ、それに苦しむという瞬間が避けられない、そう思うからこそ、あいの心情、つまされますよね。しかし、けれど、みゆはいたらなくともずっとバレエを好きでいつづけていて、その真っ直ぐさ、純粋な気持ちがあいにとっては宝物みたいな思い出になってるんですね。そしてあいとみゆの和解? さらに仲が深まってというこのラスト。あいの心のわだかまりも溶けたようで、ええ、いい表情見せてくれましたよ。

  • 『まんがタイムきららMAX』第13巻第8号(2016年8月号)

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