2019年6月19日水曜日

『まんがタイムきららMAX』2019年8月号

 『まんがタイムきららMAX』2019年8月号、発売されました。表紙は『魔王城ツアーへようこそ!』。メロウとつむぎがふたり並んで、魔王城のプレゼンテーション? ツアーにいざなおうとするかの様相、ちょっとかっこいいですよね。メロウの黒基調のドレス、つむぎの黒いスーツ姿、この黒が画面の大半を占めて、背景がまた暗い赤。おどろおどろしくなりそうなところが、きりっとしてタイトなかっこよさ、ゆるく愛らしくもあるふたりの雰囲気、それをしっかりひきしめて、かっこよさと可愛さの共存する、いい表紙にしあがっています。

今月は新規ゲストが2本です。

『いのち短し善せよ乙女』。これいいですね。主人公、風上乙女は花の高校一年生。でも、開始そうそう死んじゃうのか、というか、死んでしまっとるのか。この漫画、なにがよかったって、今回この一本できっちりまとめてくれてるところ。死亡した主人公が蘇えるにいたるまでの神様とのやりとりもコミカルで、また神様と天使の人の悪さよ。ハンマー、うちでのおおきづちを叩いて出てきた「何か」でもって一日一善をなしとげないと死神けしかけるというのもね、これ、神様の気まぐれなのか、面白がっとるだけなのか、とにかく人が悪い。でも、この人の悪さ、天使のウザいキャラクター、それらがうまいことこの漫画のテイストにはまってる。そしてわかめを使っての善行のくだり。母の手伝いというちょっと気恥かしくてまたほのぼのとした感じがいい。さらにそのほのぼのにやられてる神様。見せ方だよなあ。決まってましたわ。しっかりきっちり展開してみせる、その場面場面が小気味よくて、楽しく、テンポよく、最後までひっぱっていってくれるところやよし。またキャラクターが生き生きとしているところも大変よかったです。

『魔法世界における人型ロボットの作り方講座』。なるほど、これはゲーム内の出来事。VRを使ったMMORPGといったらいいのか、魔法の存在する世界で自由に目標を決め生活し冒険することができるというこの世界で出会ったふたり。初心者コーンと最強クラスのプレイヤー、オニオン。最強ながら、人づきあいが苦手で、また強さのせいでやっかまれて、チートだなんだと汚名着せられたりもしているオニオンが、初心者といいながら初心者らしからぬコーンに誘われて向かった先、コーンたちの専用サーバで見たものは、巨大人型ロボット。魔法世界に人型ロボットを導入するのか。でもってコーンは優秀なパイロットを募集していたのか。これ、あえて魔法世界に人型ロボットを投入しようとする目的はなんなのか。またコーンのバックグラウンドは? などなど、いろいろ気になるところありますよね。とはいいながらも、人型ロボット作るのは人型ロボット作りたかったから! みたいな予感するよね。うん、人型ロボットはロマンだもんなあ。

『魔王城ツアーへようこそ!』。温泉回ですよ。いや、正確には温泉回前夜といった趣。地熱発電施設を発見するにいたったつむぎ。これはつまり温泉が期待できるのではないか? 魔王城に目玉施設を増やせる。また温泉のよさそのものも伝えんと、まずは入浴を皆に体験してもらう。でも、いくら入浴がはじめてとはいえ、そこまでハマるものですか!? メロウは溶けそうになってるし、アイラとプリム、ふたりの様子もただならぬものがある。さらにはマリッジ。あぶない! この世界に風呂は危険なのでは!? 死人が出ちゃうよ! いや、現実日本でも風呂で死人は出てるんだけど。今回はちょっとした働き方改革だったんでしょうか。これまでずっと働きづめだった魔王城スタッフだけど、入浴をきっかけに、疲れが一気に出た? いや、そういうのじゃないよねえ、これ。ともあれ、スタッフに休みを与えて、魔王城ツアーも臨時休業。でも休みを休みとして活用できないつむぎとか、温泉探索がピクニックみたいになっちゃうとか、なんだかんだで皆エンジョイしているのがいい感じ。仕事のはずが仕事っぽくないし、仕事にとらわれてるつむぎも救われてる、そんな感じがします。

『ぼっち・ざ・ろっく!』。この漫画、ぼっちの駄目さ加減、人前が苦手、緊張のあまり顔がえらいことになったり、実力もなかなか出せなかったり、そういうのを普段押し出しながらも、ここぞという時にはしっかり活躍させるところがいいなって思っているんですね。そう思ってたら、ああ、今回はさらにその上をいってくれましたよ。高校文化祭での結束バンドライブ。緊張の上に機材トラブルに見舞われたぼっちですよ。パニックに陥ってる。このままではソロをまわせないというその時に、喜多が前に出るところ、これは感動的だった。喜多の成長があり、仲間としての支えあいがあり、そしてぼっちの奮起。ぼっちのダイブ失敗こそは笑いどころ? 大トラブルではあるけれど、その後のぼっちと喜多のやりとりなんか、これも静かな名シーンだったと思います。

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