2024年2月24日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2024年4月号

 『まんがタイムきららフォワード』2024年4月号、発売されました。表紙は『しゅがー・みーつ・がーる!』。カンナと美都、ふたりで食べ歩き? それぞれに好きなもの、カンナはイチゴのクレープ、美都はというと肉串を手にしまして、ふたりともにいい表情なんですね。好物というのは、こんなにも人をしあわせにするものなんだ。そうしたこと思わせてくれるイラスト。この嬉しそう、楽しそうな様子がまた人にしあわせをふりまいている、そんな風にも思わされるんですね。しかしこのふたり、一緒に食べ歩くというそのことがまた互いをしあわせにしてる。みたいな感じさせてくれて、そこもまたよいんですね。

今月は新連載が1本、新規ゲストが3本です。

『ウクレア!』

実は期待の新連載でした。『ウクレア!』、ウクレレ部にて青春を燃焼させる少女たちの物語! という感じではちょっとないのかな? なんせ、ウクレレ部の演奏に楽しさ見出して、合格したら絶対ウクレレ部! と意気込んで入学したのに、なんとウクレレ部は廃部の憂き目に!

なぜ!? それは実績がないから。酷い! 学校の部活なんて実績なしでいいじゃん! そうやって活動することに意義があるんじゃん! なんて思いながら読み進めた第1話。この子たちの実績を得るためのゲリラライブかつゲリラ嘆願のゆくえ。ウクレレ部にすべてを賭ける主人公、水霧空子の頑張りとはじめてのステージでの失敗。でも、その失敗を見事にカバーした機転。その機転が観客にはたらきかけて、広がっていく音楽の輪。こうした描写もまた、すごくよかったなって思ったんですね。

しかしなぜウクレレ部に期待していたのかといいますと、私自身、ウクレレを持って、ちょっと弾いたりなんぞしてるからなんですね。ただ最近はあまり身が入っていなかった。だものですから、この連載がまたウクレレ熱を高めてくれること、空子たちと一緒にウクレレ頑張る! そんな気持ちになれることを楽しみにしているんですね。

しかし空子、いいキャラづけです。絶対人気出るやつです。

『まおてん~魔王様が現代に転生したらオタクくんと同居することになった話。~』

これ、魔王の大失敗じゃありませんか。肉体が滅びようとしている状況から離脱、別世界に逃亡をはかったら、なんとオタク青年がかつて想像した美少女中二キャラとして顕現。というか、これ、事故ったんじゃなくてあえて選んだのがこのキャラっていうんだから、完全に魔王自身のミスじゃん。

しかも悪いことに兄貴がかなりヤバい! いや、兄貴ってのはその美少女キャラが義妹設定だからっていうんですが、一見角生やした人外の義妹、ところがそういうの身につけて演じてる設定だから、はずせばまんま普通の人。で、義妹っていうんだから兄貴と微妙な距離感あったりなんかする? かと思ったら、完全に事故じゃん! 兄貴、義妹に手を出す気満々の、かなりヤバいやつです。

その兄貴のヤバさ、かなりの説得力で迫ってきて、いやいや、あかんあかん、ほんと、全力でキモい。もう頼れるのはお義母さんだけか!? いやほんと、魔王の無事を願うばかり、そんなヤバいゲスト作でした。

『パイタッチ・ミー・ドント』

学園最強? 番長でさえも手を触れさせることなしに倒してしまう。そんな主人公、鎧塚カンナ。風紀委員長をつとめる彼女の次のターゲットは、校則違反常習者、鴻上ウルフ。今度も楽勝、そう思っていたら、ウルフのキックがきれいにヒット! かくして倒されたカンナに迫る危機! そう、ウルフは女子の胸に魅かれてやまない、スレンダー乙女であったというのです。

そもそもこの人が学園に馴染めないのって、女子という女子の胸を揉もうとしたがために皆から警戒されてしまったのが原因。自業自得じゃん! そこはこうもっとうまくさりげなくやりなよ! というんだけど、小学生の頃から手つきがヤバいと友達から拒否られてきた猛者。ゆえに遠ざけられてきた悲しみがモンスターを生み出すこととなったのか。

胸と登校をかけてのカンナ、ウルフの銭湯対決。どちらがより長風呂できるかっていうんだけど、カンナ、弱いな! それでもなんでも意地でも無理矢理にでもウルフに勝とうと迫った最終戦。そこでカンナの抱える悲哀がウルフのそれとともに氷解するくだりは、ふたりそれぞれのベクトルのあわさる見事さあったと思います。

かくして学園に戻ったウルフと、皆とうちとけることのできたカンナ。これ、まごうことなくめでたしめでたしですね。

『さんかくフレネミーズ』

めちゃくちゃ面白いよね。友達に見せ掛けた敵。それがフレネミー。自分の幼なじみふたりが、まさしくそのフレネミーとして、私をかけて争うというシチュエーション。ひとりは生徒会長にして学園の星、もうひとりは耳目を集める帰国子女。タイプの違う美少女ふたりが、小春の幼なじみにして、小春をひそかに狙う下心あり。小春をあいだに挟んで一歩も譲らない、火花バチバチの関係が成立するんだけど、この対立状況がすごくおいしいんですね。ええ、これかなり面白かったです。

自分としては小春の取りあい小競りあいがかなりきたんですが、小春はただ挟まれてるだけじゃなく、彼女自身の趣味嗜好に開眼して、ふたりの幼なじみに無理強いしてなかよし写真撮らせるとかね、こうした流れも面白くって、関係性のベクトルが、主人公挟み込みの三角関係のみならず、主人公をポジティブに転じさせることでの無理矢理カップル成立までいくのが斬新。ええ、個別の要素だけ取り出すとわりとありがちかも知れないけれど、それを掛け合わせることで、主人公のポジションをネガティブとポジティブに分化、受けにも攻めにも転じさせることができるのがよかったと感じました。

それとやっぱりいいのはキャラクターでしょう。皆がそれぞれに愛らしい。ええ、なにか好感ある子が揃っているのもよいところでした。

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