2023年7月3日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2023年8月号

 『まんがタイムきららキャラット』2023年8月号、一昨日の続きです。

『ササエルの中には誰もいない』

今回は小依、雲雀、常子の3人でお届けです。って、のっけから雰囲気が悪いな! ムスっとした表情でゲームしている小依に、ナオを求める常子、日和子を求める雲雀と、小依がキレるくらいジメジメしたシチュエーション。

中でも一番ダメージ負っているのが雲雀。よっぽど日和子のこと好きなんですね。ということで、今回は雲雀と日和子の昔話。出会ったころの話に始まりって、ああ、以前から語られていたことではあるんですけど、津波被害にあった、家の周辺のきなみ流されたという雲雀の過去、こうして聞くとやっぱり重いですよね。

なんだか楽しげな日常描いている漫画なんですけど、こうした背景に見え隠れする災害の爪痕など、日和子たちがササエルをいい加減にはやってないということ感じさせてくれて、都度胸に迫るものあるんですよね。

今回はこれまで以上に雲雀の過去、そしてササエルの誕生にいたる経緯が語られました。雲雀を元気づけたかった日和子。その結果生まれた動画、そしてササエル。小学生の自分たちがやるつもりだったササエルだけど、結果的に実現したのは大人になった今で、自分たちでは無理だからと小依がササエルとして活動することになった。

そしてササエルのモデルについて。雲雀はササエルは日和子だと思っていた。けれど、もしかしたら日和子にとってのササエルは雲雀だったのかも知れない。常子の発言に滂沱の涙を流す雲雀。よほどササエルが、そして日和子が雲雀にとって大きな存在であること感じさせてくれるくだりでありました。

で、ラストなんですけど、小依はそのままでいいと思う。そのままがいいと思います。

『まちカドまぞく』

桃の髪が肩まで伸びて、邪魔になったから散髪しましょうというお話。どうしようもなく無造作な桃に、一気に気色ばむ皆がおかしかったです。あの貧困に貧困を煮染めたような家庭に育ったシャミ子でさえ、美容院で髪を切ってもらってる! これ、桃じゃないですけど、自分にとっても意外でした。いやほんと、シャミ子の髪はお母さんにやってもらってるもんだと思い込んでいましたよ。

桃の髪をシャミ子が切ります! ハサミは魔法の杖があるからそれで! というんですが、魔力も手伝ってか散髪は好調、からのしおんのやらかしで前髪を斜めにざっくりやっちゃうとこまで様式美! いや、桃さん、斜め前髪、可愛いですよ。ソラ・ハレワタールみたいですごくいいですよ。どうせならしばらくそれで過ごしてみましょうよ。いやほんと、めちゃくちゃいけてますって。最高だと思う。

から、さすがだ魔族の力! 髪を伸ばす櫛でもって失敗を是正する! で、まさかのロングポニテ桃が完成して、おお、シャミ子の趣味はこういうのなんですね。いや、こちらも可愛いです。やっぱり可愛い子はどんな髪型も似合うよね。でも桃は面倒くさいのは大嫌い! という、基本の考えもばっちり見える今回でした。

『紡ぐ乙女と大正の月』

婚約者が決まったもののそれを紡にいいだせない唯月です。話そうとしてやめて、また話そうとしてやめて。うつむき加減の唯月の様子に不穏を感じはするけれど、まさか自分の体臭が!? とか考えてしまう紡さん! いや、まあ、これもまたうら若き女子の悩みではありますよね。

さて、この唯月の問題が、やらかしてしまった初野の妹、八重子の悩みにつきあうことで整理されて解消に向かうところ、大変よかったです。八重子のやらかしというのは、触っちゃいけないと釘を刺されていた姉、初野の大切な硯を落として割っちゃった、というもの。姉にバレないように直したい、天女の力を頼ろうと紡に会いにきたのだけど、当然紡にそんな能力はないわけで、どうにもこうにも八方塞がり。

この状況に、隠し事するよりも打ち明けた方がきっといいと諭す紡はやっぱり素敵なお姉さんですね。そしてこの言葉が、傍らで聞いていた唯月にも響いて、ついに語られる結婚のこと。唯月の不安に揺れる気持ちを受けた紡の行動。唯月のつらさをともに感じ、そして自分の思うところを唯月に伝える。

ああ、唯月のそばにいるという紡の言葉。どれほどに唯月にとって心強く響いたのでしょうね。しかしこの言葉は、約束は、果たすことができるのだろうか。などという心配もあって、ええ、ふたりの気持ちの行方から目が離せません。

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