2021年11月26日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年1月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年1月号、一昨日の続きです。

『球詠』

悲愴感をともに投げ続けていたヨミ。消耗しきった彼女に話しかけるタマのその言葉がまた切実で、野球やめるの? ヨミの、今ここで燃え尽きてもいい、このまま投げ続ければ野球を続けられなくなりかねないのに。そうした姿勢への疑問と、そして根本にある気持ちへの共感を、仲間の分も一緒にヨミに告げるその言葉に、ウソはなく、そしてそれでも決してヨミのことは諦めないという思いをほとばしらせて、ああ、これまでずっと静かと思わせていたタマの心の奥底、ここに一度に開かれて、ヨミに届いた、この気持ち、ヨミにしっかり届いたんだ。

ずっとマウンドの上で孤独であったヨミ。けれどそれは自ら視野を狭めていたからで、目を、心を開けば、ずっとたくさんのことが見えてくる。仲間のこと、対戦相手のこと、そしてタマのこと。これまでのひとりでなにもかも背負おうとしていたヨミが、仲間の存在をしっかりと感じながら、任せる時は任せるようになれば、チームはこんなにも機能するんだ。その機能し生きているチームの姿、それがもう感動的で、ああ、ヨミもいうように、最初からみんなにいえばよかったんだ。けどこうして今そのことに気づけたことがよかった。きっと次からはヨミも大きくは間違えない。チームと一緒に、もっとよりよく野球に向きあうことができる。そんな未来が再び開かれたと思ったのですね。

主将岡田が見せたファインプレー、打たれてしまったヨミのピンチを見事にカバーして、この活躍こそは今のこの展開をしめくくるにふさわしいものだったと思います。頼れる仲間、その一連の描写の集大成がここにあったと思う。意地があるのはみんなも一緒なんだ。嫌なことがあっても、自身の身を削るようにではなく、こうして溌剌とした精一杯のプレイで応えてやればいい。そうした明るく、しなやかな姿、響きましたよ。

『ちょっといっぱい!』

開店前のこはる屋に現れた女性。小脇にこなつを抱えたその人は、本条凛。小夏の叔母なんですって!

どうしてもこはる屋にいきたいと、こなつに泣いて頼まれた、凛はそう説明しますが、これ多分嘘だな。だって、だったらなんで小脇に抱えてたの!? こはる屋の元従業員だったのだそう。いや、少し手伝っただけ? いろいろ含みのある言い方が気になる人ですが、帰ってきた店長によると、こはる屋立ち上げメンバーのひとり!? 全然話が違うやん! 修行先の店をやめ独立する、店長にその決意をさせてくれたのが凛だったんですって。

凛という人、いわゆるツンデレっぽい感じなのですが、店長にいろいろ複雑な思いを抱えているけれどそれを素直に出せないっぽいニュアンスにじませていて、でも店長はまるで頓着せずフレンドリーに対応してるのがね、きっと昔っからこうだったんだろうなあ! みたいなこと思わせてくれて面白かったんですね。

凛はパティシエの修行中、かつては製菓学校に通いながらこはる屋を手伝い、そして今は海外で修行をしている。その腕を磨く理由はというと、祖父の店の復活なのだそうですよ。

と、ここではっとした目を向けているもみじ。これは、この子の将来になにかしらの方向性が与えられた、そんな瞬間なのかも。なんて思いました。だとしたら結構重要なエピソードですよ、今回!

『ねことちよ』

買い物から帰ってきたちよが見たものは、汗だくで寝ているまきとねこのふたり。というか、この家、夏場でもこたつ出てるんだもんなあ。ねこの居場所だからっていうんですが、ねこ、エアコンも入ってない真夏の部屋で、さらに頭からこたつに潜り込んで、やばい、あかんよ、熱中症になっちゃうよ!

ちよが心配するのもわかります。

こたつ布団が常備されてる問題にまきが切り込みます。ねこが片付けるのをかたくなに拒むのだけど、そこでちよの出した代替案、これがよかったんですね。なるほど、潜り込める場所、こたつ以外のを用意すればいいわけだ。秘密基地と称して、出してきたのはひとり用のテント。昔使ってたというけど、ちよは意外やアクティブに外に出ていくタイプの人だったのかな。今はなんかそんな雰囲気ないですよ。あ、そうだ、以前ねこと一緒に山に登ったりしてましたね。ちょっとハードめのハイキングって感じで、山らしい山って風ではありませんでしたけど。

部屋の中にテントを立てて、横のメッシュも開放して風通しは抜群。ねこも気にいってくれたみたいじゃないですか。でも、こういうの、楽しいだろうなあ! 子供ならきっとわくわくして夢中になる、そんな発案。ちよ、こたつから目をそらせるための策とはいえ、いいアイデアを出してくれました。本当、いいお姉さんだなあって思います。

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