2019年4月7日日曜日

『まんがタウン』2019年5月号

『まんがタウン』2019年5月号、一昨日の続きです。

『珈琲と猫の隠れ家』。方向性、明確ですね。ねこカフェはあくまでも場ときっかけを提供する一歩下がったポジションにあって、メインは毎回新たに訪れるお客さん。今回は、中学時分から友達だったふたり。けれど高校にあがってちょっと疎遠になっていた。何故なんだろうという、当時からのわだかまりが溶けるその瞬間に、この店が関わるというのですね。静かな対話の情景。その合間に、なぜ疎遠になったのか、どうして自分は避けられるようになったのか、鬱屈した思いがモノローグとしてこだましていた。それが、店長のあの無神経そのもののダァッ! をきっかけに反転する。ああ自分だけじゃなかった、相手の子も悩み鬱屈していたところがあったんだって、その一気にわだかまりの氷解する快感ったらなかった。さっと光の射して情景の変わる爽快感。これはなかなかにすっきりさせてくれる、そんなよさがありますね。

『小春さんずれてない?』。小春の彼氏を作ろうプロジェクト、再始動しちゃったよ。冬樹と千晶がうまくいってると寂しい。そんな千春の告白に、もしや自分のこと好きなのではないか!? その疑問をかき消そうとする冬樹の必死さ! えー、あかんの? 君らお似合いに見えたやん。この可能性、ずっと自分も考えてたもんなあ、とか思ってたら、あー、どうも確かに違ったらしい。彼氏を作る、その目的を共有してる間は冬樹も千晶もかまってくれる。一緒に遊んでくれる。それが嬉しかった、楽しかったという、その小春のニコニコの笑顔よ。だって、友達にいい人いないか聞いてくれるっていう千春に、それより料理の味見してって、もう彼氏作るとか頭からすっとんでるやん! もうほんと、寂しがりやの小春よ。その愛らしさ。こうして小春の気持ち、きっちり整理されれば、また彼氏作りは中断か、あるいはいつぞやの彼が浮上してくるのか。その結果は次回最終回ですね。なんか、もろもろが決着しそうな気配がしますよ。

『ちこはゲーセン一番星!』。最終回ですよ。おお、保津淳海さん、大学生になって、新人バイトとして登場ですよ。ああー、惜しいなあ、この子の活躍見たかった。今はちこに指導される立場だけど、いずれは先輩を超えていったかも知れない。そんな淳海の成長していく様、見たかった。と、変わったのは淳海だけじゃないんですか。ゆめさん、チーフになったんだ。ということは、以前のチーフはいずこへ? と思ったら、本社勤務なんですね。こうしていろいろが変わりゆく中、バイトは金目当て、そういいきってたちこも仕事の楽しさ知って、チーフのこと惜しんだりしてと、こうした様子にしんみりしたもの感じて、これが別れと思わばでしょう、私もなんともいえぬ寂しさ感じてしまいましたよ。けど、開店すればあの見事な笑顔、ああ、これからもちこは頑張っていくんだなって、そしてチーフがこの店にまた違ったかたちで関わるというラストにね、また嬉しい、楽しい、面白い、そんなできごとがあるのだろうなと思わされて、ええ、これからもきっとここはにぎやかで、笑いが絶えない、そんな場所になるんでしょうね。ああ、いい漫画だったよなあ。

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