2019年4月12日金曜日

『まんがタイムきらら』2019年5月号

『まんがタイムきらら』2019年5月号、昨日の続きです。

『さかさまロリポップ』。詩月、発熱。体調不良で学校を早退してくるんだけど、姉にいれてた連絡、母とあわせて3桁いっちゃってたんだ! こういう時は家電ですよ、詩月さん。リビングに布団しいて、テレビ見ながら横になって、このちょっと特別な感じ。なんかわかる気がします。自分も、子供のころ、風邪ひいた時はNHK教育の昼の番組見るの好きだった。そんなちょっとしたノスタルジー感じながら、詩月のしっかりものの顔とか見られて、そういうのよかったなって。それにしてもマネージャーさん、動揺しすぎで、ほんとそりゃ詩月に怒られちゃうわけですよ。詩月が追い返すところ、言葉も態度も厳しいんだけど、風邪うつしちゃいけないっていう、そこには優しさなんかもあるんじゃないかなって。そして詩月の弱気。ほんと、いろんな様子が見られたの、よかった。看病の様子、あれもよかったですよ。いろんな表情、いろんな表現。どういうものを見せてくれるのか、楽しみにしてるんですよ。

城下町のダンデライオン』。四コマではなくコマ割りのストーリー基調で描かれたアンジェリカの幼少時代。はきはきと朗らかで、才気煥発。父母、兄とも仲よくて、時折見せるわかがままも愛らしかった。そんな子が、母の死、そして事故という不幸の果てに、かけがえのない思い出を失ってしまったという、あのくだり。ああ、病気もケガもなおせてしまう、そんな大きな力を持ってしまったゆえの悲しさだと思った。だって、そんな能力がなければそもそも、母の病に娘も、そして父も、ああした悩み方をする必要はなかったんですよ。これも運命と受け入れるしかない不幸も、代償こそあれど抗うこともできる。けれど、その代償を幼ない娘に負わせようというのか。母の思い、父の葛藤、それがもう痛ましくて、さらに追い討ちをかけるようにあの事故。妻を失い、そして自分を救うために大切な思い出もなにもなくしてしまった娘を前にして、父は心が壊れるような思いをしたのだろうなあ。そして、ちょっとした奇跡といえるのでしょうか。アンジェリカの母との再会。これ、父の娘へと託したものだったのか。泣けるといえば軽くなる、けれどそういうほかない、そんな展開。ずっと積み上げてきたものが、ここに開いた、そんな感触ありました。

My Private D☆V、『ももいろジャンキー』のおにぎりです。D☆Vポイントはちいさい女の子×おおきいものたち。うん、わかる、というか、わかってた。これ、『ももいろジャンキー』がまさにそうですよね。あの漫画に描かれているかわいさ。今回は、そうした要素だけを濃縮して、これでもかと盛り込んでみましたよ! といった風情ありまして、よいですね。この人の画風、作風、その魅力がしっかりばっちりあふれかえっていましたよ。しかし面白いのがね、おおきいちいさい女の子×ちいさい街。あれ、面白いな! オーソドックスなD☆Vにひとつ毛色の違ったもの混ぜ込んで、けどそれも実に効果的。ああ、これと限定したテーマでも、工夫、発想次第で可能性は広がっていくんだと、そんなダイナミズムが素敵でした。やってくれます、やられましたよ。

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