2020年7月23日木曜日

『まんがタイムきららフォワード』2020年9月号

 『まんがタイムきららフォワード』2020年9月号、昨日の続きです。

『球詠』

稜の出塁率アップ作戦、左打ちに転向っての、さっそくやってきましたね。でもそれで困惑してるのが味方たち。ふざけているのか? 監督、芳乃からは、練習試合をなんだと思っているのか、試合前に教えておいてくれないと、などなど、わりと明確に不評? いや、そうじゃないですね。まだぎこちない左打ちに、甘い球だけ打てばいい。希のアドバイスが生きて、稜のどんな球でも振ってしまうという傾向が抑えられて、じっくり粘って投げさせる、これまでになかった持ち味が出てきているんですね。

こうした若手の変化あれば、上級生たちの心情など、見応えある描写も多々あって、熊谷実業の久保田の前のめりに練習に取り組んでいく様子や、落ち着きあるその様子、アドバイスなんかも頼もしい、この先輩らしさは今の新越谷には得難いものであったかも知れないって思わされました。

実際、これが怜に、ひいては光に影響を与えていきそう。とりわけいろいろ負い目を感じてしまってる怜にとっては、現状を突破するきっかけに辿り着く、ひとつの光明になってくれるといいなって思います。

『ちょっといっぱい!』

凪とエリカが遭遇です! 出会っていきなり神作画と口走るエリカ。これ、オタク語彙だ! 普通の人相手には通じない系だ! 実際、エリカの謎挙動の数々が凪には通じず、自分を前にすると明らかに態度がおかしくなるエリカのことを誤解して、怖がられてるんじゃないかって、嫌われてるんじゃないかって、ええ、この気持ちのすれ違いですよ! 文化圏が違うというのは、こんな悲劇も引き起こしてしまうのですね!

凪の健気さですよ。エリカに向かって歩み出て、きらいにならないで……。私せんぱいがんばるから……! ああ、エリカよ、その反応よ! そこからのエリカのマシンガントーク、とどまるところを知らない萌え語りが圧巻で、変わった子だなあ、困った子だなあ、でもいい子だなあ。ほんと、これだけ熱烈に愛を語られて、凪はどう思ったろう。ほんと、素敵、見事、キュートな展開でありました。

しかしエリカ、最初はあんなに距離置こうとしていたのに、一旦オープンになったらあんなにもぐいぐいいくんですね。ほんと極端な子。もう、わかりにくいんだかわかりやすいんだか、わかりません。

『スローループ』

バンガローに到着しましたよ。到着するやいなや釣りに出ようとする小春。対してまずはのんびりしたい恋といったように、それぞれ個性が出てるのがチャーミング。というか、ひよりがすごいよな。誰よりも準備万端じゃん。なにを置いても釣りしたい組と、ゆったりとひとりの時間を過ごしたい恋。ほんと、まったく違った個性が見える。ちょっと恋が大人っぽいのかな。

釣りに出た先でのいろいろも面白い。ここは釣り堀とか川釣りの施設があるんですね。エサはイクラを使うっていうの、それを聞いた小春が語るかつての悲しい思い出。あんなにキラキラしていたチビ小春の目が、今や輝きを失っちゃってまあ! ほんと。なんで魚は自分で産んだ卵を食っちゃうんだろうなあ。

そして釣りの情景ですよ。ひとり釣る小春は仕掛けもばっちり、釣り姿もきまってて、ほんとかっこいいですね。対して小春はというと、釣れなくてヘコんでる。かと思ったら、これまでに得た釣り知識を動員して、おお、釣れたじゃないですか。もうほんといい表情見せてくれて、ああ、自分で巻いたフライだったね、そりゃもう喜びもひとしおだ。初心者なのかな? 家族連れっぽい人たちにポイント指南なんかしちゃってさ、ほんと、小春、めちゃくちゃ楽しそうだよなあ。

と、そこにつっこみ入れてくる恋が面白い。ほんと、恋のクールな様、これもまた堂に入っている。ええ、この子、自分で釣るよりも楽しそうにしている人を見る方が楽しいんだな。自ら飛び込んでいくよりも、一歩ひいた位置から状況を眺める楽しみ。ええ、それもまた素敵な志向だと思います。

釣れた魚を調理するくだりもいいですね。塩焼きが一番という恋に対して、研究の成果を披露して見せる小春とか、おお、マヨネーズ使うのか、マヨネーズが勝ちすぎない? しかし、これ、確かにおいしそうだよね。

3人だけのバンガロー。釣って食べて、精一杯エンジョイしていることのよくわかるその姿が魅力的。夜中のアレもおかしくて、いや、それ、恋さん、怪談じゃないですよ? 翌朝の小春、恋の様子なんかも本当におかしかったです。

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