2019年10月4日金曜日

『まんがタウン』2019年11月号

 『まんがタウン』2019年11月号、発売されました。表紙は『新婚のいろはさん』。ふたり、一緒にレンタルしてきたDVDを見てるんですね。秋の夜長。ふたりで過ごす時間。ポップコーンまで用意して、コーラなんかも用意して、気分はもう映画館でしょうか。この、普通のことをどうやったらもっと楽しくできるだろうかって考えて実践するふたり、そうしたところがこのイラストからもしっかり感じられますよね。そして新連載、『部長と2LDK』の告知カットもございます。

月替わりコミックエッセイの市川ヒロシさん。ダイエット中ということで、このエッセイ漫画描くのもつらかったって、じゃあ毎月の連載はどうだったの! 飯の話ばっかだったじゃん! いやもう、この告白がめちゃくちゃ面白かったです。

さて、今月は新作が1本です。

『部長と2LDK』。眼鏡が凛々しい東部長は厳しいと評判。そんな部長が有休をとって部屋探ししてるという、その不動産屋での会話がおかしい。30の女って、この人若いな! 部長っていうから、もっと年上かと思った。さて、実家を出たいというこの人。両親が過保護なのか。で、そんな環境から脱したい。けれど、自分の住む部屋のイメージがわかない。この漫画の主人公は、ちょっとゆるい子、東部長の部下、まだまだ新人の西菜々。なるほど、実家が不動産屋で、部長が訪ねたのが西の実家だったってわけですね。部長の部屋探しからひとり暮らしを考えていた菜々。けれど、菜々には無理だろうと家族からいわれて、と、そこに部長も部屋探し。ひとり暮らしが不安というなら、うちの菜々と一緒に住むのはどうですか? かくして年の差、上司と部下の同居が成立して、この導入、堅物と思われてた部長の可愛いところが西にバレたり、そしてくったくない西の振る舞いにほだされたり、みたいな展開期待させるものがありますね。

『新婚のいろはさん』。ふたりで訪れた温泉街。旅館が豪華で、城だキャッスルだ、さらには天国だと、この喜び方が独特で、素直で面白い。いろはという人のキャラクターがこれなんですよね。ちょっとズレてる? 評価、表現の軸が普通とちょっと違ってて、けどそれがこの人のよさ、魅力を見事に表現しているんですね。この独特のよさというのは始も同様ですよね。いろはの浴衣姿にくらっときてからのせりふ。とんでもない。この、よいものをよいと、思った気持ちをあからさまに伝える、そのストレートさ、美徳だと思うわあ。後半のふたりの試み、短かった恋人期間、それを今あらためて作ろうとかね、さらには修学旅行の思い出、それを上書きして、ふたりが夫婦でも恋人でもなかった頃の、友達だったころの記憶にまで立ち返ろう。その意欲! 発想! 面白いなって思ったんですね。かつてなかった思い出の隙間、そこに新たに彩りを添えていく。これ、楽しい時間だろうなって思わされました。で、続くんでしょうか? 続いたら続いたで、これ、面白いと思う。

『恋するヤンキーガール』。ちょっと高校生活を垣間見せてくれました。特別編。これは単行本に収録されるの? されなかったらもったいないなあ。ともあれ、アヤメちゃんが委員長やってるとかね、さらにクラスの皆から相談? されたりしてるの。ああ、ほんとにこの子は変わりましたね。すごくよくなった。ナデシコも素敵。皆のね、新しい環境で交わされる会話。昔どおりのことあり、変わったところもあり。でも、そのどれもが彼ら彼女ららしいと思わせるところがあって、ええ、いい情景だったと思います。終盤に向けての展開、アヤメちゃんの髪に触れようとするナギとかね、そこからのナギの言葉なんかもね、ああ、これはとてもいい。この変化していくこと、それが楽しみというの。そうでした、この漫画は少しずつ変わってきた子たちを描いた漫画でした。そうしたテーマに、あらためて立ち返った、そんな気がして、それがまた新鮮と感じられて、よかったです。

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