2015年11月15日日曜日

amiibo ガール(スプラトゥーンシリーズ)

 昨日に引き続き、amiiboについての話題です。ガールですね、ガール。ボーイと同時に注文して、数日遅れで到着したガール。今回のamiibo購入は、正直なところ、ガールが本命でありました。いや、女の子だからじゃないよ!? そうではなくて、チャレンジの内容ですね。ボーイはローラー、ガールはチャージャー。私は普段チャージャーの一種であるスクイックリンをメインのブキとしているのですが、動いているターゲットを相手に練習する機会が欲しいとずっと思ってきたのです。だから、amiiboガールのチャージャーチャレンジはずっとやりたいと思っていました。その機会をやっとこさ得ることができたわけですよ。そりゃ、嬉しいわけです。

でも、さすがに時間がたちすぎたなあ、っていうのがプレイしてみての感想でした。いやあ、チャージャー、めちゃくちゃ強いよ。敵の射程外から一方的に撃つことができる。amiiboチャレンジの敵は、タコゾネスをのぞけば、ほぼ動かないですからね、もうほんと一方的。こちらに気付いていない、そんな状況から狙える。正直、ボムなんかいらない。ボムがいるとしたら、盾もってるやつ相手にする時くらいで、あとはタコスナイパーかなあ。でも、タコスナイパーは、物陰に隠れてチャージ、半身を出して狙撃、それで充分対処できます。終盤のタコスナイパーがたくさん配置されてるステージ、あそこくらいかなあ、ボムで気をひかないといけなかったのって。

ボス戦がすごかった。敵の射程外あるいは遮蔽物ごしに敵のウィークポイントを狙い撃って、それで露出した触手を撃つんですが、シューターやローラーだと、なんとかして接近しないことにはダメージを与えられない。ところがチャージャーだと、接近しなくても、敵の上に登っていかなくても、地上からバンバン撃ち込める。すごい優位。もう楽勝だった。こんなに簡単でいいのか? それくらいに簡単。てこずったのって、あの魚のかたちしたやつ、わーっと潜って接近してきて、大きな歯をもった口でばくって噛み付いてくるやつ。あれでちょっと手間取った。歯を破壊してから、口の中にボムを投げ込む、そのせいでインクの管理がちょっと面倒になるんですね。あと、金色の歯がフルチャージで2回当てないと壊せない。でも、ミスはあっても、リタイアはせずに勝てましたよ。

心配していたのはタコワサ将軍だったんです。ミサイルを撃ち込んできて、敵が出てくるボール投げ込んできて、あとメガホンレーザー。これを迎撃し、かわしながら、ロケットパンチや、あの3連続で打ち返さないといけないやつ、あれを狙撃してやらないといけない。いやあ、チャージが間に合うかなあって思ってたんですね。

結果的には、楽勝でした。シューターよりもローラーよりも、チャージャーが楽なんじゃないかなあ。もうほとんどストレートで勝てた。もう余裕で勝てた。本当、あんなに優位もって戦えるとは思いもしてませんでした。うん、チャージャーは強い。めちゃくちゃ強いですよ。

ミニゲームはイカボールです。なんかバレーボールみたいなの。飛んできた、あれ、なんなんだ? 黄色いの、そいつをトスしてアタックしてクラゲをふっとばすの。これ、結構難しいんですよ。でもなんだろう、地味で微妙でなんかおかしい。ほんと、絶妙なゲームだと思います。

2015年11月14日土曜日

amiibo ボーイ(スプラトゥーンシリーズ)

 やっと買えました、amiibo。とりあえずはガールとボーイ、だったんですが、ちょっとガールが遅れまして、いやあキャンセルくらうんじゃないかってハラハラしましたね。けど、数日遅れでガールも届いて、ええ、一安心。これでやっとこさamiiboチャレンジ、ローラーとチャージャーでの攻略が可能になりました。待ちました、待ちましたね。どれくらい待ったんだろう。5月28日からだから5ヶ月、いや、発売日すぐに欲しくなったわけじゃないから、ざっと4ヶ月ほどですかね。ともあれ、待ったのです。

でも、待ちすぎたかなー、っていうのがプレイしてみての実感でしたよ。今回はボーイのローラーチャレンジについて書こうと思っているんですが、私はほとんどローラーは使ってきていない。にもかかわらず、一度もリタイアなしでクリアできまして、いやあ、ローラーの破壊力ったらすごいね。途中ボスのタコの腕、あれをドンと一撃でぶっとばせるんですから、ほんと、近接でのローラーの威力というのを実感させられました。

ラスボス、タコワサ将軍との対戦、どんなにてこずるだろうって心配してたんです。ほら、敵が打ち込んでくるミサイルやらロケットパンチやら、それからよくわからん3連続で撃ち返さんといかんやつ。あれをうまくいなせるだろうか。あんなに射程の短いローラーで。みたいに思っていたんですが、いやあ、なんだろう、しぶきでなんとかするんじゃなく、直接ローラーで打ち返す、そんなイメージでもって叩き返してやると、いけますね、いけますよ。

ローラーチャレンジでは、極力ボムは使わないことを心掛けました。いえね、ボム使ったら、ボムだけでクリアできてしまいそうじゃないですか。遠くにいる敵をなんとかしたい時、ボムを投げたらそりゃ楽でしょう。でも、そんなん面白くないじゃないですか。だから、ボムは敵の気をひく、それ以外では使わないと決めたのです。そうしたら、タコスナイパー、あいつが厳しい! とはいっても、ボムで気をそらして、じわじわ距離をつめて、ローラーの間合いにさえ入ってしまえば、もう勝ちは確定ってやつです。ほんと、amiiboチャレンジまで時間があいたために、戦い方のノウハウがたまりすぎて、対人ならともかく、CPUなんかには負けないぜ! ええ、負けませんよね。

でも、むやみやたらと難しければ面白い、なんてことはないんです。ほどほどに手強く、ほどほどに簡単、そういう風に調整されてるなあと実感させられるローラーチャレンジ。これからも、バトルにくたびれてきたら、気分をリセットするために遊んだりしそうな感じです。

あ、そうそう。ミニゲームのイカレース。これ、自分の知ってるドリフトと違う! ロケットスタートは、どうしたらできるのかなあ。一回だけ、なんかよくわからんけどできたんですよ。

2015年11月13日金曜日

『まんがタイムジャンボ』2015年12月号

『まんがタイムジャンボ』2015年12月号、昨日の続きです。

『終活女子高生』、どんどん沙羅が可愛くなっていきますよね。今回はクリスマス。沙羅の家では特にこれまでなにもやってこなかった。そんな沙羅を思いやってか、いや、違うな、自分の欲望に真っ直ぐなだけだ、沙羅の母にも呼びかけて、律がクリスマス会をやろうというんですね。しかしそれでプレゼント交換会、ファンシーショップで真剣な面持ちで選んでる沙羅が可愛くて、あの店員さんの反応も、レジでのやりとりも最高ですよね。ほんと、これは、ちょっとクールぶってる沙羅の、ちょっとウェットで、それで人情味、思いやりに溢れている、そんなところを楽しむ、それこそ律と一緒に楽しむ、そんな漫画になっていると思います。ほんと、しかし、律、いい子です。

『最後から二番目の神様』、なんか終わりそうな予感がする。これからカルラがいろいろなんかやってきそう、そんな感じがしていたのに、なんか駆け足で仲良しになって、力の暴発を心配したり、それからテラスの神器のこと、カルラが返すべきかどうか、葛藤したりしましてね、ええ、なんのかんのテラスのこと心配してる。好きなんですね。そんなカルラの魅力があふれている、そんな回でした。さて、どうしようと思っているのはフルコトも同じで、父が帰ってきた、すっかり様変わりした娘に、なぜそんなことになったかと御冠。それでスイスに連れていく、なんていっちゃうもんだから、フルコト困っちゃって。ああ、これ、どうするんだろう。日本に残る、それは間違いなかろう、そう思うんですけど、そこにテラス、カルラがどう関わってくるのか。それが気になります。

『あかり先生の言うとーり!』、ちびっこたちが可愛いなあ! あかり先生になんかいけすかない男の影が!? というので、男の子三人が先生の警護を頑張る、ってんすが、なんかいろいろ大変だな。それぞれキャラクター違えた男の子が、それぞれのアプローチで先生にアタックする、それがなんだか可愛いんですね。杏太郎の壁ドン、いや、それ、ちょっと……。シュンタの怒り、これもおかしかったなあ。自分の気にいってるのは、ムッツリ智聡なんですけど、この子の妙にいい子なところ、先生を追わないといけないっていうのに、お婆さんを助けてる! ほんと、この展開ね、おかしくて、そして安定のラスト。いやあ、こうじゃないかなあ、なんて思ったんですが、でもちょっと逆に、あかり先生、この人に年下をダメにするパワー? そんなの感じたりして、ちょっと心配にもなりました。

  • 『まんがタイムジャンボ』第21巻第12号(2015年12月号)

2015年11月12日木曜日

『まんがタイムジャンボ』2015年12月号

『まんがタイムジャンボ』2015年12月号、発売されました。表紙は『レーカン!』天海さんがクリスマスのプレゼントをお届けです。赤い服、と思ったけど、これ、サンタクロースではないんですよね。帽子だけ、服はいつもの制服であります。しかし、サンタ帽、ここにお化け模様が入ってるのがなんかおかしくも可愛くて、ちょっといいんですね。サンタ帽は『けいさつのおにーさん』、穂苅くんの肩にのった小さい手塚さんもそう。そして『保健室のつむりさん』つむりさん、『終活女子高生』律もサンタ帽ですよ。

『けいさつのおにーさん』、なんかすごく気合いのはいった、そんな話でありました。いえね、いつもよりシリアス度合いが高いというか、事件性が本気というか、お、おおう、現行犯逮捕だ……。ちょっとびびったんですね。最初はこたつの準備とか、ほのぼの案件からスタートしたというのに、自転車泥棒出現。男ふたりが、こいつが泥棒、いやこいつが泥棒と言い合いをしてるんですね。って、ああー、昔こういう経験した。お客さんがトイレでね、買い物の袋をさ、盗られちゃって、返してそれ私の、いやこれ私のって言い合いになっちゃって、どう考えても返してっていってる奥さんが本当のこといってるんですけど、証拠もなにもないわけで、もう困ってしまって、ってこと思い出しました。けど今回は自転車で、おお、防犯登録番号で照会ができる。ああ、ちゃんと登録しておくもんだなあ。ほんと、そう思わされる展開で、しかし、それにしても自転車盗、しれっと嘘ばかりついて、あー、なんか腹立つなあ。と、それだけに、現行犯逮捕にまで至ったというその展開にぎょっとして、けど、ざまあみろとかまでは思わなかったなあ。むしろ、実際にこうしたことはたくさんあるんだろう、ほんと、なんでこんなことやっちまうんだろう、そんな後味の悪さが残る、みたいな感じだったんですね。だから、それだけに、穂苅くんのこたつ話で終わったところ、それがありがたくって、ねえ、こうした普通のことがなんだかすごく価値あるものと思われたんです。

『ナデシコ!』、すごいことになってる! ついにですよ、イチカちゃんがエミのことを認める日がきたのかい! そう思ったら、いやいや、なんかちょっと違うよ? もっとすごい、たいがいな新人がきた。それにくらべりゃ、エミ、よっぽどちゃんとしてるって、もうね、なんだろう、世の中って悲しい……。しかし、あんまりにも強烈なキャラクターが出てきたものですよ。お客様相談センターの仕事を理解していない。感情にまかせて、お客と喧嘩しちゃう。と、そんな新人小田木亜弓の活躍。いや、活躍じゃねえよなあ……。そんな小田木が、エミにだんだん懐いていって、そしてずっと敵対的だったイチカちゃんの言葉もしっかり最後には届いて、それでも全然いたらないんだけど、わずかでも変化の兆しが見えるのはすごくいいですよね。ええ、いつか打ち解けて、いつか戦力になってくれればいいなって思いました。

『ペンタブと戦車』、新連載みたいですよ。コミケ帰りの青年、里見拓也。どうもタイムスリップしたようで、ビッグサイトにいたはずが、なぜか旧軍兵士の格好した男たちに89式戦車のいる戦地に投げ出されたんですね。あからさまに怪しまれて、けれど手持ちのエロ同人誌が兵士に好評、慰問と勘違いされて、とりあえず事なきを得るんですけど、そんな同人誌の中にあった戦車擬人化本の89式中戦車、ハクちゃんがとりわけ好評。というか、武田義三郎大尉個人に大好評ってところです。時は昭和14年、ってことは日中戦争なのかい? ほんと、こうした唐突な前提に投げ込まれて、里見も困惑、読者にしてもまだ導入が終わりましたというところ。これからの行く先、待つばかりであります。

『シコふんじゃえば?』、ゲストです。女子高生、杏子の家は相撲部屋。毎日食事はちゃんこ鍋、っていうんですが、量さえ過ごさなければ結構悪くないんじゃないかな。ほら、野菜も多そうだしさ、なんていうんですが、まあ、杏子はもう相撲とかもろもろ嫌んなっちゃってる。そんな彼女が登校途中に出会った、挙動不審の女の子。自撮り棒を駆使して、自宅内部を盗撮しようとしている、って、おい、こりゃ、事件性があるな。またも現行犯逮捕案件かい!? いや、違いました。相撲ファンの女の子、って、ファンなら部屋に迷惑かけるような行為はつつしもう! この子、東山舞、杏子と同じクラスになって、すっかり杏子のこと仲間と思っちゃう。相撲部屋がいやという杏子、普通の女子高生っぽい生活、行動に憧れてるんだけど、どうも東山に引き込まれるままに、自宅の家業を認める、好きになっていく、そんな展開になりそうな感じ? しかし、そうなると、東山も危ない橋を渡ることなく、相撲部屋に入り浸れるわけで、おう、一挙両得、ふたりによしだ! ええ、この先に期待してみたくなりましたよ。

  • 『まんがタイムジャンボ』第21巻第12号(2015年12月号)

2015年11月11日水曜日

『まんがタイムきらら』2015年12月号

『まんがタイムきらら』2015年12月号、昨日の続きです。

しゅばりえーる』、どんどん状況が動いていきますね。サリア侯爵のご息女、フリジア様が行方不明になった! 深夜城を抜け出すのはソレイユが悪い。星占いに凝ってるのはツバキの影響、とまあ、なんだか自分たちの撒いた種を自分たちで刈り取らなければならなくなった、そんな模様ですよ。いや、しかし、『しゅばりえーる』は優しい世界でよかった。いや、ほんと、マジで。フリジア様は敵の手に落ちていて、そして今そこにサツキも捕えられて! って、ほんと、これ、『しゅばりえーる』でなかったら、どんなに酷い展開になったものかわかりゃしないよ。ほんとね、サリアは特別法治都市、裁判もなしに処刑なんてできません、って話は出てるんですけど、そうして理性的な振舞いができる人間は、こと中世ともなればまずもってないわけで、いや、本当に、これが『しゅばりえーる』でよかった……。オルレアンの乙女、ジャンヌ・ダルクか! サリアに匿われてるのか! そしてサリアの憲兵騎士、いよいよ出陣となって、ええ、次回は大活躍が見られるのでしょうか?

『ランキンガール』は、会長るりと、九城むつきのなれそめが描かれましたよ。というか、1年生でいきなり会長って、すごいよな。今年のランキング1位、といってもむつきはまったく興味を持ってなくて、その当時のむつき、ちょっととげとげしくて、それから自信がなくて。ああ、自信がないから攻撃的になろうってわけなのだな。そんなむつきが、るりに幻惑されてるのね。けど、そこからの展開。きれいな名前といわれて、キレイな顔といわれて、そして前髪に触れられて……。そしてむつきは、るりのそばにあって、ずっとこの子の複雑な胸の裡を見つづけてきてたんですね。自信を与えてくれた、そのお返しをしたいと、その一心でるりをサポートしてるんですね。けど、このるりの行く末、今のありかたが、まわりに敵を作るのではなく、そのランキングのライバルとも仲良くしている、そうしたところにいきついたというのがね、本当によくって、そして最後のむつきの笑顔。これも大変によかったって思ったんですね。

『こまったさん まめ』、めちゃくちゃ面白かったです。体育祭、リレーの選手に立候補した豆本、まめちゃん、なんと50メートル13秒。なんという無謀! というか、まわりもとめてやれよ! っていうか、もう勝負捨ててるよな! でも、ちゃんと特訓しようというところ、えらいですよね。というか、その特訓、まめちゃんのジタバタ走り、これはあかんわ、おかしいわ。絵面だけでも笑えてしまう。ほんと、最高でした。足の速い人と一緒に走ってみよう。走りかたを参考にしよう、って、それがあのスタートダッシュ! なんか創作ダンスみたいなんだけど! まめちゃん、本当は足速そうなんだけど、走ろうと意識するとなんかおかしくなってしまう。それで対策して、本番迎えて、いよいよこれはまめちゃん、ヒロインとしての面目躍如か! もう感動のパターン、しっかり押さえたその展開に、わくわくしながら読み進めたら、うわー! まさかの展開にすっかりしてやられましたよ。本当、こまったさん、まめ。ええ、本当、そのコンセプト、ばっちり貫いて、素晴しいです。

My Private D☆Vははんざわかおりであります。あばっば! 人が、人が死んでる! って、いやいや、おつかれ女子なのだそうですよ。机につっぷして寝る。電車で寄り添うようにして寝る、そして着替えの最中に倒れ込むように、いやこれはくつろいだかっこうで、友達とメールだかなんかしてた途中か、とにかく寝る。そうした女子の、無防備、力を抜いた様子にD☆Vが発生するのでしょうか。いや、けどちょっとわかるんですね。『こみっくがーるず』とは違ったタッチのイラスト。けれどこれが本来のタッチなのかも知れないんですね。まだそちら方面には触れていないので、興味深くありますよ。

  • 『まんがタイムきらら』第13巻第12号(2015年12月号)

2015年11月10日火曜日

『まんがタイムきらら』2015年12月号

『まんがタイムきらら』2015年12月号、昨日の続きです。

『担当編集ボツ子さん』、連載になって、なお面白いですね。ボツかれさまです! そろそろボツボツ頑張っていきましょうか。じわじわとダメージ与える作戦ですね! 妹ブームにのりましょう。と、ここでまさかの妹登場でありますよ。兄田中、妹のこと否定するんですけど、オレより後に生まれた女の子ならいる。斬新な表現だなあ。また妹からの仕打ち。まあ、兄のこと好きなんだろうなってのはわかる。兄が困ってるのもわかる。それで、ボツ子さんがやたらやる気出してるのもわかる。これ、妹とボツ子さん遭遇して対立するのかな? そう思ったら、そうした出会いからじきに仲良くなって、ああ、よく気のつく妹さんじゃありませんか。というか、兄田中にとって、二正面作戦を強いられる状況が発生したようですね。うん、気付いてないのは兄田中だけというのがいい感じです。

『オリーブ! — Believe, “Olieve”?』は、テスト期間中。もう明日でテストも終わろうという、そんな状況で、一年生たちがいろいろおしゃべりしています。スズの友達、サキにマイコにツバサ。いつもはなかなか描かれない面々の、他愛ないおしゃべりに彼女らひとりひとりの人となり表れて、とても楽しく読めましたよ。日本舞踊からダンスに転向したマイコとか、でもってこの子の見ているあおば先輩の姿とかね、先輩たちの普段は見えない様子もわかって、そういったところも面白かったです。あおばから渡された眼鏡、これ、テストの山がはれるんだ。けど、こんなの、他の子に見られてよいのかね? とか思ったけど、問題はない模様。でもってセクハラアイテムっていうのね、おかしくってね、最後に彼女らが手品部先輩3人と合流したりするのも、楽しさ増大っていう感じでした。セクハラの汚名、あおばが全部回収してくれるんですね。

『となりで。』は、えりなのお父さんが主役みたいな回でしたよ。っていうか、父上、光りすぎだ! というか、あれ、テンションで輝度がかわるのか! ひびきの個展が開かれるっていうんですが、ひよりがね、そっと自分の絵を混ぜてみて、それで見事に見抜かれてショック受けてるのがね、なんかおかしかったんですね。そうかあ、どれも落書きみたいに見えて、けれど本物と偽物、その差が歴然とあるってわけですね。えりな父、ひびきの絵のファンだったんですね。それで個展に一番乗り。でもって、えりなにもいろいろいうんだけど、ああ、あのえりなの冷たい表情! ぞくぞくしますね! っていうか、パパさん、つらいね! シークレット入りのグッズ、こいつに振り回されるお客さん、ほんと、これ、個数制限いれましょう! ほら、パパさん、また残念なことに! でもって、えりな父、ひびきの正体を知る! ほんと、あのラスト、とんでもない。なんか、ほんと、父の偉大さを知った回でした。

『ひなまるすまいる』、なんか楽しくなってきましたね。かすみ、うらら様と遭遇。なんかね、いろいろネガティブなんですけど、いやいや、まあ、大丈夫ですよ。ひながね、うらら様を洗濯の仕事にまきこんで、それで部屋からつれだすのに成功したり、ほすのを手伝ってもらって、ちょっとした達成感与えたりと、いいんじゃないでしょうか、ひな、いいんじゃないでしょうか。まあ、洗濯物は汚れちゃって、洗い直しすることになるんですけど、まあ、それもしかたないですよね。ぬいぐるみのゴンザレス、ネットに入れて、洗濯機に入れて、そのくだり微笑ましくて面白くて、耳のほつれで、かすみにもいいとこ見せるチャンスが与えられたと思ったら、最後のリボンの失敗ね。うん、ここでこういう展開を見せるとは予想外でした。うらら様、難易度高いですね。

  • 『まんがタイムきらら』第13巻第12号(2015年12月号)

2015年11月9日月曜日

『まんがタイムきらら』2015年12月号

『まんがタイムきらら』2015年12月号、発売されました。表紙は、『三者三葉』、アニメ化が発表されて飛ぶ鳥を落とす勢いの『三者三葉』であります。中央に双葉、その後ろに葉山ちゃんと葉子様なんですが、なんだ、葉山ちゃん、えらいことおすましじゃありませんこと? それぞれが食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋を表現しているんですね。え? 誰が食欲かって? いやあ、いうまでもないじゃありませんか。しかし、皆がそれぞれに可愛らしく魅力的。ほんと、葉山ちゃん、素晴しいな。なんだろう、初見の読者を絶望に落としていくスタイルなのでしょうか。

チェリーブロッサム!』は、妹沙咲野の決意でありますよ。兄に、兄に自分の気持ちを伝えよう。そう思って侵入した兄の部屋。三葉の介入もあって、なかなか話は進まないんですけど、三葉にね追い詰められて、逃げ出して、けど、そんな妹のこと、兄貴はちゃんと追い掛けて、見付けてくれるんですね。沙咲野ね、あ、三葉もっていっていいのかな、自分の気持ちを伝える前に、大咲が大倉山先輩のこと本当に好きなのか、ちゃんと好きなのか確認して、けどそれでその気持ちを確信してしまって、自分の気持ちは飲み込まざるを得なくなっちゃったんですね。沙咲野のね、表情のね、ちょっとした視線の流れ、そこからも彼女の心情感じとれて、本当、妹ふたり、ひとりは従妹だけど、つらさも全部受け入れて、現実に目を向けるその様子、なんだろう、思ったよりも穏やかで、冷静、けどこれは、あきらめやどうしようもなさ、その納得せざるを得ない、そうした理性がまさっているからこそなんだろうな。普段、感情を表に出している、そんなふたりだからこそ光る、そんな表情だったと思います。理性的で打算的で、けど限界もわかってる。人とは複雑で、同時にシンプルで、その狭間にいたふたり、素敵でした。

箱入りドロップス』、あれ? 台風? 沖縄で遭遇? と思ったら、ちゃんと帰ってきてからなんですね。台風に、昔の、家にひとり過ごしていた、あの頃のこと思い出している雫です。台風は嫌い、台風は怖い、そうした思いにうちのめされている、そんな様子で、ああ、雫、ほんと、この子はたいしたサバイバーでありますよ。その、台風に恐怖心持っている雫をね、思いがけなく救ったのが陽一。ああ、ほんと、なんでこんなことになったのかっていうんですが、上半身裸で、雫とふたり同じ部屋にいることに耐えられなくなった。それで、強風、横殴りの雨の中、庭に出て、台風に身をさらす。西森も遊ぼうぜ! 手にぎっててもらえますか!? この繋いだ手が、あんなに怖かった台風も楽しいものに変わると教えてくれた。好きって気持ちがわかりました! って、待って、陽一さん、なんかさらっと流しちゃってるけど、いいの!? つうか、キャパオーバーなのはいいとして、西森さん、結構核心に触れた発言なさってましたよ? というわけで、このふたり、どうなるのか。どうするのか。読者として、私はどうしたらいいのか。

『放課後☆Jasmine』、ゲストです。模擬店『喫茶アトリエ』がメニュー表をリニューアルするんだそうです。ここで明かされるみちるの才能。なんと、絵がうまいのか。春音、そうしたみちるの能力に、元オタクなのか、隠れオタクなのか、ひとり内心、思いが渦巻いて大変なことになってるんですけど、ああ、残念、特にそういうこともありませんでした。春音がおかしいんですよ。自分のこと元オタクとかいってますけど、スマートフォンに『ミナ☆ミライ』の画像をガッツリ保存してるとか、って、君、元やないやん、現役やん。ねえ。みちるの失敗、裏表紙を忘れてきてしまった。それを、春音がアイデア出してリカバーする。春音が結構有能で、オタクであること、ああ、元オタクでしたね、隠しながら、時にバレそうに、バラしそうになって動揺しながらも、しっかり模擬店の仕事に貢献する、活躍する、そんな様子が実にいい。魅力的な漫画、登場人物もみな素敵だと思うんですね。

『君の瞳に首ったけ!』、ゲストです。茶々さん、この人の絵、漫画、好きなんですよ。ガール・ミーツ・ガール、そんな漫画。小野寺小町が出会ったのは、前髪を長くのばした女の子。前が見にくくて、あっちで、こっちでよく転んでる女の子なんですが、なんでそんなに髪を目にかかるまでのばして? って、ああ、この子は目にコンプレックスがある。小町、目を見て、ついつい引き込まれてしまって、その目の力なのでしょうか。緑色の目だっていうんですね。その子と友達になりたい、それで保健医、養護教諭ですね、に相談したりして、一ノ瀬桜花、なんかこの人、ちょっとコアな人っぽいな。小町、ちゃんと目当ての子と仲良くなれそうなんですよ。そのコンプレックスに思っていた目、それがきれいといってもらえて、その子泣いちゃって、よっぽど嬉しかったんだろうなあ。堂々坂めぐり。小町、めぐりにさっそく膝枕をねだって、って、ええーっ! うつぶせか! うつぶせか! なんだそれ!

  • 『まんがタイムきらら』第13巻第12号(2015年12月号)

2015年11月8日日曜日

『まんがタイム』2015年12月号

『まんがタイム』2015年12月号、昨日の続きです。

『さわらせてっ!あみかさん』は、まひろちゃんのお泊まりですよ。しかし、ほんと、この子、あみかさんのこと好きで、というか匂い……。あみかさんの服と思ったら、かがりのを渡されてがっかりしてるのね、最初は反発したかがりが、その意図知って理解者になるっていうのね、ほんと、ふたりはいったいどうした関係に突入していくんでしょうな。でもって、夜ですよ、マットレスの狭間に飲まれていくあみかさん。すげえな。すごい威力だった。そして例のモチ神サマの信者の彼女。ああ、この子もやばい領域に突入していってますね。いやもう、ものすごいです。

『だいじょぶ!?カナ先生』、これよかったなあ。いきなりクマの着ぐるみ、頭だけをかぶった女の子かかえてくるカナ先生とか、なにごと? なんですけど、ケガした生徒を担ぐ、その一心でのことだったんですね。しかも先生、生徒のケガを気にするあまりに、自分の手、ケガしたことにさえ気付いてないとか、この人の、こういうところ、実に魅力的です。今回は、カナ先生、いつもどおりのほんわかしたところもあるんだけど、演劇部の顧問、演劇の先輩としてばっちり活躍してみせて、いやもう、かっこよかった。カナ先生、ナイスですよ。

『ボンジュール!仲居さん』、サラとトモカ、ふたりで街にお出かけ、といっても遊びじゃなくて買い出しなんですね。私服のトモカ、なんか可愛くていいですね。サラは着物で街に出るのを楽しみにしてたというので、いつもどおりの格好です。ふたりの街での買い物や、喫茶店での情景、面白く、それに華やかでとても素敵。でも、どうしてもふたり仕事を忘れられないみたいで、喫茶店でいろいろやっちゃう。店員さんは困るだろうけど、どうしても気付いたらなおさないではおられないんでしょうね。そして街で出会ったお婆さん。自然に手助けするサラの着物から、金梅荘のものと気付いてもらえて、以前お泊まりになられたお客様。夫は残念ながらもう亡くなってしまって……。お客様の人生の一端に関わっている、そう感じられた今回のエピソード。しみじみとよい、サラの情、トモカの気持ちが伝わってくるって思ったんですね。サラとトモカの笑顔トレーニング、これもとてもよかった。いやもう、ふたりとも、とてもチャーミング。魅力的でした。ラストもまた素晴しかったですよ。

『もいんの高校野球日誌』、おお、ついに最終回。柴野高、ついに甲子園予選の決勝に進出して、もうね、これまでの努力が実ったじゃんって嬉しくなる。いやもう、学校も大盛り上がり。羽田さんがめったやたら声援うけて、ええ、日常があり、そして部活動があり、その充実が感じられる最終回だったと思いますよ。過剰な御百度があると思えば、縁側で友達と一緒に食べるスイカとかね、そういう情景がとてもいい。そして謙虚に見せながらも、野心いっぱい、勝つ気いっぱいの羽田さん。部員たちも彼女の気持ちに応えようとして、すごくいい笑顔見せてくれるじゃありませんか! 決勝戦プレイボール、それで終わった連載だけど、きっと彼らなら甲子園でも大活躍してくれる、羽田さんの采配が、甲子園を沸かせてくれる、そういう気がしてならないんですね。

  • 『まんがタイム』第35巻第12号(2015年12月号)

2015年11月7日土曜日

『まんがタイム』2015年12月号

『まんがタイム』2015年12月号、発売されました。表紙は『おとぼけ課長』、ダンスがテーマということで、課長と奥さんは社交ダンスで、ちょっとおすましであります。『秘書の仕事じゃありません』中田さんも豪華なドレス、『さわらせてっ!あみかさん』、あみかさんもそうですね。『まりあ17』まりあは、口に赤いバラなんてくわえましてね、情熱の赤いバラ、情熱のフラメンコ、といった雰囲気。真っ赤なドレスに負けてませんよね。

『秘書の仕事じゃありません』、なんだろう、のっけからこのアクション。椅子に乗せた社長を、椅子ごと押して、すごい勢いで逃亡する社長秘書中田葉子。この椅子が自走できるのは、まあ、あの人の仕業だろうなあ。ミカちゃんがやってくるというんですね。書類持って、ハンコだけ押してくれたらいいからって。しかし、あの人のこと、きっと大変なことになるだろう。というので、ミカと社長を会わせないようにするっていうんですが、そのあの手この手がおかしくて、けど社長ひとりがわかってない。まあなあ、この社長だもんなあ。主任がですね、てきぱき、あるいはピリピリしてて、ちょっと怖い。ここで中田さんが頑張りきれなかったのは、この人の経験のなさゆえなのかも知れませんね。というか、この社長の下で、ろくに仕事させてもらえてないものなあ。今回は、話に動きがあって、したたかな人たちの攻防あって、そういうところ実によかったです。

『おひとり食堂』。誠一郎、やっぱり店の評価とか気になるんですね。って、当たり前かあ。自分の店が雑誌の女性ひとりでも楽しめるお店特集に載っていないことに傷ついて、と思ったら、すぐに一読者になって、どの店がよさそうとかきゃっきゃと楽しんじゃう。誠一郎の魅力なんですけど、食堂店主とギタリストの二足のわらじってとこよりも、実は女子なんじゃないの? ってその性格、そこにありそうだなあ。ええ、実感させられましたよ。誠一郎、気になる店の偵察にいくのはいいんだけど、心からその魅力にとらわれる。うん、この素直さも誠一郎の魅力ですよね。しかし今回の話、素敵だったのは、自分の店に帰ってきてからの展開。いつぞやのアイドルおっかけのお客さんが来店して、ほんと、この人、大好きですよ。でもって、いろいろ工夫する誠一郎の顔色なんて伺わず、しょうが焼きくださいの一点張り。しょうが焼きが食べたいって言ってんじゃん!! うわあ、めちゃくちゃいいな、このお姉さん。最高だと思う。他の店の工夫、それを意識するのもいいけれど、食堂せいちゃんにはせいちゃんのよさがある。それを伝えてくれたお客さん。ええ、雑誌とかじゃなく、お客さんからのお褒めの言葉が嬉しい。そんなエピソードにすっかりやられました。ああ、そうそう、靴ぬいで椅子にあぐらかいてるお客さん! ほんと、この人、最高に魅力的だと思う!

鉄仮面のイブキさん』、久しぶりのドロ助! というか、久しぶりの喜多くん、伊吹さんメインの話でしたよ。うん、初期はこんな感じだった。そしてこの味わい。とてもいい。魅力的なキャラクター多いから、たくさん人が出てきて、わいわいとやってる、そういうのもすごく面白いんですけど、表情の読めない伊吹さんと、その伊吹さんに振り回されたり空回りしたりの喜多くんっていう構図もすごく面白くって、ええ、今回は後者の魅力、ばっちりでした。しかし、喜多くん、お姉さんにも、さらにはドロ助にさえも負けてるんですね。内気なお姉さんと伊吹さんの、ノンバーバルコミュニケーション。あ、ごめん、間違ってたわ。メールやりとりして言葉は介してた。ほんと、ほのぼのとして、そして伊吹さんの表情読むことに関しては、ドロ助に完敗。いや、もう、最高じゃないですか。しかし、ほんと、喜多くんの思い通じず。最後のね、姉さん、伊吹さんの間にぽつねんとしてる彼の悲哀、しみじみと感じいりましたよ。

『ゆとりノベライズ』、最終回でした。ああ、都ゆとり、ついにクビです! って、まあそうだろうと予想してました。クビになったのはバイトだったんですね。しかし、都がなんかやらかしたんじゃないかって思っちゃう里美さん、地味に酷いですよ! この漫画、いつも自信のない、なんかくよくよしてる都がですね、それでもちょっとずつ自分の足元しっかりと固めて進んできたんだっていうことが意識された今回です。ひきはらうことになった部屋。その引っ越しの準備中に、都と里美が会話している。その内容ですよ。この部屋を出るのは一人前になったときだと思っていた。そういう都だけど、今の都は3年書いているプロで、昔の都からすれば、立派な作家であることに違いない。きっと都ゆとりは、売れようとどうしようと、どこか自信なく、悩んだり苦しんだりして、その時には里美に相談して、そうしたこれからのふたりの関係の長く続くだろうこと暗示させて終わった今回。ええ、これまでの都や里美の道のり、それがあったからこその説得力で、すっと腑に落ちて、しみわたる、そんな読後感あるラストでありました。

  • 『まんがタイム』第35巻第12号(2015年12月号)

2015年11月6日金曜日

『まんがタウン』2015年12月号

『まんがタウン』2015年12月号、昨日の続きです。

居間には今外国人がいます。』、最終回ですよ。扉は、大人になった万希と、皆の若かりし頃? って、ミヒャエル、なんも変わってないじゃん! 居候しているみんなが、万希のためにお別れ会を開いてくれるんですね。って、これ、予行練習なのか。それで連日のパーティ。ご馳走食べられるからって、マッキー、それでいいのか。いや、いいんだろうなあ。あのマッキー人形がいかしましたよ。なんだろう、ほんと、ただのぬいぐるみというには一種呪術的な雰囲気まとわせて、いかすなあ。最終回は、万希、ついにちゃんと家族と日本で暮らせるようになりました。そういった話になるのかと思ったら、そこからまだ二転三転させて、万希の本音に、ずっと一緒に暮らしてきた皆の本音、それがね、本当に彼ら彼女らの親しくなっている、そうした様子、感じさせてくれて、ねえ、みんな本当は寂しかったんだねえ。最後に出てきた万希の、ちょっと大人びた様子もよかったですね。ところで、ミカイール、彼女の様子もまたちょっと見たかったです。前回でミカイールは決着だったんだなあ。

『ポジティブ先輩ネガティブ先輩』、なんと、社内対抗マラソン大会ですって。余裕あるなあ。上位には賞金が出る。天使ゆりあが去年一昨年と優勝していて、って、この大会、42.195キロ、走らせるの? 無理! 無理だって! 今回ばかりは神農まつりにネガティブ巫女川、走ってる最中、楽しいことをしていると思い込むとか無理っていうね、その意見に同感する人の方が多いんじゃないかと思います。しかし、細かいネタが面白い。中学の体育でのトラウマ。これは男子連中にはわかりにくい話かも。でもって、ウェアの末路。これはいかすなあ。けど、あのウェア、可愛かったですよ。今回はポジティブ寄りの巫女川とか、めずらしいもの見られて、そうしたところも得した気分。ラストの展開も、定番だけれど、ゆりあのあっけらかんとした表情とかね、見ていて気持ちよかったです。

『ど先端ナース』は、なんかちょっと珍しい展開。なんかボーナスステージ感あっていいですね。とがりとまるみが衣装交換ですよ。どちらも実に可愛い。なんか得した気分。でもって、とがまるコンビの漫才の、なんともなりたたないところね、なんでだ! なんでなのか! なんでなんだろう! 一連のとがりのツッコミの機能不全、それだけでおかしいんだからさすがです。ナース山関と泉の女神も面白かった。あのオノの行く末、なんとなくわかったんだけど、それでも面白いのだから見事です。ナース山関の、あの様子、表情が効いているんだろうなあ。最後の、制服の真実、あれもグッド。グッドなんだけど、とがりさんのあれは貧相じゃないですよ、そういうスタイルなんですよ。素敵だと思いますよ。もっとちゃんと褒めたまえ、井坂育郎。

  • 『まんがタウン』第16巻第12号(2015年12月号)

2015年11月5日木曜日

『まんがタウン』2015年12月号

『まんがタウン』2015年12月号、発売されました。表紙は『あいたま』メインでありますよ。樹里に蓮、アイドルふたりをですね、両手に花ですね、こう、両腕に手とりまして、見事に笑顔のあいであります。ぐいって引きこむ、そんな魅力ある三人。これは、やっぱり、あいの魅力が大きいのだろうなあって思います。そして他に『新クレヨンしんちゃん』、『若林くんが寝かせてくれない』、『居間には今外国人がいます』、『派遣戦士山田のり子』のカットがございます。

『ママはパートマスター』、お、なんか前の方に出てきていますよ。このシンプルな漫画。夏季の母、麻冬さんはパートマスター。どんな仕事だって超一流の腕でこなしちゃう。という、このシンプルで、時に強引なネタでもってもう23回になろうというんですが、こういう昔ながらの四コマ漫画みたいなのがね、最近ちょっと減ってきてる感じあるでしょう。だから、もうね、貴重で貴重で、いつも楽しみに読んでいるのですよ。さて、今回、ちょっと珍しい展開ありましたよ。あの、お面屋さんでパートって、そんなとこでパートとか募集してるの? ともあれ、夏季の友達が夏季のお面を注文する。それで翌日のソフトクリーム屋台で、娘に化けて麻冬さんを出し抜くわけですよ。おお、こんな展開、なかなかにレアで、いかしました。こういうひねりも、すごくいいですよね。

押しかけ時姫』、時姫、扉にて甲冑に身をつつみ弓を射ている、その様子、すごく凛々しくてかっこいい。ええ、この人はかっこいい姫なんだと思うんですね。で、なにやってるのかと思ったら、文化祭なのか。的当ての遊戯があるらしいというので、いやいや、そんなに本格的な。この人、弓の名手だから、弓道じゃなくて実践弓術ね、学校の的当てなんてレベルが低すぎてつまらないって、まあ、そりゃしゃあないですよ。時姫のクラス、メイドなんだそうですよ。というのだけど、スカートを嫌がって、時姫だけ着物。いや、でも、これ、すごくいいじゃないの。手加減のない肩叩きとか、実にものすごい。ああ、時姫、実にいいな。文化祭でやりたい放題。楽しんでるってのがよく伝わる、そんな描写。ああ、時姫よかったなあ。ほんと、よかったなあ、ですよ。

『若林くんが寝かせてくれない』。ゲストかと思ったら、『漫画アクション』に連載されてる漫画が出張してきてるんですね。四コマじゃなく、コマ割り漫画。これがなかなかに面白い。いつも寝不足の須住先生が、漫画喫茶にいくって話なのかな。いや、いつもなんらか、どこか静かな場所で睡眠とろうと思うものの、若林くん、生徒さんね、この子が乱入、干渉してきて、眠れやしない。そんな漫画っぽいんですね。面白いですよ。漫画喫茶の個室にて、寝ようと思えば、すぐ横に若林くんが漫画を持って待機している。若林くん、先生のことが好きなのか。ちょっと変わりもので、ちょっと怪しくて、ぐいぐい迫ってくる、そんな若林くん。いや、なんか、可愛いじゃん。ちょっと無表情? そんなところも実にいい。ちょっと続けて読んでみたいかもって思ったら、おお、再来月号にも掲載されるんですね。こいつはちょっと楽しみですよ。

『恋するヤンキーガール』、ナギとアヤメちゃん、偶発デート? と思いきや、なんかちょっと違うな。おお、今回のメインはあんずなのか。って、うおー、すげー、なんだ、めっちゃ可愛く仕上がってきてるじゃんよ。小柄で純情、ちょっと男の子っぽい言葉遣いもチャーミングなあんず。けど、この子、あのパーマかけてモコモコになってる髪形、あれ、天然パーマなのか。で、ストレートパーマかけたら、ウェーブがかったセミロング、えらいこと可愛くなる。って、すごいな。あんず、大山先輩が気になるっていうんですね。なんだか爽やか系男子? 告白してデートに誘うというんだけど、すぐさま受け入れられて、やった? うまくいった? かと思ったら、あれ、グループデート? というか、これハーレムデートなのか? おい、こいつ、いつか刺されるぞ。純情あんず、思っていたデートと違ったことに当惑して、その気持ちを先輩に伝えるも伝わらない。ああ、あんず、なんかかわいそう。でも、アヤメちゃんが代わりに怒ってくれて、連れ出してくれて、ほんと、傷付きながらも、自分がいけなかったんだって、そういうあんずは気丈で健気な女の子だと思います。って、おい、ストレートパーマ、午後には落ちるのか。コストパフォーマンス、悪くて大変だ!

  • 『まんがタウン』第16巻第12号(2015年12月号)

2015年11月4日水曜日

あん

 映画を見にいくと、本編の前に予告編が流されますでしょう。私、あれ見るの、結構好きでして、これからどんな映画やるのかなあ、楽しみにしているんですよ。先日見にいきました映画、『あん』との出会いも、その予告編でした。なんかね、樹木希林さんがね、個性的でチャーミングな役を演じられるっぽいじゃありませんか。ちょっと興味をひかれましてね、けど最初は、これは見にいかないと! とまでは思っていなくて、ところがそうした気持ちが一気に反転、見にいかないと! となったのは、この映画の肝となるテーマが提示されたから。ええ、びっくりしたんです。えええ! そんな話なのかい!? いや、しかし、これ、ううむ、見にいかんといかんな。ええ、かくして映画『あん』は、必ず見る映画のリストにはいったのでした。

この映画、今年の5月に封切られて、それからロングランを続けている、とのことで、未だソフト化の話がありません。というわけで、ここで紹介しても、ぜひ劇場に足をお運びくださいね、でしかないのが難しいところ。でもって、この映画、ストーリーとか知らない方がきっといい。はっとさせられる、驚きをもってそのテーマの提示される瞬間を迎えることができる。ええ、ほんと、これもまたすごく難しい問題で、だって、私は、そのテーマを、話が深化するその瞬間を、映画本編ではなく、予告編で見ちゃってしまってた。だから映画館では、驚きもなく、普通にその瞬間を迎えることとなって、ああ残念だ。テーマの提示に、しったと打たれる、そんな体験を私は得られなかったんですね。でも、なにが難しいって、そのテーマのあることを予告編で見ていなかったら、きっと私はこの映画を見ようとは思わなかった。ほんと、すごいジレンマですよ。知らずに見たかったが、知らなかったらきっと見なかった。なんだろうこの背反。ほんと、ままならぬものであります。

映画の感想は、書こうと思えば書けるのですが、あんまり書きたくない。ほんとなら、そのテーマのなんのというのも、書きたくなかった。そうした仕掛け、仕掛けというのはちょっと違うようにも思うけれど、はっとさせられる、そんな瞬間があるんですよー、みたいなほのめかしさえもしたくなかった。そういうのなしに見たかったという自分の思いあってのことですよね。そういうのなしに見て欲しい。とはいっても、もう書いちゃったから遅いですよね。ほんと、ままなりません。

樹木希林という俳優はものすごい、私はつねづねそう思ってきたのですが、この映画を見て、その思いをより強く抱くことになりました。ああ、樹木希林はすごい。その深み、その愛らしさ、そして苦悩も悲しさも、言葉ではなく、表情でもなく、その居ずまい、佇まいから溢れてくる。ああ、その目よ。その息の流れよ。すさまじいと思った。映画のテーマ、その強さもある。けれど、そのテーマを十全に表現する樹木希林という人の凄みもある。大仰ではない語り、けれどそのしみじみとした言葉ひとつひとつに、命が宿っている。語りかけが、美しい映像とともに、自然、胸に、心にしみわたる。その実感はあまりに豊かにすぎて、言葉で説明されて知るのではなく、経験によって得て欲しい、そう思わずにはおられないものだったのです。

ところで、映画館ですよ。もう、満員。ええーっ! こんなに混むものなの? 立ち見、出てたんじゃないかな。もう、びっくりして、こんなに人でいっぱいの映画館って何年ぶりだろう。驚いて驚いて、あぶなかった、もう一本電車を遅らせてたら、あるいは運悪く、ど真ん中の空席、これが残ってなかったら、万全の鑑賞はできなかったかも知れない。ほんと、映画ファンってこんなにいるんだってびっくりした。というか、平日ですよ、平日。もうね、入るところには入るんだなあって、意識ががらっと変わりましたよ。

けど、これって、それだけの人が、この映画に期待して集まったってことなのでしょうね。映画の力なのでしょうね。

  • ドリアン助川『あん』(ポプラ文庫) 東京:ポプラ社,2015年。
  • ドリアン助川『あん』東京:ポプラ社,2013年。

2015年11月3日火曜日

『まんがホーム』2015年12月号

『まんがホーム』2015年12月号、昨日の続きです。

『宇宙ファラオ☆パトラちゃん』、これ、扉でカップラーメン食べてるのあ、本編にも関係ある絵だったんですね。冒頭のパトラちゃん。食玩の動物フィギュア。見ないようにして開けてるところね、なんかわかる気がします。なんか、見ると駄目になりそうな気がするんですよね。おまけつきお菓子とか、くじ引き、ガチャ、ゲームのドロップ、気にすると駄目なの出そうな気がするんですよね。でも、パトラちゃん、これ、箱になにが入ってるか書いてあるやつで、ああ、よく見よう! ということは、ペンギンは人気がなくて売れ残ってるってことなのかな。うん、そういうのあるよなあ。今回のテーマは、子供のころに集めていたもの。のあはカップ麺のフタとか集めてる。感想までちゃんと書いてる。これ、パトラ、ひどいこといいますけど、ワインのラベルで似たようなことやってる大人、いたりしますよね。最後のね、お母さんのね、子供時分を思い返して話してくれたこと。それも思い出になるんだっていう、そうした言葉、その時の表情、すごく雄弁で、ええ、しみじみと感じいるものあったんですね。

『敗者復活戦!』、おお、なんだかちょっと事件ですよ。ニーナと夕記の通う学校にて文化祭やってさいて、そこに奥様と月穂様がきてくださったっていうんですよ。と、本編はいる前にちょっと気になったんだけど、やる気ないから一致団結して不参加とか、ありなの? 許されるんだ。いい学校だなあ。しかし、なにが事件なのか。月穂サマと桑原先生がカチ合っちゃった? いや、そうじゃないんですね。夕記に連絡が入る。弟が怪我したらしい。というので病院に駆け付けるんですが、父は仕事で携帯がつながらない。成人の身内は叔母頼み。なんだか、あたふたとさわがしい叔母さんだなあ。という中で、夕記、頑張って、哀れなんていわれても、悔しい気持ちぐっと飲み込んで、大人の対応に徹して、その張り詰めた気持ちがですよ、夜、心配して電話をかけてきてくれたニーナの声を聞いたら溢れちゃうんですね。もう、ほんと、素晴しかったと思う。ニーナの健気さに、思わず涙でしたよ。

『マチ姉さんの妄想アワー』、もう、この一家、姉も兄も、とんでもないのが揃ってますね! 荒廃した未来から来たような格好の不審者って! それで集団下校って! しかも、これ、姉さんなのね! のっけから、無茶なインパクトにやられました。集団下校というリアリティ、こいつが効いてくるんですよね。そして本編。「カチカチ未来」、えらい続編がきたな! 微妙なイケメン化に、どこ層のニーズよ! しびれるツッコミ入ってますが、ほんと、これが未来の「カチカチ山」かあ。まだまだ我々の未来には可能性が広がってるんだ! 織姫と彦星、これね、天帝の仕打ちに対しムゴいっていう声あがってますけど、いやいや、いやいや、本来、ふたりが引き裂かれるハメになったのって、本来の仕事をサボってしまってたからで、だから現在のこの有り様見れば、天帝のこの判断も仕方ないですよね。いや、ほんと、やられた方はたまらんでしょうけど。キビ団子の真実も強烈で、ああ、この団子の依存性、こいつにイヌサルキジはやられてしまったわけか……。『鍋島の化け猫騒動』とかなんか懐かしくて、これもいい。微妙に、いろいろマイナーなものにまで手を広げながら、けれどこれがまた面白く、目の付け所がよいんでしょうね。ほんと、今回も光ってましたよ。

『凸凹ガールズ』、新人展拡大版です。ドジで恥ずかしがり屋の深沢亜菜。ああ、穴に入りたがるから、名前もアナなんですね。けど、恥ずかしがってるの、それ、しれっと流してしまった方が傷が浅くてすむと思うよ? いや、そういう冷静な判断できるんだったら、そもそもこんなことにはなってないとも思うんですけどね。そんな彼女と対照的な友人、目立ちたがり屋な彼女は大滝美咲。学校では、ふたりセットで凸凹ガールズって呼ばれてるとのことです。こうした対照的なキャラクター配置は、定番といったところなんでしょうけど、それだけにしっかりかたちが整うのが強いなあと思います。とそうしたところに、手近な穴を探した亜菜が美咲の鼻の穴に潜り込もうとするコマのね、美咲の心からの叫び、何が今だけだよ!! こうしたところにキャラクターが強く押し出されてきて、面白かった。定番や王道は、時にありきたりといわれがちだけれども、そこに独自の味、見せ方、キャラクター性が加わると、がらりと違ってくるんだな。そう思わせてくれるところあったのですね。

  • 『まんがホーム』第29巻第12号(2015年12月号)

2015年11月2日月曜日

『まんがホーム』2015年12月号

『まんがホーム』2015年12月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』、らいかがメインで、今回のテーマはリンゴなんでしょうかね。通学途中にリンゴ食べてる、そんならいかが、なんだか不思議と面白いんですね。これ、むいて、切って、それで持ち歩いてるのかな? あ、あいつか! 『主任の一ノ瀬さん』は、一ノ瀬さんがリンゴの被り物かぶって、手には大きなシードルのボトル。なるほど、リンゴのお酒。販促でありますね。『孔明のヨメ。』月英は、リンゴをうさぎにむいて、そのまわりには本物のうさぎがピョンピョンしていて、あ、月英さん、手、ずいぶん切っちゃってるんですね。そして『のちの真田幸村である』のカットもありますよ。

『孔明のヨメ。』は徐兄がメインでありますよ。ああ、ここでも就職難。なかなか仕官の先が見付からず、ちょっと腐っている模様です。焦ってるんですなあ。わかる。母に苦労もかけてるしという。ああ、親孝行もの! その母の気持ち、学問を欲した息子に対する期待と信頼、それ聞かされる場面とかね、いや、かげでこっそり聞いてるんですけどね、それがしみじみとよかったのですよ。そして、思い付いた仕官先。その相手方でも事務のできる人間を欲していて、ああ、これはうまいマッチングですね。といいたいけど、ああ、どんどん歴史が動いていく! 動いていきますよ!

『いぬにほん印刷製版部』、教育さんから仕事を引き上げられて、いよいよ大ピンチの犬日本印刷ですよ。会社の行く末がいよいよ心配になる。社員一同に話があると呼び出され、狭い3階にぎゅうぎゅうになって話を聞くんですが、もう駄目だ! って感じになりかかったところに会長からのお話ですよ。ああ、会長のこれまでの苦労や経験、それが今に活かされて、会社も存続するとかそんな話か!? と思ったら、違うよ! そんないいもんじゃなかった! 教育さんとの関係、そこに積み上げてきたもの、って信頼とかじゃねえんだ! そして、残業がやたら多い理由って、これ、あ、これでブラックさが緩和されるのかな? とか思ったら、全然違うじゃん! ちょっと! ちょっと! いやまあ、元の鞘に収まるみたいな話ではあったんですが、ブラック存続! ああ! なんかわりきれないわ! ええ、すごいラストをぶちかまされた、そんな気持ちに困惑! いや、面白いんですけどさ!

天国のススメ!』は打出の小槌。えらいもんでてきたものだ。翡翠が持ってきたんですけどね、最初はヤバイと警戒した太一なのに、背が大きくなれる、その誘惑に負けてしまったってんですね。しかし、これで大きくなったのは、なんと麦。ああ、うわあ、すごいな、驚きの美人さんだ。だけど、これはなんとかしないといけない。それで柘榴に謝って、戻してもらおう。その待ち合わせの神社にいく途中ですよ、太一の人助けを、あ、猫も助けてる、その様子を見てね麦の思ったこと、それがよかったんですね。太一みたいになりたい。それで、太一のことを助けたい。その妹の思いを受けて、喜ばしくも思いながらも、妹には頼ってもらいたい、その兄心。なんかね、よかったんですね。ええ、なんかね、わかるんですね。

『となりの宇宙人』、ゲストです。人には見えないものが見える女の子、あかねがですね知ってるお隣さんの秘密。宇宙人らしいんですよ。庭にはUFOが墜落してる。お兄さんにもおばさんにも、頭にアンテナがついてる。そうした不思議に当惑しながらも、なんかうまいことコミュニケーションを維持している模様です。とりあえず、今回の話では、あんまり宇宙人っぽさ、ならではみたいな展開はなかったんですが、宇宙人、なんかすごい? と思わせて、特段そういうわけでもないっていう、その落差。お兄さんが犬になめられてるってとことか面白かった。天真爛漫なお姉ちゃん、あき。いろいろ考えがちな妹、あかね。このふたりの関係からも面白み引き出されそうに感じました。

  • 『まんがホーム』第29巻第12号(2015年12月号)

2015年11月1日日曜日

そこテストにでます!

 あれ? この漫画、メインヒロインは国実かえでだと思ってたんだけど、もしかして英椛? いや、もみじも可愛いんだけどさ、主役である数馬柊の憧れる女の子、国実かえでこそがメインヒロインで、冒頭こそは数馬との接点の弱さから出番も少ないものの、きっと最終的には、様々なコンプレックス、弱さを克服した数馬が、精神的にかえでに並び立ち、その恋を勝ち取るのだー! と思ってたんだけど、1巻表紙を見て、その気持ちが急速に揺らぎはじめている次第です。いえね、私、この作者のファンでありまして、これまでも、いろいろその著作を読んできているわけですが、ま、まさかそんな展開に!? そんなラストになるのー!? みたいに驚かされることしばしばで、ああ、もしかしたらこの漫画も同様に、最後には、あっ! と思わされるのかも知れません。ええ、私、もう覚悟を決めました。

カバー下の登場人物一覧。これ、いろいろとわかることありましたよ。まず、登場人物の姓が学校の教科に由来してる。社会、国語、数学、英語、理科、音楽。ああ、音楽があるのは嬉しいなあ。そして思ったんですが、あれ、椎夏ってメイン寄りのヒロインってことでいいのかな。最新話だと、数馬のこと、なんたらかんたらっておっしゃってましたけど、あれはもうただ単純にもみじのことけしかける、そうした役割を果たそうとしているのかと思ってたんですが、いやはや、はてさて、どうなりますことやら。

先生を入れたら6人のヒロイン。いや絞られて4人、さらに絞って3人、本命でふたりのうちのどちらか、になるとは思うんですけど、それぞれが違う学校に在籍しているんですね。なので、学生の恋愛ものでありながら、基本舞台は塾に絞られる。それ以外で会うとしたら、約束して待ち合わせするとか、あるいは偶然に出会うとか、そして偶然を装って出会うとか……。こうしたシチュエーション、舞台設定も、彼、彼女らの思惑、あるいは行動を複雑なものとするのではないかな、なんて思っています。だって、メインヒロインと思しきかえでにいたっては、その塾に通っとらんのです。普通にしとったら会う機会がないんです。ほんとだったら、数馬、同じ学校に通う腹積もりだったのになあ。ええ、この冒頭においてすでに、思惑とその挫折があるってわけです。

この漫画がはじまった時、おや、今までのものと随分違うスタートだぞ、なんて思ったんですね。例えば『HR — ほーむ・るーむ』。この漫画は、女の子三人の学校での生活のもろもろの面白さ、それを描こうとしてスタートしたんじゃないかな。ちょっとね、知略に長けた子がいたりしてね、その能力の高さ、確かさが第1回目にばっちり描かれたの見てね、うわ、これ、なんかすごい! すっかり引き込まれたの覚えていますよ。けれど、おそらくは中盤から終盤にかけての恋の気持ちのすれ違い。あそこまで思いの深まり、からまる様を描こうとは予定されてなかったんじゃないかなあ。なんて思ったことも覚えています。そして『少女素数』。こちらは双子の女の子が主人公で、彼女らのかわいいを描きます、みたいなことが第1巻にて語られて、私もすっかりその気でいた、いや、ちょっと嘘、きっといずれか彼女らの気持ちの深く掘り下げ描かれる時がくるんじゃないだろうかなあ、なんて思っていたのですが、はたしてそれは実際のこととなって、いやあ、すみれさんね、彼女の心の揺れ動き、それはもうたいしたものでありました。

『そこテストにでます!』では、冒頭から主人公の挫折、恋のつまづき、そして屈折した気持ちなんてものがとんとんとんと提示されて、そこから一種、女の子に囲まれる魅惑の状況、クラスの男子にいわせればリア充シチュエーション、しいな曰くハーレムに突き進んでいくことになるわけですが、数馬自身は自分のことをモテ要素ゼロだと思っている。いや、思っていた。それがこんなことになったものだから、心底困惑していて、それが事態をよりややこしいものにしているのですが、いやね、だって、もし彼が自信満々で、オレ様モテ男! みたいなやつだったら、もう話は終わってしまっててもおかしくない。けど、数馬はそうじゃない。気持ちは内に向かう。陰々滅々として鬱屈したものを抱えている。それゆえに素直に受け取ればいいものを拒んでしまう、拒絶してしまう。ああ、お前、めんどくさいやつだなあ! 自分もそうだったよ! ああうもう! ええいああ!

この漫画の登場人物は、いや、長月みそかという人の描き出そうという人物といった方がいいのかも知れません。誰もが、ひとりひとり、その裡にその人の気持ちをしっかと抱えていて、それゆえにただ役割りを演じるだけのものとはなり得ない。自分の気持ちに揺れて、ときには持てあまし、翻弄される。そして我々は、おそらくは作者自身が、そうした彼、彼女らの心の裡を覗き込まずにはおられない。これまでが、そうだったように。ええ、そのいずれ覗き込み、深く深く分け入ることになりますよということが、冒頭から、のっけから、これほど明確に提示されたことに、その覚悟というかを感じとったのでありました。ゆえに私も覚悟を決めたわけです。

  • 長月みそか『そこテストにでます!』第1巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2015年。
  • 以下続刊