2023年12月29日金曜日

『まんがタイムオリジナル』2024年2月号

 『まんがタイムオリジナル』2024年2月号、一昨日の続きです。

『敷金礼金ヤンキー付き』

サンライズ荘に置き去りにされていた謎のスーツケース。不審物発見と大家に知らせるわけですが、いつにない緊張感ですよ。極道映画で見たことあるやつ! といわれて、ええと、爆弾かなにか? と思った私は極道映画の解像度がずいぶんと低い! ああ、なるほど、かたづけた組員を送りつける系のやつ! 極道系じゃないけど似たようなの見たことありました。

察しが悪いわけですよ。

しかし七恵の反応がおかしい。佳が入ってるんじゃないかと、佳に問い掛ける。落語かよって佳の返しもいいですよね。とりあえず住人は全員ここにいるから、誰かが襲われたとかそういう心配はなさそう。じゃあなんなのか。落とし物の線はないだろう、からの鬼の柄、さらには通りすがりの暴走族が介入してきて大騒ぎというの、この一連の流れでラストに繋がる可能性を一気に遠ざけたんだ! 本当、抗争を嗅ぎつけて駆けつけてきた姫子を見てなお、このラストは予想ができず、というか姫子の持ち物だったんだ。本当に意外な展開でした。

いつもそつなく事態を収める人が騒動の張本人になっていたという異例の展開に、驚きながらも笑いをさそわれずにはいられない。ええ、普段は見せない表情を見せてくれたところもまたとてもよかったです。あの、でへへーとか、本当にレアだと思います。

『カントリー少女は都会をめざす!?』

週末に駅前でイベントがあります。その感想が、こんななにもないところにイベントがくるなんて一色というのがこの地方特有の感覚表していて面白かったです。だって、もうちょっと都会でやるもんじゃないのとか思ってそうで、でも交通の便はわりと悪くないから、遠くの人だとそんなにかかる時間が違わないっていうの、なるほど納得、盲点でした。

今回の八重の都会チャレンジは駅弁でした。そうか、八重ちゃん、新幹線も乗ったことないねんな。そんな八重が、皆とのお昼、一緒にお弁当を食べる時に旅情をかきたてるアナウンスをしてくれる。最初、なんのアナウンス? とか思ってたんですが、東京駅出発しましたからの6分後に品川、17分後に新横浜。律儀にタイマーかけて伝えてくれる八重の本気が、まさしく八重らしいと思わされたのでした。

そしてラストの皆の後ろ姿。みんなで遊ぶならどこでも楽しみという、その言葉にじんとさせられました。みんないい友達だなあ。素敵なしめくくりでありました。

『通勤通学クエスト』

今回の梅子の課題。こちらから誰かに話しかける? 竹重、松島みたく友達が多い人は、失敗を怖れず自分から話しかけていく。断られても気にしない。その姿勢に近づこうとちょっとチャレンジしてみるんですね。

学校からの帰り。見かけた猫と遊んでいたら、そこに桜井さんが。寡黙な人。けれど、ねこさわる? と話しかけ、一緒になでる。そこでなんとか話を繋げようと頑張る梅子がいい。じぶんちの猫の話をしてみたり、そうしたら桜井が興味持ったりしてくれて、この得意でないことでも挑戦して、そしてうまくいったことが梅子の自信になっていく?

自分のことながら驚いてますよね、梅子。そして翌日には普通に桜井とあいさつできるようになって、ええ、これは梅子の確かな一歩ですよ。世界を広げましたね。自信をつけましたね。素晴しいです、梅子さん。

『オネェの恋のはじめかた』

ああ、時宗、ピンチですか?

文化祭の演劇に力を入れている時宗。その様子を見て、なぜ高校では演劇部に入らなかったのだろう、疑問を持った桜子が時宗に聞くんですね。そうしたら、ちょっと冗談めかして答える時宗の、全部の言葉を全肯定していく桜子! 眩しい! このピュアさはぜひとも保存されてほしいものです!

さて、時宗がいうんです。演劇が好きな理由はあるって。舞台の上だとどんな役柄でも否定されないじゃない? この言葉の向こうにある彼の本心。冗談めかして、かき消そうとはするんだけど、やっぱり桜子はストレートに受けとめて、今ではもう完全にこのキャラクターで押し切れるだけの強さを持ってる時宗も、自分のありかたに迷ったり悩んだり苦しんだりしたことがあったのでしょうか。そして今、演劇部に入っていないのは、自分自身に対する迷いやなにかを吹っ切って、誰にも否定させないだけの強さを身につけたからなのでしょうか。

いろいろ思わせてくれる言葉でした。そしてその言葉は桜子にも響いて、だからこそ自分だけは自分を否定してはダメという、その言葉も同じく響くのでありましょうね。

さて冒頭にいってました時宗のピンチ。立ちくらみした桜子を助けるためにかばった時宗。足をひねってしまった!? 舞台の本番目前にして負傷。これ、痛みを押して舞台に立つのでしょうか。これはちょっと心配になる展開。ドラマの予感です。

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