2021年2月11日木曜日

『まんがタイムきらら』2021年3月号

 『まんがタイムきらら』2021年3月号、昨日の続きです。

『むすんで、つないで。』

つなぐ、パン屋でのバイトを通じて成長しているんですね。ちゃんとした生活のリズムを保てたといってますけど、それ以外にもコミュニケーション方面にも伸びが出て、夏休み開けての学校にて、皆にいい笑顔ふりまいているっていうんですよ。

これ、好評っぽいなあ。さらにファンが増えちゃうぞ。

つなぐと七色、ふたりの交流、学校でも続いていって、つなぐがななって呼ぶのね、いいよねえ。でも七色からはなかなかつなぐのこと名前で呼べなくて、タイミング見計らっては失敗しての繰り返しの果てに、出たのが、倉石ぃぃぃ!! これ、『三者三葉』初期のエピソード、わかったよ小田切!!を思い出させてくれました。あれ、好きだったんですよ。なので、なんだかちょっと懐かしく、でも以前とは違った味わいあって、いいよなあ、面白い。

しかし、七色、ちょっと災難でしたね。服がバリィッって! しかもそれ、つなぐの回想だとものすごい猛者っぷりに変化してしまってて、これビジュアル的にもすごい。いやもう、かなりきましたよね。いやもう、世紀末覇者ですか、救世主ですか。ほんと、七色、いいキャラクター。ほんとは可愛いのに、ネタキャラになっちゃってるのが不憫というかおいしいというか、なかなか複雑な立ち位置です。

『しあわせ鳥見んぐ』

飲み屋でのオオタカ談義をきっかけに知りあった、知りあった? 荒砥岬さん。この人、ただ趣味で鳥の写真を撮ってるわけじゃなかったんだ。むしろ職業ともいえる。すずと同じ大学にて写真を学んでいて、しかも実績抜群じゃんか。ちょっとした有名人?

今回はすずがそんな荒砥さんと親交を深める話。岬がネットに公開していた鳥の写真に触発されて、自分の次のモチーフはこれと鳥を求めて飛び出していった先で、ふたたび岬と出会うんですね。空には猛禽。はじめて見る姿に興奮しているすずだけど、これ、トビなのか。イヌワシと誤認して大騒ぎしちゃってるところをうるさいと岬から叱られて、でもはじめて見る鳥、しかもこんなに近くでとなれば興奮してしまうっていうのもわかります。

先日のオオタカの写真、岬にとっては失敗だったというの、その理由を聞いていく先に、まさかのトリさん動画が浮上してきて、あらー、翼ったら知らないうちに有名人ですねえ。鳥が、野鳥がふたりを引き合わせ、そして翼の活動がふたりをさらに結び付けていくというそうした流れ。なんだか微笑ましく見てしまいますね。ええ、ちょっと恥ずかしそうにしている岬が素晴しく可愛かったです。

『ぎんしお少々』

今回はしろとすずの子供時分の思い出が語られて、しろが病欠した遠足の代わりにとふたりで訪れた公園のエピソード。すずとしろ、ふたりが本当に仲のいい姉妹で、一緒が楽しい、楽しかった経験を分かちあいたい、そんな気持ちのあるのが美しかった。ちょっとずつ個性、感性を違ええているふたりの、けれど根っこの方にしっかり通じあっているものがあると感じさせるところも素敵で、ほんとこのふたり、今は離れて暮らしているけれど、決して仲違いしたりしたわけじゃない。今もあの頃と違わず仲のいい姉妹であるんですね。

昔のふたりの小遠足。のびのびと過ごすふたりの様子が楽しそうで、ほんと冒険ですよね。で、ふたりの後を追うお母さん! 眼鏡に帽子が可愛いね! じゃなくて、元気な子供についていくのも大変そう! でもって、この日の思い出が、この母の隠し撮りした写真に残されていたというのがね、ああ、そうでした、この漫画のテーマは写真です。写真が思い出させてくれた懐かしい日々。ええ、写真というのはただの記録に留まらず、こうしてその時感じた気持ち、心の動きも生き生きと思い出させてくれる。そのままにしておけばただただ流れ去ってしまう時間を、たとえひとひらに過ぎなくとも手元にとどめておいてくれるものなのだなあ。改めてその機能に思いをいたらせてくれたように思います。

すずの、あの日のことを覚えていてくれたと知ったしろの見せた表情。嬉しさ、喜び、懐かしさにわずかにセンチメンタルもまじって、これはいい一枚の絵だった。いいショットだったと思ったのでした。

引用

  • 荒井チェリー『三者三葉』第1巻 (芳文社,2004年),24頁。

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