2020年11月21日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2021年1月号

 『まんがタイムきららMAX』2021年1月号、昨日の続きです。

『妖こそ怪異戸籍課へ』

面白いなあ! それに可愛い。今回登場のぬらりひょん、俵頭饗子のこの愛らしさ、妖艶さよ。市内に出没する無銭飲食妖怪の噂を受けて、我らが主人公山本睦子が饗子の行動を探る! その果てに知った真実は、いやあ本当に穏当、さいわいそのもので、この漫画の持ち味じゃあないですか? ほんわかするよな。気持ちがやすらいで、ほっとする。ええ、いい感触じゃあ。

いく先々でただ食いしてたのは事実なんですよね、饗子。でも、その食べてる時の表情がこれでもかと福々しくって、なんちゅう愛らしさじゃあ。これ、当初はぬらりひょんの能力を悪用してるんだと思いますよね。堂々店員とコミュニケーションして、金を払わず退店していく。その足取りや軽やかに、一抹の春風を思わせる心地よさ。これ、最高だよな。キャラクターが立ってる、絵柄も可愛い、でもってやりとりが面白い。加えて、誰も不幸になってない。饗子の無銭飲食、これも理由あってのこと。甘やかされてるんじゃないよって、この子の食べてる様子が宣伝になってるからだよって、妖怪と人との共存、互いに認めて受け入れて、受け入れられてという関係もまた素敵だったじゃないですか。ええ、ほんといい話でした。

妖怪を取り締まる夏生に対しても、あれ? まさかのおごらせチャンスなんですかい!? ほんと、ここからの展開、おかしくってたまらなかった。気づいたらファミレス、疑いかけてすまなかったお詫びにここの支払いは持とうからの注文ラッシュ。さらに最後にテイクアウトのピザとくる。めちゃくちゃ面白い。コミカル、チャーミング、最高でした。

『今日の授業は恋愛です!』

恋愛科からの脱出をはかる主人公、さがり。この子をめぐるかけひき? いよいよ火蓋が切られましたね。飛び級少女のこみねも、当初こそは反発を見せたものの、すぐさまぐっと距離詰めはじめるし、なとせも堂々さがりとカップルになると宣言してくる。それぞれのキャラごとに、カップルになろうというアプローチの仕方、違うのが個性感じさせていいですね。基本ぐいぐいいく3人と、ひとり消極的なしらべ。姿勢にも違いがあって、でもしらべはすごいのね? 興味は薄いが技術はすごい系の人なの? 無意識にやっちゃうさがりと、意図してしかけるしらべみたいな、ある種似た傾向で、でも現れようが違うみたいな対照的なふたりですね。

今回もりっかがヤバくていいですね。この子が正ヒロインと思ってるんですが、最近のこの手の一対多関係って、誰が正とかないんですよね? ということは、誰がさがりとのカップル関係を勝ち取ってもおかしくないわけか。あるいはなんかの特例で、全員とでもいいんじゃないかな? うん、さがりはハーレムを築くべきなのだと思います。そしたら私が喜びます。

りっかたち4人は中等部からの関係で、それゆえ誰が余りとかそういう事情も熟知している。いや、いやいや、4人いるならそれでカップル2組作れるじゃん。なのにそうしないというのは、それだけの理由をそれぞれ抱えていそう。そして今度は、期待の星、さがりの恋愛科脱出希望を知らされて、やばい、やばいよりっかさん、ヒロインらしからぬ表情になってますよ?

これは一波乱おこりそうですね。わくわくするな。とりあえず、さがりの狼狽から次の一手、どうくるのか楽しみですよ。

『社畜さんと家出少女』

皆で一泊二日の旅行ですよ。まだちょっとかたさの見えるユキを打ち解けさせようといろいろ工夫してくれるアオがいいですよね。というか、アオ、ちゃらんぽらんな印象があるけど、ホドの内心しっかり見通してるとか、いろいろ有能。今回も、頼りになりそうで頼りにならないところ見せつけて、でもそのゆるさ? いきあたりばったり感が緊張をやわらげてくれていたように思います。

そしてユキの活躍? いろいろ調べていたというそのリサーチをもとに、あちこちを巡る。そこでのユキのモノローグ、旅行を楽しみにしていたって、その気持ちがほころんでいく。海に感動して、アオが海にはまって、山に登って、動物にほっこりして、アオと打ち解けて?

この一連の描写がとてもよかった。ええ、ユキがちゃんと楽しんでるなって、その姿が見られて嬉しかった。そしてまだ旅行は終わりじゃない! ええ、これからもまだ楽しみが続くのかな? ハプニングなんてないよね? 楽しみの予感にどうしようってユキを見守る皆の視線が優しくて、これもまたよかったんですね。

『瑠東さんには敵いません!』

これ、面白いな! それに可愛い。街に、書店に買い出しにいったらば、そこで瑠東さんと出くわしてしまった和村ですよ。全力で気づかないフリするんか! しかも、待ち伏せとかしてないよねって警戒するのな! オタク気質の和村と一般人寄りの瑠東、ふたりの性質? 行動規範の違いが面白い。ふらり、これ面白そうと、映画に誘う瑠東ですよ。ああ、確かにこういう見方はしないな! 下調べもこれといってしないけど、いった先でまったく知らない映画を見たりはしない。ああー、確かにこれはカルチャーショックかも知らん。瑠東、和村の割合でいえば、多分自分は7から8くらいの和村寄りですね。

映画館での和村も面白い。性質が異なる人間と関わるといつもこうだ! って、誰も和村を愛さない!? いやいや、そんなことはないよ。瑠東も読者も和村のこと大好きだよー。って、いってもいないことに反応するのはやめるとして、映画鑑賞後の語りたい和村もとてもいい。一般人、っていっていいのかわからんけど、非オタク層はこういうふうにはならないの? だとしたら確かにこれもカルチャーショック。でもカルチャーギャップではないんですね。和村の感想、気づいていなかったことの説明聞いて、映画についての感想が様変わりする瑠東。いい関係を築いていますな。ふたり、いい刺激を受けあってるのではなくって?

次のプリも面白い。慣れない和村の、なかなかポーズとかね決められないの、これ気持ちわかるわあとか、ほのぼのしながら見てましたら、最後にまさかのファイティングポーズ。しかもダブルファイティングポーズで決めて、最高やな。めちゃくちゃ面白かったです。

今回のふたり、和村ちゃん、振り回されちゃうのかなって思ったら、そうはならなかった。和村も瑠東も、それぞれ楽しそうだったじゃないですか。ふたりともに、ちょっと性質の違う友達と一緒にいることで、知らないこと、気づけないことに触れられたり、新しい意外な自分に出会えたり、そんな体験になったんじゃないかなって。それはなかなかに貴重なことだと思うのですね。

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