2018年4月24日火曜日

『まんがタイムきららフォワード』2018年6月号

 『まんがタイムきららフォワード』2018年6月号、発売されました。表紙は『はるかなレシーブ』。7月からスタートするTVアニメに期待、といった気迫? みなぎっておりますね。表紙には、遥、かなたのふたりが、ボール、一緒に持ってましてね、ふたりともに凛々しい表情! チームとなったふたりのやる気や気迫といったもの、よくよく伝わってくるいい表紙。ええ、とてもよい感じであります。

『はるかなレシーブ』。全国大会への進出を決めたはるかな。目指すは成美、彩紗ペアとの対決であるわけですが、まさかこの対戦を大幅に前倒ししてくるとは予想外でした。いわば前哨戦といった感じでしょうか。あるいは、成美、彩紗ペア、なるあやの顔見せ。雑誌の企画でやってきたふたりと、撮影が目的とはいえ、急遽試合することになったはるかな。そこで示される、なるあやのスタイル。隙のなさ、オールマイティに戦えるふたりの強みというものが描かれて、ああ、序盤こそはいい勝負ができていたはるかななのに、中盤からじわじわと広がっていく点差! これが遥、かなたのふたりが向き合わなければならない壁なのだと、そして超えなければならない相手なのだと、しっかり見せつけてきたというのですね。しかし、はるかな、ただ圧倒されるばかりじゃない。しっかり食い下がっていくという、その様子に、はたしてどこまでいけるのか! その伸び、期待させられてしまいます。

『スローループ』、ゲストです。変わり者? 趣味に、好みに独自性発揮させていた父の薫陶を受けて育った女の子、ひより。海釣りでフライフィッシングをするという父の影響で、同じくフライフィッシングをするようになったのだけど、その父はもう亡くなっていて……、という、ちょっと切ない出だしでありますよ。人づきあいを苦手にしているこの子の、今日のちょっとした憂鬱。それが溶けていく様がとてもよかった。海が珍しいと興奮する女の子、こはると出会って、釣りの話、魚の話。あまりに屈託ないこはるに引っぱられるようにして、釣りのこと、フライフィッシングのこと、見せて、知ってもらおうとする、そのひよりの様子に、父と自分のことを釣りを通してこはるに伝えようとしているかのような感覚を得たのですね。この街に引っ越してくることになったというこはるの、その理由が、ひよりの落ち着かないという理由と重なって、そしてふたりは家族になるという、この出会いの面白さ。予想もしないところに落ちたふたりの縁、面白く、楽しく読むことができましたよ。なにより、ふたりの関係が広がっていこうとする、そうした伸びやかさがよかったです。

『アニマル・トイ』、ゲストです。流れ星にかけた願いがかなったという女の子の話です。その子、純の願いというのがおかしくて、大切なぬいぐるみのポチとお話できますように。しかし、そのポチ、ぬいぐるみのまま話ができるようになったのかと思いきや、なんと人の姿に変身できるようになったっていうんですね。ポチ、朝起こしてくれたり、結構有能じゃないですか! 純に褒めてもらいたい一心でそうしてるみたいなのですが、この、屈託なく純に愛情を向け、また応えてもらうことを望んでいるポチは、純真そのものとでもいいましょうか。その真っ直ぐさは実に魅力あるものだったと思います。そしてちょっとトラブル。ポチのことが他の誰かに知られるとさすがに問題あるだろう。友達の前では人の姿にならないでと釘を刺していたんですが、どうもその約束、守ってもらえないような予感? 純の友達、舞の前で、人の姿をとってしまったというのですね。これ、なぜそんなことになったのか。舞に純をとられちゃうと思った。思いあまって、抑えがきかなかった。純のことが好きで好きで、そうした気持ちと、思うところに真っ直ぐに向かってしまう、そうした性格、ここにもよく表れていたと思うのですね。素直な気持ち、素朴な愛情。そうしたものがよく感じとれて、ちょっとくすぐったく、ほのぼのと暖かい。愛らしくチャーミングな漫画でした。

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