2018年4月5日木曜日

『まんがタウン』2018年5月号

『まんがタウン』2018年5月号、発売されました。表紙は映画『クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ』でありますね。ラーメン手にしたしんのすけが、カンフーさながらポーズを決めています。他に『野原ひろし昼メシの流儀』、『新婚のいろはさん』、『鎌倉ものがたり』のカットもありますが、これらは新規ではありません。また、『青少年アシベ』と『踏切時間』、単行本発売にアニメ化を受けてのゲスト掲載を告知するカットもございます。

『踏切時間』。今期、アニメになるというので、ゲスト掲載されました。こないだ今期のアニメをざっと調べて、とりあえずタイトルだけ把握していた漫画です。踏切を舞台としたオムニバスもの。毎回、登場人物は変わります、というの、これはきっと叙情を重視した漫画だな! そう思ってたものだから、いやまあ、意外でした。思いっきりコメディ志向ですよ。今回のゲスト作でも、踏切の向こうとこちらとで、女の子ふたりがなんか面白そうなことやってる。いかにも構って欲しそうな女の子が、相手の行動、マネしてみたりしましてね、それを発端とした物真似合戦? 最初はめんどくさそうにあしらってた子が、最後に大失敗しちゃうのね。落着きなくたわむれる感じがおかしいですね。

『ようこそ!スマイリーバーガーへ』。たまこ、たまたま見た強盗を撃退したコンビニ店員のニュース。感化されたわけじゃないけれど、自分もそういうのできないといけないのかなって思ったりして、いやいや、いやいやいや、そんな覚悟されても困っちゃうってやつですよね。必死でとめるオーナーがよかったです。今回はいろいろなお客さま、といったところでしょうか。強盗をお客に数えていいのかどうかはわからないけど、お酒に酔って騒いじゃうお客さんとかね。陽気なのはいいのだけど、大きな声が他のお客さんの迷惑になってる。たまこ、注意したいけど、どうしたらいいかわからない、というところで南町田さんに頼っちゃって、ああ、すずちゃん、勇気振り絞ったなあ。車イスのお客さんにどう対応するかというのも、それぞれに違ったやり方があって、あ、梅ちゃんのやり方の方がいいっぽい! なんて思ったりね、でも、本当にそれぞれなんだよっていうのが、いい結論だったと思います。どうしても、こうしないといけないみたいに思いがちですけど、こうと決めつけすぎる必要はないんだっていうの、ちょっと気持ちも楽になりますね。

『恋するヤンキーガール』。アヤメちゃん、普通の格好です。って、ナギよ、そこは可愛いっていってあげなよ。実際、そう思ってるくせによう。今回、ふたりのデートの様子が描かれましてね、アイススケート、アヤメちゃんは初めてのスケートで、まったく滑れないっていうんですが、なんでそんなに覚悟決めて男前な台詞なの。ナギに手を引かれてリンクに出てからがおかしくて、密着してるカップルとか見てね、堂々と抱きついても許されるんだ! って、いやいや、別にここじゃなくても許されてるんじゃない!? ほんとやる気を出したというか、殺気みなぎるというか、ギラギラとしたアヤメちゃん。ギラギラしすぎて、ついには自力で滑れるようになってしまって、ほんと、目的不達成じゃん! でも、あのついつい滑れてしまってるアヤメちゃん、自然体でなんかよかったな。ここでハプニング。ひょんなことから目的以上のことを成し遂げてしまうというんですね。押されて倒れて、意図しないキスでありますよ。アヤメちゃんはそうと確信持てずにいるのですが、ナギは完璧意識しちゃってますよね。小さなことじゃん、気にすんなって! とはいかないんだろうなあ。これ、ギクシャクするのか、この一歩を成果としてさらに前進するのか。ううむ、少なくとも後者は想像つかないですね。

『青少年アシベ』。これは特別再録。なるほど、コミックスが出るので、タウン読者にもぜひ知っていただこうというわけですね。高校生になったアシベたち。私は『少年アシベ』はちゃんと読んだことがなく、登場人物の把握もままならないので、たとえばアシベとスガオの関係に妄想ふくらませている女子、この子が誰なのかとか、ちょっとわからないんですけど、ともあれひとつの可能性の提示、みたいな感じですよね。アシベがゴマちゃん運ぶときに腰を痛めてしまっていたりとかね、これ、本編でもそういうのあったのかな? って思ったけど、本編は小学2年生。この事故は小学5年生のとき、ということは、この漫画独自の設定と考えていいのでしょうか。なんだか独特のタッチの絵柄、ネパール帰りのヒーリングってとこ、あの動きの描写とかなんか面白い。スガオのかつての思い出のネパールの情景とかね、チットちゃんの献身とか、なんともいえない味わいありますね。情の深さ、感情の強さ、思いつめるでもなく、ただただスガオの回復を望んで身を削るようにして寄り添う。そうした気持ち、この子、チットちゃんだけでなく、他の皆にも少なからずありそうに思わせるエピソードでした。

  • 『まんがタウン』第19巻第5号(2018年5月号)

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