2018年2月12日月曜日

『まんがタイムジャンボ』2018年3月号

『まんがタイムジャンボ』2018年3月号、一昨日の続きです。

『ペンタブと戦車』。最終回を迎えましたね。里見拓也という未来からの介入あっても、なお歴史の大筋は変わることなく、日本の敗戦で戦争は集結。けど、その後の歴史、めちゃくちゃ変わってるじゃん! そうか、内藤翔太、うみねこ先輩が持ち込んでしまった技術が、ソ連を飛躍的に進歩させてしまったんだ。ということは、これ、ソ連は、共産主義は衰退することなく、すなわちドイツも東西に分裂したままだったりするの!? わからんこといっぱいだけど、この、うみねこ先輩の所持品がもたらした技術革新が、まさか後々効いてくるとか、予想外。そうか、この展開、この介入、物語上の必然だったんだ。里見とうみねこ先輩の介入で変わったもの、いろいろあるけれど、日本においては主に萌えの文脈やオタクをとりまく環境が変化したというのですね。我々の歴史よりもはやく、大きく躍進した。しかし、それが再びコミケ雲に里見を立会わせることとなり、またもやの消失。あああ、武田大尉いやさ1佐とお別れって、そんなそんなのってないよー。そう思ったんですが、最後の最後に描かれる、時を超えた再会。全部がこの瞬間のために用意されていたんだってわかった。皆がここに、里見との邂逅が訪れること、予感していた。未来を知る男と出会った彼らが、今度は来たる未来を予感したんだなあ。切なくて、けれど悲しいばかりでない、そんな最終回。たっぷりとして、よい余韻でした。

『人気マンガ家になるための15の法則』。バレンタインデーの状況描いて、いやあ、さすがといいますか、色っぽい話になりそうなところがまるでない。期待、裏切らないなあ。今回、相沢に必要とされたもの、読者への共感性だっていうんですが、この相沢を取り巻く状況の特殊さを指摘する喜多村、この人もまたその状況に加担している一人だと思うんだよなあ。相沢の状況、経験をアップデートしよう。そういってバレンタインチョコを作らせるわけですけど、案の定綺羅星までやってきて、ほんと、これ、効果、期待できないよね。ここでまた綺羅星も世事に疎いっての示されたわけですけど、だったら相沢の結果が奮わないの、他に理由があるのでは!? チョコレートの湯煎なんてしてる場合でないのでは!? むしろ今回のエピソード、相沢と喜多村の絆がより明確にされて、ええ、喜多村の思い残し、それがはからずも解消されて、ええ、ほんとこの漫画、喜多村の愛が深い。あるいは重い? その報われない愛が報われる、そんなニュアンスが濃厚ですね。

『あの日の海と16歳の夏休み』。サロン・ド・リリーにちょっと珍しいお客さんきましたね。男の子。野球帽をとったら坊主刈りの頭が現れて、おや、美容室になんのご用なのだろう。そうか、さきを訊ねてきたんですね。柿崎ヒロト。さきの彼氏ではありません。幼なじみですね。さきはさきっちょって呼ばれて、ヒロトは柿ピーって呼ばれて、その親しさはいいんだけど、お互いに子供っぽさを拭えなくて、けどヒロトはちょっと素直になれてないだけで、さきよりわずかばかり先に進んでいるみたいです。今回、ヒロトが来店したの、母に頼まれた差し入れ、これが理由ではなかった模様。店長にさきのことお願いしにきたんですね。そうとは口にしないけど、妹分のさきのこと、心配してるんだね。さきはね、こうやって保護者面されるの、嫌だっていうんだけど、ちょっと気持ちわかる。でもヒロトの気持ちもわかるように思われて、ええ、年頃のふたりの初々しさにあふれていました。店長と浜梨さん、ふたりのあの表情ももうたまらんって感じで、ええ、ええ、わかります。

  • 『まんがタイムジャンボ』第24巻第3号(2018年3月号)

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