2017年12月27日水曜日

『まんがタイムオリジナル』2018年2月号

『まんがタイムオリジナル』2018年2月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』、山下さんが晴着着まして、おお、とても美しい。戌年ですね、手にした犬張子も可愛いですよ。『らいか・デイズ』らいかは普段着でちょんと正座しまして、手には小さな獅子舞が可愛い。『小森さんは断れない!』小森さんは、巫女の格好しまして、破魔矢を手渡してくれているところでありますよ。

ラディカル・ホスピタル』。恒例の年始の出勤の話かな? そう思ったら、おや、いつもと様子が違います。そうか、榊先生、今年は大晦日から新年にかけての勤務、お休みなんだ。そう思ったら、大門先生にお願いされて、顔出すことになりまして、いえね、小児科の患者さん。おばあさんが倒れたというので、母にそちらへいくよう譲ったという子のことで、ああ、こういう人情からむと榊先生は弱いよねえ。いい話でしたよ。質問の多い子。なぜなぜ坊やか、先生がそういうから、自分もてっきり男の子かと思ってたら、おや、女の子。ももかちゃん。この子の懐に一瞬で入る榊先生の凄さ! 医師も看護師も驚愕の表情です。この子がね、いろいろ聞くの、ただ興味がある、好奇心があるってだけじゃないんだって、榊先生との会話から伝わってくるのがすごかったですよ。不安がある、寂しさもある、けれどこの子は分別があって、そうか、母の感情を優先したんだ。これがわかった時の反応。嘘泣きでもいいからって、先生も一緒になってうわーん、びえーって、もうね、こうやって心の中にある叶えられなかった欲求とか、もしかしたら自分でも意識してないわだかまりを流すんだ。これ、見ていてほのぼのと暖かみあって、けれどそれでいて深く胸にしみて、すごくいい話だった。もうね、涙をしぼられますね。

『カントリー少女は都会をめざす!?』。今回はいつもと立場が逆転だ! 大河さんに誘われて一緒に遊ぶことになった八重。この、八重の行動にですね、大河さんが終始驚かされっぱなしだっていうんだから珍しい。みながどこにいるか確認しようと家に電話をしたら、八重がもしもしというだけで話がついちゃうとかね。もしもしって声聞いて、あらあ八重ちゃん、みなね、図書館いってるのよー。はいありがとうございました。こんな具合だったんだろうなあ。これ、すごいわ。でもって、口コミネットワークのすごさ。八重の弟をコンビニで見たよ、そういわれて、大河の弟と一緒かも。即座に連絡が入って、大河弟がビビるビビる。監視されてるの!? みたいなね、ほんと、これ、都会ではそうそうないよなあ。八重の弟日向にしても、都会人との意識の差にカルチャーショック? いや、思春期の悩みっていった方がらしいのかな。結構、似たもの姉弟なのかもって思いましたよ。そして、図書館でみなを見つけた時の反応に大河さん、また驚く。でもって最後に亜紀の私服! いや、これはみんな驚く。面白いなあ。亜紀の私服もだけど、ガオーって! 他のいろいろ、やりとりも、すごくおかしかったです。

『ゆとりの町長』。町の北部、過疎地帯を訪れたゆとりとかなめです。ゆとり、遠隔地の票はひとり2票でカウントとか、かなめの嘘を信じちゃってて、いやいや、それ、いろいろまずいレベル! 過疎の進む北部地域で、いろいろ人と会って話したりするゆとりですが、いろんなことに興味を持って踏み込んでいくところとかね、政治家、町長としてどう生きてくるかはわからなくとも、人との繋りをつくるという点においては強みだなあって思いましたよ。まあ、それで興味があっちにこっちにふらふらしてしまうわけですけども。いろいろと会って話して、そこにはこれまで期待を裏切られ続けてきた、そんな住民の諦観みたいなものもあって、こういう感覚、自分もちょっとわからんではない。ゆとりが受け皿たりえるのかなあ。わからんのだけど、こうして出会って、その感覚を受け取ることができたのか。なんかね、こうしたいきづまりを感じている人の思いをすくいとってくれたらどんなにかいいだろうって、ちょっとなんか思っちゃったんですね。それは、せめて漫画においては、夢みたいであっても、人の気持ちのむくわれてほしい、そんな思いがあるからかも知れませんね。

『ぎんぶら』。あいかわらずおかしくってですね、今回は星の名前がもう出落ち。惑星クマムシ。過酷な自然環境に暮らす住民に会うっていうんですが、それがもうね、非常にタフで、どんな環境においても元気、陽気、平気だっていうんですね。3年ほど呼吸をとめてられるレベルなんだ。身体のみならずメンタルのタフネスも相当なもので、っというんですが、強いのかなんかい鈍いのかみたいな風にもとれる言動がありますよ。あまりにタフなせいで、衣食住、文化もろもろが発展しなかったみたいな発想はおかしくて、確かに風雨が平気なら家はなくても大丈夫だろうなあ。密猟者とのバトルもおかしくって、犯人はウチの庭で眠ってます。って、返り討ち!? と思ったら、いやいや、もっとなんかおかしくって、すごかった。というか、密猟者、自滅したんだなあ。しまいには変にわかりあって、友達みたいになってるっていうのが、いわゆるテンプレ的なもの下地にしてるわけですけど、ほんとおかしかったです。最後の落ちもね、ああー、ここで若竹! それ以前に、あれだけの備えがあっても攻略できないっていうクマムシ星人。ただものではないですね。

  • 『まんがタイムオリジナル』第37巻第2号(2018年2月号)

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