2017年9月15日金曜日

きよしもおやつ

Twitterで流れてくる美しいもの。誰かが見つけて、あるいは日々チェックして、こちらへと流してきてくれる美しいもの。美しいものに出会えると嬉しい。そしてそれがあまりに美しかったりすると、それを作った、描いた人のホームへと赴いて、もっと美しいものはないだろうか、過去へ過去へとさかのぼり、そのうち自分からチェックしにいくことになってと、お定まりのサイクルへと落着きます。さて、今回はそんな美しいもののひとつ。まあ、このtweetをご覧あそばせよ! 『きよしもおやつ』、うおー、なんだこれー、やっぱり素晴しいよ! って思いますよね?

『きよしもおやつ』がきっかけになって知ったわけではないのです。結構以前から存じあげてはいて、やっぱりね、目を引くではありませんか。

美しいもの華やいだものにぎやかなもの愛らしいもの楽しいものほほえましいものいたいけなるもの健気なるもの。そしてほのぼのはっとさせられる

漫画だって面白い。七夕のお願い戦艦の威厳。素晴しくない? いや、素晴しいですよ。

美しいものが流れてくるたびに訪れていたホーム。そこでトップに固定されている『きよしもおやつ』の案内の、表紙それから各エピソードの導入ページを見ましたら、どうしても先が気になって入手しないではおられなかったのですね。美しい絵。チャーミングに表現されたキャラクターたちも表情豊かに生き生きと。ほんと、そんな子たちが楽しそう、嬉しそうにおやつを食べたりするのでしょう? そんなの読むしかないじゃない!

物語としては他愛もない話です。小さな子たちの細やかな日常のエピソード。遠く離れた故郷を思う友達をはげましたり、自分の失敗を悔やんでみたり。笑顔、笑顔の合間にちらりと見せる切なさ、憂いの表情に引き込まれますね。心配そうにうかがう表情もまた。お姉さんたちは余裕の表情見せてくれちゃったりして、ああ、足柄さんの美しさ、エレガンス、これもまた魅力だよー。大きなお姉さん、小さなお姉さん、あこがれ、我慢、ちょっとの努力に、最後は魅力的な笑顔がほころんで、花咲くみたい! 普通のことが、誰しも経験したことのあるようなよくある出来事が、ひとつひとつ特別なことと感じられるのはどうしてなのだろう。それは多分ね、清霜はじめ小さな人たちが、起こることひとつひとつに、その気持ちを一生懸命に駆動して、その全身で、表情で感じたことを、思ったことを表してくれるからだと思うのですね。もう慣れてしまった、そんな風にすれてしまった自分も、清霜たちを通じて、すべてのことをフレッシュな気持ちで受け取ることになる。それが、すなわち、特別ってことなんです。

しかし、この人の描く清霜。おそろしくチャーミング。これは、愛なんだろうな。ほんと、同人活動の同人活動たる根本にして、面目躍如ってやつですよ。

2017年9月14日木曜日

YAMAHA ヴェノーヴァ カジュアル管楽器 YVS-100

 もともとの製造数が少なかったのかも知れませんが、まさかこんなにあちこちで品薄になるとは予想もしない展開でした。YAMAHAのVenova。ヨーロッパで先行発売されていた新しい管楽器です。樹脂製のボディ。軽量で、持ち運びも楽。丸ごと水洗いもできるくらいに手入れしやすいというのは、ちょっと思い付いた時に吹いて、ぽいっと片付ける、みたいな運用も可能ってことですよね。よいかもなあ。面白そうだなあ。そう思ってたので発売日に買いました、といいたいところだけど、ちょっと出遅れたために入手は発売から数日後になってしまいました。

まだ試しに吹いた程度です。なのでほぼファーストインプレッションです。

管を曲げることで、ある程度の管長を確保しながら、コンパクトなボディと無理のない指孔配置を実現していることが売りのひとつになっている楽器です。この管長が確保されているということ、たくさんあるカジュアルサックスの中でもアドバンテージになるのではないかと思っていました。カジュアルサックスっていうのは、JsaxとかXaphoonですね。どちらも楽器店で試奏させてもらったことがあるのですが、安定しなくってですね、面白いんだけど吹きにくい。でもなんだかこういうの、一本欲しいんだよな、そう思っていたところにVenovaが発表されて、いやあ待ちましたよ。でもって到着して、休日を待って吹いてみて、あれー、やっぱり安定しないのねー! びっくりしましたよ。

この楽器は右手中指のアタッチメントを付け外しすることで運指を選ぶことが可能です。ジャーマン式とバロック式ですが、どちらがいいのだろう、手元にくる前はいろいろ考えていたのですが、思った以上に抜けの悪い音にバロック式を選択しました。音程の傾向を確認して決めるつもりでいたのですけどね、もともとあんまり安定しない、ということは口元と指で調整すること前提となるわけでして、だったらジャーマンでもバロックでも好きなの適当に選んで、あとは自力で微調整すればいい。音程が選択の理由にならないのなら、右中指ひとつではありますが音孔を大きく開けることのできる、つまり多少は音抜けに有利になる? バロック式を選んだ方がいいんじゃないかな。といった理由でバロック式に決めたわけです。でも、ある程度吹いてたら、ジャーマンでもバロックでも、そうそう違いはないなって感じです。

マウスピースとリードを使う楽器です。マウスピースはソプラノサックスのものがそのまま使える。とはいうものの、径の太いマウスピースはとりつけることができず、また付属のマウスピースより音程が低くなるものも向かない。このへんはいろいろ試してみるしかないところですね。付属のリードは樹脂製で、マニュアルにもあるとおり柔らかめのもの。より硬めのものに変えることで高音など出しやすくなりますよ、みたいな説明もあったので、たまたま手元にあったLegereのリード、3 1/4を試してみたところ、確かにこちらの方がずっとよくなります。

マウスピースはソプラノサックスのものが使えるということは、マウスピース、リガチャー、リードに工夫の余地があるということです。なので、付属のものから手持ちのものにひとつずつ変えていったところ、リードを適切な硬さのものにすること、それからリガチャーを変えることが重要かなあと思いました。もちろんマウスピースの変更は大きいんですよ? でも、この楽器はこういうものみたいに割り切れる範囲かなと。対してリード、それからリガチャーの変更は、マイナスになってるものを0に戻すような感じがします。それはつまり、付属のものがそれだけよくないってことかも知れませんけどね。

Venovaは思ったよりもスラスラと吹けない楽器ではありますが、吹いているうちに慣れる、うまい鳴らしかたがわかってくる、そんな感触もあります。なので長い目で練習していくのがいいかなあ。でもそれだけしっかり取り組むならサックス吹いた方がよくない? みたいなところもあって、いろいろ難しい。この楽器自体をオプションのひとつみたいに割り切るとよさそうですね。

2017年9月13日水曜日

『まんがタイムジャンボ』2017年10月号

『まんがタイムジャンボ』2017年10月号、昨日の続きです。

『雀娘。』。ゆいとあまね、他の雀荘に赴いてのアウェイ戦。黒川のホームだっていうんですが、ニコニコして勝負を持ち掛けてきたアキラなる人物。見たところ女の子かと思ったのだけど、あれれ、男なのかな? あ、完全に男か。雀荘に出入りする女、とりわけ弱いのが嫌いっていって、心の狭いやつだな! その上、黒川がゆいに振り込んで負けたことを根に持ってる? あまねにゆいの腕前うかがいながら、初心者のゆいに汚ない手で勝ちにいく。いやあ、まさかイカサマでくるとは予想外。これは、イカサマ相手に気づかずゆいが勝ってしまうパターンでくるのか、と思ったら、ああ、いきなりバレてるよ。これ、あまねのこと舐めすぎたんだろうなあ。ともあれ、これ、力強く最悪な顔見せなんですけど、この後、イカサマを水に流して仲良しね、となるのさすがに困難すぎない!? ほんと、黒川の反応見るに、わりとこれ、常習的にやってたりする? いやあ、好感度最低からのスタート。今後、どう取り戻してくんだろう、これ。

『人気マンガ家になるための15の法則』。今回は宅飲みですね。人と話さないからキャラのセリフも出てこない。痛いところ突かれる相沢ですが、あえて宅飲み。さらに綺羅星もやってきてというんですけど、これ、相沢、被害者やん。一気にビールをジョッキであおって、というか、そのジョッキ、家から持ってきたの? それで一気に酔う喜多村。相沢、置いてきぼり。しかも飲むとテンションが下がる。って、どんなやねん、喜多村。途中参加の綺羅星は泣き上戸で面倒臭い。と思ったら、あ、いいじゃん、相沢ならぬ愛澤のファンだって激白。これで相沢が自信持ったりするといいなあ。それに喜多村もちらっと本音を漏らしそうになって……。しかし、この喜多村ね、こんだけあやしくなってたのに記憶はしっかりしてるんですね。ほんと、この漫画は綺羅星がいいですね。

『大正みつば歌劇団』。先生のお姉さん、演劇なさってるんだ。でもって手伝ってくれるんだ。馬場操さん。卒業生にして演劇部の先輩! で、廃部になった理由、あなたですか……。本物の馬導入! 講堂を改造! いいなあ、操さん。女学生の頃の操さんも素敵です! さて、今回は幽子、歌子の話でしたね。なぜ歌子は演劇をすることにしたのか。それを幽子に聞かれて、答えるうちに本心に辿り着く。ああ、歌子、自分が地味で目立たないだなんて思わないでほしい。しかしそんな歌子の手をとって、自分と同じだ、幽子のかけた言葉に素直な笑顔が実に素敵で、ああ、ふたりともにこの演劇部での活動を通して、新しい自分、自分さえも知らなかった自分を見つけていってくれたらどんなにかよいか。そう思わされて、ほんと俄然応援したくなりますよ。ところでマリさん、するどい! ちょっととぼける歌子と幽子可愛くってですね、ほんと、皆本当に魅力的な子だと思います。

『あの日の海と16歳の夏休み』。お店を探る怪しい影! 建物、設備を調査して、あとは店長のことを調べて……、というその人物を押さえてみれば、噂の美々ちゃんだそうです。菜乃の話、6月号ですね。髪形変えるといじわるなこといわれちゃう。そのいじわるいってたのが美々というの、観察から目の前にいる女の子だって見抜いたさき、なかなかにすごいですよ。で、菜乃にいじわるしてるっていうので、ああ、許せないんだ、許してないね。かと思えば、美々によると、いじわるされてるのは自分らしい。その理由も勝手と思うのだけど、そうかあ、簡単に真似されるの嫌なんだ。おしゃれについて切実に思っている、その気持ちはよくよくわかりました。自分を守り支える自信そのものなんだね。でも、こんな美々と菜乃を和解させた店長ね、きっと仲良くなれるといわれた美々の表情がすごくよくって、ちょっと素直じゃないんだけどね、このちょっとむずがゆいような感触がね、とてもいいなと思ったのでした。

  • 『まんがタイムジャンボ』第23巻第10号(2017年10月号)

2017年9月12日火曜日

『まんがタイムジャンボ』2017年10月号

『まんがタイムジャンボ』2017年10月号、発売されました。表紙は『レーカン!』、天海さんったら見事なドレス姿。これ、おめかしして素敵なディナーなんでありますか? 『人気マンガ家になるための15の法則』、相沢と喜多村もおめかし。なんですが、相沢、お高いメニューにひるんでますね。『ペンタブと戦車』は、おお、武田大尉、ばっちり正装だ。かたわらには、おめかしした98式ハクが寄り添って、でもこれ、里見青年の描いた板看板だーっ! この他に『モンスターだってうまい飯がたべたい!』のゲスト掲載告知カットもございます。

『でっかいんちょ』。このところ相見君と育の周辺、いろいろ動いてるなあって思ってたら、これ、最終回に向けての布石だったんですね。今回は悩める相見と育、それぞれを見守る周囲の視線ですよ。おお、相見だと恋愛関係だろう、対し育だと食欲の秋関係なんだ! この対比が延々描かれるくだり、めちゃくちゃ面白かったです。それで同時に、ふたりの恋愛、相手に対する気持ちなんかも整理されていくの、うまかったと思います。そして相見と鳳、ふたりの交際疑惑が明確に否定されて、ああ、相見ったらまったく意識してなかった。で、この会話、鳳、聞いちゃってたのかあ。鳳の育への宣戦布告。これ、本当に勝負なのか、育の背を押そうとしているのか。わからないけれど、次号最終回! ああー、終わっちゃうかあ。

『偏食女子は恋でおなかを満たしたい』。会社のイベントで焼き肉だというのですが、様子のおかしいアキ。ああ、この子、変わろうとしてるのだなあ。今野を避けている? これで今野がショック受けてるのがおかしいですよね。平岡いわく、今野さんは変わった、それを実感させられるところが、まさにこれなんでしょうね。しかし平岡、今野への愛が重い。食事を持ってきたという、それがほんとにヘルシー志向。さらにビールもノンアル持ってきちゃって、長生きして欲しいです。いい子だなあ! この子と今野の対話。そこにうかがえる、アキへの視線。ああ、アキは今野の扉を開いたのか。アキもですよ、おお、偏食を克服しようとしてる! すごいなこれ、ほんとすごい決死の覚悟。ああ、これ、アキに対する平岡の視線、それも変わっていきそうですね。いいな、この頑張るアキ。

『ペンタブと戦車』、カラー、素晴しいなあ。里見のいう本当に書きたい絵、それがあの絵なのだろうなあ。スケッチブックに描かれた戦後の風景。しかしこれはどういう状況で描かれたのか。あの散った桜の花びら、とてつもなく意味深で、ちょっと! ちょっとやめてくれよー。泣きそうだ。これは里見が、戦後亡き武田大尉を偲んで描いた一枚とか、そんなんじゃないだろうなあ! もうー! しかし、ノモンハンの戦場、いよいよ歴史に抗おうとする意思漲って、ああ、里見参謀、貨車の導入を果たして、歩兵の展開を迅速にする。これ、里見の持ち込んだ電撃戦に関する資料を見ての工夫であるか。ほんと、これ、勝てるのか、歴史は変わるのか。戦いの火蓋が切られるまでの武田と里見の会話。そしていよいよ戦端が開いてからの里見の武田に向けた語り。平和への強い願いが切実で、その思いを受けた武田の言葉、これも本心なのだろうけれど、果たしてそうなるものなのか。うつむいた里見の読めない表情に不安ばかりがつのるのですが!

『モンスターだってうまい飯がたベたい!』、ゲストです。バイトを探す高校1年生、成瀬葵。これ、家計簿つけながら今月も赤字と唸ってるわけですけど、おおう、えええ、つまり君、家系を担うのか。悲しい現実すぎる……。しかしこれで見つけたバイトがなんだかあやしい。しかもろくに面接もせず手をとって採用!! これに抵抗する葵、いいですね。やばい人だっ、やばい人だっ! この子に常識的な感性があるというのきっちり示されていますね。で、この店がタイトルにいうようにモンスター向けの食堂で、最近アニメにもなってますけど『異世界食堂』っていうやつ、そういう感じかと思いきや、あちらは広い意味での人類がお客であるのに対し、こちらは見事にモンスター。しかも人を弄ぶよ! タコなの? クラーケンなの? よくわからないのにうにょうにょされたと覚えば、吸血鬼のお姉さんにも散々からかわれて、けどちゃんとそういうのよくないって助けてくれるやつもいるんですね。あの狼男の兄さんかな? 葵と仲良くなったりするのかな? この漫画、モンスターの出入りする食堂っていうだけでなく、料理のレシピなんかも載せるんですね。なるほど、これもまたこの漫画の柱であるのですね。架空の料理ではなく現実に作って食べられるレシピ。今回はビーフシチュー。これ、いいのあったら試してみるのもよさそうですね。

  • 『まんがタイムジャンボ』第23巻第10号(2017年10月号)

2017年9月11日月曜日

『まんがタイムきらら』2017年10月号

『まんがタイムきらら』2017年10月号、昨日の続きです。

『ハッピーセピア』。みなみの様子がおかしい。ボランティア活動でゴミ拾いしてた時は元気だったのに、なぜか突然よそよそしくなって、いったいなにがどうしたのだろう。これ、戸惑いだったんですね。特に縁があったわけでない、なにかのきっかけがあったわけでもない、なのに気にかけてくれる人がいる。なぜか。それがわからないから、どうしたらいいかわからない。うん、これ、みなみの感情もわかります。でもここで、かえで、しくじっちゃいましたね。未来からきてることは話せない。だからと、中途半端に誤魔化してしまったせいで、みなみ、自分こと、誰かの代替と思っちゃったんだ。このすれちがい。みなみにとっては、かえでの特別なのではないかという思いがあったのかもなあ。実際にそのとおりなんだけど、このかえでのとりつくろいで、誰かのかわりと思っちゃった。みなみの傷ついてしまったこと、かえでもはっきり理解して、ほんと、この状況、なんとも切ないなあ。けれど、みなみにしてもどこか心残りのようなものあるようで、これ、状況の解決の手掛かりになってくれそうですね。というか、なってくれんと困る。

『オリーブ! — Believe, “Olive”?』、スズとコニーの関係が、いよいよいきつくところまでいきつこうというのでしょうか、いやもう、その場に立ち会うことになってしまったリリィがなんともいわれん表情しとるのね。よろしくヤルだコニーはロリコンだ、さらにはできてるダロ…これ。三人でいるのに、微妙に蚊帳の外といいますか、コニー、スズの間に入り込めないリリィが微妙にささくれてるのがおかしかったです。極めつけは最後のふたりの様子。もう完全にそこにいるリリィ置いてきぼりですからね。ええ、ほんと、立ち合ったリリィ、災難でした。

『はれーしょん!』、動画の完成まで辿り着きましたね。そして、この漫画のタイトル、はれーしょんの由来もきっちり語られて、ああ、丁寧だなあって思いました。丁寧なの、動画作りの最中、その過程の描写にも見てとれて、まさか著作権についてのレクチャーを聞けるとは思わなかった。著作権フリーのBGM使うとかかなって思ったら、まさか教育における例外が出てくるとは。そしてハレーション。白とびした背景、露出の失敗を、綺麗だからこのままでいいと晴が目を輝かせて、この失敗ともいえるものに価値を見出すことができる感性。それが大変よいなと。またそれをもって、皆のそれぞれの個性の発揮できる、そんな可能性に気持ちを向けていくというところ、実に青春の輝き感じさせてくれるもので、ああ、よいなあと思わされたのですね。

My Private D☆V、『疾風ういんどみる!』の晴野しゅーであります。さて今回のD☆Vポイントはといいますと、「黒髪×褐色」。って、あれー!? なんか意外! というのはですね、『疾風ういんどみる!』に黒髪×褐色の要素なくない!? って思っちゃったからで、実際今回のイラスト見ても、いつもと雰囲気違うと感じさせられて、いやあ、引き出しの多さというべきか、幅の広さというべきか、さすがでありますね。さてイラストです。褐色にもいろいろありまして、日焼けの魅力あらば、もとよりの褐色の肌もあって、その2種類、違う魅力持って描かれていました。おとなしそうに見える女子の、日焼けの褐色が際立たせるもともとの肌の白さあれば、エキゾチックな魅力溢れる美女、って、待って、この人、こないだやたら話題になってたあの人じゃん!?

  • 『まんがタイムきらら』第15巻第10号(2017年10月号)

2017年9月10日日曜日

『まんがタイムきらら』2017年10月号

『まんがタイムきらら』2017年10月号、一昨日の続きです。

『にーにといっしょ!』、状況進んでいきますね。兄がまいを狙っている。ともの誤解がどんどん進行して、いや、こやつ、誤解なのか? わかっててやってるんじゃないのか? まいを自分のものにしたい、その一心で、兄にあらぬ欲望があることそれとなく周知しようとしているのではないか。いろいろ不穏な子であるわけですが、すごいよね、どんどん自分の影響範囲を広げていく。まいからは、兄のこと気になってると勘違いされてるともですが、その嗅覚ゆえか、兄の身近にいる重要な存在にいきあたる。みくも。その行動もろもろから、兄のこと気になってるんじゃないか、まいに知らせて動揺させる。さらにそのままみくもに突撃して、兄のこと好きですよね。すごいよね。直接聞いちゃうんだよ。しかも協定持ち掛けるとかね。いやあ、兄と妹、そしてみくもだけだったら絶対状況動くことなかったよね。きっと膠着していたよね。そんな中にともが放り込まれたら、ここまで動くかという。いやもう、これからしばらくの動向、注視せざるを得ませんね。でも、ともが勝利することもないような気がするんですよね。

『ぽんこつヒーローアイリーン』。これ、めちゃくちゃ面白いな。バイトをやめたアイリーンとメロンに会いにきたジュンですよ。人見知りを治したい、ちゃんとふたりのことを知りたいっていうんだけど、メロン、アイリーンふたりともにまるで信用していないっていうのがあからさまで、名前聞かれてバレバレの偽名で答えるとかね、すごいなこの危機管理。しかも持ってきてくれたケーキ。部屋に招いて一緒に食べようというメロンの本心、毒が入ってるんじゃないかとか思ってたのか! すごいな、この危機管理。これ、最後の最後まで危機管理の徹底してるメロンがおかしいのと、そんなメロンがたこ焼きパーティーやりたがったり、お酒入ったらやたら弱気になったりと、ほんと、今回はジュンを通じてのメロン回でしたね。この人の警戒心と実はいろいろ弱いところ、可愛らしさ、そうしたもろもろよくよく描かれて、ほんとなんか放っておけない感じですよね。たまらんわあ。ジュンには放って帰られてしまいましたけどね!

『おとめサキュバス』。ヴェロルと接近していきますね。こちらの世界では偽名を使ってるのに、キュリアから、そしてみちるから、ばんばん本名呼ばれてしまう。ああ、セキュリティの穴だ……。でもこのヴェロル、いろいろ寂しかったりしたのかな。涼香から話しかけられて、ちょっと気持ちやわらいでますよね。いい表情でしたよ。最初は敵対してたように見えたヴェロルですが、だんだん距離が近づいてるのわかる描写、よかったです。技術もろもろを褒められても素直に受けとらなかったのがね、メロンパンもらって、そのおいしさに心もほころんだか。ええ、いい友達になりそうな感じがしてきましたよね。そしてここで新展開。ああ、サキュバスとしての課題、その進捗が評価されるというんですね。ああ、キュリア、ピンチじゃないですか。キュリアとともに女子校にいるルナもピンチじゃないですか。あ、ヴェロルもきっとそうですよね。いや、夢を使っていろいろやってるから、この子は大丈夫? ともあれ三人、どうやってこの課題を乗り切るのか、ちょっと楽しみですね。

『ボディーガードのいる生活』。ボディーガードの柊氏。この人、ただのボディーガードじゃないのか。剣術は3歳から。他にも武道の心得なみなみならぬものがあって、しかも実家は忍者の家系なの!? というか、なんか仙人みたいな話出てきてるな。いやもう、海月が戸惑うのもわかる。しかもその後の子供時分の話がおかしい。クラスの男子から目をつけられてるのはいいとして、名前、全然覚えてないとか、ほんと興味がないのか。ヌメ田とか呼ばれてる沼田がおしいっていってるの、いや、沼田君、いいやつだよ。しかも高校生のヤンキーにも目をつけられてるって、ないから! どんな小学生なんだ。海月の聞く、殺してないですよねがすごく効果的なアクセントになってましたね。そしてこの話、海月に信じてもらえてない。ほんと、これくらいぶっとんだナンセンス見せられて、見事、笑わせられました。

  • 『まんがタイムきらら』第15巻第10号(2017年10月号)

2017年9月9日土曜日

『まんがタイム』2017年10月号

『まんがタイム』2017年10月号、一昨日の続きです。

『パパは心配ご無用♥』。懐かしい人出てきましたよ。柴野高校野球部。おお、もいんだ、もいんだよ。『もいんの高校野球日誌』の最終回は、予選決勝のプレイボールで終わったのでした。それがこうして初出場決定となって、ああ、報われたねえ、報われたよ。およそ2年越しの悲願達成ですね。さて、娘大好きのパパさんですよ。ああ、お母さんすなわち妻の仏壇に話しかけている。ゾゾゾってありますけど、思いがあるっていうのはこういうものよ。声に出す出さないはあるかも知れないけれど、こうして死者とも語らうことができるのが人間というものだと思うのですね。って、パパさんはちょっと激しすぎるかも知れませんけれど。そして今回、山根に対する鈴原の剣幕。ああ、娘にいいよる男があらばこうしてリサーチするの間違いなしだよな! ほんと、この子、これまでこうしていろいろ聞かれてきたんだろうなあ。ということは、エリカ、モテるのか。

『おかわり自転車』。おお、自転車の整備ですよ。ミトとレイはお店に見てもらってるのだけど、コトコとなると自分でメンテナンスをするんですね。もっと愛着がわくといわれて、ミトもレイも一緒になって自分の自転車の手入れするんだけど、そうそう、錆びとか見つけるとショックだよね! わかる! 自分は自転車じゃなくて楽器だけどさ、いやあ、ショックなものですよ。マジかーっ!? ってなる。レイは自転車のフレームに傷を見つけてしまって、ああ、ショックだよね。この悲しそうな顔。うん、でもわかるよ。楽器に傷がいってる!? 理由のわかるものもわからないものも等しくショック。なんであの時、ちゃんと注意しなかったんだろうとクヨクヨするか、いったいなんでいつのまに……とクヨクヨするか。いずれにしてもクヨクヨばかりです。でもね、この子たち、前向きでいいですよね。傷も歴史だって、思い出のひとつだって。レイも傷の理由がわかって、その思い出こみで傷を受け入れたんだなあ。ああ、なんだろう、いい話。ええ、これはいい話だと思いますよ。

『友ちゃん!』。友ちゃん、太りぎみだ。まるまるしてる。でも、この子、ちんまりまるまるも可愛いよね。理由は食欲の秋だからっていうんですが、そうか、ご飯がいっぱい出るんだ。しかも全部食べる。うん、健康でいいんじゃない? 修一にデブと思われたくない。まったくもっての乙女心ですけど、修一はそのへん、ちっとも気にしてないんだなあ。友ちゃんは友ちゃんだからって感じでしょうか。ええ、修一のこういうところ、美点なんじゃないでしょうか。というか、見慣れてるから少しずつの変化に気づかないだけ? 修一が気づかず、父も気づかずの気づかず攻勢。それで高カロリー、メニューもたくさんとなると、そりゃあ太るわけか。ダイエット頑張った友ちゃん、スッキリしたの、あれ、なんかきれいだったな。可愛いというイメージの強いこの子ですが、自信もってしゃきっと笑顔見せると、こんなにもきれいになるんだな。そんなこと思わされたエピソードでありました。

『そとバンド!』、おお久しぶりですね。ストリートでギターの弾き語りしていた美多村ミイ。同じく路上で活動してた砂原と組んで、ふたりの演奏、結構好評なのか。ファンもできてきた感じ? 難度か見にきてくれている男の子。野呂田ニロ君。ファンじゃないっていうんだけど、ミイのこと好きだよね。シンガーになるっていってるこの子が、一緒にストリートに出ることになるんだけど、ミイに緊張ほぐしてもらったりね、いい距離感じゃないですか。ニロにとってミイはちょっと気になるお姉さんみたいですね。だけどミイからしたらニロは可愛い弟分どまり? 恋人つなぎとかさ、あとなにかあるたびに抱き付いちゃったりして、ミイはいいよ? でもニロ君は赤面しちゃって、いやあ、少年がまどっちゃうよ! しかしミイ。ニロにデュオを誘われ、砂原からも他のヤツと組んだら承知しねーとかいわれちゃって、おお、おお、モテモテだ! なんだろう、それですごくいい笑顔見せるミイ。これ、愛嬌ってやつだ! ほんとなんか愛らしくっていいですよね。

  • 『まんがタイム』第37巻第10号(2017年10月号)

2017年9月8日金曜日

『まんがタイムきらら』2017年10月号

『まんがタイムきらら』2017年10月号、発売されました。表紙は『スロウスタート』。なんだか躍動感に溢れたイラスト。皆がチアの格好していましてね、おお、凛々しい冠! ほんとなんだか意外でレアで、それでもって実に可愛い。いいですよ、いいですよ。冠が凛々し可愛いのもよければ、ふにゃっと緩んだようなたまての表情もキュートです。その後ろでジャンプする花名の顔に浮かぶ若干の戸惑いなど、この子らしさが見られますね。栄依子がなんだかおとなしいですね。ええ、これもちょっと意外? いや、なんか可愛くっていいですよ。

三者三葉』、おお、新展開。山路が見た。メイドと教師の和気あいあいと談笑しているところを! 薗部さんと里見先生、どことなく雰囲気が似ている。見た目も似ている。はたしていかなる関係なのか。これまでたびたび語られながら明らかにされていなかったこと、それがはっきりとなりました。ふたり、親戚! 遠い親戚! そうかあ、普通に育つと先生に、普通でない育ち方すると薗部さんになるという、ああ、けどその普通じゃない育ち方ってどんななの!? 自作の制服着て学校に出入りしてる薗部とその調子に乗ってる様子、最高でしたね。だははって。そして先生に遭遇しても、しれっと妹を装ってしのごうとする。いや、待って待って、名前とか決めてないのか。いきなりネタばらしする葉山ちゃん、さすがですよ。でも先生、冗談と思ってくれて、いや、それ冗談と思われてもダメージ食らうの、薗部さん。ともあれ薗部なのと決定。ああ、なのちゃん。可愛いなあ。薗部さん、素晴しいわ。というか、焦ってる薗部というのもなかなか珍しいんじゃないでしょうか。

『グラスのマーメイド』。ゲストです。ワイン売り場? あるいは専門店? 新人の井澤らんぷと面接に訪れた音羽ルミ。まだまだ仕事に慣れてないらんぷがルミを連れてお店を案内。主にワインを売るのが仕事。以上。って! あまりにも簡単すぎる! そう思ったら、らんぷ、先週入ったところなのか。そらわからんわなあ。店長春日彩芽がムチャな人っぽいといわれてたの、なるほど納得です。らんぷの案内で響と桜木姫香、お店のスタッフ紹介もとどこおりなくすんで、そして皆で少しワインを嗜む。確認というのですが、これ、らんぷとルミにとっては初の飲酒。あのお酒に酔って緩くなってるルミ、いい感じですね。

『おかわりシンデレラ』、ゲストです。三ヶ月ぶりに学校にいった灰河もこ。彼女を見てシンデレラと叫んだふたり。前世が魔法使いという三日月魔子と同じく王子という皇新奈。これ、前世云々というぶっとんだふたりに振り回されるもこの話なのかと思ったら、おおっと、途中からちょっと状況が違ってきましたよ。花沢美衣、この子がいいですね。前世が継母で、その上ふたりの姉も丸ごと引き継いでるっていう、継母姉全部のハイブリッドだっていう子なんですが、前世の因縁からシンデレラすなわちもこにキツくあたろうとしながらも、なんとも可愛いもこにすっかりやられちゃって、どうしてもいじわるできない。ええ、この子の葛藤、それからつきまとい? それに加えて、シンデレラの王子なのにキスを迫って嫌がられる王子とか、原作いや前世か、本来のありようとはちょっと違ってちぐはぐなやりとりになってるのがおかしくてよかったです。

『放課後すとりっぷ』、ゲストです。ストリップ!? ああ、絵のモデルなんですね。でも学校の活動だというのに、ヌードとまではいかずとも、下着のみになってのモデルとは、ちょっと気合いが違いますよね。描かれる人、白石さん。描く人は林檎。部活動とかじゃなく趣味なのか。どこかに出展するでもなく、ただただ絵を描くのが好きという。そんな林檎に白石が付き合う理由、それが語られるくだり、よかったですよ。半裸を、肌を見られるのが好きというわけじゃない。求めているのは意外性。じゃあ、その意外性とはなんなのか。そのサプライズの理由、これが私にとっても意外性あるもので、自分の事、自分の見た目が好きでなかった白石。けれど林檎の描いてくれた自分の姿は好きになれたという、ああ、このしみじみと静かに語る白石の、その面持ち、言葉の調子、それがとても素敵だと。また白石の言葉が林檎に引き起こしたもの、ええ、ここに転機がありますね。物語の動き出そうという、そんな予兆でありますね。

  • 『まんがタイムきらら』第15巻第10号(2017年10月号)

2017年9月7日木曜日

『まんがタイム』2017年10月号

『まんがタイム』2017年10月号、発売されました。表紙は『おとぼけ部長代理』、金魚すくいをする部長代理が勢いあまって金魚をすっとばしてるところ。いや、これ、金魚が逃げようとして思いっきり跳ねたのかな? 驚く部長代理の表情がいいですね。テーマは秋祭り、縁日の様子です。『まりあ17』まりあは法被着て、そして焼きイカをワイルドに食べる。『さわらせてっ!あみかさん』あみかさんは、ものすごい山積みになったたこ焼だよ! ほんと、ふたりとも、食べることに一生懸命すぎるよ。そして『両手に花村さん!』花村さん姉妹がひとつの綿菓子わけあって、ああ、仲良い姉妹。美しく花咲いてますね。

『瀬戸際女優!白石さん』。こないだ出てきたポスト白石、若木綾がいいですね。白石さんと共演ですよ。若手の若木をいじめる女上司役というんだけど、悪役をしたかったのか、白石さん。しかし、悪に徹しきれない白石さんとか、本気出すとタダではすまない白石さんとか、ナイス人のよさ、好感度あがりますよね。また態度の悪い若木綾も、なんだかんだで怖がりで、白石さん頼ったり、あと妙に可愛げあったりして、ええ、このふたりが仲良くなるのはどうも必然っぽいなあ。身の上話しあって、なんだかわかりあって、そして飲みに誘って受ける仕草の完璧さ。ああ、ふたりよいよ。いいコンビになりますね、このふたり。

『見上げればいつも妹が。』。模試の成績に悩む遥。ツブテが勉強見てやるっていうんですが、高校の勉強たって卒業して長く触れてないと、なかなか手が出なかったりするよね。そう思ったら、ああ、やっぱり駄目だったかー。妹の勉強に付き合って、職場でも勉強してるツブテ、いい兄よねえ。それ見て不穏なこといってる大杉、ブレないなあ。そしてこのツブテの勉強がね、ちゃんと遥の役に立つというのがまたいいじゃありませんか。おそらくは不本意な状況でしょうけど、でも頭使って疲れて、花マルに喜んだりして、ああ、兄の威厳やどこに。最後にね、兄の威厳を素直に受けてくれる遥、これがよかったですね。このふたりもいいコンビでありますよ。

『おませさんと憂いの31』。面白いですね。4歳の姪っ子に服を検分される叔父31歳。可愛くないとかね、ばんばんダメ出しされるんだけど、いや、そら、31歳男は着る服に可愛さは求めないよ……。あるものでなんとかシンデレラになってみせようとする姪ね、あの着こなしなかなかじゃんと思ったら、少しの間違いで新橋の姫に……。さらに間違い重なって、新橋の上司と部下に変貌していくところとかね、本当に面白かったです。これ、叔父31歳の、なにに対しても真面目で不器用、朴訥でといったところが面白みに繋ってますよね。最後のチャレンジとその結果もね、いやあ、おかしかったですよ。キャラクターが生きてますね。

『ボンジュール!仲居さん』。サラの成長と失敗描いて、そしてそこに働く仲間の助け合いとかね、実にいい話だったと思います。この助け合い、康弘のお客様に対する気配り、それと同種のものがサラに対してもあったのかも知れませんね。そしてそれは朋香においても同様で、この三人がこれまで少しずつ積み上げてきたもの、それがここにきて花開かせたものがあるといった風。読んでいて感慨深く感じるものありましたよ。サラの失敗に対してきちんとサポートし、はげます康弘がよかった。ああ、いいお兄さん、いい主人になりましたね。そして朋香がそっと差し延べてくれていた手! サラにもよかった。お客様にもよかった! ええ、これもまたこれまでの積み重ねあってのことだ。そう思わされて、ええ、皆のこれまでの歩みとそれが育ててきたもの、しみじみ感じいりました。

  • 『まんがタイム』第37巻第10号(2017年10月号)

2017年9月6日水曜日

『まんがタウン』2017年10月号

『まんがタウン』2017年10月号、昨日の続きです。

『俺の生徒は神メイド』。先生が先生っぽくなってきてる? きてない? 夏川から相談をうけて、教師になってはじめて頼られた、泣くほどだっていうんですが、いやいや、それはどうでしょう……。人望のない先生に友達のいない夏川。その夏川の相談は、ようやく親しくなった小鳥遊が水曜金曜にかぎっては一緒に帰ってくれない、避けられてるというもの。ああ、バイトか……。メイド喫茶でのバイトに対する偏見、軽く見られている実態に触れて、バレること警戒してるんだなあ。夏川に知られて引かれたら嫌だ。これすなわち、夏川に嫌われたりしたくないってことよね。知世子も夏川のこと大切に思ってるってことなのだなあ。さて、しかし、先生と夏川のあからさまな尾行。おかしい! おかしいよ! そして先生の夏川に話して聞かせる友達のこと。ああ、これが夏川にとっての転機になればいい。そしてこれがちょこるんにとっての転機になればいいと思いました。

『新婚のいろはさん』。始の結婚観、これ面白いなあ。これね、結構なところ、いい線いってると思いますよ。僕一人なら絶対行かない店。これってね、つまるところ相手の文化を受け入れて変化するってことですもん。ああ、いいこというわ、始さん。始といろは、ふたりで探索する街の様子も、ふたりの生活圏を広げていく試みに他ならず、ああ素晴しいなと、面白いなと思わされたのですね。知らないことは沢山ある。住んでる街のこともそうなら、結婚した相手のことにしてもそう。始、いろはは幼なじみだというけれども、それでもまだわからないことだらけ。それをふたり共に少しずつ知っていこうとする様子、ああ、これも結婚なのだろうなあ。この漫画、深いよ。ちょっとすごいですよ。

『中年マンガ家ですが介護ヘルパー続けてます』。おむつ交換、苦手だといってたの、克服なさったんですね! 皆が嫌がる、そんなおむつ交換も生き生き前向きに取り組んで、そうした姿勢が評価されたのでしょうね。鍵が渡された! いや、びっくりしたよ、まさかここでまた鍵を落とされるとは……。鍵のトラブル、二回目。以前はかけ忘れ、今回は落としてしまって、いや、でもこれまだ鍵を持ってるという認識、それが定着してないからこそ起こったんだろうなあ。でもほんと、仕事仲間、皆が親身に対処してくれるの、ありがたいですよね。リーダーも盾になってくれて、ほんと、これ、自分も失敗する方だから、自分のことのようにありがたさ感じましたよ。あのキーチェーンくれた人もね、ああー、いい人だー。これね、多分ね、誰もがそうした失敗を多かれ少なかれ経験してきて、だから今回の失敗も自分のことのように受け取ってるんだと思う。だから責めないし、はげましてくれるし、助けてだってくれる。ああ、本当にほっとさせられる展開でありましたよ。

『あいたま』。今回は秋沢先生がメインです。教師、アナウンサー、他、様々な仕事に従事する先生の、仕事に対する姿勢をかいま見ることができる。芸能記者やってる先輩にね、生徒のことは守りますよってはっきりいうところ、ああ、いい先生だなって思うじゃないですか。まだまだいたらないところはあるけれど、それでもしっかり取り組もうという姿勢がある。そうしたところを認めてくれている、はげましてくれるプロデューサーの言葉、これも実によかったです。そうだよ、やりたいこと、やらないと損だよ。これは自分にも届く、そんな言葉でした。そうだよ、遠慮してもしかたないものなあ。そして最後の秋沢先生もとてもいい。プライベートより仕事を優先せよというと酷な話、それはよくないよとなりそうなところではあるけれど、この時の先生においては、仕事とかそういう話じゃなかったんだろうなあ。ただただバニラのことが心配だった。これ、ひよこのライブにいった時の話ですね。ええ、あの夜のことをまた違うところから見守ってくれている人がいたのですね。

  • 『まんがタウン』第18巻第10号(2017年10月号)

2017年9月5日火曜日

『まんがタウン』2017年10月号

『まんがタウン』2017年10月号、発売されました。表紙は『ひなたの総務メイト』。どーんと中央にひなたさん。頼りになる、そんな雰囲気漂わせまして、おお、見事にヒロインでありますよ。単行本出るんですね。新連載の『みんな猫に恋してる』の告知カットもございます。『野原ひろし昼メシの流儀』、『新クレヨンしんちゃん』、『妄想しがちなすみれさん』のカットもありますよ。

『みんな猫に恋してる』。新連載です。転職してきた四方木。オフィスにいって驚いたのが、そこに猫が寝ている。最近はやりのオフィス猫ってやつかい!? そう思ったら、なんと役職ついてるんだ。課長。名前は島田。ネットでテレビでCMに大活躍。社の顔だというんですね。案内してくれた権田さん。この人は課長代理なんだ。けど実質的に課のトップはこの人ですよね。課のメンバーは、島田課長をかまいたくて仕方ない感じ。そんな中、一際クールさ発揮させてるのが鹿目さん。年上の女性。素敵じゃん。素気なくて、けど実は島田課長のこと気になってる……。なつかれない鹿目と、やたら好かれてしまう四方木。このままならなさに鹿目からの嫉妬も加わって、四方木いろいろ大変なことになりそうですよ。というか、鹿目の変化に期待をしたい感じですね。

『ほぼほぼ商店』、終わっちゃいましたよ。本保商店の若夫婦に子供ができました。それで商店街の皆も喜んでくれてっていうんだけど、ベービー用品の在庫が裁けるって、ほんと、みんな見事に世知辛いな。でもそれがこの漫画のよさだよなあ。頑張る気持ちを新たにする太郎さん。それを支える黒瀬くんというんだけど、炎上商法はやめよう! しかし子供ができたというので、太郎、ずいぶん意識が変化してしまいました。丸くなったんだ! いや、物理的にもね! そして最後に数年後。ああ、常連のふたり、すっかり育っちゃって、でも黒瀬の内面はあんまり変わってなさそうだな。そして新たな本保商店。ああ、みんな仲良さそうだなあ。いいラストだったと思いますよ。

『ちこはゲーセン一番星!』。今回も面白いなあ。ちこが店についたら着ぐるみがチラシ配ってて、それでいきなりかわいくないっていうんだものなあ、ちこさん、危険予知ができてませんことよ? 着ぐるみは頭も大きいから、大人の男性が入るとでっかくなりすぎて、威圧感が出ちゃうんだそうですね。だから多分ちこが入った方がよくなるはず。一度入ってみたかったというちこの希望もマッチして、ちこ in 着ぐるみが実現するんだけど、あー、そりゃそうなるよなあ、これ、つらいわ。でもここからのちこの頑張りがすごいの。めちゃくちゃおかしい。子供にいじめられても、店に引き込んで金をむしり取ってやろう! うおお、途中までいい話っぽかったのに。さらには休憩も早々に切り上げてビラ配り。これも店の売り上げのため! いやもうほんと。このモチベーションの高さ、見事でした。最後に特別ボーナスからのるん太くんはクマです。思いもしないところから落ちがついて、これはやられました。

『恋するヤンキーガール』。アヤメちゃんが浮かれておる。お祭りもとうに過ぎたのに、浴衣を手に踊り浮かれておる。そうか、よっぽど嬉しかったのだなあ。でもこれでギンジョーのこと構ってやれなくて、結果的にギンジョーが逃亡。アヤメちゃんはものすごく心配してるけど、ギンジョー、たくましいなあ。とりあえず鳥を襲って食ってるぞ。さらに野良猫たちも追い払って、こんなギンジョーを探索する途上、いろいろギンジョーのことを思い返したりしてるアヤメちゃん、ちょっとしんみりして、こういう雰囲気も悪くないですね。またギンジョー、子猫と出会ったりして、ちょっと面倒見てやってとかね、こいつもまた親分肌? いや一方的に懐かれてるだけ? ともあれ、頼りになる兄貴分。こういうところ、飼い主であるアヤメちゃんに似てるところなのかも知れませんね。

  • 『まんがタウン』第18巻第10号(2017年10月号)

2017年9月4日月曜日

世界のかわいいけもの!

 サーバルパーク』の時も話題になってましたけど、この写真集『世界のかわいいけもの!』もちょっと話題になってたみたいですね。アニメ『けものフレンズ』の人気を受けて企画されたと思しき動物写真集。便乗か! といわれれば、まあ便乗でしょうなあとしかいいようがないのですが、これね、はやってるから乗っかってやろうぜっていう商魂よりも、ずっと動物写真集出したかったんだけど、採算とれるか心配で踏み切れなかった。けれど今ならいける! 必ずいける! 作りたかったものを作ろうぜというノリがどこかしらから感じられて、ええ、こういう便乗ならありだよなあなんて思わされるのです。

しかしこの本はすごいよ! さすがにやりすぎじゃない!? そう思わせる構成になっていて、なんてったって書誌情報にある掲載動物一覧にツチノコまでいるという。ええー、どこで撮ってきた!? というのですが、なるほどこういう仕掛けかと思わせる作りになっていて、ええ、これは面白かったです。

この写真集、写真をうまくピックアップして、アニメ『けものフレンズ』視聴者が見たがるようなものを選んで配置してくれてますよね。例えばオグロプレーリードッグとかが顕著。たっけてー! っぽい格好の写真があり、そしてプレーリー式あいさつの写真があり、みたいになってる。コツメカワウソは石を持って遊んでる写真がちゃんと選ばれてるし、雪原での狩りでダイブするキタキツネも、温泉につかるカピバラも、そして疾駆するシロサイの躍動感! こんなシロサイの写真、はじめて見たよ! めちゃくちゃかっこいい!

個人的に気にいってるのはヤギですね。木の高いところにくる習性。アミメキリンがサーバルをヤギと誤認したネタですが、ちゃんとヤギが木の高いところに登っていて、ほらこいつら登るんですよーって、いや、やつら登りますけどさ、ほんとなんであんな登り方するんだろうなあ、で、その隣りのページがアミメキリン。いかすわ。アニメでやってた動物ネタ、それって実際ってこういう感じなんですよと教えてくれてる。あるいはピックアップされた動物の習性を紹介したくってたまらないみたいな、そんなウキウキ感があった。ほんと、これ、作ってる人、アニメも動物もどっちも好きだな。他のアニメへの言及もあったりするもんな。ええ、解説、結構いい感じなんですよ。

各動物の解説も、実際に対面した動物についての感想とかもあって、ああ、調べて書いてるだけじゃないんだ。その動物の雰囲気を実感もって伝えてくれるのは正直嬉しく思いました。巻末近くのコラムにおいて、サブカル→自然への振り返り、アニメを入り口にして実際の動物、自然を知って欲しいという監修者の望みが語られていたことも印象的でした。実際この本はその一助となるんじゃないか、そういう感想を持ったのですね。収録された動物写真、それが野生における本来の姿であるのか、もしかしたらキャッチーな姿を抜き出しすぎてしまっているんじゃないか、そうしたことを思いはしたのだけど、動物が魅力的に表現されているのは事実。自身、いろいろな動物のありかた、自然における姿を追って、収録された写真に感じたことが当たっているかどうかの確認含めて、彼らへの理解を深めていくのがよさそうでありますよ。

  • パイインターナショナル編集,大渕希郷監修・執筆『世界のかわいいけもの!』東京:パイインターナショナル,2017年。

2017年9月3日日曜日

カンムス・ア・ゴーゴー

いやあ、好きなんですよ。『カンムス・ア・ゴーゴー』がというよりも、この作者さんの作風がっていった方がいいですよね。ポンさん。『艦これ』とか『東方Project』とかでいろいろ描かれている人。Pixivにアカウントお持ちなので、実際に読んでみることできますよ。もともとはtwitterで流れてくるの見てたんですけど、今もtwitterアカウントはフォローしてないんですけど、それでも新作あるかなってたまに見にいきますよね。エロくない、ラブくない、おっさん提督のおっさんらしさがよくよく出ている。このかっこつけてない等身大のおっさん感が本当に味があって面白いんですね。というわけで、『カンムス・ア・ゴーゴー』、総集編が出てますよって、しかも2集ですよって、ということは1集もあるよね、あ、在庫あるじゃん、といった流れで買いました。買っちゃいましたね。

さっきいってましたおっさん提督のおっさん感、これら見るとわかってもらえるんじゃないかと思います。クリスマスの情景描いた『一二二四作戦』。ちょっとした日常コメディ『続・日替わり居酒屋』。おっさんの俺に年頃の娘の欲しがるものなんてわかるわけないだろ、とか、潜水艦最高かよとかね、あまりに最高でニヤニヤしちゃうんですよ。すごいよね、このバランス感。女子職場にひとり配属されたおっさん上司が直面する当惑みたいなものも感じさせて、職場における保身とか気遣いとか、すごくよくわかる感じがある。多少の哀愁。若干の距離感。かと思えば艦娘とのほどよい相棒感がたまらなくよくって、本当いい味出してますよ。

着任待ち娘』みたいなナンセンスなのもありますよ。これ、ほんとにおかしくって、そうか、そうだよな、任務娘とアイテム屋は最初からいたもんな。大淀、明石として加わっても、変わらず任務娘とアイテム屋兼任し続けてるもんな。でもほんと、よくこんな発想出ましたよ。もうほんと大好きで、そうか、まだうちに着任してない、つまりドロップしない艦娘もよくわからないどこかでなんらかの任を帯びてなんらかの雑用やってんだな。そう思うとドロップしなくとも、迎えられなくっても、まあいることはいるのさ、どこかでなにかしてるのさ、気持ちが楽になったんですね。まあ現実は、ドロップするまで機械のように反復出撃繰り返してるわけですけど……。

この方の漫画のいいの、バランス感だっていってましたけど、ナンセンスばかりでもない、コミカルばかりでもない。おっさんの悲哀っていうのもそればかりではないし、そして時に差し込まれる叙情、情緒なんかね、うまいわ、いいわって思うのね。ほら、あれ、どれだっけ、ええとネットでも読めると思うんだけど、ちょっと見つけられんかった。置きっぱなしのダンボール箱片付けてくださいねって漣に怒られるやつ。あれ好きなんだけどなあ。ええ、あの雰囲気、感触、互いにわかってる感じ。すごいと思うんですよ。ええ、この人の描く漣、すごくいいですよ。

とらのあな

メロンブックス

2017年9月2日土曜日

『まんがホーム』2017年10月号

『まんがホーム』2017年10月号、昨日の続きです。

『マツ係長は女ヲタ』。マツ係長、揺れ幅大きすぎて、なんか壊れてる感が出てきてますね。しろたんセンターがそれくらい係長にとっての大ゴトだっていうことなんですが、そのしろたんセンタージャケ。なんだかしろたんがしろたんじゃないみたいよ! しかしこの漫画の面白いの、マツ係長の怖れっぷり、ネットのいろいろね、これが妙にリアルで、いつものしろたんポジションにだいちゃん。こうなればきっとだいちゃんファンが黙っちゃいねえだろう。ネットが荒れてもすべて受け止める、そういったマツ係長だけど、そうそう、渋部長、絶対出ると思ってたよ。だいちゃん推しの人。泣き暮れてるんだ! 落ち込む部長をなぐさめるマツ係長だけど、部長の発言ひとつひとつに大ダメージ食らってるのね、これ面白いんだけどちょっといたたまれない! ああ、きついよな、わかるよ。これ、相手が取引先の偉いさんだから黙ってるけど、対等な立場だったら殴り合いの末に喧嘩別れもありえるパターンや。ここにツルさん介入させるんだけど、そうだよなあ、ツルさん、ビジネス関係ないし、そもそも学生だしで、いわばアンタッチャブル、無敵のポジション。ツルさん介入させて解決はかったマツ係長、有能ですよ。しかしこの人間関係、濃すぎて、ほんと、ウメ君、存在感がなくなりそうで笑えます。

『歌詠みもみじ』。父ちゃん、太りすぎや! パンパンになってるやん。この家の父ちゃんの太りやすい、あるいは太っても気づきにくい理由、納得でしたよ。普段から和服。ベルトに穴とかないから、体形変わってもそうそう気づかないっていうのね。そうやわ、そのとおりやわ。ものすごくよくわかりました。そしてこの家、父ちゃんに厳しい! まあこれはいつものことではあるんですけど、父ちゃんは自分に甘いからこれでトントンなのかな? 運動したらビール。母ちゃん怖い顔! ほんと、どんな目だったのでしょう。父に形から入らせない。お金がかかるから。けれど自分はダイエット器具、大量にストックしてしまってた母ちゃんとかね、ちょっとバツが悪そうですね。ダイエット食に巻き込まれてるもみじの顔とかよかった。これ、母も便乗してるんじゃないのかな。そして娘が入れるスイッチ。そして父の迷走。おお、マッチョパパ! そうか、娘はマッチョ、嫌でしたか。

『うちの秘書さま』。で、このマッチョがまさかのコラボレーション。自分の非力さにショックを受けるはじめ様。筋トレを決意するんですけど、メイドの皆、ムキムキはじめ様想像して嫌だって、あれー、マッチョは好かれないのん!? 意図されぬこのマッチョ2連発はなんか面白かったなあ。偶然のコラボレーションでありますねえ。女性よりもか弱いことが気になってたくましさに憧れるはじめの純情に、友人にほいほい便利に使われてしまうはじめの人のよさに、やる気になって本気の顔見せてくれたと思ったら最後にはやっぱりいつもどおりと思わせてくれる、そんなはじめの多様な有り様、それが見事に面白い。ええ、期待を裏切らないのがはじめ様です。

『マチ姉さんの妄想アワー』。「白昼夢のような」、もうのっけからおかしいなあ。愚か者には見えない服、その流行に一抹の期待を乗せるとかね、あのテンションアップと直後の無常、そのギャップが見事ですよ。もうシリーズものになってるやつ、泉の女神とか白雪姫の鏡とか、それら本当に面白くって、女王、プロデューサー業はじめるのん!? さらには女王の密かな楽しみ。めちゃくちゃ面白い。ほんと、すごい発想ですよ。そしてこうした中に、家事労働のネタはさまって、泣き出すお婆さんに、その正論に目が開くお爺さん、すごい、これ。そして人魚姫の話。ほんま、これ、すごいよ。めぐるパーツって、そうかおっさん由来だったのか。しかも人魚姫の声、次に託されるの、そういう目的か! これ、人魚姫としては困るわなあ。ほんと、姫の焦りもおかしければ、なんかいいことしてるみたいなこと思ってる魔女もおかしくって、ほんとたまりませんよ。で、「新手の村焼き」。泉の女神さーん! ほんと、この描ききらないおかしさ。もう最高でした。

  • 『まんがホーム』第31巻第10号(2017年10月号)

2017年9月1日金曜日

『まんがホーム』2017年10月号

『まんがホーム』2017年10月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』がメイン、お祭り、夜店ですね。スーパーボールすくい、そのすくった戦果の入った小袋、それをちょいっとかかげて下から覗いているらいかが印象的。ちんと座って、その表情に去来する思いはなんなのか。過ぎゆく夏に思いをいたしているのでしょうか。ええ、ちょっと哀愁ある表紙ですよね。他にはお祭りの装束『孔明のヨメ。』孔明と月英のふたりです。なにかいつもと違う印象、ちょっと元気な感じがいいですね。そして『マツ係長は女ヲタ』。カラワン通信手にした係長とウメくん。ああ、係長、やっぱりいいですね。この人好きですよ。

敗者復活戦!』、最終回でした。榎本と月穂サマとの会話からはじまるんだけど、ああ、もう榎本、なんだかんだで思うようにいってないなあ。業種がちがうわって、榎本の紹介やなかったんですか。人により変化があったり特になかったり、これからの変化を予感させたりさせなかったり。ほんと、なんともいえない後味、独特ですよ。大きな変化はなかった。かと思えば、桑原先生のお父さん、お母さん、離婚しちゃったとか、さらにその父がゆかし堂の新人とか! ほんと、これひとつの大きな帰着ではあるんだろうなあ。「分かっているのは道半ばということ」。この漫画はつまるところそれだったのかも知れませんね。ええ、進歩ありなし、それは本人がひとり思うことなのかも知れませんね。気づけば進んでるかも、あるいは思ったよりも進んでなかったり。人生ってのはこういうものなのかなあ。そんな感触、やっぱり独特です。

『転生したら蘭丸でした』。おお、転生ものだ。森蘭丸12歳。中身はアラフォーのおじさんだなんていうんですが、そうか、アラフォー元リーマンが信長の小姓となって、あんなことやこんなこと! わくわくしてきましたよ!? 21世紀に生きていたサラリーマンが戦国時代に生まれ変わって、それからの立身出世でありますね。信長とともに、もう少しで天下統一というところで命を落とす。その未来を回避すべく奮闘するってわけだな。STOP本能寺! 今回は蘭丸の上司である信長の人となり描かれ、そして問題の男、光秀と出会う。ネガティブでなのにプライドだけは高い、そんな光秀の面倒くさい人となり。それを実感させた上で、いざ攻略! ああ、中身おっさんの蘭丸、うまいこと生き残れますかね。目論見が成功したら歴史変わっちゃうけど、戦国の世を今と生きてる蘭丸には後のことなど知ったこっちゃないわなあ。ええ、レッツ歴史改変。はたしてうまくいきますかどうか。

『男女の魔法少女は成立しますか?』、めちゃくちゃ面白かった。ちょっと感動した。藤森葵と財前隆文。ふたりが向かうのは映画館。「魔法少女マロングラッセ」の応援上映っていうんですが、美男美女ふたり組みで映画とかね、デート? と思いそうなところが、まるでそんな風じゃない。むしろ果たし合いじゃん。隣の席の親子連れ、お母さんがちょっとひいてるのがおかしくって、で、これ、上映がはじまったらもっとひくっていうのね。おかしいわあ。お嬢ちゃんはね、高校生のお兄さんお姉さんが、必死の形相本心から全力投球でまろーん!! まろんちゃーん!! 喜んじゃってね、一緒になって応援して、すっごく楽しそうななけど、お母さんはすっかりひいちゃって、娘からちゃんと応援してっていわれても、ちょっと恥ずかしいからって遠慮がちで、でも、隆文ですよ、いいこというじゃん! 誰かを応援するのは恥ずかしいことじゃない! それからのお母さん、おお、なにかふっきれたみたいに声出しちゃって、その表情もすごくいいじゃない。もう泣けたね、このお母さんのために泣けたねえ。いい話やったわ。そしてラストのシーケンス、藤森葵…、やるじゃないか。あたぼうよ! うおお、いいなあ、このふたり。相棒じゃんよ。ほんと、この流れ、全部がよかったよ。

『天国のススメ!』。こども神輿にイタズラされるというので太一にお声がかかった。捕物班。はつみみでした、はいいんだけど、これ霊的なお友達呼んで、イタズラの犯人を心底震えあがらせちゃってって依頼なの!? と思ったら違いました。ああ、心霊案件なんだ。しかも太一を名指しなんだ。証拠写真に写ったんだ。たいちのせいだもん。すげえ! ほんとに名指しだ。これ発端が太一だったんですね。かつて太一の作った神輿の鳳凰。それが心を宿して、ずっと太一を待っていた。毎年遊ぼう、そういってくれたのに翌年からもうこなかったって、そうか、太一、卒園してこども神輿担がなくなったのか。それからずっと寂しい思いしてたんだなあ。で、それで太一を呼んだってわけなんですねえ。しかしなにがおかしかったって、太一のつれてきた友達、草間のあまりのハイテンションぶりに、太一の鳳凰が怖れてるっていうのね、どんななんだ草間。不思議も怪奇も草間のテンションにはかなわないのか。そしてこの決着ね。おおう、太一まで担がれちゃったよ! でも、太一こそはあんなでしたけど、鳳凰は楽しそうで嬉しそうで、いい味わいでしたねえ。鳳凰のゆるさ、これがまたよかったんですね。

  • 『まんがホーム』第31巻第10号(2017年10月号)