2016年12月31日土曜日

2016年劇場で見た映画

2016年も暮れようとしています。さて、今年一年の振り返り、2016年はこんな映画を見たというのをざあっとリストにしてみました。見にいった順。記録をとってたわけじゃないので、もしかしたら漏れがあるかも。KINEZOのマイスタンプ、予約して見た映画が一覧できるという親切機能なんですが、それでざーっと拾って、あとは捨てずに溜めてた映画の半券で埋めました。なんか抜けがありそうな気がするんだよなあ。ともあれ、2016年、劇場で見た映画であります。

見た順! 複数回見たのもあるよ!

  1. ガールズ&パンツァー 劇場版
  2. ガラスの花と壊す世界
  3. 007 スペクター
  4. オデッセイ
  5. キャロル
  6. サウルの息子
  7. サブイボマスク
  8. ズートピア
  9. デッドプール
  10. 帰ってきたヒトラー
  11. シン・ゴジラ
  12. 劇場版アイカツスターズ!
  13. アスファルト
  14. ティエリー・トグルドーの憂鬱
  15. コロニア
  16. ガールズ&パンツァー 劇場版 4DX
  17. この世界の片隅に
  18. この世界の片隅に
  19. きんいろモザイク Pretty Days
  20. 聖の青春
  21. この世界の片隅に
  22. 劇場版 艦これ
  23. ポッピンQ

アニメ優位、洋画優位でありますね。そうか、『オデッセイ』、今年だったか。『007 スペクター』は、スペクターのあのマーク。スペクターっていうんだからてっきり亡霊だと思ってたら、まさかのタコ。オープニングからタコ触手がジェームス・ボンドをもてあそんで、いや、これ、なんでまたタコ!? びっくりでした。随分前に見た、そんな印象だったのですが、そうか今年の頭に見てたんですね。

同様に『ガラスの花と壊す世界』も、今年の頭であったか、そんな印象。なんでだろう、夏映画かと思ってた。新年前後に見た映画は感覚的に去年の映画みたいになってしまうんでしょうか。『ガールズ&パンツァー』、これは2回目の視聴、最初に見たのは間違いなく去年なので、去年の映画。でも、ついこないだに4DX上映を見にいったので、逆にそういう印象がないんですね。まあ、上映が一年間ずっと続いてたみたいな映画ですから、『シン・ゴジラ』もそんな感じですよね。あとまだ見にいってないんですが『君の名は。』も年越しましたね。来年は『君の名は。』、見にいけるといいなあ。あと『ドント・ブリーズ』。

順位はつけません。そのかわり印象に残ったものだけいくつかピックアップ。『サウルの息子』、これ、なかなかにハードな映画です。ナチスの絶滅収容所が舞台。ガス室で殺されたうちのひとりが自分の息子だった。息子のためにユダヤ教の葬儀をあげてやりたい。それで収容所中をいったりきたりしてラビを探すのですが、このラビ探索の過程がそのもの収容所案内となっていて、そうかこんな現場があったのか、こんな作業をさせられていたのか、そうしたことがよくわかる作りになっていた。で、すごくひっかかってるんだけど、疑惑があるんです。これいっちゃうとネタバレになるんだけど、でもいわずにはおられない。はたして主人公は正気だったのか。息子といわれていたあの死体の子、あれ本当に息子なのか。妄想に取り憑かれた主人公が息子と思っているだけじゃないのか。ずっと疑ってる。誰か答を知らないか。

『コロニア』が実話をもとにした映画で、あまりに過酷であった事件が扱われている。そういうものだから、どこでやってるのかなあと劇場を調べて、ついでに一緒に見た映画が『アスファルト』と『ティエリー・トグルドーの憂鬱』。両方ともフランス映画ですが、『アスファルト』がフランス映画入門編といった風な映画。ちょっと不条理で、人間性、情のようなものを描いて、最後にはなんかしあわせな気分で見終えることができる。そして『ティエリー・トグルドーの憂鬱』、こちらはフランス映画の真骨頂といった感じの映画で、すごいよ、やりきれない。見終えたときにしあわせどころか、胸に割り切れないなにかを抱えて、ずっともやもやする。数日にわたってもやもやし続ける。そんな映画。今年見た洋画での私的トップはこれでした。あ、順位はつけないんだった。なんかね、他人事ではないんですよ。そうか、フランスもこんななんだなあ。人の暮らす世界には安寧なぞないのかも知れん。そんな気持ちになれる。日本も過酷なら、フランスも過酷。もちろんより過酷な状況なんて世界には溢れかえっていて、ああ、人の生きるということはやりきれないことであるのだなあ。

『この世界の片隅に』、この映画も見た後、頭のなか、胸のうちに残り続ける、そんな映画でしたが、『ティエリー・トグルドーの憂鬱』とは全然違う印象で、よりコミカルで、より衝撃的で、より悲痛で、よりしあわせで、前向きな気持ちにもなれる、そんな感触。全然カテゴリーが違うのだから対置するのもおかしいんですが、拭えないなにかがある。ずっと考え続ける、考えないではおられない。そういった観点からすれば、今年は邦画が『この世界の片隅に』、洋画が『ティエリー・トグルドーの憂鬱』、洋画次点が『サウルの息子』でした。

『この世界の片隅に』はもう何度か書いたので重ねてなにかいおうとは思いませんが、まだ見にいきたい。家族をつれていきたい、そう思うんですよね。はたしてその機会はえられるでしょうか。

2016年12月30日金曜日

『まんがタイムオリジナル』2017年2月号

『まんがタイムオリジナル』2017年2月号、先日の続きです。

『ぎんぶら』はバイオの星でのお話です。果物の品種改良に意欲的に取り組んでいるというんですが、なんだか方向性があやしい。名刺がはさめるポケット付き携帯キウイ、って、その意味不明さもすごいけど、それを発想する作者もすごいよね。そして本編に入ればさらに微妙ないし扱いに困る果物出てきて、これ、皮が勝手にむける桃はいいとして、中身は最初から分かれているって方向じゃいけなかったんですか? 一長一短なものが多い。パーフェクトってないもんだ。そんな感想が登場人物からも語られてますけど、ほんと、よさそう、そう思わせる長所を提示して、あ、これ、あかんそう、そう思わせる短所を後に出す、その長短の組み合わせがうまいんですよね。しかし、あのスイカ。あれ、カテゴリーとしてはサイボーグなんじゃないでしょうか。ほんのりとブラック、あやしげで危なげな雰囲気が醸し出された今回。いや、今回も、っていうべきかな。市長のダークグリンの、わかってて危ない領域に踏み込んでる感が最高でした。

『歌詠みもみじ』、大晦日から新年に変わる瞬間、もみじたち仲良し三人は一緒にジャンプしましてね、ああ、若いっていいことだな! 神社にお参りにいけばクラスの皆と出会って、おっぴらに出歩ける特別な夜です。近場のスポットともなると、友達と出会う機会も多くなりますでしょうなあ。ええ、昔の自分のこととか、思い出されます。背の低いもみじの苦難、うん、大変そう。あの必死そのものといった顔、もみじには悪いけどいい感じ。そして合流したお友達、まみ、あゆふたりの友情も美しかったです。うん、楽しそう。しかし、もみじ、普段はそうと意識しないんですが、ちんまり可愛いせいでしょうか、結構皆から可愛がられてますよね。そして最後に千恵の活躍。ああー、あの時の千恵の離脱、ここに繋がってたんですね。よくできてる。それにちゃんと連絡いれるいい子たちですね。

『北斎のむすめ。』、栄が画号をつけようとしています。それで他の絵師の画号を参考にするんですが、いや、栄は別に参考にする気とかなさそうだけど、親切に皆がどしどしアドバイスくれてるって感じだな。そうそう、北斎の画号の変遷、引っ越しとともに有名ですよね。なんか、およそ江戸を感じさせないような奇矯なものもあってびっくりさせられます。師匠から一字もらって本名からの一字とあわせる。なるほど、国芳も広重もそうなんだ。皆の本名もしっかり紹介されて、覚えなくていいよ! って、北斎先生、酷いな。ここで栄の画号のヒント出ましたね。途中まで忘れてたんですよ。そうだよ、北斎の娘といえば応為だよ。知ってたよ。由来とともに知ってたよ。けどこの漫画ではさらに一捻りして、なぜ応為に決まったか、そこまで面白く見せてくれた。ところで再登場の吉之助。ああ、この人、お栄とどうにかなっちゃうの? いや、栄の様子見てるかぎりそんな風にはなりそうにないんですけど、でもどう転ぶかとかわからんからなあ。ええ、楽しみにまいりましょう。

『部屋にマッチョの霊がいます』、木葉の食生活が貧しい理由、判明ですよ。なるほど、アニメのグッズにお金を投じている。ブルーレイディスクが高くって、って話なんですが、わかる。すごくわかる。同時に、木葉のアニメが支えになってるっていう話。不健全だなあ、みたいにも思うんだけど、わかる。うん、わかる。そして職場での木葉です。ちょっとキツい三枝さんと休憩おなじになって、木葉、すっかりペース崩してる。別に悪い人じゃないんですよ、三枝さん。見た感じ、さばさばしてるだけって感じですし、むしろなんか変に気をまわしたりしない分、付き合いやすい人なんじゃない? とか思っても、木葉が苦手だっていうんならしゃーないよなあ。と思ってたら、レジにて、トラブル発生ですよ。常連であることを連呼するお客さん。カバーをかけろとガミガミギャンギャンいってきて、三枝さんがうまいこと引き継いでくれたんだけど、木葉、きっと三枝さんを怒らせたとかいって、ちゃんと話もしないで帰ってしまった。木葉、あかんたれだわ。マッチョ幽霊、アッコの気持ちもわかる。そりゃもう筋トレさせるってもんですよ。でも、この筋トレで解決しようというアッコ。少なくとも木葉に関しては余計なこと考えて深みにはまること回避させてるわけで有用ですよね。そして三枝さんも全然怒ってなんかいなかったし、むしろあのお客さんには難儀していた。前からこんなだったって、なのにそんな人に木葉泣かされてしまってるの申し訳ないって謝ってくれて、ああ、木葉、よかった。ちょっと世界が広がったじゃん。ほんと、木葉、放っておけないこの子。アッコさんいてくれて、またバイト先でもいい人とめぐりあえて、ほっとさせられます。

  • 『まんがタイムオリジナル』第36巻第1号(2017年1月号)

2016年12月29日木曜日

『まんがホーム』2017年2月号

『まんがホーム』2017年2月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』、らいかが振袖晴着で、手にひよこ。ええ、酉年でありますから、ですね。着物のお嬢さんはらいかの他に、『まなびやユーレイ』から、そして『孔明のヨメ。』からも登場でありますよ。楯山ヒロコ、最新作! として『週末親子』の告知カットもございます。

『週末親子』、新作であります。漆黒の衣に身を包み。そんなこと考えながら黒いパーカー着ている女の子。はたしてこの子はなにをしようというのか。なんと、妖怪お父さん起こしなのだそうです。休みの日、ゆっくり朝寝を貪ってるところにダイブして起こしにくる、そんな妖怪。小学生か。名前はユカ。朝ご飯も作ってくれて、ホットケーキに炒飯と豚汁。できるものをどんどん作るスタイル。そして午後は父娘で近所の公園にいって、そのほのぼのとしたやり取り。途中、一緒になったパパさんに、娘さんいくつかと聞かれて小5のところを小3って答えちゃったりね、ああ、細かいことは気にしないのかなあ。そう思っていたら、ああ、訳ありなのですね。週末だけ父娘をやっている。しかしそれがなぜなのかはまだ語られず、ええ、こんなに仲のいいふたりなのに、なぜ? というか、本当に父娘なんだよね? とそうしたところも気になって、ええ、しっかりひっかかり作る、そんな第一話。なかなかにいい出だしではないでしょうか。

『宇宙ファラオ☆パトラちゃん』、のあが酷い! 冷蔵庫にシャボン液のボトル入れておいて、パトラが飲むんじゃないかと面白がって観察していた。どうしてそういう危ないいたずらするの! れあに怒られて、ほんと、のあ、怒ると怖かったりみたいなこといわれてきたけど、これはいよいよパトラに対して気を使わなくなってきた? その本性を露にしてきた? だとしたら、そうそう悪いことではなかったりするのかな? また、のあが悪くなってきた分、れあがいいお姉ちゃんしてくれてるから、バランスとしては悪くないかも知れません。今回は、そのれあのいい表情ですよ。パトラにシャボン玉を教えてくれた。地球の遊びは面白いってはしゃぐパトラに、このまま地球に住めば? ああ、いい笑顔。ふにゃっと柔らかで、優しさの影に憂いも感じられる。そんな彼女らのひととき。いずれくる別れを意識しながらの日常の様子。なんだか切なくもあり、そしてれあとパトラふたりのお昼寝、あのしあわせそうな様。たまらないものありますね。ねえ、もう終わっちゃうの? もうすぐ最終回なの? ホルスの見るパトラの絵日記。もう、しみじみと王女の日々を愛おしんでいることがうかがえて、ホルスならずとも、目を細めて見ずにはおられない、そんなよさありましたよ。

『マツ係長は女ヲタ』。なんか個性的なお嬢さん、登場なさいました。いきなりの、キャー、セクハラよー!! マツ係長のデスクにエッチな本置いてます! エッチな本というの、『週間セクシー』なる雑誌なんですが、いったい誰がこんなことしたというのでしょう。いや、これ、どうせカラワンがらみの記事だかが載っとるんですよ。当たりでした。しろたんのグラビアが載ってるらしい。セクハラ疑惑、それ私のと言い出せなかった係長をウメ君、自分が泥かぶるかたちで助けてくれて、いやあ、ウメ君、忠臣ですなあ。ともあれ、しろたんのグラビアについては、需要あります……? え? ストーンじゃ駄目? いいやん、ストーン、可愛いやん。うん、マツ係長、ゆうたげて。ストーン、シルエットが美しいやん。アイドルのファンの悩みどころ、これが面白かった。おじさん向け雑誌みたいなの買うのに女性は抵抗あるとか、逆に男性は女性誌、ティーンズ誌を買いづらいとか、ねえ、ほんと、もう、気にすんなよ! 冒頭のお嬢さん、マルちゃん、この人、面白いですね。ちょっと決め付けが強いところありますけど、ウメ先輩、女に興味ないじゃないですか! いや、それ、どういうこと!? というか、ウメくん、梅太って名前なのか。彼女にフラれる様子が活写される! 酷い! いや、どちらが!? 彼女!? ウメくん!? ウメ君かなあ。職場におけるマルちゃんの追求の厳しさから、ノイローゼ気味になる同僚が出たり、そしてマツ係長、カムアウト!? かと思いきや、ウメ君の発言がまたマルちゃんに誤解されてるみたいで、ほんと、ここの人間関係もいろいろおかしいなあ。そしてやっぱりウメ君、マツ係長から狙われていて、ええ、もうアイドル活動、ああ、ファン活動ね、頑張りましょう? ねえ、きっと楽しいですよ。

『孔明のヨメ。』、士元が訊ねてきましたよ。種を取りに、というんですが、どうも本題は徐庶からの手紙、こちらでしょうか。今は軍師やってる徐兄。手紙には襄陽の市場価格についての問があって、穀物や酒の値段は上がってないか? 特に動きは見られない。しかしこの問に、なにか違う真意をうかがうのが孔明なのですね。ええ、曹操の動き、禁酒令の意味するところを知りたく思っている。そして孔明は、その疑問にすらすらと答を用意して、うおお、すげえ。でもって、この説を士元も違う側面から補強していく。ふたりの推測に対する答は数日したら出て、曹操、北へ向けて出陣。ああ、こうした戦、紛争、もろもろの動き、今の時代にもあちこちでそうした出来事あるわけですけど、凡人の自分には事があってはじめてそうと知ることができるにすぎない。もしこれが孔明のような才ある者なら、市場はじめ様々な情報をもとに、どこで、誰が、なにを狙っているか、そうしたことも見抜けるのかも知れませんね。この漫画に描かれる孔明や士元のような歴史を見る視座。すさまじいものであるなあと、我が身を振り返って思うのですよ。

敗者復活戦!』は月穂サマ、桑原先生が対面です。はたしてどうなる? もうね、まったくはずまない話。なんとかコミュニケーションはかろうと苦慮する桑原先生に対し、月穂サマのつれない態度。すごい。びっくりするレベル。隠れてこの様子うかがってる榎本、夕記もヒヤヒヤですよ。月穂サマと桑原先生の関係、あらためて確認されましたね。月穂は2番目の姉。すなわちふたりは姉妹。似てない姉妹だなあ。現状をなんとかしたいと思う妹に、なに考えてるかようわからん姉。10分と区切ったら、なにがあっても10分で終わりなのか。すごいな。でもって携帯の番号を交換するふたり。登録名がメガネとオバサン。仲悪いな! いや、でも、メガネ、可愛いな! これ、どんどん話が、状況が動いて、ハラハラがとまりませんね。桑原先生は、ちょっと夢見ちゃってたかな? みたいに傷心だし、さらには月穂サマ、長姉を巻き込む方向に舵を切って、というか、それって挑発!? 挑発ですか!? 桑原先生、月穂サマの様子を探ろうと、夕記、ニーナにコンタクトとろうとするものの、夕記は榎本の産直野菜に浮かれて、これまで見せたこともないような表情してるし、ニーナはニーナで聞き出せそうにないときた。ええ、この漫画、繊細な人、気を使う人ほど苦労するタイプの漫画だ! いや、辻灯子の漫画はいつだってそうだったような気がする! ええ、面白くなってきましたよ。桑原先生、うまくこの状況を乗り切って!

  • 『まんがホーム』第31巻第2号(2017年2月号)

2016年12月28日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2017年2月号

『まんがタイムきららキャラット』2017年2月号、発売されました。表紙は『ブレンド・S』、アニメ化告知の文字が踊っております。メインに苺香。ドSのキャプションがついてるのがなんかおかしいですね。ええ、お店のスタッフ、勢揃いといった様相。わあっと集まってきた、そんな賑やかさあるイラスト。そこに、ツンデレ、妹などなど、店での役割が添えられているってわけです。しかしこの店での役割、奥の男ふたりには店長、キッチンとまともなのがあって、他が全然そうじゃないっていうの。この店の仕様がわかってないと、まったくもって意味不明でありますよね。

『花降り宿のやどかり乙女』、新連載です。しかも2本立て。なんと、思い切った投入の仕方だなあ、そう思ったんですが、いや、これ、大正解だと思う。実家の民宿を守り立てるべく母の友人のやっている老舗旅館にて住み込みで修行することになった千歳六花。大きな旅館、格式もあって、粗相すれば看板に傷がつきかねない。そうしたプレッシャー感じながらの修行の状況。先輩にして旅館の子、雪についていろいろ習って、学んで、気づいていく、そうした見せ方はオーソドックスで丁寧、細かくそつなく仕事の情景描きつつ、雪と、その妹である花と、関係深めていく描写は確かで、ああ、これいい感じですよ。2本立て、1本目は六花、九条屋旅館を訪れるの巻。女将の月子に目通りして、そして娘の雪、花と出会う。ええ、まるっきりの導入なんですね。六花がどういう子か、雪、花もどんな子であるか、それが描かれる導入。そこに続いて2本目で、さらに雪のキャラクター描きつつ、その仕事に対する気概など見せて、ああ、いよいよ六花の修行がはじまる。その第一歩が見事に示されました。ええ、2本揃ってばっちりこの漫画の前提が整った。2本立ての効果、抜群です。

『リラのお菓子な魔法』、こちらも新連載。やはり2本立てで、その効果抜群ですね。1本目で導入、登場人物をざっと紹介して、そして2本目でひとつの事件を解決まで導く。こちらはファンタジーですよ。いたずらな妖精がいたりする、そんな世界での物語。お菓子屋の娘リラが遭遇した変わり者の考古学者。ルーですが、この人、大丈夫なのかな? 街の遺跡に興味がある。しかしこの街は、この街にのみ出る不思議、魔物に手一杯。魔物は人の願いを食べ、そうして作り出した魔法を人に授け魔法使いにする。リラもそのひとりだっていうのですね。なるほど、タイトルのいわんとするところが見えましたよ。お菓子屋の娘にして魔法使いのリラ。この子がお菓子と魔法を駆使して人助けをしようとする。その根本には、失われた自分の記憶と魔法の源を知りたい気持ちがある。今回は魔物の力でもって結界に覆われた高地に連れ去られてしまったルーを助けようと奮闘して、ええ、その過程、ルーとの問答でもって、少しずつリラの事情や思いが開示されていくのは実によかったです。同時にコミカルな展開、やりとりもあって、漫画としてのおかしみはここにあるって示してくれる。過程に面白さを、そして目的もしっかり提示して、ええ、読み応えある初回の2本でした。

『プリフリ番長』、ゲストです。いや、これ、面白いですよ。最初、どういうことかと思いました。教師も手に負えない史上最強の三人組、だそうですが、学校で番をはってるってやつですね、でも、服装がなんか変。いや、別に変じゃないんだけど、ミスマッチ? みんなフリルのリボンのと着飾っていて、あー、プリティでフリルな番長なのか! しかし、なんでこんなことに? って説明、ちゃんとやってくれるんだ! 私立魔裏惡高校、って、いや、待って、どういう経緯でもってこんなおどろおどろしい名前の学校に!? というのはいいとして、マリ高最強のトリプルトップ。デッドエンドリナ、金色のミント、斬鉄桃花。この3人が可愛いに目覚めるまでの展開、これがえらいおかしい。レディースの集会への招集がかかったリナ。集会には正装でいくんじゃないか? そこで出たドレスコードという言葉に理解が追い付かず、ドレス着ていくもんだと勘違いしたってわけかい? それでもってヒラヒラに!? しかも憧れの先輩に可愛いといってもらえて、嬉しかった!? ほんとそこからの転がるような変転、見事でした。勢いってやつ? 有無をいわせず可愛いに塗り替えてしまう。舎弟の白玉も混乱してツッコミが追い付かない。いや、ほんと、これ続きがあるならぜひ読みたいです。

『ダメイドスクール!』、ゲストです。メイドの専門学校に入学した相田芽衣。なぜメイドを志そうと思ったか、そこには幼稚園時分の友人との約束があって、その子の名前が倉糸野音菜。その名前だけを頼りに、倉糸野メイド専門学校、同じ名前のついた学校に飛び込んだというんですね。芽衣の推測は大正解。しかし、倉糸野の家のメイドの門は狭く、芽衣はというと成績もよくなく、またいろいろ鈍臭い。そんな芽衣が倉糸野家のメイドになれるのか!? 芽衣とさっそく仲良くなった真理瑠。優秀なこの子に助けてもらいながらうまいこと乗り切っていく? あるいは、再会したお嬢様、音菜は芽衣のこと大のお気に入りで、この子のプッシュでどうにかなる? なりそうにないんだけど、そんなダメメイド、略してダメイドか、芽衣のメイド修行、期待してよいのかいかんのか、わからんながら、きっといろいろやらかしてくれそうという、それだけは間違いなさそうですよね。

『ご趣味のすすめ』、これ、なんかすごいな。たしなみ女学院の秘密は、お嬢様学校でありながら、生徒の98%が女装した男子生徒だということ。なんでそんなことに? というか、なんでそんな設定に……。昨今はやりの女装男子、男の娘というやつか……? と思ったら、数少ない女子4人で構成された唯一の部活、女子部が主な舞台となる模様。なるほど、特異なシチュエーションを用意して、あえて女子ばかりの部活動を舞台に? と思ったら、そこに女装男子がひとりまじるのか。いろいろ考えても仕方ない、そう思わせるような状況、前提に、いろいろ考えても仕方ない、そう思わせるようなやり取り、ナンセンスな言葉の応酬があって、脳で理解するよりも感じることを要求する。そうした雰囲気。ええ、まずは飛び込んで、感じるままに受け入れてみるといいのかも知れない。そんな漫画でありますよ。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第13巻第2号(2017年2月号)

2016年12月27日火曜日

『まんがタイムオリジナル』2017年2月号

『まんがタイムオリジナル』2017年2月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』、山下ナースが巫女の装束してますよ。手にはヒヨコ、たもとにもヒヨコ。山下さん、口がピヨピヨ。ああ、来年の干支、酉ですもんね。『小森さんは断れない』小森さんは晴着着まして、絵馬には健康の二文字。ええ、いい笑顔です。娘らしいはなやかさ。実に魅力的。そして『らいか・デイズ』らいかはというと、いつもの普段着、コートにマフラー、それでもっておみくじやったら、くじがボロボロ落ちちゃって、いや、これ、どうなんだ、運がいいのか悪いのか!? あの慌ててる顔がおかしいですよ。

『コスプレ先生の絵画教室』。ななみさんの人間関係。その深みというか腐れ縁? 語られていきますね。手持ちにいい衣装がない。なのでいつものレンタル衣装の店にいくわけです。ここ、なんでもあるな。しかも普通のじゃなくきわものまで揃ってる。というか、きわものメインじゃないのか、この店? 学生時分からの付き合いで、なにかあるとななみに頼ってきた、そのツケのせいで今誰もななみの頼みを断れない。あの表情。ほんと、どんだけ借りがあるんだろう。レンタル店の衣装モデル。まながやってるの、好評だというのはいいんだけど、理由が切なくて泣けてきますね。でも、あの露出多い服、ポーズとってるところね、なんというか、色っぽかったりセクシー! みたいなことはない、なんかぼーんとして当たり前、普通そのものといった風なんですけど、それが妙にいいと思えるものあって、ええ、やっぱり好評なのはまなちゃんの魅力あってのことなんですよ! いや、ほんとかなあ。ともあれ、この頼み頼まれの関係。なんか慣れるとまずそうな気がしますよ。

『スズちゃんでしょ!』。なんと祭に呼び出されて、スズちゃん、合コンに出るっていうんですよ。合コンと聞いて、合混、化繊? とかいってたスズちゃんがですよ。そして合コンの状況。ああ、スズちゃん、あかん、うまいこと乗り切れそうな感じがしない。指輪ならぬ指ぬき装備とかね、最近なににお金使った? 問われて答えるは、雨どいの交換! 東西両方……。面白い、面白いんだけど、うん、さすがに駄目と思ったか、スズちゃん、顔色失ってますね。でも、そんなスズちゃんだからいいんだと思うわけですよ。終盤のID、メアドの交換、携帯電話を忘れたといってしのいでると思いきや、本当に見つからなくて困ってる様子とかね、ほんと、スズちゃん、マイペース。今回の合コンは、祭の策略だったのだけど、まったくそれが通用しない。そこにスズちゃんのらしさがあるのだと思います。というか、少々どころでなく浮世ばなれなさってますなあ。

『カントリー少女は都会をめざす!?』、面白いですよ。大河さんミカン好きですか? 八重に問われて好きと答えれば、いっぱいもらったからおすそわけあげますという。ミカン大量にもらうのは、田舎のたしなみなんでしょうか。みなちゃんもいっぱいもらってる。箱単位でもらったりしてた。勝手に玄関にどーんと置かれていったりする。すごいなカントリー。大河さん、ごんぎつねを想像するレベル。いや、八重さん、ごんぎつねあきませんか。泣いちゃいますか。ですよね。でもそれで舌切り雀になっちゃうの、こいつはおかしかったです。おかしかったのはこれからですよ。大河さんにミカンをあげる。ビニール袋じゃ恥ずかしかろう。しかしそれでなんでお洒落なお菓子店の箱につめる? 高級な果物ってこんな風に売ってますけどさ、大河さんの反応見るに、今回の八重のたくらみは、見るからに無理してるっぽいミスマッチみたいですよ。あの東京に憧れる八重の、箱にまで特別なものを見てしまうところ。そんでちょっと都会の味には馴染めなかったところ。ああ、八重、とてもいいわ。無理してるっぽい。根がとても素朴。とてもいいわ。この子大好きです。その後のやりとりもほんと面白くて、この漫画の肝にあるキャラクターの魅力、やりとりの軽妙さ、素晴しいものがありますよ。

『ゆとりの町長』、新作です。東京の大学にいって、就職して、そして地元に戻ってきた主人公、町本ゆとり。あまりに変わりなく、低迷の続く町の様子にうんざりしながらも、それを変える力は持たない。そんなゆとりに風が吹いてきた!? いや、酷い話ではあるんですよ。高城センパイ。東京のいい大学にいって、バリバリやってた高城センパイ。その人が今、町に戻ってきている。ゆとり同様にニートをやってる。それ聞いて喜んじゃうんだ、ゆとりさん! ともあれ、高城センパイ、次の町長選に出る。この町を変える気満々なんじゃないか! と、その希望がさ、見事に粉砕される様ですよ。酷い! さすが小坂俊史だ! そう思いましたね。昔の男とヨリを戻して、東京に戻ったっていって、事務所に残された面々の悲痛な顔! で、ゆとり、なにを勘違いしたか、その高城センパイの志を受け継いじゃう! いや、これ、ほんとに町長になれるのん? 選挙に負けて供託金払わされるエンドでもおかしくないと思ってる。というか、ゆとり、ほんとに勘違いだった! すごいよ。さすが小坂俊史だと思いましたよ。

  • 『まんがタイムオリジナル』第36巻第1号(2017年1月号)

2016年12月26日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2017年2月号

『まんがタイムきららMAX』2017年2月号、先日の続きです。

はんどすたんど!』、夏休みが明けて、いよいよ2学期。ななみがなんだかんだ無茶いって、学校いきたがらない。結界があって家から出られないみたいなこといってね、そこをゆかちーに拾われるんですけど、ななみのよくわからない話をわからないまま適当に受けてるゆかちーが面白かったです。ななみの姿、自分のそれとちょっと重なる。なかなか抜けないお休み脳。課題もいい加減にしかやってなくて、学力テストで痛い目見る。うん、我が身を振り返りじっと手を見る……。体操部の皆、それぞれに真面目で、そんな彼女らをななみがこれでもかとひっかきまわす。楽しい。そしてやっぱり真面目なあまね先生。ことねにいたずらされて、それが一瞬部員にバレるところとかも面白くって、ほんと、この漫画、こうした罪のないドタバタがおかしい。そんでもってななみ、33点。ええ、かつての自分を振り返る思いですよ。

『どうして私が美術科に!?』、これはいい展開です。桃音が黄奈子のうちにいきました。合同制作の絵を回収しにいったんですが、そこでの黄奈子とのやり取りが本当によくって、黄奈子、美術科に入ったこと、まだ納得できてないのか。それでもういっそ学校も辞めてしまおうか。そんなこといった時に桃音がですね、いうんですね。ああ、切実なその言葉ですよ。間違えて美術科に入ってしまったこの子にとって、黄奈子の言葉は支えであった。だから簡単にやめるなんていわないでください……。その桃音に答えた黄奈子の言葉、それがまたよくて、そして最後に黄奈子が今の鬱屈をそのまま表したかのような絵に桃音が加えた一筆。ほんの少しで大きく変えてしまった、その一筆。そのまま黄奈子に向けた桃音の思いに重なるものかも知れないって思いました。

『JKすぷらっしゅ!』、えらいことになってる! 水着着用が校則で義務づけられてる、とはいっても澪花みたく水着丸出しで登校するこたあないよね! と思ってたんですが、まさにその水着登校が仇となってしまいました。満員電車で、ビキニの下が失われてしまった! パレオがなければ即死だった! って、そのパレオ、ちょっと! 透ける素材じゃん! さすがに恥ずかしがる澪花。そのピンチに手を差し延べるかなた。でも、澪花、恥ずかしがるポイントおかしくて、いつもはビキニ with パレオ。それがスカートになると恥ずかしい。なんで!? おじさん、わかんない。おじさん、わかんないですよ! 運悪く服装検査があったりね、それで澪花、潔のチェックを受けて、水着着用でないことバレちゃったり、って、いや、むしろ今の方が普通なんやからね? 澪花の水着不着用問題は故意ではないとしてとがめられず、また先生が水着喪失に関わってた、すなわち問題無事解決となったわけですけど、はたしてこれでめでたしといっていいのかどうなのか。ええ、普通とはなにか、それを改めて問う問題作であったと思いました。しびれます。

『夢見るプリマガール!』、文化祭のステージ。本番直前の舞台袖にて脚も震えんばかりに緊張している面々。そんな彼女らに先生のいった言葉。ダンスから離れていた先生がまた踊りたくなるくらいのものを見せてくれるのでしょう? それで気持ちが切り替わる。いつも通り踊るだけ。観てもらって初めて完成する。その言葉とともにはじまるステージですよ。ああ、この躍動感。コマを贅沢に使って、大きく描いた人物の動き感じさせる描写。その流れも美しく、四コマ漫画の制約をむしろ逆に活用するかのように、引いた絵でステージの流れを描きつつ、ぐっと寄ってダンスのダイナミズムを表現する。ふたつの要素を併存させて豊かな誌面。全員が揃って決めたラストの決めも素晴しく、ああ、本当に魅力的な描写の連続。息をのんで引き込まれる、そんな力感たっぷりのエピソード —。素晴しかった。最高に素晴しかったです。

『ぱぺっとコール!』はクリスマス会。先生のお家に集まって、というんですが、先生、妙齢の女性なのにイブの夜、予定なしというんですね。素晴しい! 自宅での先生、着ぐるみ部屋着で超キュート。素晴しい。ほんと、先生の魅力が爆発してました。ケーキ6等分失敗とかも、ほんと、最高だったと思う。あと、プレゼント交換。栞のプレゼントが変な油染みって、すごいな、嫌な感じ、ものすごくする。でもって、先生酔っぱらう。手にちょっとついたワインでつるちゃんも酔っぱらう。お酌するのが気にいったほとりん。それを形容して、歯医者さんのコップみたいになってるよっていうの、この発想、ほんと、めちゃくちゃ面白かったです。酔っぱらいふたり。ソシャゲひとり。食い倒れひとり。放置されるサンタクロース。そう思ったら、千冬が絡みにいく絡みにいく。もう、たまらんおかしさでした。

  • 『まんがタイムきららMAX』第14巻第2号(2017年2月号)

2016年12月25日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2017年2月号

『まんがタイムきららフォワード』2017年2月号、昨日の続きです。

『なでしこドレミソラ』、いい感じに課題を作ってきましたよ。佳澄の家で合宿をすることになった面々。そこで思わぬ出会いがあって、それは憧れの邦楽器バンド、AWAYUKIのリーダー、淡路雪菜さん。陽夜は音を聞いただけで、あわゆきさんの音だ、気づいて駆け出していくし、ええ、この子の入れ込みようがうかがえようもの。そして美弥も興奮しちゃって、ああ、この子にとっては憧れの三味線奏者ですわな。手本である、目標でもある。そんな人との出会い、きっと刺激になったことでしょう。さらには淡路の前で演奏することになって、ああ、皆の音が綾を織り成して、重なり、流れていく、その景色の美しさ。美弥の技量の足りないことも、その絵の面に表されて、ああ、豊か。美弥の自分の未熟を痛く感じ、ぐるぐる頭の中、いろんなこと思ってる、その気持ち、わかる気がするわ。これ、多分、演奏したことのある人なら、ああ、わかるわ、ってそんな共感、きっとあると思う。そしてそのアンサンブルに主旋律、陽夜が加わって、ああ、広がっていくね、そう思わされたところで、淡路から指摘されることがあった。ええ、これまでは、初心者の美弥、引っ込み事案の香乃、仲間に加わるまでに紆余曲折あった恵真などなど、この子らの問題や課題、それが描かれてきました。そして今回は、ひとり壁に直面してこなかった陽夜に課題が示されて、ああ、いいね、こうした指摘は貴重でしょう。これまでいろいろと悩んだり乗り越えるべきことに挑戦してきたりした彼女たち。ついに陽夜にその順番がまわってきた。ええ、この問題を自らのものとして受け入れ、乗り越えることで、彼女らのアンサンブルは本当になるのだろう。その予感がさせられる展開。とてもいい、大切な問いが投げ掛けられました。

『放課後のアルケミスト』、料理探求部を名乗りつつ、その実態は錬金術の研究にいそしんできた面々。その活動についにメスが入りますよ。風紀委員会。粛清だなんて物騒なこといってますが、なるほど、錬金術師が大暴れする世界です。風紀委員会だってそれなりに強権を奮ったりもするのでしょう。しかし、これ、ちょっと出落ち気味ですよね。だって、粛清だっていったすぐ後に、警備用ホムンクルスの存在が示唆されるわけですよ。敵意を向けたら迎撃するのだという。ああ、風紀委員会が危ない! さあ、いつ迎撃されるのか、どう迎撃されるのか、ハラハラしながら読んでたら、ああ、そうか、これ、まだ素材の段階。例の錬成鍋にいれてぶっ叩かないといかんのだな。ええ、風紀委の横暴に腹をたてた牧島の策ですよ。そのホムンクルスを、のうのうとその風紀委の目の前で錬成させるんだから人が悪い。ほんと、悪いやつだなあ。しかも、そのホムンクルス、結構たちが悪い。攻撃しても攻撃しても再生してしまう。って、これ、別に倒さなくてもいいのか。撤退したらいいのか。でも風紀委、撤退しないんだ。この子らも面倒だな。風紀委と料理探求部の共闘。というか、この漫画、ちょっとしたバトル漫画だな。とりあえずみんな普通の学生じゃない。なかでも普通じゃないのが山田で、ええ、今回も見事に山田による破壊が、やらかしが炸裂しましたね。ある意味ダイナミック。この思いっきりやらかす、その奔放さは、なんだか細かいことはどうでもいいや、そう思わせる威力ありますよ。

夢喰いメリー』、メリー、再始動ですよ。古いヒーローのお面を見て過去の記憶に遡っていったメリー。彼女と夢路の出会い。あるいは幻界に生じた異常、その発端が語られてきた、この一連の流れ。その先に、メリーが夢路と出会ってその胸に灯したもの。夢路がいなくなると寂しい、そう感じるようになった彼女の変化。門番としての義務、責任と、情を思いを知ってしまった。そんな彼女と夢路の関係、その接点としてヒーローの面があったということが語られたのですね。ああ、現界では夢路とレガレクスの戦いが続いている。押されている。ふたりともに押され、傷つき、いよいよ倒れるのではないか。ジョンの助けも届かない! そんな危機にですよ、メリー、現れて、その帽子からのぞくのは、かつて夢路とメリーを繋いだヒーロー、フォワードマンの面! ああ、ヒーローだわ。この漫画は、ヒーローをヒーローとして描く。強大な敵を前に、決してひるまない夢路がヒーローなら、そのピンチに駆け付けるメリーもまぎれもないヒーロー。今、ヒーローの帰還に、夢路、メリーの逆転を期待せずにはおられない。かつてヒーローに憧れ、そして今ヒーローを体現する、彼彼女の活躍を夢見ないではおられません。

『45分間の魔法使い』。突如来訪した謎の女。繊月理に用があるという。復讐だという。その女の繰り出す魔法。迎え撃つ理。その魔法を駆使した戦いは、空間を縦横に飛び回る理、それを追う謎の女の土魔法。見た感じ、あんまり鬼気迫る、そんな風ではなく、また柚木などは魔法の飛び交う戦いを前に、感涙にむせぶというのですから、なんでしょうなあ、なんか平和だよね。ええ、平和でした。謎の女、とっておきの水魔法が功を奏する! 文字どおり足をとられ、泥濘に沈む理! ああ、足をとめられてしまえば、もう勝ち目はないではないか。理のピンチ! そこに飛び込み、身をていして先生をかばおうとする茅子! ああ、いい子だねえ。しかし、ほんと、この漫画が緩くてよかった! やっぱりね、そうなんじゃないかなって思ってたわけですけど、謎の女、やっぱり理の友人で、桜楓、大学時代の同期だっていうんですね。ひとり面白い人が増えました。優秀でかつノリのいい、そんな人。これからの魔法の授業、なお楽しいものになりそう。そんなこと思わせるとともに、その夜、語られた理の魔法の教師になろうとした理由。ああ、ただ魔法を普及させるためではなかったのだ。この理の人情、人柄に触れるかのようなお話。皆の距離、ぐっと縮まるの感じさせられましたね。

2016年12月24日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2017年2月号

 『まんがタイムきららフォワード』2017年2月号、発売されました。表紙は『ハナヤマタ』。毛糸の帽子に和柄のマフラー。元気な子らの元気な雪合戦でありますよ。ヤヤの表情がいいですよ。好戦的! その雪玉、なるにぶつけるの? そしてマチから散々攻められてるハナですよ。もう、ほんと愛らしい。いい雪合戦風景であります。

『ちょっといっぱい!』、前回の放置エンド、ちゃんと続いたんだ! ちゃんと回収してもらえたんだ! ええ、放置されてた藍川さん。店じまいぎりぎり、暖簾を片付けようという時に発見されて、ほんと、もっとはやく入ってきたらよかったのにね。メニューはもうほとんど売れてしまってて、なのに藍川さん、お腹すかせてて、どうしましょう。もみじがね、具だくさんのチャーハン作ってくれました。居酒屋でチャーハン! まかないですね。まだ完全に店じまいしていない、そんな店内でチャーハンを食べる。みんなで食べる。そのにぎやか、わいわいとした食卓はしあわせそうで、皆の笑顔も素敵。藍川さんのことも大歓迎。ええ、とてもいい、そんな食事でした。もみじと藍川、ふたりの帰り道。家のこと話しあったり、食事のこと振り返ったり、それでふたりの距離の近さ、だんだんに近づいていく、そうしたことも感じさせられて、ええ、これは藍川にとっても同様だったのかもなあ、なんて思ったのでした。藍川、頑張りました。殻をやぶりました。よかった。と思ったら、翌日のこはる屋の様子ですよ。あ、これは藍川も参加する流れ!? ええ、ただではすまない、そんな予感がしますよ。

『ハナヤマタ!』、まさかのコスプレ回。冒頭の3000円前にしてすごい雰囲気漂わせてる勝さんの図もすごいんだけど、まさかそれを上回るインパクトがどかんとくるとか。さすが『きららフォワード』、D☆V雑誌、きららの名前は伊達じゃないぜ! よさこい部メンバーが、足りない衣装をまかなうべく演劇部に助けを求めたら、なんとハナは幼稚園児になっちゃった! いや、似合ってる、可愛い、可愛い。いけてますよ。後ろで照れてるマチちゃんも、ナイスナイス。で、ナースに仮装して嬉しそうなタミちゃんがいいですね。気にいってるんだ。ランとわ子、ふたりの衣装は、わりといい感じですよね。ミニフリル振袖とか、グッドですやん。と思うのだけど、やっぱりあきませんか。でもってここでボーナス、マチ、タミのスモック! うおお、これは似合ってない! うん、でもこれはこれでいいんじゃないでしょうか。マニア向けですよね? 今回はサリー先生の名誉挽回なのでありましょうか。勝に価格交渉しようというんですが、いや、そのフェイズは冒頭でもう終わっとるよ? ともあれ、ここでサリーに幼稚園児になりませんかというオファー。おお、今回はスモック押しか。ええ、次回はスモック祭ですね! いや、まさかそんなことありませんよね?

ゆるキャン△』、素晴しい。富士山を臨むキャンプ場、ふたたび! のっけから駆けてくる元気なふたり! あきとあおいなんですが、いきなりこけてるあきさん。うん、なにもないところでもこける。うん、なかなかにいい感じです。落ち着こう。先生、最高ですよ。途中、道の駅でベーコン、ブロックで買ってた。それ、あきにばっちりバレててね、あれでお酒飲むんですか? しどろもどろで弁解してる先生、可愛いなあ。あきに遠慮しなくていいですよ、お休みなんですし、そういわれて先生安心したんでしょうね、早速飲んでる! 最高や、この先生! またへべれけになりますのん!? ベーコン厚切りをざっと焼いてガブッ。ああ、やめて! やめてーやー! ああ、ベーコン、ブロックで買うたらいくらくらいするんやろ。ほんと、これはあかんわ。あー、先生、最高や。この漫画、すごいなって思うの、現地集合でキャンプ場にメンバーが集まる。ただそれだけのことで、なんでこんなに楽しいのん? なんでこんなに話ふくらむのん? というか、みんな自由すぎで、あき、あおいはアイス食べにいってるわ、先生はベーコンさかなに酒飲んでるわ、そしてリンとなでしこ合流して、焼きマシュマロ。ビスケットに挟むのか! うお、これすごいな、やってみたい。スモアってんだ! ほんと、自由。勝手にめいめい楽しんで、それを誰もとがめやしないし、むしろその自由が皆を仲間としてまとめてるみたいな感じさえあって、素晴しい。素晴しいわ。ほんと、最高だと思います。あとでベーコン、ブロックで買えるか、探してみよう。

『貼るカノジョ』、ゲストです。これ、ちょっとおかしかった。落ちの流れがいいですよね。カイロの精、きれいなお姉さんが見えるようになったという男の子が主人公。お腹が弱いという彼、冬場はカイロを手放せなくて、この子、しょーくんのカイロへの信頼と、そしてカイロの精のしょーくんに対する愛情。なんともいえないふたりの関係。そこに首突っ込んでくる合田さんなる女の子。ああ、この子、絶対しょーくん、広瀬のこと好きよね。合田に強奪されたカイロさんですよ。なんとか合田の腹から脱出しようと急に発熱してみたりと、その情熱よ。ああ、その情熱に応えようとするかのようなしょーくんの思いもこの上もなく盛り上がり、そうしたらさらに燃え上がるカイロさんの愛情。ああ、ふたりの間には誰も入れないの!? と思ったら、なんだこの落ち! やられた、あんだけ盛り上げ盛り上げ盛り上げて、ページめくったらこれ! すっころびそうになりました。いや、ほんと、これ、面白かったですよ。

2016年12月23日金曜日

『まんがタイムスペシャル』2017年2月号

『まんがタイムスペシャル』2017年2月号、昨日の続きです。

『ちんまり経理のヒメ先輩』。ヒメ先輩が機械もの苦手苦手で、かかってきた秀ちゃんからの電話、パソコン立ち上げてもらえます? そういわれて、あからさまに嫌な顔。ああー、苦手なんだなあってわかる。けど、今の子だったら授業でコンピュータ使うよね? とは思うけど、それでも苦手って人、きっといるんだろうなあ。秀ちゃん、資料を忘れた。なので、ネットプリントでコンビニに出力して欲しい。おおー、こういうのやったことない。しかも秀ちゃん、この作業慣れてるんだ。画面も見えないのに的確な支持出すとか、自分にゃきっとできねえよ。パコソン苦手で馴染みのない用語に戸惑うヒメさん、素敵でしたよ。でもブラウザはともかくブックマはあきませんよ。略称、こいつはあきません。ヒメ、ドラッグ&ドロップができない。死んだ母ゆずりなのか! 必死の思いでPC操作するヒメ。その鬼気迫る様子たるや尋常でなく、でももうほんとおかしかった。コンピュータ、もっと進化して、ヒメにも使いやすくこなれたらいいですね。

『お役所忍務のススメ』は、気配もなく忍び寄るおじさんの話です。課長の同期の大原さん。娘が忍者課のファンで、って、わー、よかったじゃん、しのぶー。そう思ったら、あ、娘の心を奪った……。そうか大原にとって忍者課は敵なのか。パパさん、影が薄い。それを気になさってるのか。でもそれを忍者向きの素養だっていってしのぶに褒めてもらえて、でも特段嬉しそうではない感じ? そう思っていたんだけど、ほんと、忍者大好き、いつでもポジティブ、そんなしのぶに師匠認定されるわ、さらには地味で目立たない、そのことを、問題なく当たり前を当たり前にこなしてるからと、それはすごいことなんだと評価してもらえて、ほんと、このしのぶの言葉、多くの人に元気を与える、そんな言葉だったと思います。そして大原さん、娘にしのぶから師匠と呼ばれたこと伝えたら一気に株があがって、影薄くなりたいって……。いや、悩まなくっていいっすよ! 少なくとも、しのぶ的価値観じゃかなりいけてるわけですから!

『君のパンツに一目惚れ』、ゲストです。絹森萌黄君。入学式、後ろに座ってた女の子から素敵だったからって声かけられて、一瞬喜んでみたものの、素敵だっていうのはパンツのことだった。パンツのゴムのところに、名前とそれからクマのワンポイントが刺繍で入っていて、母ちゃんめ、やりやがったな、ってなところなんですが、なにが縁になりますものか、女の子に気にいられてしまった。しかもこれがきっかけで、クラスでのあだ名が決まってしまって、それがクマパン。本名より先にクマパンが定着してしまった……。つらい、つらいな、絹森。でも、女の子、それもかなり可愛い女の子、小桜つぼみにそんなにモテて、よかったじゃないか、といってもつぼみが好きなのはクマのパンツなんですが、ねえ、そもそもなんでパンツが露出しとったのよって話でもあって、つぼみには見せパンと思われてたし、母ちゃんに文句いったら、なんでパンツ見えてたの? ほんと根本のところを反省させられることになる……。萌黄、なんだかんだでつぼみと繋り持ててよかったじゃん、というのは外野の無責任な感想なんでしょうね。本人は思い悩んでいて、しかもクラスからはつぼみから告白されたと勘違いされていて、このなんともいえないナンセンス。おかしかったです。

『アテナの初恋』、素晴しいわ。地上の情報を収集するフクロウ部隊を統括するグラウクス。本人もフクロウなんだけど、その功績が認められて人の姿になれるまでになってるのか。すごいよな。こういう設定、神話から汲み上げて、こうやって漫画にして面白く読ませてくれるのもまたいい感じで、このグラウクス、アテナのことをね、お奇麗になってって褒めて、お、いい感じじゃん、そう思ってたら、え!? お世辞なの!? まさか、これが後々に効いてくるとは思いませんでした。元鳥だからと部下から疎まれたり、さらにはハメられそうになったり、でもこうした悪意に慣れてるんだろうなあ。グラウクス、アテナの目の前で、アテナの力も借りず、全部自力で解決しちゃった。そんなグラウクスのさらなる出世を受けて、アテナ様、お前みたいな部下を持って誇りに思うよ。その言葉、アテナの本音もちゃんと理解しながら、お世辞とわかっていても嬉しいものですね。ああ、部下と上司という関係を維持するためなのかい? あるいは? ええ、人間も神様も失敗しながら成長していく、最後の言葉が素敵でした。アテナ、グラウクスの誉め言葉、お世辞なんかじゃないって気づいたんでしょうね。

メェ〜探偵フワロ』、めちゃくちゃ面白いよ。フワロ氏、このところ小説の分野で活躍していたけど、やっぱり自分は探偵がいいのだと、そういってホールスの事務所に押し掛けるってんだから困ったおっさんです。じっと座って思索をめぐらせるホールスの周囲をぐるぐる歩いてみたり、って、それで羊数える効果が発生するのか! すごいな、ちょっとした必殺技じゃん。ほんと、ホールス、ペース崩されっぱなし。イライラが募っているの、ものすごく伝わってきて、しまいには我慢強い彼も降参してしまう。フワロ氏の捜査のやりかた、興味もないのに聞いてるホールスが不憫。しかも、その手法っていうの、途中からセクハラトークになって、あからさまに興味を失ってるホールスがすごい。めちゃくちゃ面白い。全然話きいてない。最高だ。そして、ホールスからフワロに譲られた人探しの依頼、これがまたすごい。うおー、往年の女優、どう見てもヴィヴィアンじゃん! フワロ、思いっきり拒絶するけど、あまりの展開に、ホールス、状況理解できてへんし! ヴィヴィアンに引き合わせた時も、ホールス、顔色失ってますよね。ほんと、予想もしないヴィヴィアン落ちに心底やられました。そしてヴィヴィアンの驚愕の過去! あー、そうか。じいさんへの愛の終焉、それが彼女をここまで変貌させたのか……。ちょっと切ない恋の挿話。そして新たな恋の育まれている今、ああ、ヴィヴィアンのその情熱! ちょっとフワロ氏には届かないようですねえ。

  • 『まんがタイムスペシャル』第26巻第2号(2017年2月号)

2016年12月22日木曜日

『まんがタイムスペシャル』2017年2月号

『まんがタイムスペシャル』2017年2月号、発売されました。表紙は『恋愛ラボ』リコがですよ、届いたナギからの年賀状、掲げるみたいにして、その表情の晴れやかさ、ああ、嬉しいんだろうなあ、嬉しいんだな、生き生きとその様子が見えて素晴しいですよ。『ざしきわらしと僕』は裕貴とざわ子が一緒にコタツに入って、あたたまりながらミカン食べてます。キボちゃんがミカン転がしてるのもなんか面白いですね。そして『ちんまり経理のヒメ先輩』、ヒメ、お年玉のポチ袋持ってくいって首をかしげてる。もらったの嬉しいのかな? どうなのかな? ちょっとからぬこの表情。あれ、私、お年玉もらっちゃっていいのかな? みたいなこと思ってるのかな、なんていろいろ思わせるその表情、とてもいいと思います。

『ローカル女子の遠吠え』は富士山の話題。雲春、この人がまたやらかしました、っていうんですが、いや、この感覚は県外の人間にはわからんのじゃない? 静岡側と山梨側、ふたりの富士山過激派の前で、富士山の帰属にかかわる質問をしてしまった。いや、しかし、これ、まさかの展開でした。あの辺の県境は曖昧なままなんですよ。って、マジで!? そんなことってありえるの? 8合目から上は浅間大社の所有地だから静岡のもの。これに対し山梨側の言い分は、神域だから所有権を主張するのは野暮。これ、つまるところ、山頂は静岡ってことなんじゃないの? ほんと、この富士山に関しては譲る気のない過激派ふたりのやりとり。これはなかなかに片付きそうもない県民感情感じさせます。そしてお参り、初詣。りん子のなんともいえない絵馬。でも、これ、天は自ら助くるものを助くだそうですから、むしろよいのではないでしょうか。って、これ、西洋の諺か。最後の、新しい手帳に向かうりん子の真摯さ、これとてもよかった。でもって反省? 今回はめずらしくはっち優勢ですね。

『課長と私のおかず道』、保志さん、椎名につきあってといわれて、ああ、頭が、理解がついていってないですよ。今度の日曜ヒマ? 空いてますがと答えたら、待ち合わせ10時といって無理矢理予定いれられた。うおお、こんなのありなんかー。すごいカルチャーショック。自分なら、暇だが貴様のために割く時間はない、っていって断るパターン。うん、それだけに保志さんの善良さがわかろうものです。保志私服、シンプル、オーソドックスで素晴しい。対し椎名のチャラいこと。もうすぐ姪の誕生日だから、プレゼントを一緒に選んでくれ。なるほど、これが警戒させない言い訳ってやつか。ともあれ、買い物から食事になだれこんで、昼食はスパニッシュオムレツ、ここでもおかず道を、ひいては南条課長のことを忘れない保志ですよ。なんだか複雑な気持ち抱えながらも、その正体には気づかない。そしてそれは、保志と椎名がデートをしていたらしい、その話を聞いてなにか思うところあるっぽい南条課長にしても同様なのかしら。ええ、恋に、愛に、奥手な、あるいは不器用なふたりでありますよ。

『おしかけツインテール』、冒頭、テストの点数が下げってきてる花梨と、このところ調子がいい、ベストの点数とっちゃったっていう杏夏。それがふたりとも同じ点だっての、しみじみ面白く、ほんと、でも、杏夏、悪い子じゃないなあ。一緒に勉強会しようって誘ってくれた。ほんと、最初はあんなに意地悪そうに描かれてたのに、全然そんなんじゃないよって、口でいってるような悪い子じゃないよって、むしろいい子だよ、なんてたって友達ってやつだよ、そんな風に描かれるもんですから、花梨が杏夏と違う高校にいこうとしてると知って、ああ、青天の霹靂、ショック受けちゃってるのがですね、ほんと、いい子だなって、ずっと一緒にいるつもりでいたのに、困っちゃったねって。その困った気持ちと、応援したい気持ちの板挟み。こんなの見せられたら、すっかり杏夏のこと好きになっちゃいますよね。短い中学編。これで終わりだそうですが、杏夏、今後本編にも出てきたりするのかなあ。そんなこと思わせられて、ほんと、今、再会したら、どんな風になるんだろう。杏夏、きっといい表情見せてくれるだろうって思うんですね。

『ざしきわらしと僕』はコタツの魔力。バドミントンしようぜってやってきた希が、0.03秒でコタツに吸い込まれる。すごいな、そんなにか。コタツは暖かいだけじゃなく、いろいろ便利。そうした話もしてますけど、それよりもコタツに入るとなにか距離が近づいてるように感じられる。そんな雰囲気が素晴しい。お婆ちゃんにご飯食べてくか聞かれて、希、晩ご飯およばれです。おでんを食べるんですけど、熱いおでんをはふはふいいながら食べて、すっかりあったまっちゃって、コタツから出るどころか廊下にまで出て冷たい空気に当たってるのね。この描写はすごかった。そしてちょっと大人っぽい希? ああ、裕貴が彼女の横顔に見たもの、どういう感情だったのだろう。ふくらみのある、いいシーンでありました。そしてお婆ちゃんに聞く昔の不思議な話。山崩れから村民を守った不思議な光る女の子の伝説。もしかしてざわ子では!? うん、思った、思った。だから裕貴がすぐに確認してくれたの、よかったですよ。でもざわ子には覚えがない。人違いなのか、あるいは本当にただ忘れてるだけなのか。わからないのだけど、ここからのざわ子と裕貴の雰囲気、それがとてもよくって、ええ、ざわ子は妹なのか。姉じゃなくって、妹でいいんだ。こうしたところに、ちょっとざわ子の余裕みたいなもの感じたんですね。

  • 『まんがタイムスペシャル』第26巻第2号(2017年2月号)

2016年12月21日水曜日

『まんがタイムきららMAX』2017年2月号

『まんがタイムきららMAX』2017年2月号、一昨日の続きです。

『こみっくがーるず』はかおすちゃんはじめ、皆の打ち合わせ風景を描きましてね、それはそうと、扉の編沢さん、べらぼうに可愛いです。いや、本編でも可愛いです。もう最高。さて、かおすちゃん、ネームを4本切ってきて、そのやる気やよしなんですけど、それぞれ、微妙に小夢とか、それから琉姫とかからの影響受けてるのがおかしくて、いや、だって、なんだか中途半端なのがね、おかしいんですよ。そして小夢の打ち合わせ、琉姫の打ち合わせ、そばで見る機会に恵まれて、しかし、編沢さん、小夢の打ち合わせにそんなにダメージ受けちゃうの。琉姫の打ち合わせでかおすちゃんがあわわってなっちゃうのは、うん、よくわかります。翼の打ち合わせがすごかった。言葉だと伝えきれないので、演じます。その演技力よ。編集さんは声援送るし、終演すればかおすちゃん、編沢さんも加わってのスタンディングオベーション。どんなにすごいの! めちゃくちゃ面白かったです。そしてかおすちゃん、ついに連続ゲストを勝ち取って、おお、どうなる。いや、まだ倒れないで! ええ、結果どうなるかわからないけど、頑張って! ですよ。

『すくりぞ!』、めちゃくちゃ面白い。1-Bは文化祭でウェディング喫茶を執り行います。椿山プロデュース。もう寝子への気持ちを隠さない。というか、肝心の寝子がすやぁすやぁって寝てるのがおかしくって、いやもう、ずるいっすよ。今回は、有能な椿山が大活躍。タキシード着て、うわあ、かっこいい。素敵すぎ。仕事もばっちり、もうほんとかっこいいんですが、寝子が近くにいると、あんな変態っぽくなるのか……。うん、絵面がすごく酷い……。そしてリンのにゅう様に対するアプローチ。これも酷い。いや、もうね、しかし、今回は好きという気持ちがどばどばと大量流出して、てんやわんや、でもって皆はドレス姿で可愛いしと、おかしい、可愛いのごっちゃまぜで、ほんと力一杯気持ちを揺さ振られながら読み進む思いでありました。素晴しかったですよ。ほんと、ものすごくカオスですけど、よかったですよ。

『魔法少女のカレイなる余生』も着せ替え回ですよ。リラ、もう着替えがないっていうんですね。やっぱ服とかもう着なくていいか、そんなこというリラですが、キャミソール? 意外や普通ですよね。ジャージとかトレーナーとか、そういうのでダラダラみたいにはならないんですね。今回もしじま、切れ味素晴しい。リラ、お姉さん。姉じゃわりーのか、凄むリラに似合わないと思っただけ、ほんと、思ったことをそのまま返す。すごいよね。今回は名言いっぱいでした。ささり曰く、服は女の子を至高へと止揚させるもの、アウフヘーベン! おお、かっこいい。これ、自分も真似しよう。アウフヘーベン! 皆を着せ替えしようという欲望を露にしたささりに大し、リラ、アブソリュートリィノーだ! かっこいい! これも真似しよう! 不思議とひきつける、そんな言葉の数々でした。そしてその後は着せ替えないしはファッションショー。ほんと、可愛く仕上りました。しかし、ささりが足りない、ささりが足りないんですよ……。ともあれ、わいわいとにぎやか、見た目にはなやか。素敵なエピソードでした。

『TCGirls』、いいですよ。アンが駄目になってしまいました。本人いわく、禁断症状。テスト前だというのにTCGに夢中だったせいで、カード類全部取り上げられて、そうなるともう我慢できない。デュエルができない。もう駄目だーってなっちゃって、勉強どころじゃないよ。そんなアンと一緒に勉強会。アンの強い要望でアンの家に集まることになるんですが、このアンの勉強の状況ね、本当に身につまされるもので、暗記科目は苦手、英語とか単語全然覚えられない、というのに、TCGとなるとすらすらカード効果が思い出せちゃうっていう、ほんと、これ、問題だわ。私もなんですよ。まいったなあ。他人事じゃないっす。夜になって、そろそろ帰ろうという皆を引き止めるアンがものすごかった。寂しいのかなあ。こういう素直さ、嫌いじゃないですよ。そしてついに禁断症状に襲われたアン。カードを見せても駄目、もう無理かも知れないってときにシオンが最後の手段使って、一気に元気回復させる、それどころかやる気完全充填でセメタリーから復活! 勢いあって、すごくいい描写でした。でもってテストも完璧にやっつけて、よかったなあ、極端な子だなあとか思ってたら、シオンがカンニングを疑ってる! 面白かった。これで、シオンもTCGデビューですかね? そして最後にダメージ受けてるニイナ。見せ場いっぱいでした。

  • 『まんがタイムきららMAX』第14巻第2号(2017年2月号)

2016年12月20日火曜日

『まんがタイムファミリー』2017年2月号

『まんがタイムファミリー』2017年2月号、先日の続きです。

『役職名はお嫁さん』、これ、獅子本さん、面白すぎだろう。出会いを求めるあまり、子連れ家族8割のイベント、もちつき大会にも負けずに参加するその前向きさ。前向きなのはいいけど、犬野から先輩から、不倫とかすんなよって釘さされて、さらには美如にも気を使われてたってわかってね、美如の意図を獅子本にいわずにはおられなかった犬野のその剣幕、ほんと、見事でしたわ。獅子本のギラギラとしたハンターの目。ついには孫持ちまで視野にいれるべきか悩む獅子を気の毒そうに見守る犬野。もう、たまらん。そんな獅子本についにチャンスが!? そう思ったら、まさかの展開!? いや、でも、明美さん、素敵な、素敵なママさんやん……。うん、飲みにいらして、獅子本さん。獅子本、美如がもちつきに誘ってくれたその理由を知って、なんか憑き物が落ちたみたいになってね、ああ、こうなったらほんと素敵な人なのになあ! ええ、この人、いろいろ損してますよね。いや、でも、余裕がない時はしゃーないですよね。ええ、獅子本さん、頑張って。

『レオタードって、恥ずかしくないですか?』、いいですよ。先輩ふたりが大会用レオタードを身につけて登場。おお、エレガント、エレガント。とても美しい。素晴しいです。あの後輩ふたり、とりわけちかがハイテンションになってるの、うん、わかりますよ。うん、ほんと素敵だものなあ。新体操でも応援ってやるんですね。確かに、音楽にあわせて手拍子とか、フィギュアスケートでも見るもんな。あんな風にやっていいのかあ。そして部長、五十嵐苺の演技。ちかと違って大きな声出せなかったりな。内気なこの子がですよ、リボンが絡まって、立ち止まっちゃった部長にね、こんなにも大きな声でガンバーって、ああ、とてもいい。シンプルな話ですよ。でも、それがこんなにもストレートに響いて、演技を終えた部長の、ちかの応援に対するお礼も、そして悔しさに泣いてしまうところも、すごくよかったと思ったのですよ。最後の落ちもね、あ、食べ放題は駄目ですか。うん、こういうのもとてもよかったです。

『パパとあそぼう!』は家族で買い物。パパはさくらと一緒に売り場から追放されるんですが、いった先はこどものひろば。そこで出会った鏑木君。いや、これ、面白いわ。鏑木君の連れてた姪っ子じゅりちゃん。ハルくんがさくらにいい顔見せたの面白くない。うん、じゅりちゃん、小さくても女であるのだな。じゅりちゃんはハルくんとデート。さくらちゃんはパパとデート? そう聞かれて、ちがう… いつもパパがついてくる。すごいわ。ほんとすごいよ、さくらさん。どんだけさくらの中でポジションが低いのだろう。そしてハルくん、鏑木君、お姉さんが怖い! うん、姉というのはこういうものです。ええ、ほんと、面白い回でした。最後のさくらのメールしといてっていうのも、うん、子供ってしたたか、しっかりものだわ。うん、ほんと、これは実感させられます。

『かしこみかしこみ』はハワイ! いや、いってません。温室でハワイ気分を楽しんでるだけです。このところ寒い日が続くから、というので、せめてものリゾート気分。プチ祈願のお客さんも自然とまざってきて、伊豆を思い出すなあ、って、なかなかハワイにはなりませんか! ハワイ力をあげるにはどうしたらいいか。その会議が面白かった。匂いでハワイ感を演出しよう。でも、山椒も奏衣様もお客さんも、ハワイにいったことがないのでその匂いっていうのがわからない。うん、私もわかりません。潮の匂いにしたらまた伊豆になるというので、トロピカルハワイなるアロマ入浴剤を導入。すっかりハワイ気分。お客さんもリゾート気分でリラックスでありました。ちょっとの工夫で日常にハワイ気分。楽しい遊びですよね。しかしこの遊びで、くたびれた気持ちが癒されたり、リフレッシュしたり。素晴しいですよ。ほんと、意図せぬプチ祈願、願いを叶えた奏衣様たち。この自然体がまたよいリラックス空間を作るのに役立ったのかもなんて思いましたよ。

  • 『まんがタイムファミリー』第35巻第2号(2017年2月号)

2016年12月19日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2017年2月号

『まんがタイムきららMAX』2017年2月号、発売されました。表紙は『ステラのまほう』。珠輝と水葉のふたり、これはいったいどういうシチュエーションなのでしょうか。珠輝の手にはタブレットのスタイラス。これは絵を描いている途中なのでしょうか。目にハートが入って、ちょっと赤面。なにか、素敵おじさまなど妄想なさってる? そんな珠輝の後ろから、ちょいと頬を指でつついてる水葉もなにやらおかしな感じ。ゆるんでる珠輝にクールな水葉、いい対照でありますよ。

『りみっつ♪』、ゲストです。清水リカは女の子に好かれたい。目指すはハーレム。しかし、モテるのは男の子からばかりで、女の子からはというと、むしろ嫌われているという。なぜか? って、いや、いけすかない子だよこの子! 自分の可愛さに自信満々。美少女の私が男子にモテるのは当たり前。なんていってるからだよ、女子受け悪いのは! 女の子に好かれるのは、隣のクラスの赤木さんみたいな女の子。スポーツできて、クールに見せて優しいという。リカ、自分のこと、愛想よすぎるとかいってるの、即座に幼なじみにして主人公? の森川ユリが、リカちゃん愛想よかったっけ? にこにこしてるけど、この子、結構キツいな! いや、だからこそリカとこうしてつきあえてるのかも知れませんね。最初、男子にモテる清水リカという導入見て、きららMAXで男子モテはめずらしいな! そう思ったんです。けど、やっぱりというべきなのか、路線は外さなかったようで、ええ、まずは赤木さんと仲良くなれたんでしょうか。いけすかない? そう思わせて、そうでもないというの、導入としてはいい感じだったと思います。

『こすもぱわ〜しすた〜めめこ』、ゲストです。なんというか、不思議な雰囲気、けどこれ、慣れてくると面白さがぐっと出てきますね。地球外知的生命体との交流が現実味を帯びつつある世界。しかし藤田むつきは、その宇宙人とすでにコンタクトを果たしていて、見た目は大きいおにぎり? いや、人の姿にもなれるみたいですね。むつきの空腹を察知したら大量のおにぎりを出現させたりと、結構いいやつ。この子、タイトルにあるめめこなのかな? むつきの友達、るりにみずの、みずほがよってたかって可愛くしてみたりと、特段目的があるわけでもない、そんなゆるーいコミュニケーション。それが不思議とおかしくなってくる。いい感触でしたよ。

『ことりステーション』、ゲストです。山口から東京に出てきた女の子、東雲千鶴。学内の放送、お昼の放送かな? それを聞いて放送部に憧れて入部を決意したのだけれど、目標は立派なシティーガール? でも、三鷹翼いわく、放送部はむしろオタクっぽい……。うん、これ事実だと思う。私の通ってた高校でも、放送部はオタクっぽさ強かった。いや、吹奏楽部も似たようなもんだったな……。つうか、文化部ってだいたいがそうなんじゃ? 話が逸れました。放送部、あかん感じでいいですね。部室ではゲームばかりやってる。都古ひばりは、放送部に入って自分の好きな音楽を流したい、わりとちゃんとした動機があるみたいなんですけど、翼は全校朝礼がサボれる。あー。わかるー。そして部長は隣の部屋でお休み中。千鶴も思わず大丈夫かとつっこむ次第。でも、このいい加減さ、悪くない。気にいりましたよ。千鶴の方言キャラ、これもいい感じ。いや、方言、可愛いですよ。方言、もっと打ち出していきましょうよ。また、この絵柄、タッチも悪くないですよ。

『ちきんはぁと』、ゲストです。女の子ふたりがじゃれあってる、そんな感じの漫画です。マコと希。マコが、好きな人ができたとかね、だからもうつきあえないみたいなこといっちゃって、おや、そういう関係? かと思ったら、いや、そういうわけではないのか。ともあれ、マコ、好きな人がいるのは事実。コンビニでバイトしてる……、女の人。さすがだと思いました。ともあれ、なんとかして関係を築きたい。それで希に助けを求めるんだけど、マコが本当にあかんたれで、いや、連絡先を渡すとかわりと難易度高いとは思うんですけど、それにしてもチャレンジする都度、旨塩チキン買ってくることないじゃないか。この、マコのあかんところ、と思えば希にはちょっと強気というかね、その親しい友達への距離感、なかなかリアリティ感じさせて面白かった。この漫画、あっちにこっちに気持ちを揺らしながら、結局は希のもとに帰ってくるマコ。そんな感じなのでしょうか。いや、それも腐れ縁っぽさ感じさせて、悪くないと思います。

  • 『まんがタイムきららMAX』第14巻第2号(2017年2月号)

2016年12月18日日曜日

『まんがタイムきららミラク』2017年2月号

『まんがタイムきららミラク』2017年2月号、一昨日の続きです。

城下町のダンデライオン』、アンジェリカの子供時代の話であります。誕生日のお祝いでしょうか、訊ねてきてくれた友人ふたりが帰ってしまって、少し寂しいアンジェリカ。友人と会うにも父の許可が必要など、いろいろ窮屈な毎日を過ごしている、そうした自分の境遇を受け入れている素直な子だったアンジェのもとに、見知らぬ子がやってくるっていうんですね。窓の外、バルコニーに落ちてきた。うお、茜様だ。まだ小さい頃の茜様だ。しかし、この茜様、後の人目につくことを怖れる彼女から知った人間にとっては驚くほどの快活さ見せておりまして、世界を救うだなんて面白いこともいっちゃう、そんな姿に戸惑いすら覚えるわけですが、そうか、あの事件の起こる前の茜様か。なんかしみじみと思いますね。籠の鳥だったアンジェを外の世界にいざなったの、茜様だったんですね。冒頭のアンジェのモノローグ。これは私が生まれた日のお話。これは、ただ誕生日であるのか、あるいは違うのか。違うのだと思う。誕生日かさえさだかではない。ただ、父にいわれるままに、お姫様であり続けた自分から、他の誰でもないアンジェリカその人となった日だというのでしょう。ええ、アンジェと茜様の馴初めで、そして同時にアンジェがアンジェとなった日。最後のコマのアンジェの表情がね、ぱっと明るくてとても素敵だったんですよ。

ラストピア』、島のお医者、ミレさんに会いにいきます。島の外からきたお客さん。昔はこのホテルに泊まっていたのだけれど、もうひとり一緒に泊まっていた人がいた。エミは覚えてないんですね。いつもの記憶喪失。そしてミレはその記憶喪失からの回復者だというんです。ああ、もしかしたら、そう思っていたことが確かになりつつあるのでは。なんて思わせる展開がありました。ミレの忘れてた人、それはフィマ。もう長くない。自分の死を悟ったフィマが選んだのは、この島で死ぬこと。そしてミレも死ぬつもりでいた。なのにフィマのことを忘れてしまって……、という、この島の記憶喪失の秘密。それは悲しい記憶を、バクが悪夢を食べてくれるように、切り抜くみたいにして忘れさせてしまうのではないか。そして、その悲しみに耐えられるようになったからこそ、ミレはフィマのことを思い出した……? などと思って、だとしたらエミの忘れてしまったこととは。ならばリッタの、ほぼまるごとすっぽり忘れてしまっていることはどういう? なんて思わされて、ええ、わからないながらも、なにか思わせる、そんなエピソード。フィマのことを思い出したミレの姿がたまりませんでした。

しましまライオン』は凛奈のエピソード。この子、すごいよね。唐突に人にされたというのに、ある種、誰よりもこの人の世界に適応している。そんな凛奈がアルバイトするっていいますよ。求人誌見て、どれがいいか、私らしく働ける仕事ってどれか選んでいく。それにつきあうえりなもいいですよね。凛奈がこれと決めた時のえりなの驚き顔が可愛い。そしてその仕事というの、なんと着ぐるみです。キリンの着ぐるみに入ってティッシュ配ってる。おお、これ、凛奈らしいって、確かにそうともいえる気がする……? そして隣のシマウマ。厳しい同僚って感じなんですが、中身はえりなか! うおお、めちゃくちゃ面白いシチュエーションじゃないですか。これね、凛奈とえりな、なんだか近しくなってますね。天真爛漫凛奈。動物に戻りたい、その気持ちは今も失っていなくて、でも動物に戻ったらえりなとこんな風に一緒にいられない。それはやだなぁ。そんな凛奈の言葉を聞いた、えりなの神妙な顔。それがすごく印象的だったんですね。この漫画、元動物の彼女らのコミュニケーション、鮮かで、彩り豊かで、情愛も深く、とてもいい。ええ、凛奈、えりな、とてもいいですよ。

『広がる地図とホウキ星』、素晴しいな。リン、登校中にゼルダを拾います。ゼルダもちゃんと下宿先見つけられたみたいで、でもどんなとこに住んでるんだろう。気になってたんですが、まだ明かされなくって、気になりますねえ。学校で、お昼休み、同じクラスのヴェリがケンカに魔法を使おうとしてるの見て、とめにはいるリン。電気の魔法か! それ食らったらトウモロコシがポップコーンになって、しかも静電気で体にくっついてるの。なんだ、このほのぼの。ケンカも立ち消えですよ。ヴェリ、魔法を使うと気弱になるんか。また、ケンカの相手、先輩みたいですが、この人との話で選択実技があることがわかる。ええ、次の授業は選択課題ですよ。クエスト。最初のクエストは街の美化活動。なるほど、学校のシステム、テンポよく開示されて、ほんと、こうやって世界観、システムもろもろ説明して広げていくのうまいよなあ。舌を巻く思いがします。さらには、街の美化活動。破れてしまったゴミ袋、あわやゴミが街中に散らばっちゃうというピンチを魔法でしのぐ、その見せ方のうまさ、生き生きと彼女らの個性を、世界を演出しますよ。ほんと、素晴しい。見事、見事であります。

『お願い!ロイヤルニート』、ほたるの妹、弟がやってきてしまいました。上は小学6年生。下は小2の双子まで、やんちゃで元気いっぱいの4人。そうか、ほたるは5人姉弟妹の一番上だったんですね。なるほど、道理でニートの彼女らの世話、くじけないわけだ。しかし今回は、年少の子らの前だからでしょう、ロイヤルニートの皆さんもとてもお姉さんぽく余裕を見せて、なかなかによかったのではないでしょうか。とりわけ、隙間妖怪ならぬ早乙女スイさん。消える板なる発明品で子らの気持ちをつかんで、そしてさらにはかくれんぼ。本人はね、すぐに見つかっちゃうんですけど、ほたるに見つけてもらいたかった一番上の妹、沙夜を誰よりも先に見つけて、そしてほたるに甘えたいという気持ち、それをすくいとってあげる。ああ、いいお姉さんじゃないですか。まだまだ引っ込み思案ではあるけれど、子らには好かれて、これをひとつの経験として苦手を克服していけたりしそうな予感させましたよね。いや、しかし、皆、いいお姉さんぶりでした。

カラフル・マキアート! — 魔法少女は戦わない。』。ひとり能力の決まらないみのり。この子の悩みを生徒会長、そして副会長が解消、でありますよ。あ、ごめん、いいすぎた。解消にはまだいたってない。熱中症? 疲労? でへばってしまったみのりを拾ってきた生徒会長。副会長の部屋でお話することになるんですけど、魔法少女のことコスプレと思ってる生徒会長が、早着替えだとか、いろいろ聞きたくてうずうずしてるのおかしくて、さらに生徒会長から以前の変身、あれがバレてしまうのではとピリピリしている副会長、これも実に面白くて、ええ、ふたり、本当にいいコンビだと思います。どことなくおかしなやり取りにはなってるんだけど、生徒会長、この人のみのりに対するアドバイス、結構的確? いや、やっぱりいいかげん? ともあれ、みのりの悩みを軽減したことには違いなく、ええ、いい先輩をしてるなあって思いましたよ。この人、コスプレだ、悪の魔法少女だなんだ、おかしなこといってる時はなんだかトンチンカンですけど、こうして普通にしてると優秀な人なんだなって再確認させられましたよ。そして栞。この子が、副会長の家の床濡らしたことあるの? 誤解されてる様子が本当におかしくて、こういうささやかな行き違いに発するおかしさ、実によい。ええ、この漫画のよさは、こうした会話の面白みにあるなあ。すなわちコミュニケーションのよさってやつだな。最後のね、生徒会長と副会長のやりとりもとてもいい。ふたり、本当にいい友達なんだなって、見ていてとても心暖まるものありました。

  • 『まんがタイムきららミラク』第6巻第2号(2017年2月号)

2016年12月17日土曜日

『まんがタイムファミリー』2017年2月号

『まんがタイムファミリー』2017年2月号、発売されました。表紙は、ああ、もうお正月ですね。『大家さんは思春期!』、チエちゃんは書き初めをしてまして、その文字は節約! ああ、夢のない言葉! でも、それがチエちゃんらしいわ。『牧場OL』南はお雑煮、お餅を食べまして、しかし、正月太り? 白いパーカー、頭にミカンで、南自身が鏡餅みたいよ? そしてひとり晴着、『月夜にカカオシガレット』の小鞠。ええ、とても娘らしくて素敵です。手にした羽子板には伊万里さんが飾りとなって、ええ、華やかなワンポイントになっています。

大家さんは思春期!』、先輩になったチエちゃんの悩みというか活躍ですよね。下級生とどういう風にコミュニケーションしたらいいかわからない。これ、チエならではの悩みなのではないか、なんて思ったの、この子、普段は年上の人に囲まれて、それも先輩とかいうレベルでなく、前田さん、麗子さんといった大人たちでしょう。さらにいえば、商店街のおじさん、おばさん、お年寄りとの馴染みも深い。反面、年少、ええと、年の近い年少ね、そういう付き合いは薄そうだものなあ。クラブ活動なんかも、この料理部がはじめてでしょう。慣れてないのもわかろうものです。しかし、あの車道側にたって手を引くとかね、なんという素敵先輩! うわあ、これ、チエを憧れてる、というか崇拝? 信仰? そんな後輩からしたら、嬉しい通り越して感激感動ってやつなのかい!? なんて思われて、いや、なんかご利益? そっち? 現世利益? ほんと、チエ、どんだけ崇拝されてるの。でも、チエのあの対応は正しかったんじゃない? なんて思われて、いや、どうなのかな。もっと親しみもって近しくコミュニケーションできるようになるの、目標にしてもいいんじゃないかな、なんて思われて、でもコミュニケーションの発端としてはこれでもいいかもですね。

『妹のおシゴトは時給2000円』、なんかまたおかしなことになってる! 5本指靴下をはいているせいで、兄、いや兄を演じる只野に泣かれる。口答えしたら時給を減らされる。いや、それ、最低賃金割ってるから! しかし、今回、見栄張りミエ子の友達問題、ちょっと路線変更して解決に向かうのかななんて思わされて、あれ? なんか違う? いやね、あのお金ばっかりかかって、なんか薄っぺらい友人関係。スマートフォンの故障でその方面の人間関係から離れて、地味で素直そうな子との友情育む、そんな方向にシフトしたんじゃ? って思わされたわけですよ。しかもリアル妹。いわば妹の先輩に、妹としてのあり方について教わろうという。って、これ、ほんとおかしな話だな。自分でまとめてて、なんかおかしくなってくるぞ。しかしこの衣々子さん。なんか妹として兄に過剰? そうしたもの感じさせて、そしてさらには兄が只野を嫌っている!? というか、この兄、いわゆるシスコンってやつかい? ええ、この子のふるまい、只野には全然通じない、参考にはならなかったっていうのがいい落ちでした。

『かなみ育成中』、もしかしたら大進展!? これまで、イベントだ、恋愛だ、彼氏作るぞ、みたいなこといいながら、おかん属性だかなんだかのせいで、まったくもって微塵もちっとも動かなかった彼女らの状況がですよ、動いた!? 動く!? マジか! 信じられない! 保育園のクリスマスの準備。これが当面のミッション、弟、妹のためになる活動ですよ、そりゃ叶美も頑張るでしょう。そう思っていたら、おや、動いた? いや、最初はなんかおかしな話かと思ったんです。いかにもあやしい風呂敷にいっぱいのおもちゃを包んで担いでいるあやしげな男。子供の敵認定から不審者を見る目にグレードアップする叶美がすごくいい。さらにおもちゃの在庫がないという話を聞いて、憎しみを深める、そんな叶美が素晴しい。いい子だわ。可愛いわ。このあやしい男の正体判明からの流れに驚かされたのでした。おもちゃのすみよしの息子さん。クリスマスにはサンタクロースになって、子供たちにはおもちゃ。叶美たち三人にもプレゼントをくれて、今日ぐらいは子供でいなよ。うおお、叶美が赤面だ。ウソだろ!? これまで、今まで、あんなにあんなであんなやった子やで!? もう、うろたえるレベルですよ。もう、完璧な展開なんじゃなくって!? 結が、さきが大盛り上がり。これ、叶美も悪くない雰囲気で、ああ、叶美さん、先に進んじゃうんですか!? いや、そう簡単には進むまいとも思うんですよね。いや、しかし、これはすごいわ。山の動く日きたる!? 穏やかではいられません。

『広島さん、友達になってください』。いいですね、カープに夢中。お母さんが、タミちゃんが、カープ、カープと騒いでる。あの優勝パレードがよっぽど心に残ったのでしょう。反面、キミちゃんはやたらネガティブで、軽々しくファンを名乗っていいのか。さらには、私が応援することで勝てなくなったら!? いや、後者は私もよく思うので、あんまりこの子のこといえないなあ。なんて思っちまって、ねえ、思いますよね? ない? そんなキミが、カープ優勝の録画を見て、ちょっと高揚しているその様子、いいですね。しみじみと、ちょっとずつ、気持ちが色付いていくキミ。その変化する速度の違い。本人いわく、熱の伝わり方だっていうんですが、いいですよ、これ。絵に、漫画に、その様子がしっかり表現されている、そう思わされました。静かで、しかし実感のともなったキミの共感に対する気持ちの表明。他のね、タミのね、すごくストレートな言葉も面白いんですけど、そこに静かなキミが対照的なよさを打ち出して、とても魅力的でした。キミがスロウで、しかし誠実であるところが肝であるな。そんな風に思わされました。

  • 『まんがタイムファミリー』第35巻第2号(2017年2月号)