2016年8月1日月曜日

カラフル・マキアート! — 魔法少女は戦わない。

 緑谷先輩が一番可愛い! じゃなくて、『カラフル・マキアート!』、めちゃくちゃ面白い! いや、緑谷先輩が可愛いのは本当ですよ。ちょっとしっかりしてる? そんな風なんだけどどことなくゆるくて、愛らしい。と、そんな具合に可愛く魅力的な女の子が5人、いや6人、7人と出てきて、なんだか面白いコメディというかコントというかを繰り広げている漫画であります。『まんがタイムきららミラク』連載。会話主体で進行する、その会話がとにかく面白い。読んでいて、ぶふふっ、と笑わせてくれる、そんな瞬間が幾度もあって、そしてそれは単行本で一気に読み返してみればなお顕著。ほんと、これ、よくできてる! 感心させられましたよ。

この漫画、ついつい忘れがちなんですけど、魔法少女ものなんですよ。高校生の女の子、桃瀬みのりが突然魔法少女に変身してしまったことからはじまる物語。けど、タイトルにもありますけれど、特段なにかと戦ったりするわけじゃなく、同じく魔法少女の先輩、同級生と一緒の部活でコスプレボランティアに汗を流します。うん、地味だ! すごい地味! でも、それがなんでこんなにおかしいのか、面白いのか。

テンションの差、温度差、とかのためなんでしょうか。魔法少女!? 変身!? スゴイ!! みたいになりそうなところが、周囲からはコスプレとしか見られてないし、なにかと戦う!? 平和を守る!? いや、そんなこと全然しませんよ? むしろ地域清掃とかしてる。魔法少女だ変身だと、かなり突飛な要素をぶちこんでおきながら、描かれるのは常識的で穏当な普通のことばかり。ほんと、一部常識から逸脱しかけてる人いますけど、そういう人も常に常識側に引き戻されて、無茶なこと常識はずれなことは許されない! そんなところがほんと面白い。

いや、だって、漫画とかライトノベルとかだと、生徒会が特権みたいなの振りかざしたりするじゃないですか。なのに、この漫画だと、見事に普通でまともで当たり前なんですよ。うおお、マジかー。こんだけ地味で当たり前な生徒会とか、なかなか珍しいぞ。けど、その当たり前であることがこんなにも面白さを引き出してくれるなんて!

素晴しい。素晴しいですよ。あと、生徒会長、めちゃくちゃ可愛い。

魔法少女のナンセンスあり、日常の会話、そのやり取りにあらわれるおかしみあり、そしてキャラクターのからみのキュートでおかしくてチャーミングなところ。まさしく見どころたっぷりで、コミカルな漫画を求めてる人、可愛いキャラクターの活躍を見たい人、そうした人ならきっと彼女らカラフル・マキアートのことを気に入る、好きになれるポイントをいくつも見つけられることだろうと思います。

ああ、そうだ。連載で読んでる時にはそれと意識してなかったのだけど、ひとつの事象を違う面から描いてみせるというの、あれ凝ってましたね! ああ、あのできごとの裏にそんなことがあったの! みたいに思うんだけど、やっぱりそれがおかしくておかしくて、もう好きにならずにいられない。こちらサイドもあちらサイドも、等しく見事に好きになってしまう、そんな組み立て、見せ方。控え目にいいましても、大変ですよこれは!

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